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RENT

映画「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」

Hedwig   先日のジョン・キャメロン・ミッチェルの特別公演の後、映画のDVDを見てみました。というか、名作なんだし、せっかく生ジョン様見るんだから、見とけよってことですよね。

ああ、ほんとに、映画見ておくべきでした。さまざまなメイクとカツラとファッションのジョン様が名曲の数々を歌うだけでもすばらしいんですが、ドキュメンタリーっぽい映像に、架空ながらリアルなヘドウィグの人生が描かれていて感動的。オーブに集まったファンたちは、1曲1曲にこの映像を重ねながら、ジョン様の歌を聞いたんでしょうね。それは熱狂するわー。

「ロッキー・ホラー・ショー」と似てるなんて言われているようですが、似てるのはフランクフルター博士とヘドウィグのビジュアルの雰囲気くらいで、ずっとリアルで深い。そして、メイクなどはかなり強烈なんですが、ジョン様の小さな顔やスリムな体があまり肉感的でなくて、ある種さわやかさがあるのがいいです。

ヘドウィグ(ジョン・キャメロン・ミッチェル)は東ベルリンに生まれ、ルーサー軍曹と結婚して出国するために、切断手術をうけますが、その失敗で1インチ残っちゃいます(Angry Inchi!)。アメリカでルーサーと別れ、ベビーシッターをしているときに知り合った少年トミーTommy(マイケル・ピット)とたくさん曲を作りますが、トミーはヘドウィグの曲をパクッって大スターに。ヘドウィグと恋人のイツハク(ミリアム・ショア)のバンドはトミーのやる会場の隣のカフェでライブをやりながら、権利を取り戻そうとしますが…。

このイツハク、小柄で声が高いとはいえ髭も濃く、まさか女優がやっているとはおもえませんでした。中村中って、ミュージカル版でこのイツハクを演じていたんですね!イツハクは、RENTのTシャツを着ていて、RENTのグアム・ツアーのオーディションを受け、エンジェルに決まるんですが、そこが、この映画がつくられた頃のRENTの地位を思うと、ああ、って思います。RENTのゲイはいくつもある愛の形という感じで、とても自然な描かれ方ですからね。

トミーと再会してからのヘドウィグについては、いろいろな解釈がありうるようです。イツハクとも別れちゃったのかどうかよくわからなかったし。ヘドウィグはこれからどうするんでしょうか。このバンドはやめてしまっても、いつか音楽に帰ってくると信じたいです。

アダム、「Something Rotten」にシェイクスピア役で出演!

Something_r2  「Disaster!」の思わぬ早期クローズで、アダムはどうしているのかしら、ときどきライブはやっているようだけど、と思っていたら、11月の初めから、「Something Rotten」というブロードウェイ・ミュージカルにシェイクスピア役で出演!というニュースが入ってきました。

このミュージカル、16世紀のカリスマ的なスター作家シェイクスピアに憧れるニック・ナイジェル兄弟が、中途半端な預言家ノストラダムスに、未来に流行っている演劇はミュージカルときいてそれを作ろうとする、みたいな話だそうでパロディ満載のコメディ。このタイトルは、「Something is rotten in the state of Denmark.」(デンマークの国で何かが腐っている)というハムレットの中のセリフからとられています。

2015年4月に本公演が始まって、トニー賞にもいろいろノミネートされたんですが、残念ながら、来年1月1日でクローズするそうです。だからアダムはクロージングキャスト。アダムの出演、ちょっとニュースになったりしてますね。しかしオリジナルキャストとクロージングキャストの多い人な気がする。

シェイクスピアはご覧の通り一癖あるロックスターで、コスチュームもメイクもめちゃくちゃ似合ってますよ。インタビューでは、「シェイクスピアあんまり知らなけど(そんな感じですよね)、でも勉強する」なんて言っちゃってます。

Broadway,comの写真、すっごいかっこいい!

ある日のアンコールでは、One Song Glory 歌ったみたいです。もうすでに持ち歌ですね。

しかもしかも、クロージングの後、このキャストのままで米国内ツアーを半年やるみたいなんです。おお、チャンス!東急オーブさん、梅芸さんでもいいけど、今こそ出番ですよ、是非是非日本に呼んでください!信じて待ってます。

「Disaster!」突然のクローズ!

Disasterclose_2 アダム・パスカルが久々にオリジナルキャストとして出演していたブロードウェイミュージカルの「Disaster!」、なんと初演からたった2か月でクローズすることがアナウンスされてしまいました。5月8日、今週の日曜日ですよ!急すぎますよね。http://disastermusical.com/

70年代のディスコヒットに乗って、Disaster映画のパロディというコメディで、チャラいボーイ役のアダムの扱いが当初よりも大きくなり(写真だって真ん中)、見られるかもと楽しみにしてたのに(泣)。

チケットの状況だって見てましたけど、Hamilton やBook of Mormonのように100%超Disaster3_2えているのやディズニーは別として、Jersey Boys やKinkiy Bootsなどの佳品よりはよかったのに。

慌てて今見たら、CDさえ出ていないじゃありませんか(号泣)。

あの前宣伝期間の長さと比較して、この非情な打ち切り。ブロードウェイの厳しさを改めて思い知りました。

せっかくですので動画をどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=GQwZ7MzhXmI

(追記)

オリジナルキャストアルバムは発売されて、入手しました。アダム、いっぱい歌っていて、とても楽しい70年代ポップスアルバムです。

アダム、ブロードウェイ進出の「Disaster!」に出演!

Disaster12月に来日するアダム、会えるのはうれしいけど、代役に決まるなんて、(ヒマなのかしら) なんてちらっと思った私でしたが、オフブロードウェイからブロードウェイに進出するミュージカル「Disaster!」に出演するというニュースが出ていました。

Look Out! All-Star Disaster! Will Hit Broadway, Starring Adam Pascal, Roger Bart, Faith Prince & More

Seth Rudetsky's Disaster! Musical Headed for Broadway with Adam Pascal and Faith Prince

Seth Rudetsky's Disaster! Will Play Broadway With Kerry Butler, Adam Pascal, and More

5人くらいのメインキャスト(ほかは、Kerry Butler, Roger Bart, Faith Prince, rachel York)の一人として、「ブロードウェイの人気者が出るよー」みたいな感じで報じられているのがちょっとうれしかったりして(オフのキャストは入れ替えられちゃうんですね)。

お話は、1979年にNYに新しくできたカジノ&ディスコが、地震や津波などのdisasterに襲われる、disaster映画のパロディ的なコメディだそうです。1970年代のヒット曲も使われるとか。ブロードウェイでいろいろやっているSeth Rudetskyが、友人たちとブロードウェイ・ミュージカルを作るという夢がかなった作品だとか。

アダムの役は、チャラいカジノの黒服チャドだそうです。軽薄な役、似合うかも!写真を見ると、しっかり節制して、ルックスを保っているようですね。

来年2月にプレビュー、3月に開幕です。面白そうなので、ヒットするといいな。

(追記2016.1.9)

Disastercastbroadway.comの Exclusive Photo! Get Wild with Roger Bart, Adam Pascal, Kerry Butler & More で、キャストの写真が公開されました。

アダム、黒服でかっこよく、真ん中で写ってますね!おしゃれな大人のミュージカルのようですね。

イディナ・メンゼル@武道館

Idina_2大好きなイディナ・メンゼルのワールド・ツアー@武道館、行ってまいりましたですよ。私にとって、もっとも身近に感じられていたブロードウェイ女優のイディナ、「アナと雪の女王」の大成功で、すっかり世界の大スターになっちゃいました。

1曲目は、「Wicked」の「Defying Gravity」。聞きたかった曲ですが、こんなに盛り上がる曲を最初に?! と驚きました。ほんとはもっと後の方がよかったかもと思いますが、でもほぼ満員の観客は大拍手。

そこからしばらくあまり馴染みのない曲が続きましたが、イディナ独特のコブシ、張りのある声はさすが。写真で見るより少しふっくらと、堂々たる姿です。メイクは完璧。

メドレーの合間に、ポリスのヒット曲「Roxanne」や、「Anything Goes」のタイトルナンバー(この役彼女に似合うかも)はわかって、へーと思いつつ、やっぱり「The Wizard and I」(Wickedの最初の方のナンバーなので、すごく耳になじんでる)みたいな曲が聞きたいなあと思ってたら、「いつも元気ではいられない、つらい、落ち込むこともあるわよね」と言ってドラマチックに歌った「Creep」には、知ってる曲とかどうのとかいうのを超えてイディナの歌に引き込まれてしまいました。

そして「RENT」から、「Take Me or Leave Me」。デュエットなのにどうするのかなあと思ってたら、客席に降りて 歌わせる。さすが手を挙げて歌う女の子たち(男の子もいた!)うまい~。彼女らが、イディナが大好きなのが伝わってきて、会場が温かい雰囲気になりました。もしかして、アナ雪ファンで来た観客には何のこっちゃだったかも。でも東京にはRENTファン多いですからね。Idinaph2_2


大騒ぎした後は、「RENT」のことを静かに語ります。こんなにいろいろなミュージカルで成功しても、最初に世に出たきっかけのRENT、やっとダイナーの仕事をやめて夢だったミュージカルのオープニング前夜に急死したジョナサン・ラーソンのことはしっかりと心に残っているのだなあと、今をしっかり生きてというメッセージをせつせつと歌う「No Day But Today」に泣きそうになりました。

さらに3月まで主演していたミュージカル「IF/THEN」から、トニー賞のステージでも歌った「Always Starting Over」。イディナにぴったり合った、感動的な歌で、後半になるほど声に艶が増していたこともあって、やっぱり鳥肌が立ちました。

マイクなしで会場に響き渡った 「For Good」に、会場全体が息をひそめた後は、いよいよ「Let It Go」。サビを日本語で練習していたのは知っていましたが、みんなで歌ったのも楽しかった!さすがコンサートまで来たみなさん、イディナが英語に戻ったら、マイクを向けられたら今度は英語で「The cold never botherd me anyway」ってきれいに歌ってました。

アンコールの最後は、「Annie」の「Tommorow」。少女ではなく、大人の女性が歌い上げるこの歌もよかったです。

「Chess」のナンバー、とくに「I Know Him So Well」とか、「AIDA」のアムネリウスの「My Strongest Suits」なんかも聞いてみたかったですが、今のっている元気でチャーミングなイディナの堂々とした歌に、パワーをもらいましたです。世界中でコンサートをするのが夢だったけどかなったと言うイディナ、ほんとにすばらしかった。ありがとう、イディナ!

映画「アニー」

Annie毎年アニー役のオーディションが話題になるミュージカル「アニー」、見たことないけど面白そうなキャストで映画化されたということで見てきました。

元のミュージカルの舞台は1933年、大恐慌直後のニューヨーク、孤児院のアニーと大富豪の物語ですが、映画は思い切り現代のニューヨークにして、里子のアニーと市長選に苦戦している携帯会社社長のスタックスに置き換えています。主要キャストや、インテリア、ファッションさらに今のNYの風景もちゃんと現代になっていて、なぜ今アニーとは思わずに楽しめました。

冒頭のシーンで、アニーがルーズベルト大統領の話をするんですが、原作ミュージカルではルーズベルト大統領に会って影響を与えるんですよね。そういうのをちょっと入れたりするところ、ニクイ演出です。

前宣伝で強調されていますが、アニーのグワベンジャネがうまいんですよね。いつも前向きなアニーにスタックスが惹かれてというとすごく月並みなんですが、その前向きさ加減が、鼻につくほどじゃなくて、両親のいないさみしさとか(毎週両親が現れないかと何時間も待ってたりする)、ちょっと荒れた境遇とかを踏まえた前向きさになってて。この子、将来ウーピ―ゴールドバーグみたいになるのではと思わせます。「Tommorow」だけで泣きそうになりました。つらいときのこの歌詞(Tomorrow, tomorrow  I love you tomorrow You're always a day away ...)、じーんときます。

ジェイミー・フォックスの社長は、またいつもながらのうまさで、歌も群を抜いています。キャメロンをただのいじわる里親にしていないところもまた今風で、すさんだ中にもキャメロンならではのキラキラ感が楽しかったです。ジェイミーの秘書グレースのローズ・バーンもすごく好感が持てるキャラで、素敵でした。

さて後半、アニーの母と名乗るその人は、RENTの映画版でジョアン役だったトレイシー・トムズじゃありませんか。年齢的にも、ルックスも(グワベンジャネに似てる)適役っちゃあ適役なんですけど、ミュージカル映画で、女性キャストの中では一番歌がうまいのに、歌わないなんてもったいない!ディズニー映画で歌わないかな、なんて思っちゃいました。

ま、舞台は観に行かないかもしれないですが、映画はともあれ面白かったです。

アダムの新曲&映画「THE DEVIL'S CARNIVAL: ALLELUIA 」

Adam_halloweenアダム・パスカルのファンといいつつ、実質的な記事は「華麗なるミュージカル・コンサート」での来日から1年も書いていなかったんですが、幼馴染のイディナ・メンゼルが大ブレイクしていたこの間、アダムも地道に活動していました。

1つめは、昨年秋のハロウィンの曲「HALLOWEEN FUN HOUSE」。メロディアスな曲じゃないから、と本人も言っていましたが、Amazonで買ってみたら、ほんとにインストゥルメンタルで、パートナーのラリー・エドフのピアノしか印象に残りません。いったいなぜアダムの歌のない曲をリリースしたのやら。

もう一つの新作映画(2015年公開予定)の話は、もうちょっと期待できる内容です。「SAW2」の監督ダーレン・リン・バウズマンによる、ホラーミュージカルDevil2のシリーズ第2作だそうで、トレイラーが公開されています。

Devilそこになんと!アダムが妙な髪型で、あの高音を響かせた歌を聞かせてくれています。あの、なかなか比べるもののない、独特の声、こういうカルトな監督がチェックしていたとは、見る目あるじゃないですかって感じ。ファンならずとも、一見の価値ある、極採色の画面とぴったりのあの歌。なかなかセンスのある監督のようで、ビジュアル、美しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=tEG2EO6rjzw

ホラーは苦手だけど、アダムのクレジットけっこう大きいしなー。とりあえず、がんばってるみたいなので、よかったです。

このほか、アダムは、ラリーとのコンビでの単独だったり、アンソニーやミミのダフネと一緒だったり、ミュージカルスターというくくりで呼ばれたりと、NY近郊でコンサートを重ねているようです。

NYミュージカル2014(その3)「イディナ・メンゼルのIF/THEN」

Ifthen

  • 今年3月に始まったばかりの「IDINA MENZEL IF/THEN」です。イディナ・メンゼルの」ってついているのは、アメリカでは前年11月に公開された「アナと雪の女王(Frozen)」と「Let It Go」が大ヒットしたからというわけでもなさそうな、イディナをフューチャーした作品です。
(イディナについては、「アナと雪の女王とイディナ・メンゼル」もどうぞ)

離婚してニューヨークに戻ってきたエリザベス(イディナ)。新しい人生を始めるのに、恋愛中心のリズと、仕事中心のベスの生活が、交互に描かれます。女友達ケイト(LaChanze)、古くからの友人ルーカス、リズが出会うイケメンのジョシュ、それにケイト、ルーカスの同性の恋人が絡んでお話が進んでいきます。

この、イディナが超かっこいいニューヨークの働く女性で、(ディズニー映画の「魔法にかけられて」みたいに)、ファッションも飾り気ないけどいい感じ。共演者もうまくて、映画かドラマのような自然なシーンに見えます。
途中、回り舞台のアクシデントで芝居が中断したんですが(!)、「ちょっと待ってね」、っていうイディナがキュートで、かえって得した気持ちでした。Ifthen2_2

歌も、独特のコブシのきいた低音が気持ちよく、オーラがあってほんとに素敵でした。ラスト近くの「Always Starting Over」、鳥肌ものでした。トニー賞も、惜しかったですね。

ルーカスのオリジナルキャストはもう一人のRENTスター、アンソニー・ラップでしたが、7月から怪我で一時的にはずれていて、Curtis Horbrookが演じていました。外見もアンソニーと似ていて、やっぱり演技も重なって見えました。

さて、この作品、2つのストーリーが語られるんですけど、エリザベスはジキルとハイドのような二重人格なんじゃなくて、同じ人格がちょっとのことで違う人生を歩んでいくんですね。眼鏡のあるなしで区別してますが、初めて見る者にはちょっと混乱します。

作者は、「ネクスト トゥ ノーマル」 のTom Kitt とBryan Yorkeyで、あ、似たメロディと思うのがありました。

今まであまり見なかった現代の都会のミュージカル、ちゃんとアンサンブルのダンスや歌も楽しめて、素敵な作品でした。

(おまけ)
イディナとラミン・カリムルーのアイスバケツチャレンジの動画もアップされてます。舞台後の真夜中ですね。アンソニーラップ、指名されちゃったですよ。

(追記)
Ifthecdその後例によって、オリジナルキャストCDを買ってみました。「What If?」とか、「I Hate You」とか、イディナの気持ちのよい歌がたくさん聞けますが、やはり終盤の「Always Starting Over」が圧巻で、感動を思い出します。その後クリスマスアルバム(ジャケット美人過ぎ!)もヒットして、
Idinaxmasメイシーズのパレードやロックフェラーセンターのクリスマスツリー点灯式のような、NYの風物詩の行事に呼ばれたりして、とにかく絶好調なイディナ、でも、坊っちゃんとの生活も楽しんでいるようで、素敵です。

映画「FROZEN(アナと雪の女王)3D」とイディナ・メンゼル

Frozen映画と主題歌が大ヒット中の「FROZEN(アナと雪の女王)」を、英語版3Dで見てまいりました。この映画、しばらく前からイディナ・メンゼルのFBで話題になっているなーと思っていたら、ここまでブロックバスターになるとはです。

海辺の王国アレンデールの国王の娘エルサとアナは仲良しですが、触ったものが凍ってしまうエルサの魔力は徐々に強くなり、とうとうアナを傷つけてしまったことから、エルサは隔離され、アナは寂しく育ちます。両親が亡くなった後、エルサが女王になることになり、戴冠式とパーティが行われますが、そこで押さえていた感情が爆発して、エルサは一人北の山の上に…。

とにかくエルサの魔力による氷の動きと質感がすごいです。3Dの画面の美しさに、映画館で見てよかったという気持ちになります(この氷の魔力、「ONE PIECE」の青キジのヒエヒエの実の能力みたいだなーとも思いました)。そして、大事なところはみんな歌で、ミュージカル映画といっていいでしょう。

アナが素直でかわいくて、クリスティン・ベルのセリフも歌もいいので、最初からすっと物語に入っていけます。このヒロイン、これまで見てきたディズニーアニメの中でもすごく好き。

エルサの寂しさ、孤独もとても印象的で、何度も泣きそうになります。この二人の対比はちょっと「ガラスの仮面」の劇中劇「二人の王女」を思い出したりして。

エルサの声はイディナ・メンゼル。みんなから好かれるヒロインと対照的に影のある魔女といえばミュージカル「Wicked」のエルファバ。作り手もあの名曲「Defyng Gravity」を思わせる、イディナの魅力をいっぱいに引き出す「Let It Go」を作ってくれたんですね。

「Let It Go」は、曲もいいんですが、それまで自分を抑えてきたエルサの感情と能力が爆発するところで、一気に氷のお城を作り上げる映像もすばらしいし、ドラマチックな、ミュージカルならではのイディナの歌で、すっごく盛り上がります。座席で大人しく見ているのが惜しいくらい。

で、その後は、冷たい雪の世界でエルサを追って奮闘するアナにハラハラしながら、雪だるまオラフにほっとしたりして、あっという間にラストまで駆け抜けて行きました。その先のストーリーは知らなくて楽しめたので、ネタばれしないでおきますね。

私思いますに、「Let It Go」のヒットって、要は、ミュージカルの歌の魅力を、多くの人が知ったってことだと思います。舞台や映画で、登場人物に感情移入して、ストーリーに入りこんでいるときに歌われる素晴らしい歌、普通の曲より、心に響くものなんですよ。舞台を見て、その音楽をCDできいてまた感動を蘇らせる、ミュージカルの醍醐味です。そのことを、この「Frozen」や「レ・ミゼラブル」の映画が、普段ミュージカルの舞台を見ない人々にも教えてくれたんじゃないかと思います。

さて、イディナ・メンゼルについて。

Idinal

1971年生まれ、ニューヨークのロングアイランド育ちでアダム・パスカルと同い年。10代からウエディングシンガーとして歌い始めていましたが、1995年、ミュージカル「RENT」のオーディションで彼女が先にモリーン役に決まり、彼女の当時のボーイフレンドがアダムにオーディションのことを教えたのでアダムがロジャー役を射止めた、というのは有名な話です。

個性的なモリーンで人気となりトニー賞新人賞もとったイディナは、2001年にアイーダのアムネリウスも演じていますが、2003年にWickedのオリジナルキャストのエルファバでトニー賞主演女優賞を受賞します。ブロードウェイの俳優は、必ずTony NomineeとかTony Winnerって頭につくので、むしろ日本より賞の意味が大きいんだなと思いますが、これでミュージカル女優としての地位は確立。

Wicked 2005年の映画版「RENT」でもモリーンを演じたほか、2006年にロンドンでWickedをやったあと、2008年にはロンドンアルバートホールでの2夜だけの「Chess in Concert」のフローレンス役で、アダム・パスカル、ジョシュ・グローバンと共演します。

ブロードウェイ女優としては、日本でも比較的容易に映像や歌声を入手できる人ですね。

2007年には「魔法をかけられて」で、ヒロインのエイミー・アダムスが人間界で恋に落ちる弁護士の長年の恋人役。この時は吹きこんだ歌をカットされちゃいました。NYのキャリア・ウーマン役が似合ってましたね。

2011年には、あの人気TVドラマ「Glee」にも出ていました。

2003年、RENTで共演したテイ・ディグズ(映画「CHICAGO」でピアノひいてナレーションしてました)と結婚し、2009年にはウォーカー・ナザニエル君が生まれています。わーまだ5歳ってことですね。テイとはラブラブで、トニー賞の授賞式で「愛してるわ―」というイディナと、ほんとうにうれしそうだったテイの姿が印象的だったんですが、二人は昨年12月に離婚したと報じられています。イディナが一段とブレイクしたこの時期にって悲しいです。

そして、この3月から、イディナは新しいブロードウェイ・ミュージカル「If/Then」に主演しています。RENTのオリジナルキャストのマーク役、アンソニー・ラップも共演していますね。このミュージカルの作者はTom Kitt で、昨年日本でも上演されトニー賞作曲賞などを受賞している「Next to Normal」の作者です。

Chessの日本版でフローレンス役をやったのは、Next to Normalの日本版にも主演していた安欄けいさん。イディナと安蘭さんの印象は確かに似ていて、都会の大人の女性ですね。

イディナ、ヘザー・ヘドレーみたいに、こちらがひれ伏するような圧倒的な歌唱力というわけではないんですが(「Let It Go」も、エンディングのデミ・ロバートの方がうまい)、ミュージカルらしい、ドラマチックな歌はすばらしいし、演技も繊細だと思います。

RENTの「Take Me or Leave me」や、Chessの「Heaven Help My Heart」、Wickedの数々のナンバーなど、彼女の歌がミュージカルのCDでたくさん聞けるのもうれしいです。

これまで、トニー賞をとった女優が、ビルボードでトップ10以内に入ったことはなかったそうですが、イディナはラッキーにもその1号となりました。これは実力もさることながら、運とか流れとかがあったからかも。

アカデミー賞授賞式のパフォーマンスでは、ジョン・トラボルタに紹介されるとき「Adele Dazeem」とへんな名前に間違えられたうえ、歌もちょっと失敗?(いや、私はそうとは思わなかったですが)ともいわれてやや残念だったんですが、ジョンは丁重に謝罪してお花を贈ったそうで、イディナはこれで覚えてもらえてかえってラッキーだったなんて、あくまでポジティブ。ショービジネスの世界を、生き抜く力強さを感じます。

ま、イディナに注目していたRENTファンの一人として、この映画の成功はよりうれしかったのでした。

(追記)

FrozencdサウンドトラックCDが届きました。あれ、意外と使われてた曲は少ない(フルのミュージカルとの比較で)と思ってしまいますが、やっぱり「Let It Go」の盛り上がりは別格です。聞いていると、力がみなぎる感じがして、ちょっと自分が万能になったような気持ちになってテンションあがっちゃいます。

「First Time in Forever」もとてもアナがかわいくて、対照的にエルサが悲しくて、ドラマチック。ただ、CDにはインストゥルメンタルも多いので、歌だけほしい場合はダウンロードでもいいかもしれません。

ところで、日本語の吹き替えの評判がいいので、YouTubeで見てみました。神田沙也加はすごくいいですね。彼女は舞台でも見たことがありますが、いい意味で悪目立ちしてなくて、しっかりその役を演じていました。オラフのピエール瀧も、さすが、なりきっています。

松たか子の「ありのままで」は、手堅いですが、声がちょっとかわいすぎる感じがします。青筋立てて歌ってるイディナの歌が耳に焼き付いているからかも、また、ちょっと日本語歌詞の情報量や迫力が英語版より少ないからかもしれません。例えば、「ありのままで」じゃちょっと静的で、「本来の私を解き放って」みたいな感じじゃないとか。最後の「少しも寒くないわ」は”Cold never bothered me anyway"は、「悩みの元だった氷の魔法には(自分自身では自然なことだから)苦しめられてはいなかったのだ」みたいなニュアンスがあると思いますがちょっと残念。

(追記 6月8日トニー賞!)

イディナは2014年の代68回トニー賞に「If/Then」の主演女優賞にノミネートされ、賞は惜しくも逃したものの、晴れの舞台で歌いました。http://www.hollywoodreporter.com/news/video-tonys-2014-idina-menzel-710177

わあ、同じ年にアカデミー賞とトニー賞のステージに立つなんて。

大人の女性の決意とか心意気とかを感じますね。益々輝いて、イディナ!

(追記その3)

ブルーレイが発売されました。お楽しみの特典映像の未公開シーンにもちゃんとイディナとクリスティンの声が入っていて、面白いです(でもこのシーンはなくてよかったと思う)。

特典の中に、ミュージカル仕立てで制作スタジオを紹介するというのがあるのですが、二人のネクタイ、ベストの男性が中心なんですよ。あれ、ブロードウェイ・ミュージカルの「Book of Mormon」のケヴィンとカニンガムみたい、特にカニンガムはすっごい似てるし、と思ってたら、ほんとにカニンガムのオリジナルキャストのJosh Gadだったみたい。

51okh4yi2cl_sl500_aa300_ というより、Olafの声を吹き替えていたのが、Josh Gadだったんですよ!道理で、話声はハスキーなのに、歌で声を張るところは美声なところが、すごく似てるなあと思ってた!なんたって、ブロードウェイのサントラ盤はかなり聞きこんでますからね!私としてはかなりツボなトリビアでした。

(追記その4)

2014年紅白歌合戦、イディナが出るというのは聞いていましたが、まさか神田沙也加もNYで、「生まれて初めて」を日本語と英語という無理無理ながら一緒に歌ってくれるとは!沙也加は、アナの吹き替え、とっても雰囲気があっててよかったと思うんですが、この歌、最後に冷たいエルサの歌が加わって、よけい二人の性格の対比が鮮やかになると思うんですよ。ああ、すっごくよかった!

しかも、イディナの「Let It Go」の迫力!堂々とした、抑圧されていたエルサの魂の開放を歌い上げるイディナの魅力全開でした。日本の人々にも彼女の素晴らしさを知ってもらえてうれしい限りです。しかもサビ部分は日本語でしっかり歌ってましたよ。もうかっこよすぎで涙。

(沙也加とイディナを見る松田聖子が、すっかり心配そうな母の顔になっているのもほほえましかったですが)

イディナってば、Twitterで「So honord 」なんつってましたですよ。日本ツアーの宣伝ってことはおいといて、見られてうれしかったです。

アダム・パスカルin 「華麗なるミュージカルクリスマスコンサート2013」@新国立劇場

Kareinaruアダム・パスカルが東京でミュージカルコンサートに出る!ということで、エンタメ的に本当に幸せな1年の締めくくりとして行ってまいりました、初台の新国立劇場。

東京でアダムの歌が聴けるというだけで本当にうれしいのですが、このコンサートのプログラムがすごくよくて、楽しませてもらいました。以下、アダム中心に振り返ってみます(ちょっと長いですよ)。

まず、幕があいてRENTの「Seasons of Love」、早くも全員登場です。そしてソロパートアダム。RENTといえばこの曲でアダムなんでしかたないですが、もともとこのソロは女声なので、アダムにも酷な高さで、裏声。コーラスもイマイチで、実は若干がっかりでした。

でも、あれ、アダムってば、思ってたのよりさらにカッコいい!細いあごに短い髭が似合ってて、澄んだ目が優しくて、ダークパープルのシャツにスーツもすてき。でもってあのハスキーボイス。

このオープニングの次が「AIDA」コーナー。アダムは、「Elaborate Lives」と、「Written in the Stars」の2曲を、シルビア・グラブとデュエット。シルビアは英語で歌うのに問題ないので、CDで繰り返し聴いているアダムの優しくも力強くも素晴らしい歌声がそのまま聞けて、最初からうっとりでした。デュエットのときは、シルビアから目を離さず、歌いあげる姿が超超ステキ。

このコンサート、男女のMCがいて、キャストと短いトークがあるんですが、アダムがもうアダムなんで、トークなのにドキドキします。22日は、「AIDA」の思い出を問われて、プレビューでリフトが落ちて肋骨を骨折した話をえんえんとするんですよ。きゃー。23日は、MCも「エルトン・ジョン」さんの音楽はどうでしたか、っていう振り方をしていたので、「大好きなエルトン・ジョンのオリジナルキャストに選ばれて、自分のキャリアに加えることができてうれしかった」とまっとうにこたえてましたけど。インタビュー動画でも、日本語を取り混ぜてこたえていましたが、「ハイ!」がとってもかわいかったです。

次は「ジキル&ハイド」コーナーで、ヤン・ジュンモの登場です。ルックスは、あれ、チラシよりお顔が大きい?(失礼)んですが、圧倒的な声量と、ドラマチックな雰囲気で、ただものじゃないというのがすぐわかります。ヤンさん、すべて素晴らしかったです。そしてデイゲストコーナー。22日の泉見洋平、紫吹淳、23日の石井一孝、安蘭けい、みなさん個性的で魅力的でした。それから「レ・ミゼラブル」コーナーで、「半沢直樹」でやや情けない役だった岡田浩暉がジャベールの「星よ」を力強く歌います。野島直人の「カフェソング」もなかなかよく、そしてヤン・ジュンモの「Bring Him Home」にはゾクゾクしました。やっぱりレミゼは曲がいいな。そして早くも1幕最後は、白い服の子どもたちと一緒に、ロイド・ウェバーの「Any Dream Will Do」。岡田さん、もうちょっと弾んで踊ってほしかったな。

さて、2幕は「CHICAGO」で開幕。シルビアの「All that Jazz」、ダンスも歌もかっこよかった!それが振りになって、アダムの「All I Care About is Love」。あー東京でアダムのビリー・フリンが見られるとはですよ。まったくビリーになりきってて、ちゃんと(ハンサムな)悪徳弁護士に見えて感動しました。彼の声域からしたら、楽勝な歌ですからね。これまで2回見たビリー(もとバックストリートボーイズのケヴィン・リチャードソンと河村隆一なんですが)よりずっと濃くてよかったです。

そして「エリザベート」の「闇が広がる」をヤンと野島直人のデュオで。エリザベートは見たことがないのですが、緊迫感があってよかったです。ここでデイキャストコーナーですが、23日は、見たばかりの「Next to Normal」のナンバーを安欄けいが、また今年は行けなかったけど「Chess」の「You & I」安欄けい石井一孝が歌ってくれて、わーやっぱりいいなあと感動しました。石井さんは、アダムのファンだそうで(それは、RENTやChessのCDきいてたら好きになっちゃいますよね)、トークにもアダムの話題が多くてうれしかったです。

次は「オペラ座の怪人」から木村花代とヤンの「オペラ座の怪人」。木村さん、1幕の「My Strongest Suits」は裏声でちょっと惜しかったんですが、クリスティーヌはルックスも含めすっごくよかったです。この二人のファントムみたいです。

最後は、「RENT」コーナー。アダムは、炎のシャツとペンダントでちょっとRENTっぽく。ほんとにそこだけロジャーになっての「Another Day」を、シルビアのミミとで聴けたのは、予想外でうれしかったです。RENT日本版でロジャーをやったという藤岡正明と野島直人の「What you Own」、岡田浩暉の「Your Eys」もなかなかよかったです。

RENTの最後は、「One Song Glory」をオリジナルバージョンで。うわあ、何度聴いてもほんっとうに素晴らしい。RENTの中では最初の方のナンバーなので、ちょっと物足りないくらいで終わっちゃうわけですけど、ウォーって感じでした。

ほんとのラストは、ヤンの第九のさわりと、「天使にラブソングを」のゴスペルバージョンをみんなで。この曲大好きなので盛り上がりました。

ということで、選曲も「Memphis」はしかたないとして、「Pity the Child #2」が入っていないことくらいしか心残りはなく、構成的にも十分アダムの見せ場をつくってくれて(完全に相手役を務め上げたシルビアさんの好演があってこそ!普通の日本人キャストではこういかなかったことでしょう)、さらに他のキャストの歌も圧倒的な実力のヤン・ジュンモさん中心に楽しめて、素晴らしいクリスマスプレゼントでした。

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