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テレビドラマ・バラエティ

ドラマ「ブラックペアン」

201806     TBS日曜劇場「ブラックペアン」は今日最終回でした。ニノのドラマはほとんどハズレがないし、なんたって猿之助がレギュラーで出る、久々に内野聖陽も、ってことで初回からきっちり毎週見ましたよ。

外科医渡海(二宮和也)は露悪的な天才外科医。さすが雰囲気つかむのうまいのと、芝居にメリハリがきいてて、よかったです。

初回、第2回と手術シーンに驚かされて、しかしその後は失敗手術にニノが出てきて鮮やかにフォローして患者を助けるという、ワンパターン(患者や家族のキャスティングがバラエティに富んでいて面白かったですが)。ブラックペアンの秘密解明はなかなか進まないし、佐伯教授(内野聖陽)もさほど出番ないし、むしろ一生懸命な研修医世良くん(竹内涼真)と、意外といい人で、教授たちからあれこれ無理言われて眉間にシワを寄せる高階先生(小泉孝太郎)の方が主役みたい。

しかし、やや強引ながら、最終回、全ての謎を解明してくれて、すっきりしました。「ブラックペアン」ってそういう意味だったのかあ。原作読んでいた人は全てわかっていたんですか?読んでなくてよかったです、面白かった。

それにニノが、最終回にいろいろな表情を見せてくれて、ちゃんと主役としてドラマを引っ張っていたのがよかったです。比べては申し訳ないですが、部屋でうろうろするばかりで、最後は浅野忠信に持っていかれた「A LIFE」よりはずっとよかったですね。

いや、2回見たら、さすが内野聖陽は迫力ありましたね。セリフの重みがちがうし、ちらっとでしたがアフリカのワイルドな佐伯教授もかっこよかったです。こう持ってきたくて、これまで抑えめだったのか。

最後までいいところのなかった黒崎教授の橋本さとし。ほんとにミュージカルで主役やってる人?そしてあのステージアラウンド第2弾のメタルマクベスに出る橋本さとしだよね?(いや、間違えるとしたら橋本じゅんだからちがうし)。変貌ぶりが楽しみです。

ところで、わが西崎教授(猿之助)、わかりやすく傲慢で、「実は」的なところのない敵役。自らカエサルを操作する回では、秀才のプライドとか、頭のいい人が失敗しておろおろする感じがリアルで、客観的にはみっともなくてなかなか見ものでした。しかしなあ、私が歌舞伎をみたことのない「ワンピース」ファンだったら、こんなイヤミなおじさんがやるルフィなんて誰が見るもんか、って思いますね。

ドラマ「黒井戸殺し」「アンナチュラル」

2804kuroido    最近のテレビは面白くなくなったとか、よく言われますが、きちんと作られたドラマは昔のものよりも面白い、と思います。

その思いを新たにしたのが、4月14日に3時間半という長尺の枠で放送されたフジ「黒井戸殺し」三谷幸喜がアガサ・クリスティの「ロジャー・アクロイドの殺人」を原作に、昭和27年の日本の地方を舞台にドラマ化したものです。長時間なのでちょっとたってから見て、結末を知ってまた見ました。

地方の富裕な紳士黒井戸氏(遠藤賢一)が自宅で殺されました。親族(草刈民代、向井理、松岡茉優)、使用人(寺脇康文、藤井隆、余貴美子秋元才加)、客の作家(今井朋彦)がみんな容疑者。黒井戸氏と親交のあった医者柴(大泉洋)は、この村に滞在していた名探偵勝呂氏(野村萬斎)とともに、謎を追いますが…。

癖のあるせりふ回しの萬斎さんに振り回される大泉洋って、それだけで面白く、ほんわかしたおしゃべりの柴の姉斎藤由貴は不倫の件で大河ドラマを降板したんですが、三谷さんのたっての希望でキャスティングされたのが納得の雰囲気。

しかし、ラストでびっくりします。クリスティはけっこう読んでいたはずですが、全然覚えていなかった私は、大泉洋の表情の変化に仰天。語り手かつ探偵の相棒が犯人というのは、クリスティの原作発表当初物議を呼んだそうですが、さもあらん。それにしても、視聴者が一番心を寄せやすく、しかもその時間が長かっただけに、効果的でした。

とくに派手な場面はないものの、日本的な豪邸といい、きれいな自然といい、三谷さんの念入りなキャスティングで、ほんとに見ごたえのあるドラマでした。ほかに吉田羊、浅野和之も。春海四方も僧役で出てましたね。

(秋元才加は、山本耕史と「モーツァルト!」で共演していて、慎吾ちゃんが山本耕史の結婚祝いとして芸能人をいきなり電話して呼ぶという番組にも出ていたのでそこで三谷さんと会ったのかしら)

三谷さん、今年だけでお正月の「風雲児たち」、演舞場の「江戸は燃えているか」に続きこれですよ。その仕事の密度と質の高さ、ほんとにすごいです。


2804_2   さらに今頃ですが、前クールの一番人気ドラマ「アンナチュラル」をまとめて見ました。ほんっとうに面白かった!

遺体の死因を解明する法医学者たちのUDIラボを舞台に、毎回新しい事件が起き、どんでん返ししながら解決されるとともに、登場人物の過去が明らかになっていく見事な展開。

各回の話も予想外の展開にハラハラするし、かわいいのにきりっと信念を貫く主人公ミコトの石原さとみがすかっとしていいし、井浦新はあの繊細で体格のいいところがかっこいいし、市川実日子、窪田正孝、松重豊飯尾、のレギュラー陣はほのぼの、ゲストも隅々まで好演。北村有起哉もサイコーだったし、池田鉄洋は初めて認識しましたがそのうさん臭さ。

脚本は、「逃げ恥」の野木亜希子さん。複雑だけど破綻のないプロット、平易な言葉で新鮮に感じるセリフ、人間性や善悪についての深い洞察、この方天才です。

いや、ためてた録画、見てよかった。好評なドラマはそれだけのことはありますね。

大河ドラマアンコール「風林火山(2007)」

2017    昨年4月から放送されていたBSの大河ドラマアンコール「風林火山」、2007年の作品です。6月、猿之助強化月間((笑)から見始め、途中録画の抜けなどもありましたが、今月の最終回まで見ました!

「新選組!」もそうですが、2000年代は「どうぶつ奇想天外」を家族で楽しんでいたので、この時期の大河はほとんど見ていなかったんですね。内野聖陽も亀治郎も知らなかったし。紅白でGACKTがあの謙信の扮装で出てきたのがかっこいいけど異様だな、と思った記憶があります。

お話は、武田信玄(亀治郎)の隻眼の軍師山本勘助(内野聖陽)の武田家への士官から、川中島の戦いでの死までを描く戦国ものです。全体に男臭いドラマで、信玄の父信虎(仲代達也)、家臣千葉真一、加藤武、高橋和也、高橋一生、竜雷太、田辺誠一、今川家の谷原章介、伊武雅刀、そのほか松井誠、小日向文世、永島敏行等、画面が男くさいこと。

戦国武将とその家来を入れると、登場人物は多く、細かく見ていくとその後売れた人も多くて、昔からNHKはいいキャスティングしているな、と思います。個性的なおじさん役者たちを見るには楽しい大河でした。

しかし、ドラマとしては、中盤の(井上靖の原作小説では中心の)、信玄の側室由布姫(柴本幸)に対する勘助の思慕のくだりが決定的につまらないんですね。ストイックなまでに役作りをしている内野聖陽に対して、当時新人女優の由布姫の拙さ。なんでこんなに熱くかっこいい勘助が由布姫にという感がぬぐえません。そしてよく言われているらしいのが、佐藤隆太の妙な使い方。暗くて彼のよさを殺しているようで、ずっと出てるわりには意味不明でした。

ただし、GACKTが出てきてから、今のゲームやアニメ人気を先取りしたようなメイクとざんばら髪の美形謙信で、それなりに見てて面白かったです。ミスター大河、緒形拳の軍師がまたちょうどいい存在感に抑えていたところがすごいと思いました。

さて、亀治郎。これがドラマというか映像初出演ですよ。プロデューサーが「NINAGAWA十二夜」を見て決めたという話もありますが、そんなまさか。30才そこそこで図々しいけど魅力的な中年女を演じたあの舞台を見て、信玄にキャスティング、というのが信じられません。NHKに「亀治郎の会」の相当コアなファンがいて、何とか彼をメジャーにしたいと画策したのかなと想像しちゃいます。まあ、伝統芸能枠では、和泉元彌や橋之助(現芝翫)、海老蔵等が大河に主演してますが。

当時の亀治郎の評判はかなり悪いといっていいでしょう。大河ファンからは、見たことのない歌舞伎役者が大げさな演技で浮いている、とか、ブサイクだとか、カピバラみたいだとか(ショック!)。

若い頃はちょっと声の出し方もへんに見えるんですよね。何より、当時まだ女方が中心で華奢な亀ちゃんと、大柄で表情の乏しい由布姫の取り合わせが、なんとも。一応英雄色を好む設定で、由布姫も信玄を憎みながらも愛し…っていうのがかなり無理がありました。

しかし、中盤からは、徐々に貫禄が増していき、勘助とのツーカー感も気持ちよく、川中島前に出家した頃には、異様な凄み。「カメ流」には、スタッフと仲良くなって、カメラさんもよく映してくれたと書かれていましたが、そうかもと思えました。そうなる背景には、香川照之が、よろしくとあいさつしてくれたり、こまめにアドバイスくれたりしたそうで、猿之助はたびたび彼への感謝を書いてます。

そして、キャストをよく見ると、その後も共演したり、なかよくしている役者さんがいます。佐々木蔵之介(←この蔵さん、ほんとに合ってていい役です)、高橋一生(このドラマではそんなに目立ってはいないんですが、亀治郎は「カメ流」で、長いキャリアと実力をひけらかさない、難しいことをさらっとやる人、と絶賛しています)、佐藤隆太、池松壮亮、ワンピースの市瀬秀和、嘉島典俊。嘉島演ずる弟との別れは、1年間演じてきた絆を感じる熱いものでした。とにかく、この「風林火山」がなかったら、今のような猿之助の活躍はなかったか、もっと小粒なものになっていたでしょう。

その後の亀治郎=猿之助は、映像でも違和感なくしかし個性を発揮できる俳優となり、(まだ見ていない作品もたくさんありますが)「超高速!参勤交代」の吉宗は気品と包容力のある将軍だし、「花戦さ」は猿で我儘な秀吉だし。驚いたのは最近見た「龍馬伝」の龍馬暗殺下手人今井信郎役。幕末や明治の写真で見る、小柄で淡白な容貌ながら凄みのある日本人そのもので、あの画面からほとばしる異様な殺気、同じくらいの質量感のある従弟香川照之とのにらみあいはゾクゾクしました。

さて、「風林火山」では、父上、段四郎さんも天皇役でちょっとだけ出ているんですが、特筆すべきは関東管領を演じた左團次さん。享楽的で自分勝手な役柄にはまっていて(すいません)、意外に美形で最高でした。

ドラマ「風雲児たち-蘭学革命編」「監獄のお姫さま」「コウノドリ」

201801_2   元日の夜の、三谷幸喜がオール真田丸キャストで作った「風雲児たち」、期待以上の傑作でした。「解体新書」の翻訳ができるまでのお話です。

理想を追い求めて依怙地になる良沢(愛之助)が武士の雰囲気があり、現実的で柔軟でも真摯な玄白(新納慎也)が坊主頭も似合っていて、二人の対比が鮮やか。彼らを取り巻く人物が全て、脚本のうまさと、力量あるキャストの演技で鮮やかに描かれていて、90分があっという間でした。

表現としても、日本語辞書のない状態での翻訳という地味な作業の苦労を視覚的にもうまく見せていました。とくに「海綿」が秀逸で、以前お化粧用に本物の黄色い海綿を使ったことがあるので、すごく面白かったです。

思い出したのが、子どもの頃見たNHKの「天下御免」。山口崇が平賀源内、坂本九が杉田玄白、仲谷昇の田沼意次、ほかに中野良子が出てたりして、早坂暁脚本のほんとに面白いドラマでした。そこでも、たしか田沼意次は悪役ではなかったと思いますが、「風雲児たち」でも、草刈正雄の意次は全国の経済発展を図る名政治家。そして当時も大好きだった源内を山本耕史が天才ぶりをカッコよく演じてくれました。鉱山開発に関与していたのは初めて知りましたし、源内の歌舞伎作品「神霊矢口渡」は、今でも上演されているのは最近知りました(右近の会でも上演してました)。

ところで、2006年の「決闘!高田馬場」で猿之助(当時亀治郎)と出会った三谷幸喜は、いつか「風雲児たち」の杉田玄白を演じてほしいと、彼にこの原作マンガを送ったとエッセイに書いています。「カメ流」によると、「杉田玄白は亀治郎そのものだ」と。やりたいことはいろんなアプローチでやりぬくところが似てるんでしょうか(この記事書いたときは「良沢」だと思っていたのですが、玄白だったので修正しました。記憶っていいかげん)。これは実現しませんでしたが、同じころ、エノケンの偽物の芝居を、木梨憲武に演じてほしいとも書いていて、それは猿之助で実現したわけです。三谷さんが何を仕込んでいるのか、また次が楽しみです。

2017_2   10-12月期のドラマでは、クドカンの「監獄のお姫さま」。クドカンドラマの常連の小泉今日子、森下愛子、坂井真紀、満島ひかり菅野美穂たちが冤罪の姫(夏帆)のために真犯人(伊勢谷友介) を追い詰めていく話。監獄時代と現在を行ったり来たりしていて、小泉今日子と別れた息子のせつない場面もあったりして、しばらく録画がたまってたんですが、後半一気に見たらやっぱり面白かった!

50才の小泉今日子、小柄なのもあって、監獄や私服のさえないかっこだったりすると、やっぱりちょっとおばさんになったかなあと思うんですが、ふっとすごくきれいで生き生きと見えたりして、その変化がよかった。最終回のラストはとくに美しくて感動でした。菅野美穂もよかったし、久しぶりにたっぷり見た塚本高史(アニだ!って今でも思っちゃう)もかっこよかったです。

2017jpg  もう一つ、「コウノドリ」も全部見ました。前作も評判よかったんですが、見るまでは重いかなとやや敬遠、でも今回見たら、綾野剛も抑えたヒューマンなドクターだし、星野源大森南朋、吉田羊始めペルソナのスタッフが、人気者たちなのにちゃんとそういうお医者や助産師に見えて、ストーリーも原作の力でしょうが、リアルながら救いがあって、見始めたら一気でした。

松岡茉優、あのキャラクターに合っててとても魅力的でした(「あまちゃん」の若手が活躍してるの見ると、いまだに能年玲奈ちゃんを思い出しちゃいます)。あとちょっと気になったのが倉崎先生の松本若菜ですね。クールビューティ。

「リアル」と書きましたが、出てくる夫さんたちがちゃんと妻に寄り添ういい人ばっかりなのは残念ながら現実とはちがうでしょうし、お産の問題で夫婦に亀裂が生まれることも多いと思ってみていましたが、そういうことまで描くと、このいいドラマのテーマがぼやけるし、見ている方もつらいので、私はこれでよかったと思います。メインキャストが散り散りになったラストですが、続編もあるといいな。

ドラマ「トットちゃん」と「わろてんか」

Photo  10月から始まったテレ朝昼ドラの「トットちゃん」、山本耕史が出るので見てますが、ドラマとしてもとっても面白いです。原作の「窓際のトットちゃん」も読んだし、最近の「トットてれび」も見たし、題材としては目新しさはないと思ってましたが、そんなことありませんでした。

山本耕史はトットちゃんのパパのバイオリン演奏家。演奏時の立ち姿が美しく、コンサートマスターとしてあいさつするシーンがかっこいい!いきなりの結婚と、妻を閉じ込めるという展開にはびっくりでしたが、すぐに生活も安定して、浮世離れした雰囲気はそのままに、家族を愛する素敵な人です。わずかな登場場面でも、画面の中でぱあっと光ってます。出征の兵隊姿の丸刈りも新鮮でした(カツラでしたけどね)。

トットちゃん(豊嶋花)がうまい!子どもらしさの中に、後の黒柳徹子を思わせる仕草が出ていて、またかなりダンスのセンスがあるような動きも魅力的。マイペースなのに、育ちのよさを感じさせるセリフもすてき。ちょっとこれまでの日本の子役になかったうまさです。そのトットちゃんを押さえつける普通の学校からトモエ学園に転校してのびのびしているのがほほえましく、また、そんな学校あるかしら、というのを竹中尚人の校長先生がちょっとおとぎ話みたいで浮世離れしているのがまたいいんですよね。

乃木坂上倶楽部の小澤征悦、高岡早紀、凰稀かなめ、新納慎也とクセのある人たち。高岡早紀いい女優になったなー。凰稀かなめもかわいすぎる。

そして、舞台は疎開先の青森へ。何と中村メイコのおばあちゃん、いしのようこのお嫁さん、青森弁がきっつくてそれもまた。

脚本は大石静、さすがです。もうひとつ、彼女の代表作になるんじゃないでしょうか。

( 前作の「やすらぎの郷」も面白く見てたんですよね。途中失速する回もありましたが、八千草薫、朝丘ルリ子、加賀まりこが素敵だったし、富士真奈美もいいところを見せてくれました。野際陽子の遺作になりましたが、、彼女はちょっと現役感のある演技でした。)

Photo_2  一方朝ドラ「わろてんか」。吉本興業の創始者吉本せいがモデルとあって、お笑い好きの私、たいへん期待して見てたんですが、今のところぱっとしません。

松阪桃李、高橋一生、濱田岳、遠藤憲一、鈴木保奈美鈴木京香と、脇はすごいんですが、主人公がただかわいらしいだけ。子役時代もあったのに、笑いが好きってだけで、デキル子っぽい描写がなかったので、米問屋での行動が唐突感があるんですよねえ。とにかくどこかで見たような描写の連続。

脚本の吉田智子さん、恋愛ものが得意な東京出身の人。大阪のお笑い、というより笑いのセンスが皆無だなあと思います。せっかくの素材と出演者なのになあ。

山本耕史の「植木等とのぼせもん」

Photo    実際にどのくらい見られているかわからないけど、けっこう評判のNHK土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」。クレージーキャッツの植木等(山本耕史)とその新米付き人、後の小松政夫(志尊淳)の物語。以前の「トットてれび」同様、当時の番組の再現度がなかなかです。クレージーキャッツ、人気のピーク時はさすがに知りませんが、上品なコメディセンスあるメンバー個々はお馴染みでしたし、一時期はベスト盤をよく聞いていました。青島幸雄の突き抜けた歌詞、植木等の歌が好きでした。

私はもちろん山本耕史目当てで見ているんですが、彼の植木等の歌のうまさ、単なるモノマネに止まっていない、真面目な人柄を表現する演技がとてもいいです。「スリル」の続編や映画化が、小出恵介の件で望みが絶たれたのを埋め合わせてくれています。もちろん、父の伊東四朗、ハナ肇の山内圭哉、谷啓の浜野謙太といい味出してますし、志尊淳が健気でかわいく、植木等を敬愛する気持ちにあふれてて気持ちがいいです。

このドラマで、山本耕史という俳優の実力がまたちょっと広まった感があってうれしいなあと思っていたところ、ちょっと古い2013年のものですが、ファンにはおお、という記事を見つけました。長い大特集です。

朝日新聞GLOBE 突破する力 山本耕史

この最後のページが、演出家ジョン・ケアードさんインタビュー なんですが、レ・ミゼラブルのガブローシュのオーディションの話をしています。この役は生意気で荒っぽい少年なんですが、イギリスではすぐ見つかるが、日本の子はおとなしい、しかし、耕史は「まだ小さいのに自信に満ちていた。演じることが好きで好きでたまらないという様子で、すでに一人前のちいさな役者だった。自分をどんどん外に出して表現することを、当時すでに自然にやっていました。」。

←この感じ、猿之助と同じ!

そして、ケアードさんが日本で初演出した1980年代には、日本では古いミュージカルの歌い方、大きなビブラートが主流だったのに対し、「耕史は、ビブラートの幅を小さく抑え、ぶれずに力強く発声する歌唱法を身につけた最初の役者の一人だったと思います。しかも単に身につけるだけでなく、この歌い方を本当の意味で理解し、非常にうまく歌う先駆け的な役者になった。」

さらに、「彼には他の人にはない、特別な素養がある。一つは、お芝居をしている時に、非常にリラックスしていること。これは演技への自信からくるものでしょう。舞台で自然体でいられるということは、役者としてもっとも重要なことです。」

くー、さすが、名演出家、通り一遍の誉め言葉でない、耕史の特質を具体的かつ的確に語っていて、まさにその通りだと思います。ケアードさんは、その後も耕史と折に触れ会ったり、舞台を見たりしているそうです。ご自身の目の確かさを確認したことでしょう。

この記事では、ほかにも演出家、舞台美術家などが山本耕史をほめています。身体能力やキレのある時代劇の立ち回り、驚異的なセリフ覚えと、もともとの資質に加えて、影での努力、それを感じさせない現場での明るさ、共演者への気配り。このドラマでも、すごい綱渡りまで見せてくれました。

一緒に仕事をした人々から深い愛情を受けている彼、「植木等とのぼせもん」のスタッフにも愛されている雰囲気が感じられて、うれしいです。ネットでは、「どうしてもNHKは山本耕史を脱がせ、立ち回りをさせたいらしい」なんて言われてますね。

10月期はテレ朝の昼ドラ「トットちゃん」でもトットちゃんのお父さん役だし、12月にはメンフィス再演ですし、楽しみ!

猿之助@「伝統芸能の若き獅子たち(2010)」「ごごナマ」「スジナシ」

猿之助フィーチャーのこれら3本のテレビ番組、すべて9月12日の放映ということで(きゃあ、猿之助まつり!)、録画して見ました。

まず「伝統芸能の若き獅子たち 市川亀治郎」。2010年放送の番組の再放送です。猿之助襲名の2012年に出た「僕は、亀治郎でした。」という本では、この頃の話が詳しく出ていてゆかしく思っていたので、映像で見られて感激でした。

両者を合わせてみると、2009年から始まった亀治郎と3代目猿之助さんの新たな師弟関係、2010年初春からの澤瀉屋の演目の(しかも大作の)復活上演、そして四代目襲名へ、という流れがよくわかります。

2009年末、浅草新春歌舞伎の出し物として、二代目猿之助(初代猿翁)の「悪太郎」に取り組む亀治郎、化粧や振付に苦労していただけに、3代目が稽古を見に来た日、「(3代目から)『猿翁さんに似てる』って言われた」と、ぽろっと言うところがあります(「よかったですね」「似てるってだけだからね。でも…うれしいけど」)。しかし上記の「僕は、亀治郎でした。」によると、このとき、本当は三代目に「猿翁さんに似てるね。…猿之助、継いでね」と言われた、とあるんですよ!うわあ、それについて、猿之助がどう思ったのか、映像ははっきり語っています。それが見られるなんて。

父上の段四郎さんと、悪太郎の振付について話すシーンも、段四郎さんは「頑固で自分でいいと思ったことしかやらない」なんて後でおっしゃっっているように、素直に言うことをきいていないんですが、いつもテキパキ役者やスタッフに接する雰囲気とちがって、彼を溺愛しているという父にどこか甘えている感じがあって、またこれが貴重なものを見た気が。

そして、2月、博多座での猿之助18番の一つ「金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり) 」制作の克明なドキュメンタリー。猿之助ファンなら、彼が新作の苦心を惜しみなく見せるのは当たり前のように思いますが、ほかの役者ではなかなかありません。染五郎、獅童の姿、綿密に打ち合わせる囃方に傅次郎さん、そして不自由な体をおして通し稽古にダメ出しする三代目、そばに寄り添う笑三郎さん。三代目は、自分が半生をかけて作ってきたものが引き継がれるのを見て、そりゃ四代目を彼にするしかない、と思われたことでしょう。

衣装を着けないシルエットで、「金幣猿島郡」の最後の舞踊を少し踊っているシーンも素敵です。当時の華奢な(女形中心だったこともあるのでしょうか)亀治郎の動きの滑らかで美しいこと。白拍子の踊りではずっと膝を内側に曲げたまま、回転のときに少しも体の軸がブレないのがよくわかります。被り物が揺れないのが口伝だとか(「あ、言っちゃった」って)、なかなか誰にでもはできないでしょう。

化粧の筆が絵筆であることを説明してくれるお弟子の澤五郎さん、いかにも古風な番頭さんという雰囲気の方ですが、「隈取をするときは坊ちゃんも(猿之助さんと)同じようにやって…」の坊ちゃん呼び!あの大人数のキャストとスタッフをまとめ上げて細かい指示を出しているヒゲの濃い大人なのに。

NHKの午後のバラエティ「ごごナマ」は、ワンピース歌舞伎再演を前に、猿之助と尾上右近がゲスト。紹介に黒塚や四の切(狐忠信の回転は、先月のみっくんに比べてやはり格段の美しさ!)、二人が共演した連獅子の映像があったり、二人のほほえましい関係をうかがわせるエピソード満載で、さすがNHK、たっぷりでした。

質問コーナーで、「相手よりいい男だ」にYESと答えた猿之助、理由を問われて、「実際には彼の方が若くてかっこいいかもしれないけど、自分がいい男だ、と思って出なければ、お金を払っていただくお客様に失礼」。――ああ、なんていい言葉。どんな役でも常にドヤ顔の、究極のドヤ役者、ですもんね。

最後はTBSで深夜に放送された「スジナシ」。鶴瓶がゲストと台本なしの即興で観客の前で芝居をし、あとから録画を見ながら振り返りを行う、というシリーズ。

今まで見たことがなかったので、ほかの俳優と比較してどうかはわかりませんが、とある理事長室を舞台に、理事長カモイケ(猿之助)が政治スキャンダルで逮捕の危機、信者をどうする、と傀儡教祖(鶴瓶)と話し合うという設定を猿之助が強引に作り、関西弁を封じられた鶴瓶がタジタジとなるという展開。でも本人がいうほど何もできなかったわけではなく、ちょいちょい繰り出すジャブもあって、なかなか面白かったです。「カリスマに足りないものがない」なんて、へんなセリフもありましたが、力でねじ伏せた感じ。

振り返りで話す内容がやはり論理的で、ファン的にはそちらも見どころ。実名をちょっと変えて、政治批判だと言われないようにしてきた歌舞伎の技を使ったとか、スーパー歌舞伎の「大いなる詐欺師」のセリフを使ってみたかった、とか。

というわけで、いろいろな猿之助をみられた、たいへん充実した1日でありました。

亀治郎/猿之助関係のコンテンツを検索していたら、こういうのもありました。玉木正之さんの亀治郎インタビュー初出は2001年です。亀治郎の言っていることは、驚くほどその後と同じなんですが、それより注目は、2000年頃のスーパー歌舞伎「新・三国志」で本水の立ち回りをした直後の亀治郎の顔についての、玉木さんの以下の記述。

「…そのとき花道に立っていた役者の横顔がよかった。見事だった。まるで客席を睥睨するかのように、顎を突きあげていた。その姿は傲岸不遜のようでありながら、若き花形役者ならではの心意気と美臭が匂い立っていた。
 観客に媚びず、しかし、観客を侮らず、「何なら、もう少し、お水をおかけしましょうか…」とでもいいたげな若者の姿に向かって、私も私の母親も、大きな拍手を贈ったのだった。
 これは、並みの役者にはできない顔であり、立ち姿である。出雲の阿国なのか、近松なのか、いつの時代までさかのぼるべきなのか、私にはわからないが、おそらく日本の歌舞伎という何百年かに及ぶ伝統というものが創りあげた顔であり、立ち姿といえるものに違いない。」

これですよ、これ。それから20年近くたっても、変わらない彼の魅力です。

そしてもう一つ、首都大学東京の高本教之助教の「三代目から四代目へ…「市川猿之助」覚書」 。分析的でありながら、ファン感情満載の面白い論文です。その一節に、2002年の第1回亀治郎の会のときの、三代目の評があります。「非常に才能があるし、努力家で頭もいい。ただ一点足りないのは、華が足りない。それから器量があんまりよくない…(それは自分で克服すべき)…」。それに対して筆者は、今では四代目の器量が悪いというのは少数派のようであり、それは顔の造作云々というよりも「華」があるから美しく見えるいという種類のものであるからである。だから、彼の器量の良さは四代目が十年の歳月をかけて自身でえたものり、亀治郎が自ら獲得したもの、と書いています。亀治郎愛にあふれた記述ですよねえ。

このほか、天才子役時代のお話や、三代目が天才子役と評したのは富十郎、十八代勘三郎、亀治郎とか、興味深い記述が続きます。この論文、歌舞伎のもっと大きな話もしているのですが、今日はファン目線の記事なので、割愛します、すみません。

ちなみに、雑誌「演劇界」の、2012年の猿之助襲名についての座談会では、「ヤマトタケル」の四代目について、「三代目の女方は加役の面白さだったけど、四代目はきれいだから…」「あれなら熊襲も騙される、と思わせる」と評されています。そう、四代目の女方はきれいなんです!

四月大歌舞伎「傾城反魂香」「桂川連理柵 帯屋」「奴道成寺」2回目追記あり

2017   四月歌舞伎座、夜の部です。

(このときもじゅうぶん堪能したのですが、その後「奴道成寺」の幕見を見ようとして結局通しで見てしまいましたので適宜追記してます)

一本目は「傾城反魂香」。2012年11月に2度目の歌舞伎として澤瀉屋さん(おとく笑也、又平右近)で見ています。今回は又平 吉右衛門、おとく菊之助、土佐将監歌六、修理之助錦之助

  修理之助は、絵から抜け出た虎を見事筆の力で消したことで、師匠土佐将監から土佐の苗字を許されますが、兄弟子のどもりの又平は願っても許されません(そりゃそうだ、何もしてないし)。妻おとくと嘆く又平。又平何か言ってますが、ドモリすぎてて聞き取れません(すいません)。

さらにいろいろあって、又平とおとくは絶望的になり、死のうとしますが(それもね、何も死なないでも。師匠だってそれなりに見てくれているわけだし)、最後にと手水鉢に描いた又平の自画像がその裏に移るという不思議なことがあり、又平は見事、と土佐の苗字を許されます。節があればどもらないという又平の舞。

又平の吉右衛門、修理之助の苗字の話を聞いてがっかりするところ、師匠に嘆願する必死さ、そして死ぬしかないと決めた時のうつろな目、と、実直な男の哀しさを表現して余りある名演でした。

将監の歌六も立派で、威厳と情愛があいまって目を引きます。 錦之助、才気走った、又平目線でみるとちょっとイヤなやつ(言い過ぎかも)、でもこういう役で錦之助さんが出てくると、私、ちょっと得した気持ちになります。又五郎の御注進 雅樂之助も、かくあるべしという御注進でした。

おとくの菊之助、しっとりと美しく気品がありすぎて、世話女房というのは、この人の役ではないかもと思いました。将監の妻東蔵さんも、これまでに見た心優しい庶民の老妻役が印象深すぎて、将監の奥方としては若干バランスが悪いように見えました。

(2回目) とにかく吉右衛門さんを見よう、と集中してみてみました。又平の絶望と悲しみ、死を覚悟して筆をとったときの渾身の表情、土佐の姓を許された歓喜、豊かな声の口上と、男の感情というものをこんなにもさまざまに見せてくれるのか、と感動しました(ちょっと泣けちゃいました)。そして、毎日の舞台の積み重ねの賜物か、菊之助のおとくと握り合う手にほんとうに通い合う情愛がじんときました。

2本目は「桂川連理柵 帯屋」。帯屋の養子の主人長右衛門(藤十郎)を、金のことで苛める義母おとせ(吉弥)と長右衛門の弟儀兵衛(染五郎)。このおとせは、後妻なので長右衛門を育てたわけではなく、だから連れ子の儀兵衛と店を乗っ取ろうとして長右衛門をいじめているというのは後から知り、納得がいきました。

長右衛門が旅先でつい過ちを犯したお半からの手紙をネタに責める儀兵衛、「長さま」とあるのを信濃屋の丁稚長吉だとごまかす長右衛門の女房お絹(扇雀―キレイ!)、長吉(壱太郎)が呼ばれて、その手紙は自分宛だと言います。夜半、一人寝る長右衛門のところに忍んで来るお半(壱太郎)。お半は身ごもっており、実は死ぬ覚悟。察した長右衛門はお半を追いかけます。

前半はお登勢と儀兵衛のワルっぷりが痛快。吉弥さん、いつもキレイなのに。染ちゃんは昼は伊勢音頭のはずですが、夜はこの成駒屋興行の客演で、鴈治郎さん襲名の「河庄」同様、楽し気に毒づいていました。二人が父寿治郎さんに怒られて、かしわのすきやきで一杯やろうと出ていくところなどおかしくて。

長吉はちょっと足りない坊やなんですが、セリフが面白く、楽しめました。この長吉から後半のかわいいお半への切り替わりが見もの。壱太郎くん、見るたびに生き生きと、輝きが感じられて、今、何をやっても楽しいんだろうなあと思います。女形のときに、頭カクカク振りすぎなのはやめた方がいいと思うんですけど。

長右衛門の藤十郎さん、前半はいじめに耐えるだけなんですが、お半とのシーンはしっとりと、実際の年齢の差もあって、せつないです。お絹はいい女房だけれど、何もかも捨てて、お半とのことにけりをつける、その気持ちが伝わってきました。立ち上がる足許はおぼつかないながら、お半を追う足はしっかり。

(2回目) 2回目はお絹と長右衛門に注目。お絹のやさしさ、事情を知りつつ添い遂げたいという思いがせつなかったです。藤十郎さん、舞台写真で見たらすごく生々しい男の表情だったので、そういう目で見ていると、お半から身を引こうとしながらも、つい抱きしめるところは濃厚なラブシーンで、祖父と孫息子だってわかっていながらもドキドキしてしまいました。

最後は「奴道成寺」。猿之助の舞踊です。猿之助の体を自在に操る動き、「どうだ俺を見ろ!」という声が聞こえるようなキメ顔、立ち上る色気、所化(右近、種之助、米吉、隼人、男寅)たちとの楽し気な絡み、3つの面を早替えしながらの(後見さんもたいへんですがお見事!)超絶技巧、45分ほどなんですが、舞台いっぱいの桜と合わせて堪能しました。

大谷桂三さんの息子 龍生くんの初舞台でもあって、一人だけ小さい所化が元気にセリフをいう場面は盛り上がりましたよ。

(2回目) 展開がわかっているので落ち着いてみることができ、構成の妙にも感心。緩急とりまぜた変化が絶妙です。3つの面の場面の後見さんの動きもチェック。そして何より、評判をきいてリピートしたり幕見に駆け付けた観客たちの喜びが歌舞伎座を揺らす最高のクライマックスで、再見して本当によかったと思いました。黒塚と違って、少々のおしゃべりは許せますしね(笑)

売られている舞台写真は、ドヤ顔が足りないと思いましたが(昼の部参照)、舞台写真入りの筋書きはけっこうドヤっていましたので買いましたよ。編集の方、とってもたくさん奴道成寺入れてくださってありがとうございます。あ、「醍醐の花見」の松也のアップもほしかったです。

(おまけ)

帰宅してから、録画してあった、「美の巨人たち ―― 平櫛田中『鏡獅子』彫刻家の信念と覚悟~5代目尾上菊之助の思い」を見ました。あの、国立劇場の鏡獅子です。リアルな彩色がほどこされているので、木彫りとして傑作だとかあまり認識しないで普段横を通っていました(ちょっと場所が奥すぎて、席に着く直前に通る場所ですよね)。

田中(でんちゅう)さんは、1871年生まれ、108歳まで生きた彫刻家で、丁稚から高村光雲に師事した後、大成した方だったんですね。この大作ができるまで、6代目菊五郎とのエピソードが、映像や試作品で綴られて、感動でした。6代目、お腹はふっくらしているんですが、それ以外は美しい筋肉(ふんどし1丁で1時間もポーズをとったとか)。

まじめな菊ちゃんがゆかりの場所を辿るんですが、最後、鏡獅子のポーズをするんです。スーツなのに(スーツ姿だと、かえって一般の方と比較しての筋肉が感じられます)、くっと、歌舞伎役者のキメの姿勢がかっこよくて、惚れ惚れしました。こんなにキレイなお顔で、肉体にも恵まれて、まじめで、しじゅう人間国宝に教えられて、存在そのものが歌舞伎の財産ですよ、菊之助さん。

「スリル―赤の章、黒の章」

Photo  今クール、面白いドラマが多いんですが、さらにNHKで始まりましたよ、「スリル」。総合(赤の章)では小松奈菜主演、BS(黒の章)では山本耕史主演の連動ドラマ、というので、同じ話を視点を変えるのかな、と思っていたら、それぞれ別の話を、レギュラーは同じで全4話やるということでした(そりゃそうですね)。

  小松奈菜は、警視庁会計課庶務係で、詐欺師の娘。頭が切れて、刑事の小出恵介木下ほうかが扱う事件に首を突っ込んで見事な推理を見せます。山本耕史は、うまく立ち回ろうとして犯人に翻弄される弁護士。

事件は毎回のゲストが犯人なのですが(←ヒドイネタバレ)、ちょっとした推理と、キャラの面白さで気楽に見られます。黒の第1話は、忍成修吾くん、相変わらずかっこよかった!

小松奈菜もかわいいんですが、私としては、やっぱり山本耕史。貧乏弁護士っぽいんですが、どちらかというと間抜けで、ピンチにオタオタする表情がたまりません。でも黒の章ではしっかりアクションもあって、軽快な動きを見せてくれるし、何よりちょっとメッシュにしたヘアもファッションもかっこいいです。どうしてヤマコーがBSなの、ちぇ、と思いますが、まあこういうライトなドラマに主演してくれるのはうれしいです。

ゲスト次第でいくらでも派手になりそうなので、映画化しないかな。

(追記)

黒の章、最終回は大学時代のマドンナ(雛形あきこ)との絡みでしたね。アクションは少なかったけど、白井弁護士、冴えた推理を見せたり、切ない表情とかもあったりして、面白かったです。これで終わらないで、シリーズ化、映画化してほしい!

「カルテット」「おんな城主直虎」「東京タラレバ娘」「バイプレーヤーズ」「A LIFE」「スーパーサラリーマン左江内氏」

Photo_2   今クール、ドラマが面白くていっぱい録画してます。見きれなくて追いついていないし、評判がいいのを面白いって書いても当たり前なんですけど、いちおう書いちゃいますね。

【カルテット】

 まずは「カルテット」。 逃げ恥」の後のこのドラマの予告編を見たときは、サスペンスとか推理とか、めんどくさいので(!)見るつもりなかったんですが、第1話を見たらはまってしまいましたよ。

とにかく主演の4人がすばらしい。ありふれた人物ではないのに、リアルでかっこいい。満島ひかりの繊細な表情、高橋一生の絶妙なバランス、松田龍平、松たか子ももちろんいいです。毎回のゲストもひねってるし、吉岡里帆がここでも存在感。

そしてまるで舞台を見ているような、ち密なセリフの積み重ね。第6回は、クドカンが出てきて夫婦の出会いから破たんまでを見事に描いて絶賛されました。この俳優クドカン、今まで舞台も含めて見た中で一番素晴らしかったです。あんなに豊かな表情だなんて。今まで「自作と大人計画以外は出たりしないで脚本書いてて」と思っていたのが、ごめんなさい、です。

このドラマの脚本家坂元裕二って、すごい才能だと思うんですが、「東京ラブストーリー」は原作コミックの方がいいなと思いながら見ていた記憶はあるものの、最近のドラマは、「MOHER」とか重そうで、見ていませんでした。もったいなかったー。

(追記)

最終回の1回前での真紀さんの驚くべき過去が明らかにされ、カルテット崩壊か、となりながら4人は家族でもない、居心地のいい関係を続けることになった最終回でした。母親に捨てられそうになった子どものようなすずめちゃんの表情がよかったなあ。リアルタイムで見られて本当に良かったと思うドラマでした。ドーナツホールのレパートリーでは、ドラクエと「Music For A Found Harmonium」が楽し気で好きでした。

あ、大倉孝二の刑事さんが「富山県警から来ました」という設定なのは、どこでもいいんだけど「熱海殺人事件」へのオマージュなんだろうな。

おんな城主直虎

Photo_2   「真田丸」の後で不利なスタートとなった「おんな城主直虎」。家康や秀吉が大活躍していた真田丸に比べると、時代もあまり変わらず、登場人物も無名なので不利だと思うんですが、史実を見ると、小粒ではあるものの、かなりドラマチック。ここでも高橋一生が、大ブレイクか、という活躍で(ほんとは優し気な二枚目で、若い頃は人気でも30代後半になったら難しくなるタイプに見えるのに)、第三舞台の芝居で目を付けた私、さすが。一方、最近活躍でかっこいい三浦春馬がまさかの「爽やかクズ」と命名されてそれなりに盛り上がってます。

【東京タラレバ娘】  

Photo 「東京タラレバ娘」、最近コミックを一気読みして非常に面白かったんですが、見る前は、キャストに大不満だったんですよ。コミックは3人娘は33歳という設定なのに、ドラマの吉高由里子、榮倉奈々、大島優子は30歳という設定で実際28歳。一番きれいな時で、33歳の焦り感からは程遠いじゃないですか。じゃあ誰ならって、33,4歳の女優を調べたら(←そこまでやるか)、水川あさみ、深田恭子、真木よう子、ミムラ、栗山千明とかですよ。うーむ、ちょっと重いかなあ。

それから、KEYが坂口健太郎っていうのも、納得いかなかったんですよ。整ってはいるけど、キラキラしたイケメン感とか、吉高に対する年下感がない(実際3歳しかちがいません。コミックだと9歳くらい下という設定なのに)。意外と長身で童顔の松阪桃李くんならよかった!鈴木亮平の早坂だって、背が高すぎてサエナイ感がなさすぎです。

でもですよ、始まったら、けっこう丁寧にコミックのエピソードや人間関係を追っていて、好感が持ててます。坂口くんってさすが売れてるだけあって、繊細な雰囲気がちゃんとKEYっぽいし、なんか表情がせつない。榮倉奈々も大島優子も合ってます。大島優子が、店で通りすがりにてきぱきとグラス片づける手つきなんかいいなと思ったりして。丸井の田中圭も、映画バーのうざい男(あれは無理じゃない?髪型変えろってしつこく言うシーンも入れてほしかった。)もこみちもかなりイメージに合ってるし(もこみちさんごめんなさい)、わりと楽しみに見てます。

(追記)

リンコがもこみちと別れて落ち込んでいるときに、地域おこしのミニドラマ一生懸命やって仕事に目覚めるエピソード、コミックでも好きなんですが、ドラマで丁寧に描いてくれてすごいよかった!ミニドラマ自体もほろっとしたりして、吉高ちゃんうまかったし、坂口君の表情もさらにいい感じです。しかし、KEYと並んだ時、早坂さんにはちょっとずんぐりしてほしかった(←まだ言ってる)。このドラマのキャスティングの人、背の高い男性がよほど好きなんですね。きっと。

さらに第9話、ラストで泣くKEYを綸子が抱きしめるシーン、泣けましたねえ。セリフもよくて説得力があったし、坂口君の演技、吉高の表情。よかったー。

早坂さんと結ばれるべき、という声も多かったようですが、やっぱりKEYでよかったな。

【バイプレーヤーズ】

Photo  こちらも評判の「バイプレーヤーズ」。遠藤憲一、松重豊、「不毛地帯」で悪役ぶりを見ていたときには、あんなにいい人が板につくようになるとは思わなかったなあ(二人とも大河ドラマ「真田丸」や「八重の桜」でも活躍!)と思いながら、楽しく見ています。光石研も好きなドラマの常連で、大杉連は知った時にはすでに悪役は脱していたので、第5話で若者を一蹴するシーンはみものでした。寺島進も今油が乗っていて光ってるし、そこにトモロウのひょうひょうとした雰囲気がアクセント。

実名ものなのにぐだぐだにせず、しっかりお話を作っていて楽しめるところが素晴らしい。こういうドラマってなかったなあ。ジャスミンちゃんの話し方もかわいくって好き。

第4話は、清水富美加がヒーロー物映画の主演という設定でゲスト。あー、かわいくて生き生きとしていて、演技もいいのに、もうこういう姿を素直に見ることはないのではと思うと残念。第5話でも、初めて見る野村周佐藤日向ちゃんに好感でした。

(追記)

ようやく最終回を見ました。脚本、演出で活躍する岩松了さんが重要な役どころ。もうストーリーなんてどうでもよくて、6人のおじさんたちが生き生きと映画やドラマを愛する姿がとても楽しくて、いいドラマでした。

主題歌もよかったですね。オープニングの10-FEETの「ヒトリセカイ」、エンディングの竹原ピストルの「Forever Young」(ダサいタイトル)とも、私の好きなハスキーボイスで、甘さの少ないところがこのドラマに合ってて、よかったです。4

A LIFE ~愛しき人

「A LIFE ~愛しき人」。キムタク主演の医療ドラマで、この枠で「とんび」などいいドラマを作ってきたスタッフ、キャストも豪華ということで、一応見てます。キムタク自身は立派な天才外科医で面白みはないんですが、松山ケンイチが、これまでに見たことのないほど天然のボンボン医者だけど嫌味がないという役どころがはまっていて、見ていて楽しいです。浅野忠信も笑っちゃうほど屈折しすぎていて面白い。木村文乃もかわいい。

しかしほんとはキムタクでは往年の田村正和の「ニューヨーク恋物語」とか「パパはニュースキャスター」的なコメディを見たいんだけどな。

(最終回追記)

やっぱり松ケンと浅野忠信でつくってたドラマでした。TBSの日曜午後のキムタク役作りすごい番組にはちょっとひいてしまいましたが、ストーリーの回収は一番違和感のない形になってよかったです。お坊ちゃん松ケン、新しい魅力でした。すごい俳優さんですね。当初浅野忠信ってこんなに演技下手だっけ、とまで言われていた浅野さん、最後全部かっさらっていきました。手術シーンの話し方も、よく見る天才ドクタードキュメントの手術シーンを彷彿させて、リアルでした。乱れたヘアも、飲んだくれてる姿もかっこよかったし、美冬の手を握るシーンも感動でしたね。

スーパーサラリーマン左江内氏

Photo  舞台では大好きな(そのうちカテゴリつくるかも)鬼才福田雄一脚本・演出の、「スーパーサラリーマン左江内氏」テレビドラマは初めて見ますが、回を追うごとに、ここまでやるのかと自由な雰囲気。福田さん、脚本だけでなく、演出もなんて、先日「ナイスガイ・イン・ニューヨーク」を見たばかりのような気がするのに、すごい仕事量。

キャストも隅々まで妥協なく、ひょうひょうとした堤真一の味わいがいいし、小泉今日子の鬼嫁も痛快だし、「ゆとりですが」でも好演していたぱるるも絶妙。佐藤二朗ムロツヨシはいうまでもないとして、賀来賢人ですよ。イケメンなのに、(「花子とアン」では生真面目な兄ちゃんも合ってたのに)、ケラの「ヒトラー」で開眼したのか、つきぬけたコメディ演技で、最高です。

エンディングのダンスも、キョンキョン、ぱるる、早見あかりの新旧アイドルが本気で踊ってるのが楽しいです。左江内さん以外の家族が来ているジェラート・ピケもかわいい。

さらに、録画だけして見逃してるバカリズムの「住住」やこれから始まる山本耕史の「スリル」も見なくっちゃ。

 

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