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山本耕史

「愛のレキシアター ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」@赤坂ACTシアター

201903_2山本耕史の主演ミュージカル「愛のレキシアター ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」です。よくわからないタイトル、日本の歴史をテーマにしたバンド「レキシ」の曲を愛するたいらのまさピコ(河原雅彦)さんが脚本・演出ということですが、最近の音楽方面は疎くてレキシも知らなかったので、だいぶ異色のミュージカルだろうとだけ思っていました。いざ公演が始まると、山本耕史への絶賛の嵐で高まる期待。

 お話は、ニートで引きこもっている織田こきん(山本耕史)は、歴史アイドルのカオリコ(松岡茉優)が大好きで、ヨシツネのハンドルで、自分を美化した画像(佐藤流司)を送ってしまいます。こきん、カオリコ、こきんの母胡蝶(高田聖子)、引きこもりサポートセンターの明智(藤井隆)は、ウォルト・レキシー(八嶋智人)歴史のテーマパーク、レキシランドに招待され、さまざまな時代を体験していきます←すいません、ちょっとネタバレしすぎかも 。

冒頭にレキシさんの紹介の映像もあったり、八嶋智人が盛り上げてくれたりして、この楽しい世界観に無理なくなじませてくれます。というか、すでにリピーターも多いのか、客席がみっしり熱い感じ。 

河原さんは、レキシが大好きすぎて、使いたい曲が多く、場面もキャストの早替わりも多く、台本自体とても厚かったそうです。結果、休憩20分込みで3時間10分の大作に。長いですが、歴史というテーマでの統一感もあり、衣装(高田阿友子)の、重すぎず安っぽくない絶妙さもあって、楽しんでいたらあっという間でした。 

こう感じたのも、レキシの曲がよくて、キャストも皆さん歌がうまく、それぞれ個性的半分素のようなやりとりも間がよかったというのもあると思います。美術松井るみ、映像上田大樹、ヘアメイク宮内宏明と、売れっ子のスタッフ、梅棒の躍動感ある振付、レキシの曲のクォリティを維持しつつミュージカルに仕上げた音楽監督の山口寛雄と、きっと皆さん、河原さんの熱意に引っ張られて、いいチームワークだったのかなと思います。 

2019032事前に左の写真が公開されていたのですが、これはレキシさんのアフロを真似してるだけで、山本耕史のこきんは、もっとぼさぼさの長髪で、スーパーで売っていそうな冴えないジャージ姿でへんな走り方してます。しかしいったん歌となったら、レキシの曲とまっすぐ伸びる彼の声がとても相性がよく、歌詞もよく届いて、どの曲もとても素敵。ダンスもただうまいのではなくて、キャラクターがしっかり立っていて魅力的。身体能力の高い役者はどんな動き方をしてもかっこいいんですね。パーカッションやギターも本気でうまい。

 高田聖子、藤井隆、浦井りんこが歌もうまくて面白いのはわかってたんですが(それにしても高田さん歌うまっ)、松岡茉優もすごいですよ。かわいい女の子なんだけどちょっとめんどくさい、という役を自然体で演じながら、昔のアイドルの歌を、私たちはこんな風に楽しんでいたな、という姿を見せてくれたのがとてもよかったです。松岡茉優は「江戸は燃えているか」でも好演してましたし、どんな変わった芝居でも魅力を発揮するすごい子です。

ほかに美形の佐藤流司、乃木坂の井上小百合、前田悟、出るたびに雰囲気の変わる山本亨。アンサンブルの皆さんも、曲と場面が多いだけ、たいへんな大活躍。舞台装置も直すし!

 最後は客席の前の筒に差されてあった稲穂(繰り返し使用)を振って大フィナーレ。山本耕史の舞台は、必ずカーテンコールで一言あるのがうれしいです。やーこれは楽しいエンタテインメントで、しかもファンは知っている山本耕史の魅力爆発の、必見の舞台でございました。

 そうだ、珍しくパンフレット買ったんですよ。写真も記事も充実してて、レキシや梅棒さんのこともよくわかったんですが、折り返しには、レキシランドのイラスト地図!買ってよかったー、でした。

映画「刀剣乱舞」

201902_2          脚本(小林靖子)がいい、山本耕史と八嶋智人がいい、ときいて映画版「刀剣乱舞」を見ました。

この作品、元は2015年にリリースされたゲームで、2016年には舞台、ミュージカル、アニメといろいろなコンテンツがヒットしており、その流れでの実写版映画です。 

お話は、歴史を変えようとする「時間遡行軍」に対抗して、「審神者(さにわ)」により、名刀が人格化された男子たちが活躍するというもの。この映画では、本能寺の変で自刃したはずの信長(山本耕史)が、遡行軍により生かされたことを戻そうとする刀剣男子たちが戦いに挑みます。

刀剣男子、ビジュアルはもう今どきのアニメ顔、制服。そしてカラフルで、例えば鶯丸(廣瀬智紀)は、その名の通り、緑の髪、カラコン!やー、男の子もメイクでこんなにビジュアルきれいになるんだと感心。

脚本がよいとの評判通り、まったく予備知識なくとも、刀剣男子の由来、さにわとの関係、舞台となる時代は著名な本能寺の変と秀吉の中国大返しで、これがうまく連動して、面白く見られました。よくあるドジキャラみたいな設定がないのもすっきりしてます。気が付いたら、女性は全然出てこないんですよ。

時間遡行軍、ビジュアルや性格が、「ロード・オブ・ザ・リング」のオーグですよ。不気味かつ迫力があって、効果満点。

そして山本耕史!典型的な信長のビジュアルを踏襲しつつ、迫力ある殺陣、気品ある表情、明瞭な台詞廻し、かつ、光秀の謀反後のちょっと心折れた雰囲気もあって、超かっこいい!いつもながら、求められている役にプラスアルファの奥行きを与えてくれる活躍に感動です。

八嶋智人も、ビジュアルが秀吉そのものであるのみならず、この作品における一癖ある秀吉をきっちり演じてました。

刀剣男子チームでは、上記の廣瀬くん(髑髏城の蘭兵衛やるくらいだから舞台のキャリアからいっても目立つのは当然か)、槍の日本号の岩永洋昭(青木崇高みたいな雰囲気)、へし切りの和田雅成くん。三日月宗近の鈴木拡樹くんが実質主役で、よかったんだけど、若いのにじじむさいという設定はあまり好みではなく。ほとんどが舞台「刀剣乱舞」のキャストだそうで、有名な俳優やアイドルが入っていないのもよかったかも。

ちょっとだけ言うと、やっぱり編集が甘いせいか、テンポがだれるところもありましたが、刀剣乱舞ファンには、男子たちの会話も楽しみでしょうから、いちがいにテンポ悪いとかいうのは当たらないかもしれませんね。

そうそう、映画開始直前の「No More!映画泥棒」が、刀剣乱舞仕様だったですよ。映画観る前なのでキャラはよくわかってない段階ですが、テンション上がりました!

← この映画の耶雲哉治監督が「映画泥棒」の監督なんだそうです。映画泥棒ってけっこう前からあると思ってたけど、今42歳の監督が、30歳ちょいで撮ったんですね。才能のある人だなあ。

「Memphis(メンフィス)」@新国立中劇場

Photo  山本耕史、濱田めぐみのコンビで2年ぶりに「メンフィス」再演、しかも山本耕史の演出、最近の彼の活躍や、事前の稽古の充実ぶりが発信されたりしていて、楽しみにしていましたが、Twitterでも評判がよくてさらに期待して行きました。

なんたって、この演目、2012年にブロードウェイでアダム・パスカルのヒューイで見ているわけですが、2015年の初演版は、耕史・濱めぐのコンビがとてもよく、さらに、今回は山本耕史が演出に加わって、彼の思い描くこの作品世界にキャスト全体が集中していて、さらにバージョンアップしていました。

頭は弱いが純粋に黒人音楽を愛するヒューイ(山本耕史)。山本耕史の持つ明るさや一生懸命さを少し軽くして、とってもかわいいヒューイ。そして、ヒューイを愛しながらもメンフィスを出ていく勇気のあるフェリシア(濱田めぐみ)。二人が初演時よりもさらに役を自分のものにしていて、歌に役の命がこもっていて最高でした。濱田めぐみは、日本で一番好きなミュージカル女優ですが、このフェリシアがいちばん彼女の声質の良さを表現していると思います。ほんとに、いい曲がたくさんあって、何度も鳥肌立ちました。

フェリシアの兄(ジェロ)、ボビー(伊礼彼方)、ゲーター(米倉利紀)、歌も演技もとてもよかった!ジェロがやや華奢でヒューイへの壁になる大きさが若干足りないのも気になりませんでした。ほかにラジオ局のシモンズ(栗原英雄)はいつもながら味があるし、ヒューイのママ根岸李衣は、初演時より歌がずっとうまくなっていて、素敵でした。

ヒューイが黒人音楽を紹介していく話なので音楽シーンも自然で、アンサンブルも見せ所がたっぷり。密度の濃い舞台を作り上げていました。コーラスが感動的な曲もいっぱいありました。セットは、初演よりブロードウェイ版に近い、二階があるパターンで、この方が立体的で効果的。

見るたびに書いていますが、ヒューイはメンフィスでしか生きられない、自分をほんの少し変えることもできないためにフェリシアと幸せになることはできないのが悲しいラスト。「Memphis Lives in Me」は渾身の名曲です。

ラストは無理やりなフィナーレなんですが、ヒューイを変えなかったことが、このミュージカルのよさでもあるんだな、と思いました。スタンディング・オベーションの早さが、満席の観客の感動を物語ってました。

ドラマといい曲とキャストの熱唱とダンスを詰め込んだ、今のミュージカルの一つの完成形です。ああ、ここまでのミュージカルを純粋に日本で作ることができる日が来るんだろうか、と、ちらと思いながら、作品の力をそのまま形にしてくれた、山本耕史始めスタッフ・キャストに拍手です。

(2回目追記)

せっかくなのでもう1回見ました。ほんとにずーっとフラフラ動いているヒューイ。濱めぐの歌。バーンと前に出てくるコーラス。一人一人がこの作品世界を力いっぱい表現するいいカンパニー。アンコールでの観客の立ち上がるのが早いこと、そして今回もかわいいジョークでシメる山本耕史。

ああ、でも2回目で思いついちゃいました。ヒューイの前に立ちはだかるデルレイは、ジェロより米倉利紀の方が合ってたなあ。

ドラマ「トットちゃん」と「わろてんか」

Photo  10月から始まったテレ朝昼ドラの「トットちゃん」、山本耕史が出るので見てますが、ドラマとしてもとっても面白いです。原作の「窓際のトットちゃん」も読んだし、最近の「トットてれび」も見たし、題材としては目新しさはないと思ってましたが、そんなことありませんでした。

山本耕史はトットちゃんのパパのバイオリン演奏家。演奏時の立ち姿が美しく、コンサートマスターとしてあいさつするシーンがかっこいい!いきなりの結婚と、妻を閉じ込めるという展開にはびっくりでしたが、すぐに生活も安定して、浮世離れした雰囲気はそのままに、家族を愛する素敵な人です。わずかな登場場面でも、画面の中でぱあっと光ってます。出征の兵隊姿の丸刈りも新鮮でした(カツラでしたけどね)。

トットちゃん(豊嶋花)がうまい!子どもらしさの中に、後の黒柳徹子を思わせる仕草が出ていて、またかなりダンスのセンスがあるような動きも魅力的。マイペースなのに、育ちのよさを感じさせるセリフもすてき。ちょっとこれまでの日本の子役になかったうまさです。そのトットちゃんを押さえつける普通の学校からトモエ学園に転校してのびのびしているのがほほえましく、また、そんな学校あるかしら、というのを竹中尚人の校長先生がちょっとおとぎ話みたいで浮世離れしているのがまたいいんですよね。

乃木坂上倶楽部の小澤征悦、高岡早紀、凰稀かなめ、新納慎也とクセのある人たち。高岡早紀いい女優になったなー。凰稀かなめもかわいすぎる。

そして、舞台は疎開先の青森へ。何と中村メイコのおばあちゃん、いしのようこのお嫁さん、青森弁がきっつくてそれもまた。

脚本は大石静、さすがです。もうひとつ、彼女の代表作になるんじゃないでしょうか。

( 前作の「やすらぎの郷」も面白く見てたんですよね。途中失速する回もありましたが、八千草薫、朝丘ルリ子、加賀まりこが素敵だったし、富士真奈美もいいところを見せてくれました。野際陽子の遺作になりましたが、、彼女はちょっと現役感のある演技でした。)

Photo_2  一方朝ドラ「わろてんか」。吉本興業の創始者吉本せいがモデルとあって、お笑い好きの私、たいへん期待して見てたんですが、今のところぱっとしません。

松阪桃李、高橋一生、濱田岳、遠藤憲一、鈴木保奈美鈴木京香と、脇はすごいんですが、主人公がただかわいらしいだけ。子役時代もあったのに、笑いが好きってだけで、デキル子っぽい描写がなかったので、米問屋での行動が唐突感があるんですよねえ。とにかくどこかで見たような描写の連続。

脚本の吉田智子さん、恋愛ものが得意な東京出身の人。大阪のお笑い、というより笑いのセンスが皆無だなあと思います。せっかくの素材と出演者なのになあ。

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」@シアターオーブ

2910hedwig  「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の生みの親ジョン・キャメロン・ミッチェルが来日して特別公演をすると知ったときは、そんなことが本当にあるんだろうかと信じられないくらいでした。実は映画も日本での上演(山本耕史も主演していますが)見ていなかったんですが、映画が公開されたとき話題になったのも覚えていますし、ゲイ・カルチャーの中でもカルト的な人気があることなどは知っていましたから。

この作品は、1997年、ジョンの作・主演でオフブロードウェイで人気を博し、2001年にはジョンの監督・脚本・主演で映画化されています。今、Wikipediaを見ると、制作費600万ドル、興行収入360万ドルとありますから赤字ですが、DVDの売上はすごいんじゃないでしょうか。舞台の方はその後も各国で上演され、ブロードウェイでも2014年4月から2015年9月まで、クロージング・キャストはRENTキャストのテイ・ディグズでした。このときは、トニー賞のリバイバル賞や、ニール・パトリック・ハリスの主演男優賞をとっていますね。

さて、そういう公演なので、お客さんはヘドウィグのコスプレをした人を含め、普段のオーブのミュージカルの観客とはちがうヘドウィグファン多数。1曲目から1階は総立ちで、どうなっちゃうのかと思いましたが、ジョンに座れーって言われてほっとしました。

さて、ほかのキャストはどうなるのかな、と思ったら、中村中一人だけがクレジットされてまして、たしかに彼女がヘドウィグの一人称で物語を語り、他の役をやり、ジョンは歌うかたち。いわばHedwig in Concert という感じなんですが、中村中の熱演もあって、これはこれで十分作品世界を伝えてくれていました。

ジョンは、年齢を感じさせない、美しさと歌の迫力。ほんもののヘドウィグとしか言いようがない。ちょっとした茶目っ気、どことなく品があってさわやかささえ感じさせるところが、この作品を広く受け入れさせた要因の一つでもあったでしょう。評判通り楽曲がよく、バラードなどでは鳥肌が立ちそうな瞬間が何度もありました。観客のノリがよくて盛り上がったのもよかったです。

ジョン自身の言葉は多くはなかったけど、観客に対する愛情や、ユーモアのセンスがあっ2910hedwig02_2て。2度目のアンコールの後、ジョンが中村中に「最後に何か言って」と言ったのが通じなかったみたいで、そしたらジョンが「二人の間で通じる言葉は音楽だけね」(これは中村中が通訳してくれた)というのもさすが。

中村中、初めて見たのですが、シンガーの人なんですね(日本版ヘドウィグにも出ていますが)。何で一人だけのキャストに美人の女性?と思ったら、公表されているようですが、戸籍上は男性なんだそうです。そう思って振り返ると、この作品にキャスティングされるにふさわしいというところかもしれません。

(追記)

その後、映画のDVDを見てみました。あー、絶対にこれを5回は見てから行くべきでしたね。映画のヘドウィグファンがこの公演で熱狂するのがよくわかりました。曲もほんとにいし。

で、舞台版は見ていませんが、この公演の演出に不満を持つ方がいるのもなるほど。たしかにあの風船人形、何なんだってことですよ。でも、あのシンプルで味のあるアニメーションやベルリンの壁の映像など、オリジナルの味を伝えようと誠実な演出ともいえるように思います。何よりジョンが輝いていましたからね。

ところで、ジョンが来日したのは、監督した新作映画「パーティで女の子に話しかけるには(How to Talk to Girls at Parties)]のジャパンプレミアのためでもあったようで、19日のプレミアには、かつてヘドウィグを演じた山本耕史が登場したそうです。https://www.kyodo.co.jp/entame/showbiz/2017-10-20_1703300/

ジョンとはジョイントライブもやっていて旧知なので、即興で二人で「Origin of Love」を歌ったとか。どんな感じだったんでしょうか。すごすぎますよね。

山本耕史の「植木等とのぼせもん」

Photo    実際にどのくらい見られているかわからないけど、けっこう評判のNHK土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」。クレージーキャッツの植木等(山本耕史)とその新米付き人、後の小松政夫(志尊淳)の物語。以前の「トットてれび」同様、当時の番組の再現度がなかなかです。クレージーキャッツ、人気のピーク時はさすがに知りませんが、上品なコメディセンスあるメンバー個々はお馴染みでしたし、一時期はベスト盤をよく聞いていました。青島幸雄の突き抜けた歌詞、植木等の歌が好きでした。

私はもちろん山本耕史目当てで見ているんですが、彼の植木等の歌のうまさ、単なるモノマネに止まっていない、真面目な人柄を表現する演技がとてもいいです。「スリル」の続編や映画化が、小出恵介の件で望みが絶たれたのを埋め合わせてくれています。もちろん、父の伊東四朗、ハナ肇の山内圭哉、谷啓の浜野謙太といい味出してますし、志尊淳が健気でかわいく、植木等を敬愛する気持ちにあふれてて気持ちがいいです。

このドラマで、山本耕史という俳優の実力がまたちょっと広まった感があってうれしいなあと思っていたところ、ちょっと古い2013年のものですが、ファンにはおお、という記事を見つけました。長い大特集です。

朝日新聞GLOBE 突破する力 山本耕史

この最後のページが、演出家ジョン・ケアードさんインタビュー なんですが、レ・ミゼラブルのガブローシュのオーディションの話をしています。この役は生意気で荒っぽい少年なんですが、イギリスではすぐ見つかるが、日本の子はおとなしい、しかし、耕史は「まだ小さいのに自信に満ちていた。演じることが好きで好きでたまらないという様子で、すでに一人前のちいさな役者だった。自分をどんどん外に出して表現することを、当時すでに自然にやっていました。」。

←この感じ、猿之助と同じ!

そして、ケアードさんが日本で初演出した1980年代には、日本では古いミュージカルの歌い方、大きなビブラートが主流だったのに対し、「耕史は、ビブラートの幅を小さく抑え、ぶれずに力強く発声する歌唱法を身につけた最初の役者の一人だったと思います。しかも単に身につけるだけでなく、この歌い方を本当の意味で理解し、非常にうまく歌う先駆け的な役者になった。」

さらに、「彼には他の人にはない、特別な素養がある。一つは、お芝居をしている時に、非常にリラックスしていること。これは演技への自信からくるものでしょう。舞台で自然体でいられるということは、役者としてもっとも重要なことです。」

くー、さすが、名演出家、通り一遍の誉め言葉でない、耕史の特質を具体的かつ的確に語っていて、まさにその通りだと思います。ケアードさんは、その後も耕史と折に触れ会ったり、舞台を見たりしているそうです。ご自身の目の確かさを確認したことでしょう。

この記事では、ほかにも演出家、舞台美術家などが山本耕史をほめています。身体能力やキレのある時代劇の立ち回り、驚異的なセリフ覚えと、もともとの資質に加えて、影での努力、それを感じさせない現場での明るさ、共演者への気配り。このドラマでも、すごい綱渡りまで見せてくれました。

一緒に仕事をした人々から深い愛情を受けている彼、「植木等とのぼせもん」のスタッフにも愛されている雰囲気が感じられて、うれしいです。ネットでは、「どうしてもNHKは山本耕史を脱がせ、立ち回りをさせたいらしい」なんて言われてますね。

10月期はテレ朝の昼ドラ「トットちゃん」でもトットちゃんのお父さん役だし、12月にはメンフィス再演ですし、楽しみ!

「嵐が丘」@WOWOWライブ

Photo_2     堀北真希のキャサリン、山本耕史のヒースクリフで2015年に日生劇場で上演された「嵐が丘」の再放送です。チラシ見て興味は持ったんですが、ミュージカルじゃないしね、と行かなくてちょっと後悔した舞台でした。

原作の小説を読んだ中学生のときには、なぜお嬢さんのキャサリンがそんなにヒースクリフに惹かれるのかわからず、題名のとおり荒涼とした雰囲気の話だなと思った記憶があります。「ガラスの仮面」の劇中劇は、子役を演じたマヤが激しく魅力的で、大人を食ってしまうという話でした。

堀北真希、このときほんとに美しい(本当はこの放送の前後のインタビューのときの方が透明感があってきれい)、「映像では絶対に私には来ない役柄」と言う通り、柄ではないんでしょうが、技巧でなく体当たりでキャサリンを演じています。

山本耕史はさすが、舞台での美しさ。この舞台、エドガー伊礼彼方やヒンドリー高橋和史も素敵なんですが(ともに的確に好演)、影のある豊かな表情、オーラはひいき目でなくとも凄みがあります。とくにキャサリンが赤いドレスで帰って来た時の表情!キャサリンと同じくらいの歳というのにも無理がない(さらにひいき目)。

堀北真希は、インタビューで、山本耕史と戸田恵子は、最初から役として完成していて、演出の指示に従ってアレンジする程度だったのに驚いたと言っていますが、そういう人なんだと思います。「メンフィス」で耕史と共演している濱田めぐみも、「現場での判断が早くて的確」と語っています(まるで猿之助と言われていることが同じ)。

その戸田恵子、彼女にあて書きしたようなぴったりの役で、出ずっぱりで複雑な物語を語ります。彼女の明るさや強さがなかったら、この物語はずっと荒んだ雰囲気で息がつまったでしょう。ほかに、ソニンのイザベラも熱演でしたし、召使の小林勝也もよかったです。

子役がかわいらしく(ちょっと上品すぎるくらい)、回想シーンは大人がアテレコしたりして、時の流れの描き方がうまくて感心。演出は誰、と思ったら、G2さんという方です。かなりの力量と思われますが、なに、ジーツーって。どんな方なんでしょう。

芝居の後半のキャサリンの死後は、ヒースクリフが荒れているばかりなのでちょっとやりきれないんですが(墓のシーンはリアル)、ラスト近くの瀕死のキャサリンとの回想で盛り上がります。

この大変な舞台で1カ月、なれそめには十分ですね。

「髑髏城の七人Season 花」@IHIステージアラウンド東京

Photo_2   話題の劇団新感線「髑髏城の七人Season花」です。お台場に作られた、客席が回るというステージアラウンドの杮落しとして、1年間続く髑髏城公演の最初の3カ月です。

劇場は、円の中に座席を配置し、その周りがステージで、120度分くらいが使われ、次の場面になると回転するという仕組み。間はCGが映しだされるスクリーンが開閉し、その前を役者が走ってたりするので、切れ目は感じられません。

Saround豊洲の市場前(ゆりかもめの駅すぐ)って、市場移転後、にぎわう街を想定していたんでしょうかね。この日は、劇場の前は原っぱでした。

 

新感線の舞台は「ZIPANG PUNK 五右衛門ロックⅢ」を見たことがあるだSaround2け(歌舞伎NEXT版の「阿弖流為」もか)ですが、この劇場の特徴ををフルにつかったスピード感あふれる名作髑髏城、うまくはまったキャストの熱演で、これぞエンタテインメントと、3時間半の長丁場を、たいへん楽しく見ることができました。

本能寺後、秀吉が攻めようとしている関東の荒野が舞台。信長ゆかりの流れ者捨之助(小栗旬)、捨之助に助けられる沙霧(清野菜名)、色里無界屋の極楽太夫(りょう)、無界屋の主人蘭兵衛(山本耕史)、髑髏党を率いて髑髏城で秀吉を迎え討とうという天魔王(成河)、仲間を率いて出没する兵庫(青木崇高)、鉄砲の達人狸穴次郎衛門(近藤芳正)、刀鍛冶贋鉄斎(古田新太)。髑髏城の七人は、これらの登場人物がキャストや設定を変えて何度も上演されているんですね。

この時代設定、なかなか秀逸です。あんまりセリフで説明しなくても、歴史的・地理的状況とか、人間関係がわかりますもんね。信長や秀吉って、まったく登場しなくても、強烈な存在感があるんですよ。

最初はベタな展開に、アニメみたいと思わないでもなかったんですが、だんだん引き込まれて、多数のキャストも脇役含めキャラも認識できてきました。長時間ならではでもあるでしょう。

小栗旬、映画「銀魂」もあるし、今主演の連ドラもやってるし大活躍ですが、長身でひょうひょうとしていてとにかくかっこいい。青木崇高、キャラ的には「ちかえもん」に近くて、純真なかわいい男、この方も大きな体が舞台映えします。

蘭兵衛の山本耕史、小栗旬に比べると胸板が厚い。信長の稚児だったという設定がなるほどという美しさ(彼に限らず、この舞台、メイクがとにかく秀逸です)。そして、時代劇のドラマでも評判の殺陣、重さを感じさせる刀をくるくる振り回す姿、超ステキで、いいもの見せてもらいました。

この3人は長身なんですが、対照的な小柄なキャストもそれぞれ個性的で好演。なんといっても天魔王の成河、これだけの大舞台の敵役、ラスボスを熱演でした。近藤芳正、兵庫の兄磯助(磯野慎吾)、三五(河野まさと)、も面白かったです。

古田新太は、もう出てくるだけでおかしい。スタイルのいいキャスト揃いの中で、頭が大きいバランスもおかしいし、何やってもしゃべっても爆笑でした。

清野菜名、「サンバイザー兄弟」でもアクションのキレに感心しましたが、今回はその比ではない大活躍。身体能力とよく通る声、かわいい雰囲気でとってもよかったです。サンバイザーにも出ていたりょうもきれいで腹が座ってる太夫でした。

チケットは30列目というかなりの後方(Sなんですけど)。座席表が円形なので、もしかして途中で舞台が近くなるのでは、なんて思ったりしたんですが、座席の前後関係は不変なので、ずーっと後方です。ステージが左右に広く、あまり前すぎると全体が見にくいので、10列目から15列目くらいのセンターがベストって感じですね。

あ、これだけの大規模公演なので、パンフレット2000円なりを買いました。髑髏城の七人の歴史とか、いろいろあるのかな、と思ったんですが、(見本はなかった)けっこう写真中心で、メインキャストの超かっこいい写真が載っています。値段だけのことはあるけど、私的には中満足。あ、稽古写真はなかなかいいです。

(追記)

5月15日、ライブビューイングがありました。ちょっとお高めで時間も早いので行かなかったけど、Twitterに、オグシュンと並んで、山本耕史蘭兵衛を称賛する声が多数でうれしいな。結婚騒動の時は、堀北真希より格下とか、なんかプロフィールも過小評価でやや悔しかったんですが、スリルにしても、この髑髏城にしても、求められた役割への期待以上の仕事をきっちりする彼、やっぱ好きだなー。

 

 

「スリル―赤の章、黒の章」

Photo  今クール、面白いドラマが多いんですが、さらにNHKで始まりましたよ、「スリル」。総合(赤の章)では小松奈菜主演、BS(黒の章)では山本耕史主演の連動ドラマ、というので、同じ話を視点を変えるのかな、と思っていたら、それぞれ別の話を、レギュラーは同じで全4話やるということでした(そりゃそうですね)。

  小松奈菜は、警視庁会計課庶務係で、詐欺師の娘。頭が切れて、刑事の小出恵介木下ほうかが扱う事件に首を突っ込んで見事な推理を見せます。山本耕史は、うまく立ち回ろうとして犯人に翻弄される弁護士。

事件は毎回のゲストが犯人なのですが(←ヒドイネタバレ)、ちょっとした推理と、キャラの面白さで気楽に見られます。黒の第1話は、忍成修吾くん、相変わらずかっこよかった!

小松奈菜もかわいいんですが、私としては、やっぱり山本耕史。貧乏弁護士っぽいんですが、どちらかというと間抜けで、ピンチにオタオタする表情がたまりません。でも黒の章ではしっかりアクションもあって、軽快な動きを見せてくれるし、何よりちょっとメッシュにしたヘアもファッションもかっこいいです。どうしてヤマコーがBSなの、ちぇ、と思いますが、まあこういうライトなドラマに主演してくれるのはうれしいです。

ゲスト次第でいくらでも派手になりそうなので、映画化しないかな。

(追記)

黒の章、最終回は大学時代のマドンナ(雛形あきこ)との絡みでしたね。アクションは少なかったけど、白井弁護士、冴えた推理を見せたり、切ない表情とかもあったりして、面白かったです。これで終わらないで、シリーズ化、映画化してほしい!

「新選組!」総集編&座談会(主に山本耕史)

Photo   まだ「新選組!」かって感じですみませんが、総集編DVDは多少入手しやすいのと、特典の座談会が見たくて買っちゃいました。

1部が京への出発前、2部が芹沢鴨を斬って新選組がスタートするまで、3部が残りということで、前半に力点が置かれていますが、三谷幸喜が独立して楽しめるように編集したものだそうで、たしかにこれはこれでちゃんと作品になっています。
後半の、山南以外の河合や松村、武田のエピソード(それぞれとてもよくできていた)はカットになってしまったのは惜しいですが、(とくに河合の回は短編として完璧で、とてもよかった)やむをえないですね。ただ、最終回の勝海舟(野田秀樹)のシーンが、全てを納得させる大事なところで、カットされなくてほっとしました。とにかく保存版です。

さて、座談会、試衛館メンバー+三谷幸喜で、楽しく進んでいきます。一番若い藤原竜也は沖田総司そのままの天真爛漫な感じがかわいいです。

印象に残ったのは、山本耕史が、「自分の役どうこうより、香取慎吾が気持ちよく現場にいられるかだけを考えていた」、堺雅人が「僕は(スタッフやキャストみんなに気を使っていた)山本君みたいにはとてもできないと思った」というくだり(今は真田丸を引っ張っていますけど)。

このドラマの撮影中、ずっと山本耕史が、共演者と交流しない主義の香取慎吾を執拗に追い回して携帯番号を知ったというのは、去年の堀北真紀との結婚のとき、さんざん蒸し返され、へんな人っていう印象を世間に与えたと思うんですが。

この「新選組!」が始まった当初、ファンの多い新選組の主要キャストの配役には相当異論があり、香取慎吾じゃ無理とか、山本耕史は「ひとつ屋根の下」(知ってはいますが見てません)のひ弱な少年のイメージしかなく、あの土方ができるのか、と言われていたそうです(その後はもちろんはまり役との認識が生まれたわけですが)。

たしかに、舞台ではいくつも主演しているものの(すでにRENTのマーク役のあと)、ドラマや映画ではそんなにメジャーな作品はまだなかったようで、世間一般には知られていなかったと思うんですが、実力は明らかです。

慎吾ちゃんが、演技は心もとないのに、アイドルとして忙しかったとはいえ、主演としての自覚もないような態度でいたら、普通は2番手の実力派舞台人としては「なめんじゃねー」と反発しそうなものなのに(そういうマンガの読みすぎ?)、このままではドラマ自体がうまくいかないという危機感が、山本耕史にそういう態度をとらせたんでしょうか。このドラマをすべて見た後では、すごい、と思ってしまいます。

じっくり見ても、ミリ単位の目や唇の動きで、豊かな感情を表す耕史くんに対して、時間当たりの表現の豊かさは十分の一くらいの慎吾ちゃん。それでもサポートに徹するって、どれだけプロ意識なんだろうと思います。

そのへん、三谷さんはすごーく理解していた(というか、共演者もわかっていたようです)、その後も、「真田丸」で三成をあてたように、彼をすごくかわいがっているみたいですね。最終回の往年の土方役者栗塚さんの「よくやった」のシーンは、ほんとの涙があふれてていいシーンでした(総集編にはさすがにそこまで入っていませんが)

山本耕史って、赤ちゃんモデルから大成した珍しいケースで、ずっとお母様のマネジメントで個人事務所なんだそうです。好きな仕事、彼自身を必要とする仕事だけを貫いているというのは、大河ドラマから、マイナーな(派手なのも)ミュージカルまで、本当にいろいろな仕事をしているのをみるとわかります。

もう彼の舞台、これからは見逃さないぞ、という決意をした次第。

(追記)

Photo  その後、「土方歳三最期の一日」TVNavi特別編集メイキングムックを入手しました。山本土方はじめ出演者のインタビューや写真がいっぱいなだけでなく、セットの解説、新選組!放映時のTVNaviの山本耕史の連載コラム(ときどきキャストとの対談も。堺雅人とは特に面白かった!)、三谷幸喜との対談、三谷幸喜や吉川邦夫プロデューサーのエッセイ、新選組縁の地まであって、中身が濃い!ほんとに保存版のいいムックでした。

三谷さん、10年後にはすごい豪華キャストだといわれる自信があったそうですね。