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山本耕史

「Memphis(メンフィス)」@新国立中劇場

Photo  山本耕史、濱田めぐみのコンビで2年ぶりに「メンフィス」再演、しかも山本耕史の演出、最近の彼の活躍や、事前の稽古の充実ぶりが発信されたりしていて、楽しみにしていましたが、Twitterでも評判がよくてさらに期待して行きました。

なんたって、この演目、2012年にブロードウェイでアダム・パスカルのヒューイで見ているわけですが、2015年の初演版は、耕史・濱めぐのコンビがとてもよく、さらに、今回は山本耕史が演出に加わって、彼の思い描くこの作品世界にキャスト全体が集中していて、さらにバージョンアップしていました。

頭は弱いが純粋に黒人音楽を愛するヒューイ(山本耕史)。山本耕史の持つ明るさや一生懸命さを少し軽くして、とってもかわいいヒューイ。そして、ヒューイを愛しながらもメンフィスを出ていく勇気のあるフェリシア(濱田めぐみ)。二人が初演時よりもさらに役を自分のものにしていて、歌に役の命がこもっていて最高でした。濱田めぐみは、日本で一番好きなミュージカル女優ですが、このフェリシアがいちばん彼女の声質の良さを表現していると思います。ほんとに、いい曲がたくさんあって、何度も鳥肌立ちました。

フェリシアの兄(ジェロ)、ボビー(伊礼彼方)、ゲーター(米倉利紀)、歌も演技もとてもよかった!ジェロがやや華奢でヒューイへの壁になる大きさが若干足りないのも気になりませんでした。ほかにラジオ局のシモンズ(栗原英雄)はいつもながら味があるし、ヒューイのママ根岸李衣は、初演時より歌がずっとうまくなっていて、素敵でした。

ヒューイが黒人音楽を紹介していく話なので音楽シーンも自然で、アンサンブルも見せ所がたっぷり。密度の濃い舞台を作り上げていました。コーラスが感動的な曲もいっぱいありました。セットは、初演よりブロードウェイ版に近い、二階があるパターンで、この方が立体的で効果的。

見るたびに書いていますが、ヒューイはメンフィスでしか生きられない、自分をほんの少し変えることもできないためにフェリシアと幸せになることはできないのが悲しいラスト。「Memphis Lives in Me」は渾身の名曲です。

ラストは無理やりなフィナーレなんですが、ヒューイを変えなかったことが、このミュージカルのよさでもあるんだな、と思いました。スタンディング・オベーションの早さが、満席の観客の感動を物語ってました。

ドラマといい曲とキャストの熱唱とダンスを詰め込んだ、今のミュージカルの一つの完成形です。ああ、ここまでのミュージカルを純粋に日本で作ることができる日が来るんだろうか、と、ちらと思いながら、作品の力をそのまま形にしてくれた、山本耕史始めスタッフ・キャストに拍手です。

(2回目追記)

せっかくなのでもう1回見ました。ほんとにずーっとフラフラ動いているヒューイ。濱めぐの歌。バーンと前に出てくるコーラス。一人一人がこの作品世界を力いっぱい表現するいいカンパニー。アンコールでの観客の立ち上がるのが早いこと、そして今回もかわいいジョークでシメる山本耕史。

ああ、でも2回目で思いついちゃいました。ヒューイの前に立ちはだかるデルレイは、ジェロより米倉利紀の方が合ってたなあ。

ドラマ「トットちゃん」と「わろてんか」

Photo  10月から始まったテレ朝昼ドラの「トットちゃん」、山本耕史が出るので見てますが、ドラマとしてもとっても面白いです。原作の「窓際のトットちゃん」も読んだし、最近の「トットてれび」も見たし、題材としては目新しさはないと思ってましたが、そんなことありませんでした。

山本耕史はトットちゃんのパパのバイオリン演奏家。演奏時の立ち姿が美しく、コンサートマスターとしてあいさつするシーンがかっこいい!いきなりの結婚と、妻を閉じ込めるという展開にはびっくりでしたが、すぐに生活も安定して、浮世離れした雰囲気はそのままに、家族を愛する素敵な人です。わずかな登場場面でも、画面の中でぱあっと光ってます。出征の兵隊姿の丸刈りも新鮮でした(カツラでしたけどね)。

トットちゃん(豊嶋花)がうまい!子どもらしさの中に、後の黒柳徹子を思わせる仕草が出ていて、またかなりダンスのセンスがあるような動きも魅力的。マイペースなのに、育ちのよさを感じさせるセリフもすてき。ちょっとこれまでの日本の子役になかったうまさです。そのトットちゃんを押さえつける普通の学校からトモエ学園に転校してのびのびしているのがほほえましく、また、そんな学校あるかしら、というのを竹中尚人の校長先生がちょっとおとぎ話みたいで浮世離れしているのがまたいいんですよね。

乃木坂上倶楽部の小澤征悦、高岡早紀、凰稀かなめ、新納慎也とクセのある人たち。高岡早紀いい女優になったなー。凰稀かなめもかわいすぎる。

そして、舞台は疎開先の青森へ。何と中村メイコのおばあちゃん、いしのようこのお嫁さん、青森弁がきっつくてそれもまた。

脚本は大石静、さすがです。もうひとつ、彼女の代表作になるんじゃないでしょうか。

( 前作の「やすらぎの郷」も面白く見てたんですよね。途中失速する回もありましたが、八千草薫、朝丘ルリ子、加賀まりこが素敵だったし、富士真奈美もいいところを見せてくれました。野際陽子の遺作になりましたが、、彼女はちょっと現役感のある演技でした。)

Photo_2  一方朝ドラ「わろてんか」。吉本興業の創始者吉本せいがモデルとあって、お笑い好きの私、たいへん期待して見てたんですが、今のところぱっとしません。

松阪桃李、高橋一生、濱田岳、遠藤憲一、鈴木保奈美鈴木京香と、脇はすごいんですが、主人公がただかわいらしいだけ。子役時代もあったのに、笑いが好きってだけで、デキル子っぽい描写がなかったので、米問屋での行動が唐突感があるんですよねえ。とにかくどこかで見たような描写の連続。

脚本の吉田智子さん、恋愛ものが得意な東京出身の人。大阪のお笑い、というより笑いのセンスが皆無だなあと思います。せっかくの素材と出演者なのになあ。

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」@シアターオーブ

2910hedwig  「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の生みの親ジョン・キャメロン・ミッチェルが来日して特別公演をすると知ったときは、そんなことが本当にあるんだろうかと信じられないくらいでした。実は映画も日本での上演(山本耕史も主演していますが)見ていなかったんですが、映画が公開されたとき話題になったのも覚えていますし、ゲイ・カルチャーの中でもカルト的な人気があることなどは知っていましたから。

この作品は、1997年、ジョンの作・主演でオフブロードウェイで人気を博し、2001年にはジョンの監督・脚本・主演で映画化されています。今、Wikipediaを見ると、制作費600万ドル、興行収入360万ドルとありますから赤字ですが、DVDの売上はすごいんじゃないでしょうか。舞台の方はその後も各国で上演され、ブロードウェイでも2014年4月から2015年9月まで、クロージング・キャストはRENTキャストのテイ・ディグズでした。このときは、トニー賞のリバイバル賞や、ニール・パトリック・ハリスの主演男優賞をとっていますね。

さて、そういう公演なので、お客さんはヘドウィグのコスプレをした人を含め、普段のオーブのミュージカルの観客とはちがうヘドウィグファン多数。1曲目から1階は総立ちで、どうなっちゃうのかと思いましたが、ジョンに座れーって言われてほっとしました。

さて、ほかのキャストはどうなるのかな、と思ったら、中村中一人だけがクレジットされてまして、たしかに彼女がヘドウィグの一人称で物語を語り、他の役をやり、ジョンは歌うかたち。いわばHedwig in Concert という感じなんですが、中村中の熱演もあって、これはこれで十分作品世界を伝えてくれていました。

ジョンは、年齢を感じさせない、美しさと歌の迫力。ほんもののヘドウィグとしか言いようがない。ちょっとした茶目っ気、どことなく品があってさわやかささえ感じさせるところが、この作品を広く受け入れさせた要因の一つでもあったでしょう。評判通り楽曲がよく、バラードなどでは鳥肌が立ちそうな瞬間が何度もありました。観客のノリがよくて盛り上がったのもよかったです。

ジョン自身の言葉は多くはなかったけど、観客に対する愛情や、ユーモアのセンスがあっ2910hedwig02_2て。2度目のアンコールの後、ジョンが中村中に「最後に何か言って」と言ったのが通じなかったみたいで、そしたらジョンが「二人の間で通じる言葉は音楽だけね」(これは中村中が通訳してくれた)というのもさすが。

中村中、初めて見たのですが、シンガーの人なんですね(日本版ヘドウィグにも出ていますが)。何で一人だけのキャストに美人の女性?と思ったら、公表されているようですが、戸籍上は男性なんだそうです。そう思って振り返ると、この作品にキャスティングされるにふさわしいというところかもしれません。

(追記)

その後、映画のDVDを見てみました。あー、絶対にこれを5回は見てから行くべきでしたね。映画のヘドウィグファンがこの公演で熱狂するのがよくわかりました。曲もほんとにいし。

で、舞台版は見ていませんが、この公演の演出に不満を持つ方がいるのもなるほど。たしかにあの風船人形、何なんだってことですよ。でも、あのシンプルで味のあるアニメーションやベルリンの壁の映像など、オリジナルの味を伝えようと誠実な演出ともいえるように思います。何よりジョンが輝いていましたからね。

ところで、ジョンが来日したのは、監督した新作映画「パーティで女の子に話しかけるには(How to Talk to Girls at Parties)]のジャパンプレミアのためでもあったようで、19日のプレミアには、かつてヘドウィグを演じた山本耕史が登場したそうです。https://www.kyodo.co.jp/entame/showbiz/2017-10-20_1703300/

ジョンとはジョイントライブもやっていて旧知なので、即興で二人で「Origin of Love」を歌ったとか。どんな感じだったんでしょうか。すごすぎますよね。

山本耕史の「植木等とのぼせもん」

Photo    実際にどのくらい見られているかわからないけど、けっこう評判のNHK土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」。クレージーキャッツの植木等(山本耕史)とその新米付き人、後の小松政夫(志尊淳)の物語。以前の「トットてれび」同様、当時の番組の再現度がなかなかです。クレージーキャッツ、人気のピーク時はさすがに知りませんが、上品なコメディセンスあるメンバー個々はお馴染みでしたし、一時期はベスト盤をよく聞いていました。青島幸雄の突き抜けた歌詞、植木等の歌が好きでした。

私はもちろん山本耕史目当てで見ているんですが、彼の植木等の歌のうまさ、単なるモノマネに止まっていない、真面目な人柄を表現する演技がとてもいいです。「スリル」の続編や映画化が、小出恵介の件で望みが絶たれたのを埋め合わせてくれています。もちろん、父の伊東四朗、ハナ肇の山内圭哉、谷啓の浜野謙太といい味出してますし、志尊淳が健気でかわいく、植木等を敬愛する気持ちにあふれてて気持ちがいいです。

このドラマで、山本耕史という俳優の実力がまたちょっと広まった感があってうれしいなあと思っていたところ、ちょっと古い2013年のものですが、ファンにはおお、という記事を見つけました。長い大特集です。

朝日新聞GLOBE 突破する力 山本耕史

この最後のページが、演出家ジョン・ケアードさんインタビュー なんですが、レ・ミゼラブルのガブローシュのオーディションの話をしています。この役は生意気で荒っぽい少年なんですが、イギリスではすぐ見つかるが、日本の子はおとなしい、しかし、耕史は「まだ小さいのに自信に満ちていた。演じることが好きで好きでたまらないという様子で、すでに一人前のちいさな役者だった。自分をどんどん外に出して表現することを、当時すでに自然にやっていました。」。

←この感じ、猿之助と同じ!

そして、ケアードさんが日本で初演出した1980年代には、日本では古いミュージカルの歌い方、大きなビブラートが主流だったのに対し、「耕史は、ビブラートの幅を小さく抑え、ぶれずに力強く発声する歌唱法を身につけた最初の役者の一人だったと思います。しかも単に身につけるだけでなく、この歌い方を本当の意味で理解し、非常にうまく歌う先駆け的な役者になった。」

さらに、「彼には他の人にはない、特別な素養がある。一つは、お芝居をしている時に、非常にリラックスしていること。これは演技への自信からくるものでしょう。舞台で自然体でいられるということは、役者としてもっとも重要なことです。」

くー、さすが、名演出家、通り一遍の誉め言葉でない、耕史の特質を具体的かつ的確に語っていて、まさにその通りだと思います。ケアードさんは、その後も耕史と折に触れ会ったり、舞台を見たりしているそうです。ご自身の目の確かさを確認したことでしょう。

この記事では、ほかにも演出家、舞台美術家などが山本耕史をほめています。身体能力やキレのある時代劇の立ち回り、驚異的なセリフ覚えと、もともとの資質に加えて、影での努力、それを感じさせない現場での明るさ、共演者への気配り。このドラマでも、すごい綱渡りまで見せてくれました。

一緒に仕事をした人々から深い愛情を受けている彼、「植木等とのぼせもん」のスタッフにも愛されている雰囲気が感じられて、うれしいです。ネットでは、「どうしてもNHKは山本耕史を脱がせ、立ち回りをさせたいらしい」なんて言われてますね。

10月期はテレ朝の昼ドラ「トットちゃん」でもトットちゃんのお父さん役だし、12月にはメンフィス再演ですし、楽しみ!

「嵐が丘」@WOWOWライブ

Photo_2     堀北真希のキャサリン、山本耕史のヒースクリフで2015年に日生劇場で上演された「嵐が丘」の再放送です。チラシ見て興味は持ったんですが、ミュージカルじゃないしね、と行かなくてちょっと後悔した舞台でした。

原作の小説を読んだ中学生のときには、なぜお嬢さんのキャサリンがそんなにヒースクリフに惹かれるのかわからず、題名のとおり荒涼とした雰囲気の話だなと思った記憶があります。「ガラスの仮面」の劇中劇は、子役を演じたマヤが激しく魅力的で、大人を食ってしまうという話でした。

堀北真希、このときほんとに美しい(本当はこの放送の前後のインタビューのときの方が透明感があってきれい)、「映像では絶対に私には来ない役柄」と言う通り、柄ではないんでしょうが、技巧でなく体当たりでキャサリンを演じています。

山本耕史はさすが、舞台での美しさ。この舞台、エドガー伊礼彼方やヒンドリー高橋和史も素敵なんですが(ともに的確に好演)、影のある豊かな表情、オーラはひいき目でなくとも凄みがあります。とくにキャサリンが赤いドレスで帰って来た時の表情!キャサリンと同じくらいの歳というのにも無理がない(さらにひいき目)。

堀北真希は、インタビューで、山本耕史と戸田恵子は、最初から役として完成していて、演出の指示に従ってアレンジする程度だったのに驚いたと言っていますが、そういう人なんだと思います。「メンフィス」で耕史と共演している濱田めぐみも、「現場での判断が早くて的確」と語っています(まるで猿之助と言われていることが同じ)。

その戸田恵子、彼女にあて書きしたようなぴったりの役で、出ずっぱりで複雑な物語を語ります。彼女の明るさや強さがなかったら、この物語はずっと荒んだ雰囲気で息がつまったでしょう。ほかに、ソニンのイザベラも熱演でしたし、召使の小林勝也もよかったです。

子役がかわいらしく(ちょっと上品すぎるくらい)、回想シーンは大人がアテレコしたりして、時の流れの描き方がうまくて感心。演出は誰、と思ったら、G2さんという方です。かなりの力量と思われますが、なに、ジーツーって。どんな方なんでしょう。

芝居の後半のキャサリンの死後は、ヒースクリフが荒れているばかりなのでちょっとやりきれないんですが(墓のシーンはリアル)、ラスト近くの瀕死のキャサリンとの回想で盛り上がります。

この大変な舞台で1カ月、なれそめには十分ですね。

「髑髏城の七人Season 花」@IHIステージアラウンド東京

Photo_2   話題の劇団新感線「髑髏城の七人Season花」です。お台場に作られた、客席が回るというステージアラウンドの杮落しとして、1年間続く髑髏城公演の最初の3カ月です。

劇場は、円の中に座席を配置し、その周りがステージで、120度分くらいが使われ、次の場面になると回転するという仕組み。間はCGが映しだされるスクリーンが開閉し、その前を役者が走ってたりするので、切れ目は感じられません。

Saround豊洲の市場前(ゆりかもめの駅すぐ)って、市場移転後、にぎわう街を想定していたんでしょうかね。この日は、劇場の前は原っぱでした。

新感線の舞台は「ZIPANG PUNK 五右衛門ロックⅢ」を見たことがあるだSaround2け(歌舞伎セカンド版の「阿弖流為」もか)ですが、この劇場の特徴ををフルにつかったスピード感あふれる名作髑髏城、うまくはまったキャストの熱演で、これぞエンタテインメントと、3時間半の長丁場を、たいへん楽しく見ることができました。

本能寺後、秀吉が攻めようとしている関東の荒野が舞台。信長ゆかりの流れ者捨之助(小栗旬)、捨之助に助けられる沙霧(清野菜名)、色里無界屋の極楽太夫(りょう)、無界屋の主人蘭兵衛(山本耕史)、髑髏党を率いて髑髏城で秀吉を迎え討とうという天魔王(成河)、仲間を率いて出没する兵庫(青木崇高)、鉄砲の達人狸穴次郎衛門(近藤芳正)、刀鍛冶贋鉄斎(古田新太)。髑髏城の七人は、これらの登場人物がキャストや設定を変えて何度も上演されているんですね。

この時代設定、なかなか秀逸です。あんまりセリフで説明しなくても、歴史的・地理的状況とか、人間関係がわかりますもんね。信長や秀吉って、まったく登場しなくても、強烈な存在感があるんですよ。

最初はベタな展開に、アニメみたいと思わないでもなかったんですが、だんだん引き込まれて、多数のキャストも脇役含めキャラも認識できてきました。長時間ならではでもあるでしょう。

小栗旬、映画「銀魂」もあるし、今主演の連ドラもやってるし大活躍ですが、長身でひょうひょうとしていてとにかくかっこいい。青木崇高、キャラ的には「ちかえもん」に近くて、純真なかわいい男、この方も大きな体が舞台映えします。

蘭兵衛の山本耕史、小栗旬に比べると胸板が厚い。ある設定がなるほどという美しさ(彼に限らず、この舞台、メイクがとにかく秀逸です)。そして、時代劇のドラマでも評判の殺陣、重さを感じさせる刀をくるくる振り回す姿、超ステキで、いいもの見せてもらいました。

この3人は長身なんですが、対照的な小柄なキャストもそれぞれ個性的で好演。なんといっても天魔王の成河、これだけの大舞台の敵役、ラスボスを熱演でした。近藤芳正、兵庫の兄磯助(磯野慎吾)、三五(河野まさと)、も面白かったです。

古田新太は、もう出てくるだけでおかしい。スタイルのいいキャスト揃いの中で、頭が大きいバランスもおかしいし、何やってもしゃべっても爆笑でした。

清野菜名、「サンバイザー兄弟」でもアクションのキレに感心しましたが、今回はその比ではない大活躍。身体能力とよく通る声、かわいい雰囲気でとってもよかったです。サンバイザーにも出ていたりょうもきれいで腹が座ってる太夫でした。

チケットは30列目というかなりの後方(Sなんですけど)。座席表が円形なので、もしかして途中で舞台が近くなるのでは、なんて思ったりしたんですが、座席の前後関係は不変なので、ずーっと後方です。ステージが左右に広く、あまり前すぎると全体が見にくいので、10列目から15列目くらいのセンターがベストって感じですね。

あ、これだけの大規模公演なので、パンフレット2000円なりを買いました。髑髏城の七人の歴史とか、いろいろあるのかな、と思ったんですが、(見本はなかった)けっこう写真中心で、メインキャストの超かっこいい写真が載っています。値段だけのことはあるけど、私的には中満足。あ、稽古写真はなかなかいいです。

(追記)

5月15日、ライブビューイングがありました。ちょっとお高めで時間も早いので行かなかったけど、Twitterに、オグシュンと並んで、山本耕史蘭兵衛を称賛する声が多数でうれしいな。結婚騒動の時は、堀北真希より格下とか、なんかプロフィールも過小評価でやや悔しかったんですが、スリルにしても、この髑髏城にしても、求められた役割への期待以上の仕事をきっちりする彼、やっぱ好きだなー。

「スリル―赤の章、黒の章」

Photo  今クール、面白いドラマが多いんですが、さらにNHKで始まりましたよ、「スリル」。総合(赤の章)では小松奈菜主演、BS(黒の章)では山本耕史主演の連動ドラマ、というので、同じ話を視点を変えるのかな、と思っていたら、それぞれ別の話を、レギュラーは同じで全4話やるということでした(そりゃそうですね)。

  小松奈菜は、警視庁会計課庶務係で、詐欺師の娘。頭が切れて、刑事の小出恵介木下ほうかが扱う事件に首を突っ込んで見事な推理を見せます。山本耕史は、うまく立ち回ろうとして犯人に翻弄される弁護士。

事件は毎回のゲストが犯人なのですが(←ヒドイネタバレ)、ちょっとした推理と、キャラの面白さで気楽に見られます。黒の第1話は、忍成修吾くん、相変わらずかっこよかった!

小松奈菜もかわいいんですが、私としては、やっぱり山本耕史。貧乏弁護士っぽいんですが、どちらかというと間抜けで、ピンチにオタオタする表情がたまりません。でも黒の章ではしっかりアクションもあって、軽快な動きを見せてくれるし、何よりちょっとメッシュにしたヘアもファッションもかっこいいです。どうしてヤマコーがBSなの、ちぇ、と思いますが、まあこういうライトなドラマに主演してくれるのはうれしいです。

ゲスト次第でいくらでも派手になりそうなので、映画化しないかな。

(追記)

黒の章、最終回は大学時代のマドンナ(雛形あきこ)との絡みでしたね。アクションは少なかったけど、白井弁護士、冴えた推理を見せたり、切ない表情とかもあったりして、面白かったです。これで終わらないで、シリーズ化、映画化してほしい!

「新選組!」総集編&座談会(主に山本耕史)

Photo   まだ「新選組!」かって感じですみませんが、総集編DVDは多少入手しやすいのと、特典の座談会が見たくて買っちゃいました。

1部が京への出発前、2部が芹沢鴨を斬って新選組がスタートするまで、3部が残りということで、前半に力点が置かれていますが、三谷幸喜が独立して楽しめるように編集したものだそうで、たしかにこれはこれでちゃんと作品になっています。
後半の、山南以外の河合や松村、武田のエピソード(それぞれとてもよくできていた)はカットになってしまったのは惜しいですが、(とくに河合の回は短編として完璧で、とてもよかった)やむをえないですね。ただ、最終回の勝海舟(野田秀樹)のシーンが、全てを納得させる大事なところで、カットされなくてほっとしました。とにかく保存版です。

さて、座談会、試衛館メンバー+三谷幸喜で、楽しく進んでいきます。一番若い藤原竜也は沖田総司そのままの天真爛漫な感じがかわいいです。

印象に残ったのは、山本耕史が、「自分の役どうこうより、香取慎吾が気持ちよく現場にいられるかだけを考えていた」、堺雅人が「僕は(スタッフやキャストみんなに気を使っていた)山本君みたいにはとてもできないと思った」というくだり(今は真田丸を引っ張っていますけど)。

このドラマの撮影中、ずっと山本耕史が、共演者と交流しない主義の香取慎吾を執拗に追い回して携帯番号を知ったというのは、去年の堀北真紀との結婚のとき、さんざん蒸し返され、へんな人っていう印象を世間に与えたと思うんですが。

この「新選組!」が始まった当初、ファンの多い新選組の主要キャストの配役には相当異論があり、香取慎吾じゃ無理とか、山本耕史は「ひとつ屋根の下」(知ってはいますが見てません)のひ弱な少年のイメージしかなく、あの土方ができるのか、と言われていたそうです(その後はもちろんはまり役との認識が生まれたわけですが)。

たしかに、舞台ではいくつも主演しているものの(すでにRENTのマーク役のあと)、ドラマや映画ではそんなにメジャーな作品はまだなかったようで、世間一般には知られていなかったと思うんですが、実力は明らかです。

慎吾ちゃんが、演技は心もとないのに、アイドルとして忙しかったとはいえ、主演としての自覚もないような態度でいたら、普通は2番手の実力派舞台人としては「なめんじゃねー」と反発しそうなものなのに(そういうマンガの読みすぎ?)、このままではドラマ自体がうまくいかないという危機感が、山本耕史にそういう態度をとらせたんでしょうか。このドラマをすべて見た後では、すごい、と思ってしまいます。

じっくり見ても、ミリ単位の目や唇の動きで、豊かな感情を表す耕史くんに対して、時間当たりの表現の豊かさは十分の一くらいの慎吾ちゃん。それでもサポートに徹するって、どれだけプロ意識なんだろうと思います。

そのへん、三谷さんはすごーく理解していた(というか、共演者もわかっていたようです)、その後も、「真田丸」で三成をあてたように、彼をすごくかわいがっているみたいですね。最終回の往年の土方役者栗塚さんの「よくやった」のシーンは、ほんとの涙があふれてていいシーンでした(総集編にはさすがにそこまで入っていませんが)

山本耕史って、赤ちゃんモデルから大成した珍しいケースで、ずっとお母様のマネジメントで個人事務所なんだそうです。好きな仕事、彼自身を必要とする仕事だけを貫いているというのは、大河ドラマから、マイナーな(派手なのも)ミュージカルまで、本当にいろいろな仕事をしているのをみるとわかります。

もう彼の舞台、これからは見逃さないぞ、という決意をした次第。

(追記)

Photo  その後、「土方歳三最期の一日」TVNavi特別編集メイキングムックを入手しました。山本土方はじめ出演者のインタビューや写真がいっぱいなだけでなく、セットの解説、新選組!放映時のTVNaviの山本耕史の連載コラム(ときどきキャストとの対談も。堺雅人とは特に面白かった!)、三谷幸喜との対談、三谷幸喜や吉川邦夫プロデューサーのエッセイ、新選組縁の地まであって、中身が濃い!ほんとに保存版のいいムックでした。

三谷さん、10年後にはすごい豪華キャストだといわれる自信があったそうですね。

大河ドラマ「新選組!」@2004と「土方歳三最期の一日」

Photo   「真田丸」が面白すぎるので、同じ三谷幸喜脚本のこれが気になっていたのと、山本耕史が結婚したとき、香取慎吾の連絡先をストーカーまがいにゲットした話がよく出ていたので見たかった「新選組!」、12年前の作品ですが、DVDで一気に見ました。後半はもうやめられなくて、生活がたいへんなことに(笑)。

放映されていた2004年は、大河ドラマをあまり見ていない時期でしたし、子どもの頃「竜馬がゆく」を読んで以来倒幕派だったので()新選組には全く興味がなかったし、香取慎吾君は嫌いじゃないけど「近藤勇」って無理じゃない?と思っていたんですよね。

しかし、今回、このドラマを通しで見ることができて、本当によかったです。なぜ山本耕史の代表作といわれるのかもわかったし、三谷幸喜という脚本家の凄さも遺憾なく発揮されていることも思い知りました。これがあっての、あの、重厚な手練れの俳優たちを活躍させている今の真田丸があるのか。  

最初は、江戸の天然理心流の道場試衛館と多摩が舞台で、大河ドラマとしてはずいぶんのんびりとしています。多摩の農家に生まれ近藤家の養子になった勇(香取慎吾)と行商をしている土方歳三(山本耕史)は、武士そしてひとかどの者になりたいと思いながら、悶々としています。いろいろな素性の剣士たちが勇を慕って道場の食客になったり、勇と坂本龍馬や桂小五郎がけっこう仲良くしていたり。このへん、ちまちましていて、小日向文世や田中邦衛、野際陽子、岩崎加根子たちがいい味を出してはいますが、従来の大河ファンには地味すぎて面白くなかったところでしょう。しかし、ここで百姓の家に生まれた勇と歳三の武士へのコンプレックスや、のちに新選組の幹部となる食客たちとの関係を丁寧に描くことによって、新選組の本質や、後の彼らの気持ちがよく理解できるのです。
 
勇たちは、幕府の募集に応じて京に行き、壬生浪士組―のちに新選組を結成します。お馴染みの新選組の形になるまでの苦労、池田屋事件での活躍、法度による隊の締め付けと綻び、竜馬や薩長の動きによる時代の激動と新選組の崩壊、近藤勇の死までは少しもだれることなく描いていきます。京に旅立つのが1863年で11話、芹沢鴨(佐藤浩市)に振り回された挙句彼を抹殺して新選組が誕生するのが25話、幕府が崩壊し、新選組の立場がどんどん変わっていくのが45話くらいからで、勇の死が最終回の49話で1968年、京に上ってからたった5年です。新選組と徳川幕府が完全に終わる中、勇の死の意味と仲間の決断が、説得力を持って描かれます。
 
数多くの登場人物のキャラクターがきっちり確立されていて、考えや行動に必然性があり、単純な悪役はいないところは、真田丸と同じ。また、複雑な幕末の政治的な流れを、要領よく語っているのも同様です。何度か大河で幕末物は見ていますが、この「新選組!」がいちばんわかりやすくて、初めて池田屋事件の意味がわかりました(わかってなさすぎ)。放送当時、史実を無視して近藤勇が桂や竜馬と親しすぎると批判があったようですが、新選組の内情に終始するより、彼らの置かれた時代背景がよくわかって、大河ドラマとして面白くなっていたと思います。
 
出演者が、今見ると本当に豪華で、しかも12年前だけに皆さん若々しく、素敵です。主役の香取慎吾は、慎吾ママの後ですから、人気絶頂の頃(翌年は「西遊記」)とはいうものの、山本耕史、オダギリジョー、堺雅人、藤原竜也、勘太郎(現勘九郎)、谷原章介たちは、当時はそれほどには知名度はなかったのではと思うんですが、彼らの演技力は今とそん色なく、惚れ惚れします。
 
香取慎吾は、まあ、心配が半分は当たったというか。若い頃はまだいいんですけど、後半はさすがにせりふ回しの幼さがちょっと辛い。でも、ひときわ体も顔も大きくて、誠実な目が、勇らしいといえば勇らしく、皆の中でも大きな雰囲気を保っています。少なくともドラマを壊していないのは脚本と演出と本人の努力でしょう。SMAPで活動しながら主演してたんですね。
 
山本耕史の土方歳三、序盤はやりたいことも見えず腐っていたのが、京で近藤勇を盛り立ててのし上がっていくために、汚いことにも手を染め憎まれ役に徹する鬼の副長。新選組の法度は苛烈ですが、それへの苦悩も十分表現され、とても素敵。仲間へのキレのいい突っ込みも最高です。近藤勇への対比を意識してか、並んで座るときはわざと猫背気味に座って小さくなっていたり(後から実際に猫背だったと知りましたが)、着物の前のはだけ方やら、刀のさやの飾りの赤い紐やら、本当に細かい一つ一つで、土方歳三を演じています。たしかに、耕史ファンとしては、マストだったなと実感しました。話題になった香取慎吾へのアプローチですが、後になるほど、新選組での表向きの上下関係の中で、ごく稀に出る「かっちゃん」「トシ」のやりとりが効果的で、意味があったんだなと思います。

三谷さん、この4年前から彼の土方を構想していたそうで、よほど好きなのか、多摩音頭を歌うとか、上半身脱いで鈴木京香と絡ませるとか、田中邦衛のモノマネ許しちゃうとか、秘蔵っ子扱い。しかし、最初の頃はしっかり描かれていた「土方はいい男で女にモテる」設定の描写は、京ではほとんどなくて、そこだけが物足りないと思いました。
 
これが出世作となった堺雅人の山南敬之、当時31歳、知的な雰囲気、上品な笑顔で、もう今と変わらない堺雅人。明里(鈴木砂羽、素晴らしい)とのシーンは感動でした。

オダギリジョーの斉藤一も最高。当時山本耕史と同じ28歳、最高に美形、ニヒルで無口に見えて、人一倍誠実で優しくて義理堅いところがたまりません。

 藤原竜也は当時まだ22歳ですが、すでに蜷川さんの秘蔵っ子として売れていたからか、沖田総司としてクレジットは香取慎吾の次です。目がすごくキレイで、一番の剣豪らしい動きも美しく、人生で一番楽しい時期に、結核に倒れた無念さがこのドラマのもう一つの軸になっています。ベタな役なのに、さすがだと思います。彼が土方の理解者であるのもきいています。

勘九郎(当時勘太郎、藤堂平助役)も23歳、当時テレビでは無名に近かったと思いますし、メイクをほとんど感じない素朴なルックスで、軽い扱いなんですけど(今の勘九郎になる人には見えない)、生真面目な雰囲気で、ときどき歌舞伎の見事なせりふ回し。後半にはなかなかの見せ場がありました。

 政治家になってしまった山本太郎を俳優としてみたのは初めてだったんですが、この人にしかできないような面白くてハンサムな原田左之助を好演。俳優をやめてしまったのがもったいないです。

 最近そんなにみませんが、久坂玄瑞の池田博之。熱っぽい目がきれいで、情熱的な演技、去年の大河の人とは違う~と思ってみてました。当時22歳の吹石一恵も整った美貌と演技力でとっても好感が持てました。

 ほかにも、へえこんな役にこの人が、と思うキャスティングもたくさん。

何といっても、野田秀樹の勝海舟。うわ、この人こんなに普通のテレビのお芝居できるんだ、とびっくり。頭の良さそうな、時代をすべて見据えていそうな、シニカルな雰囲気で、石坂浩二の佐久間象山との場面は最高でしたが、終盤の土方とのシーンは、セリフも表情も切なくて、この悲劇を全て救ってくれました。ここでは山岡鉄舟の羽場裕一がいて、わー遊眠社!と盛り上がっちゃいます。

  そして、演出家として活躍している白井晃(「マハゴニー市」の演出もこの人)の、ひと癖ある清河八郎。この方、お年よりも若々しくて、かっこいいです。

  大阪奉行の敵役内山様はささきいさお。うわーこんなに長くドラマで見たの初めて。はじめささきさんとは知らなくて、ほんとに憎らしかったです。

あ、また橋之助が天皇役だ、と思ったのは、お兄さんの福助でした。歌舞伎からはもう一人、かなり目立っている捨助の獅童。あー、獅童ってこのドラマだったらかなりの役がはまると思うんですが、なぜか捨助。三谷さん、真田丸のきりちゃんといい、ウザいキャラがほんとに好きで、書いていて楽しいんでしょうね。

土佐藩士の望月亀弥太に三宅弘城、「あさが来た」で亀助だったのは、この亀からとったんですかね(あさ来たのスタッフは絶対、新選組!好きですもんね)。橋本左内に番頭はんの山内圭祐やら、河合耆三郎に大倉孝二やら、舞台人がいっぱい。医者の松本良順、知的かつ骨のある雰囲気いいなあと思ったら、田中哲司じゃないですか。岩倉具視の中村有志、ピン芸人で出てきた時からけっこう好きなので、なかなか板についた胡散臭い公家ぶり、よかったです。本願寺の寺侍で、新選組を見つめ、後に回想記を書く西村兼文に本間健一、知的で客観者の雰囲気がいいなあと思っていたら、タップが得意でミュージカルの振付やステージングを多数手がけている人だとか。

龍馬の妻おりょうの麻生久美子。いつもいいなあと思う女優さんですが、新選組!見ていたらもっと早く知っていたんですね。彼女が出ていた「泣くな、はらちゃん」で面白い役を演じていた甲本雅裕も、印象的な役でした。巨漢で土方に忠実な島田魁の照英もとても合っていて好演でしたし、同じ監察方の山崎の桂吉弥もすごくよかったです。


「八重の桜」でも活躍していた佐藤B作は幕臣の永井様。滑舌がよくて骨があって立派でした。軍師武田の八嶋智人、トリビアで売れた後ですね。ちょっとインチキくさすぎて浮いてましたね。


 今真田丸で2度目の小早川秀秋を演じている浅利陽介が、当時17歳で、勇の養子となる周助、おとなしく剣の腕は未熟で、同輩にいじめられたりするんですが、けなげにがんばる姿がいいです。

 きりがないですが、佐藤浩市の芹沢鴨と、鈴木京香のお梅さんも強烈、彼らのいい時にいい役をやっていたなあ、と、特に佐藤浩市以外の芹沢鴨は考えられないくらいでした。破滅的な生活と、信念と、プライドと、凄みがありました。見ていてうんざりするくらいで、それだけに彼を暗殺して本当の新選組誕生がドラマチックでした。

あまりにみんながいいので、江口洋介の竜馬や宇梶剛士の西郷どんも、歴代の二人と比べてもかなりはまっていますが、この豪華キャストの中では比較的普通(失礼)。

それから、かつて土方を演じて当たり役とされた栗塚旭が歳三の兄、沖田を演じた島田順司が沖田の晩年世話をする植木屋平五郎と、リスペクトが感じられる配役です。映画の「マンマ・ミーア」や、「レ・ミゼラブル」に舞台版の主要キャストが脇役で出演しているような感じでかっこいいです。

Hijikata   そしてもちろん、大河初の続編「土方歳三の最期の一日」も(2006年のお正月ドラマ)も見ましたよ。

土方が勇の死後、部下には優しくなって、懸命に生きて、力尽きるまで、洋装の山本耕史がご覧のように超かっこよくて最高でした。

愛之助、このとき見ていれば、もっと早く知っていたのに。治部、刑部の友情はここからだったんですね。そして大鳥圭介の吹越満。今から見ると、あまちゃんでのジオラマ好きはここからだったのか、とちょっとおかしいです。今や人気者の、鉄之助役の池松壮亮くん15歳がかわいかったです。


そして、現在、新選組関係本を読んでおります(←あーあ)

音楽劇「マハゴニー市の興亡」@KAAT(市民席の追記あり)

Mahagoni2   「真田丸」は、いよいよ関ケ原で山本耕史の石田三成も出番は終わり、KAATで白井晃上演台本・演出の「マハゴニー市の興亡」に主演するということで見てきました。役名はジム・マホニー、治部様からジム様だな、とちょっとおかしくて。

作はあのブレヒト、曲はそのブレヒトの代表作「三文オペラ」で知られる(といっても知らなかったヴァイルです。ソンドハイム以上の難解なメロディですが、思っていたより聞きやすく、慣れてくるとちょっと癖になる、とキャストが言っていたのがわかる気がしました。音楽監督のスガダイローさん率いるバンドもすっごくよかったです。

逃亡犯のベグビック(中尾ミエ)、モーセ(上條恒彦)、ファッティ(古谷一行)は、車が動かなくなり、そこに享楽の町マハゴニーを作ります。ジェニー(マルシア)ら女たちも集まってきます。アラスカで働いて貯めた金を持ってやってきたジム(山本耕史)たちは、マハゴニーを楽しみますが、だんだん町は行き詰っていき、規則も増え、それに反発したジムは…。

座席を12列目までつぶして、奥行きのある舞台、両端には客席もあり、目の前で町の人々が歌い、踊り、酒を飲みます。

やっていることは具体的なんですが、言いたいことは寓話的というか、パラレルワールドのようで、何も考えずにやりたいようにやるって何だろうとか人間の素の欲望を開放したらどうなるんだろうとか、まあそんなことを感じながら、これがミュージカルという楽しみがなかったら、この世界には入り込みにくかったかなと思いました。ヒトラーがこの芝居の上演を禁じた気持ちはわかります。

それから、若干の違和感は、男性アンサンブルの衣装があまりにも今の日本のちょっとださい服装だったこと。メインキャストと女性アンサンブルはちゃんと衣装着てるのに、いくら何でもあれではマハゴニー市に入り込めない。舞台上の観客とキャストをつなぐつもりなのかもしれないですが、やや残念でした。Mahagoni

上のポスターでは退廃的な雰囲気の山本耕史ですが、少し茶髪にして軽快な動きとキレのあるセリフ、的確な歌で魅了します。真田丸の二度目の水垢離(スタパで最初よりも絞り込んだと言ってました)のときよりは少し筋肉落としたかな、という感じ(ランニング姿が多い)。まずこの人を見たかった、という目的は達しました。

舞台写真アップされてます。http://www.mahagonny.jp/UserPage/Detail/13

あの中尾ミエさん、森山良子さんとやってた番組はずいぶん前のような気がしますが、おしゃれでパワフルなイメージは変わらず、歌声ものびやかで驚きました。パンフレットの超アップ写真も堂々としていて素敵。上條恒彦の歌も健在でした。

マルシアは、歌も多くて難解な曲に奮闘していた感じ。この役、セクシーでミュージカル女優としては、すごくやりがいのある役だと思いますが、うーん、意外と今はまる人はいないかもと思いました。

ところで、ニュース見てたらば、9月8日に、「髑髏上の7人」の制作発表と、信州上田でのトークショーに、山本耕史が出演してることが判明。あの、この舞台6日が初日で、7日も9日も公演があったんですよ。しかも主役、すごすぎ。

【追記】

市民席という、舞台上のパイプ椅子席で2回目を見ました。奥行きのある舞台の、手前から三分の一くらいのところにあって、横からですが、舞台の奥までよく見えます。

もちろん2回目は、音楽にもストーリーにもなじみがあって、落ち着いていいところを楽しむことができるのがミュージカルのいいところ。

今回は女性ダンサーの中の振り付けのRUUさんもわかったし(ひときわダンスが派手)、アンサンブルの細かい市民としての動きや、くるくる休みなく動く中尾さんのマダムぶりが間近に見えて最高。

そして何より、この寓話のような舞台の中で求心力となって劇場を引っ張っていく山本耕史。もちろん小さい頭、整った顔、広い肩幅にちょうどいいくらいの筋肉、体重を感じさせない身軽な動き、キレのいいアクション、そしてあくまで役としての魂のこもった歌。ああ~数日前ににっこり笑って打ち首になった三成様とは思えません。

市民席、幕間の休みには舞台のものを見放題(椅子席の方は入れないんです)、かけのときにアンサンブルから声をかけられたり、横をキャストがはけていったり、プラカード持ったり。

忘れられない舞台になりました。