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宝塚

宝塚月組「All for One-ダルタニアンと太陽王」

Allforone   見た友人が、口を揃えて「面白い、よくできてる、楽しかった!」というので楽しみにしていた宝塚月組「All for One」です。月組は昨年の「NOBUNAGA」以来で、そのとき準トップだった珠城りょうがトップ、娘役トップはそのときと同じ愛希れいか。

さて、副題でもわかるように、設定の元はデュマの「三銃士」で、銃士隊の新入りダルタニアンが人気者の三銃士と協力して王妃のために戦い、恋を手に入れるというもの。「三銃士」、子どもの頃挿絵入りの本が大好きでした。翻訳が柴田錬三郎だったんですが(父が「シバレンがこんなの書いてるのか」と言ったのが、その人ダレ、と印象的だったので覚えている)、挿絵の彼らがイケメンだったんです。とくにアラミスは人物紹介で「美形で笑顔は貴婦人のような気品があり、女性にもてる」というようなことが書いてあってお気に入りでした。

そのアラミスは、NOBUNAGAでもかわいい秀吉を演じていた美弥るりか。この方、小柄で髪もなびかせてて女子なんだけど男というところが、少女マンガ的で彼女独特の魅力があって好きです。リーダー格のアトスは髭もりりしい宇月颯、力自慢のポルトスは暁千星。銃士隊で長い剣を合わせる三銃士、かーっこいい!これにガタイのいい珠城りょうが加わって、迫力です。

お話は、原作と離れて、太陽王ルイ14世(愛希れいか)は実は女子だったというもので、このルイが、バレエ踊ったり男と女行ったり来たりして大活躍。ヒロインとしてはコメディセンスもあって熱演でした。話はオリジナルでも悪役宰相マザラン(一樹千尋)とその甥たち(ベルナルドの月城かなと、美形でステキ)と闘うのは同じで、テンポよく進む話に個性がくっきりしたキャストの好演、きっちり回収される伏線と、見ごたえがありました。とくに殺陣は、一歩間違えばケガをしそうな長い剣での迫力ある立ち回りで、皆さんすごい体幹と体力!

いつも専科の方がうまいなあと思うのですが、沙央くらまのコメディエンヌぶりも楽しかったです。この方、NOBUNAGAで足利義昭を面白く演じていましたが、女性になってもきれいな方なんですね。来年退団だそうで、またどこかで見られるかも。

 

宝塚星組「スカーレット・ピンパーネル」

Photo_2   久しぶりの宝塚は、フランク・ワイルドホーン作曲、小池修一郎作曲の名作「スカーレット・ピンパーネル」です。星組の新トップ紅ゆずる、綺咲愛里のお披露目公演。昨年の石丸幹二・安蘭けいのミュージカルを見損ねて、楽しみにしていました。

   原作は1905年出版のイギリスの小説「紅はこべ」、ブロードウェイでは、1997年に初演され、断続的に上演されたり、ツアーに出たりしています。

  フランス革命直後のパリ。ロベスピエール(七海ひろき)の恐怖政治の中、罪のない人を救うスカーレット・ピンパーネルとその一派。正体は不明ですが、実はイギリス貴族のパーシー・ブレイクニー(紅ゆずる)。元コメディ・フランセーズの女優マルグリット(綺咲愛里)と結婚しますが、スカーレット・ピンパーネルであることを妻に秘密にしていることなどから、二人の仲はぎくしゃくします。マルグリットの過去の恋人、ロベスピエールの片腕ショーブラン(礼 真琴)はピンパーネルを追いますが…。

   1幕は、すれ違うマルグリットとパーシーにはらはらしていたんですが、最後になって、うまくできたハッピーエンドにすっきり。群衆シーンの(数も多いし)迫力、ピンパーネル軍団の青年たちの団結と素晴らしいコーラス、と非常によくできた演目で、楽しめました。

その間の、ショーブラン礼真琴の苦悩、男くささ、歌のうまさに感心。レ・ミゼラブルならばジャベールの役どころ。この方、もうちょっとだけ、身長があれば無敵なのに、と思いましたですよ。

ショーブランとパーシーのラストの殺陣は、女性だということを忘れるほど迫力があり、見事でした。

紅ゆずる、長身、腰の高さ(足の長さ)は驚異的。ただ、コメディエンヌぶりがキツイのと、肝心のセリフがいっぱいいっぱいな感じがして、なかなか大変だと思いました。綺咲愛里は、すっきりとした美貌で、悩めるマルグリットを好演。

ちょっと目を引いたのが、ルイ・シャルル(アントワネットの息子)の星蘭ひとみ。おかっぱでも美貌は明らかで、スターになるのでは、ともっぱらの評判でしたよ。

たっぷりのお芝居のあと、短いレビュー。衣装もダンスも素敵で、力のこもったお芝居の後に涼しい顔してスマートに踊る皆さん。本当に背筋にエネルギー注入されました!

(ところで普通のミュージカル版も再演予定のようです。パーシー石丸幹二、マルグリット安蘭けい、ショーブラン石井一孝と実力派でどんな舞台になるのか、見なくちゃですね!)

 

 

宝塚花組「金色の砂漠」「雪華抄」

2  宝塚花組、明日海りおの「金色の砂漠」です。

まずは、「雪華抄」という和風のレビュー(レビューが先なのは珍しいのでは)。着物で和風なんだけど、やっぱり宝塚の華やかさ。けっこう変化もあって、楽しかったです。紅白歌合戦の三波春夫と一緒に踊る花柳糸之社中とか、ちょっと歌舞伎(みっくんと米吉出てるの?なーんて)とか、いろいろ思い浮かべてしまうのはいたしかたありません。日本髪の娘さんたち、かわいくて、そのまま時代劇に出てほしい感じで新鮮でした。

一人で見事な踊りを見せてくれた方、きれいだなとオペラグラスを見てびっくり!それもそのはず、入団後半世紀をゆうに超えた日本舞踊の名取の専科松本悠里さんだったんですね。

さて、休憩後にいよいよ「金色の砂漠」。とある砂漠の王国では、王族は生まれた時から異性の奴隷にかしずかれて常に一緒にいます。王女タルハーミネ(花乃まりあ)の求婚者テオドロス(柚香光)は、その習慣に異を唱えますが、タルハーミネは、「奴隷は砂と同じ」と言い放ちます。しかし、その奴隷ギイ(明日海りお)は、ひそかにタルハーミネを愛していて…。けっこう二人の関係がその昔の少女漫画みたいでキュンキュンします。

さらに王女をめぐる三角関係と、ギイの過去、奴隷仲間、父王と父王が王国とともに奪った妃、その奴隷などが絡んで、テンポよく話が進んでいき、盛り上がり、ラストも納得。

今売り出し中の上田久美子作演出なんですが、セリフもツボを押さえているし、脇役に至るまでよく書けていて、実力ある人だなあと思いました。語り手の説明なんてもしかしていらなかったくらい。

初めて見た時から好みのルックスだったみりおのギイがかわいくて生意気で、でもいろいろつらい目に合うのがたまらない、なんて見方もできて。チラシのみりおは、普通のトップ的なきれいな顔でポスターに出てますが、もっと少年ぽい、豊かな表情で、ほんとにかっこよかったです。花乃まりあも気が強い、でも苦悩する王女を熱演でした。

専科の英真なおきは、やっぱりこういう人がいると舞台が締まります。うまいんだよね。

あと、目を引いたのが、老け役なのに美形だった王ジャハンギールの鳳月杏、王妃仙名彩世、かっこよかった賊の女花野じゅりあ

感動のラストの後は、ちゃんと短いレビューと、大階段、羽もあります。慣れていない和物のレビューでさまざまな歌と踊り、殺陣までやって、きめ細かいお芝居して歌って、最後は全く晴れやかな表情で洋物レビューって、トップさんはじめ皆さん超人的。強いカフェインドリンクを飲んだように、シャキーン、とした気持ちになりました。

宝塚宙組「双頭の鷲」@KAAT

Photo_2   専科の轟悠をフィーチャーした宙組の「双頭の鷲」のKAAT公演です。轟悠といえば、初めての宝塚「南太平洋」で、渋い男役の魅力をみせてくれた方。コクトーの映画が原作ということで、楽しみにしておりました。

  コクトーは、原作映画をあの「エリザベート」にインスパイアされた、とある国の王妃の物語として描いています。「エリザベート」 といえば、この夏に宙組で素晴らしいアンサンブルで見たばかり。そのエリザベートを演じた実咲凛音が、王妃を演じています。

  舞台は案内役の和希そらの語りで始まります。エリザベートにも触れながら、わかりやすく解説してくれましたが、聞きやすいいい声で、くりくりの目が魅力的。エリザのときはトートダンサーの一人だったので印象もなかったんですが、とてもいいと思いました。

  王妃(実咲凛音)は婚礼の日に愛するフェルナンデス国王を暗殺され、国民の前から姿を消して旅を続けています。国王の命日には思い出のクランツ城で過ごすのが常ですが、その日に無政府主義者のスタニスラス(轟悠)がケガを負って逃げ込んできます。彼の詩は、かつて王妃も惹かれたものでした…。

  ケガをして髪を振り乱したスタニスラス、もう超ステキ!陳腐ないいかたですが、池田理代子のマンガから抜け出したような美しさですよ。轟さん、顎がとがっていて鼻が高くて、目が美しく、さらに目の配り、細かい表情が、さすがとしかいいようがなくてですね、もう、舞台の役としてのかっこよさはあの阿弖流為に並び、私の中のベスト5には入るレベルでした。感情の振れ幅が大きく、そしてそれが歌にも込められていて、本当にすばらしい。こういってはなんですが、宝塚でない場所も含めて、もっと轟さんを見たいと思いました。

 対する実咲凛音、貫禄と気品があって、ある意味難役に堂々と挑んだ感じ。現役で轟さんの相手役が務められるのは、限られた人でしょう。

  お芝居は緻密なセリフで進んでいき、一場のラストは早くも客席からすすり泣き。2場はさらに他のキャストも活躍して、ラストに向けて疾走していきます。読書係エディット(美風舞良)、敵役フェーン伯爵(愛月ひかる)、忠実な部下フェリックス伯爵(桜木みなと)と、メインキャストは緊張感を共有していて、皆よかったです。

 舞台は王妃の居間の一部屋だけ、衣装も地味、アンサンブルは「シカゴ」を思わせる黒装束、と、派手さはないんですが、ほんとうに舞台に引き込まれるある意味宝塚の一つの頂点では、と思いました。

実は、2幕で和希そらさんにいじられちゃったんですよ。お人形のようなかわいい目に、なんでも仰せのとおりにという気持ちになりました。 お芝居の座席って、いわば運命だと思っているんですが、いろいろ見ていると、こういうこともあるんだなって、思いました。和希さん、これからも応援しちゃいます。

宝塚宙組「エリザベート」

Photo   超人気の「エリザベート」、宙組公演でございます。ウィーンミュージカルのこの作品の日本初演は帝劇版ではなくて宝塚、記念すべき20周年でございます。まったくの門外漢でも、評判は聞いていまして、いつか見られたらいいなあと思っておりました。

 宝塚版は男役トップがトート役、ですので、黄泉の帝王トートがエリザベートの生涯に寄り添う物語で、普通より娘役であるエリザベートの比重が高いんですね。みんなが演じられるわけではなく、娘役トップとしては名誉なお役でしょう。

まず、狂言回しのルキーニ(愛月ひかる)登場。一番男くさい役ですし、帝劇の「エリザベート」の松也が焼き付いているので、スラリと細身の都会的なルキーニにちょっとだけ違和感がありましたが、すぐに慣れて、宝塚版にどっぷりつかりました。このルキーニ、かっこいい!

トート(朝夏まなと)、メイクと長い脚、すっきりとした立ち姿、ストレートヘアが素敵です!最初ちょっと野暮ったいと思ったエリザベート(実咲凜音)、どんどん洗練されて美しくなります。フランツ皇帝(真風涼帆)とのなれそめがちょっと弱いんですが、幸せな結婚式から皇太后ゾフィー(純矢ちとせ、すごくよかった)との確執、フランツとのすれ違い…。

よく考えると、けっこう救いのない話です。皇后が皇太后にイジメられたからといって、自分の役割と夫から逃げ回る一生、突然出てくる(素敵ですけど)トート。ちょっと歌謡曲っぽいセンチメンタルな歌。

しかし、たくさんの登場人物が生き生きと躍動する数々のステージ、迫力ある歌はそれぞれ見ごたえがあり、感動です。アンサンブルのコーラス、難易度高めの曲が多いのですが、女性だけというのを忘れるくらいでした。マダムの伶美うらら、患者の星吹彩翔が魅力的でしたし、反政府の青年たちもみなかっこよかった!

本編が長くて2幕でレビューはないのですが、本編のヴァリエーションのようなフィナーレがたっぷりあって、本当にエリザベートの世界に魅了されるステージでした。

パンフレットは20周年記念で一路真輝さんや轟悠さんの寄稿や歴代トートエリザの写真も載っています。もちろん表紙の朝夏さん素敵。

宝塚月組「NOBUNAGA<信長> -下天の夢-」「Forever LOVE!!」

Nobunaga   約3年ぶりの宝塚、月組のトップ龍真咲の退団公演「NOBUNAGA」。宝塚の和もの、歴史ものは今一つ興味が持てなかったんですが、さすが100周年記念公演でも活躍した人気トップさんの退団作とあって、ビジュアル的な不安はまったくの杞憂でした(一言いうと、男役はブーツがあればすべてOK)。

ご存じ信長(龍真咲)の桶狭間から本能寺までのお話に、陰謀をめぐらすローマの騎士ロルテス(珠城りょう)、正室帰蝶(愛希れいか)とのいきちがい、秀吉(美弥るりか)、光秀(凪七瑠海)、将軍義昭(沙央くらま)を軸に話が進んでいきます。

よく知られている時代なのですが、知らない名の武将(<毛利>良勝とか、佐脇良之とか)が出てくると戸惑います。佐脇は、けっこう出てくるんですが、そのたびに「誰だ―」となっちゃって。実在の人物らしかったですが(作・演出の大野拓史さん、かなりいろいろ調べてたくさん役を作ったようですね)、ちょっと中途半端なつくりでした。

中盤からは、佐脇がたいして関係ないこともわかり(笑)、帰蝶、光秀、秀吉と、話のもう一つの軸になっていくロルテス中心に、クライマックスに向けて疾走していきます。帰蝶とのシーンはちょっとひねくれていて、純愛っぽくなく彼女は脇役の一人という感じ。そのぶん信長にフォーカスされていて、信長の独唱など、ジーンとくる場面の連続。また、残されたものに夢を託すというふうなせりふがあちこちにあって泣きそうでした。

信長、さすが、かーっこいい!登場するとぱあーっと輝くようなオーラがあります。歌も素直な美声でうまくて、どのシーンもステキでした。女性役との絡みがセクシーでゾクゾク。

しかし事前に「セリフにちょっとくせがある」とは聞いていましたが、これだけはちょっとびっくり。ミュージカル界、宝塚OGであふれかえっていて、主演級は激しい競合があると思うんですが、退団後数年過ぎると、明らかに実力とヅカファン以外の人気で主演できるかどうかが分かれていきますよね。これ、いつか直すのかな?せっかく歌がお上手なんだから。

次期トップの珠城りょう、大柄な胸板の厚い感じ、ひげもワイルドで、ビジュアル超かっこいい!信長の内心は多くは語られない分、彼の内心の変化がドラマチックでよかったです。美弥るりかは小柄でくりくりとかわいく、サルと呼ばれる秀吉に合ってました。

お芝居としては、何といっても専科の沙央くらまがうまいです。義昭役ってだいたい大河ドラマなどでもくせのあるうまい役者さんがやる役ですが、それらを彷彿とする自在な演技で、登場シーンが楽しめました。

第2部のレビューはまず、ピンクの嵐!キラキラ感はもう想像を超えていて、普通のミュージカルよりはるかに多い団員の一丸となったダンスが華やかなこと。なんだかそれしか言えなくてすみません。

龍さん目の配りも完璧でどの一瞬もスタア。歌もNOBUNAGAよりもさらに美声でした。大階段のあの衣装、これぞ宝塚。どれほど重くとも、晴れやかに笑う姿、ステキでした。あとわずか、ファンの方々の目に焼き付くことでしょう。素晴らしい舞台でした。

宝塚花組「愛と革命の詩 アンドレア・シェニエ」

Andorea   星組「南太平洋」雪組「ベルサイユのばらフェルゼン編」、に続く3回目の宝塚です。先ごろ退団が発表された蘭寿とむさん主演の新作ということで、今度こそ王道と楽しみにしていきました。

原作はオペラ「アンドレア・シェニエ」。フランス革命後のロベスピエールの恐怖政治の中、彼の失脚の直前に処刑された詩人アンドレア(とむさん)と貴族の令嬢マッダレーナ(蘭乃はな)との純愛、マッダレーナを愛するジャコバン党員ジェラール(明日海りお)を描いたお話。ベルばらとほぼ同じ時代背景ですが、こちらの方が、1時間半で過不足なくきっちりお話が進んでいきます。

ジェラールの明日海りおが、も―私の理想とする男役のルックスでかっこよくてどこにいてもすっと目を惹きます。マッダレーナの恋人であるアンドレアを陥れる苦悩も描かれていて、よかったです。

アンドレアのパトロンとなるパンジュ伯爵の望海風斗もきっぱりとした表情と歌がとてもすてき。アンドレアと対照的にうまく生き抜く弟のマリ―ジョゼフ(華形ひかる)もアンドレアに対する屈折感がよく伝わってきました。

彼らに比べると、アンドレアは純粋な詩人でいい人すぎて、女性目線からするとやや物足りない感じ。蘭寿とむは初めてみるわけですけど、何となくこの方の個性はほんとはちょっとちがうのかなという感じがしました。あと、前髪がカールしてるのが女性っぽくて(また言ってる。わたし男役さんはあっさりした髪型の方が好きなんです)。マッダレーナ(蘭乃はな)は、最初から生き生きとしていて、歌もとってもよかったです。二人のラブシーンはとってもロマンチックで、おお、久しぶりに胸キュン!って感じでした。

最近の流行りなのか、運命を暗示する白と黒の天使が随所に出てきます。この、黒天使の方(柚香光)のメイク、雰囲気がとっても素敵でした。

休憩後はレビュー「Mr. Swing!」 1時間、十数曲のほとんどで中心で踊り歌う、とむさん素晴らしい!客席へのアピールとか煽りもさすが余裕があって、この方の魅力はおとなしいアンドレアより断然こっちの方だと思いました。それにしても、男役トップの責任は、並大抵のものではないんですね。演技、ダンス、歌、華、体力と何もかもが超人的なものを求められるものだと思いました。

望海風斗や悠真倫の歌(パンフでわかった)もよかったし、何より舞台を埋め尽くすこの人数でのレビューの迫力。夢のような時間でした。どうもありがとう、花組さん。

宝塚雪組「ベルサイユのばら」

Berubara   子どもの頃、一世を風靡した宝塚ベルばら、復活して観たいと思っていたのが実現しました。初めての東京宝塚劇場です。

ベルばら、マンガも友達と回し読みではまった世代(その後愛蔵版を買った!)で、アニメも、日仏合作の映画も観ましたし、宝塚は何度もテレビでやったのを観た記憶があります。金髪をたなびかせる宝塚のオスカルは、なよなよしたフランス人のオスカルよりマンガのイメージに近いと思ってました。

この日観たのは、フェルゼン編です。あれ、前はアントワネット・フェルゼン編って言ってなかったっけ。ドラマチックなのはオスカル・アンドレ編なんだけどなーと思いつつとれただけでもよしとして、と(前置き長いですね)。

さすが、衣装も脇役に至るまで華やかで、前回(「南太平洋」)ではなかった大階段もあって、宝塚らしさを前回よりより堪能できました。曲も、あの頃はまったし、その後も何度も聞く機会があって、知っている曲が多かったので、それも楽しめました。

ただ、脚本としては、前半が、脇役が状況を説明するシーンが多くてやや退屈でした。すでにフェルゼンとアントワネットは恋に落ちているんですが、二人のシーンがとても少なくて、なぜそんなにもフェルゼンはアントワネットを愛しているのか、アントワネットはどういう女性なのかがわからない。昔見た「フランスのじょーおーなのですから」の台詞がなかったのは残念でした。

こんなものかなーと思っていたら後半はドラマチック、オスカルとアンドレの一夜のシーンもロマンチックで盛り上がりました。あれ、フェルゼンは王家を逃がそうとして途中で見つかるはずなのにというのはあったけど、最後のシーンは感動的でした。

新トップスターの東京お披露目ということでしたが、フェルゼンの壮一帆、トップらしいスケールの大きさで、マンガでは地味なフェルゼンを立派な主役にしていました。髪型だけ、ややマダム風だったので、もっと凛々しさを感じられる方が似合ったのでは。アントワネットの愛加あゆは、ラスト以外のシーンが少なすぎてちょっと残念でしたが、愛らしいアントワネットでした。

オスカルの早霧せいな。アンドレの未涼亜季はすっごくよくて、シーンは多くないんですがポイントは押さえてるという感じで、ベルばら懐古派(?)にはうれしかったです。ルイ十六世やブイエ将軍、メルシー伯爵等、脇の方々も奥行きのある演技でよかったです。コーラスシーンは歌もダンスも迫力があって、ほんとはもっと見たいかなと思いました。

フィナーレのラインダンスも階段もカーテンコール風のあいさつも本当に楽しめて、見た後は明るい楽しい気分に。ああ、こういう気持ちを求めて、宝塚ファンは劇場に通うんだなと、ちょっぴりわかりました。生オケで見やすくて、SS席はともかくお買い得感もいっぱいですしね。

普通の演劇みたいなカーテンコールがないのは、歌舞伎と同じですね、。男性だけ、女性だけの演劇がこんな風に発展して、いつでも見られる東京って、日本って、ほんとにいい国だと思いました。

宝塚星組「南太平洋」

Sp   宝塚といえば、最初のベルばらブームのときに、TV中継で見たくらいで、生の舞台は、この星組「南太平洋」が初めてです。興味はなくはなかったんですが、土日のチケットはどうしてもとりにくいのと、せっかくの宝塚なのに和風はちょっと、とか演目のえり好みをしているうちに今日に至ってました。

この「南太平洋」は、古いとはいえリチャード・ロジャース作曲のブロードウェイの名作だから曲がいいのは確かだし、ってことで、生協のチケットに申し込んだものです。

ある事件を機にフランスから南太平洋の島に逃れてきたエミール(轟悠)と、この島に駐留するアメリカ軍看護婦のネリー(妃海風)の恋と、ジョセフ中尉(真風涼帆)と島の娘リアットの恋を描くお話。

映画化もされていますがオリジナルは見ていないので、どのくらい潤色されているかはわかりませんが、ヒロインネリーの扱いがやっぱり大きくて、思ってたより全然宝塚っぽくありませんでした(宝塚ってあくまで男役さん中心なんだろうという先入観?)。島の物売り(リアットの母)の英真なおき、二等兵の美城れん、ブラケット大佐(一樹千尋)の勘どころを押さえたユーモアのある演技がよくて、ビジュアル的にも単調じゃなくて。英真なおきさんは、名曲「バリ・ハイ」のソロも聞きごたえがありました。

今の宝塚の男役の方々、ほんとに顔が小さくてスタイルがよくてかっこいいですね。轟さんは、トップを卒業した専科ということで、貫禄と渋みがあって、エミールに合ってました。ジョセフ中尉の真風さんはひときわ長身で目をひきました。ネリーの妃海さんも、歌はちょっと不安定なときもありましたが、スラリとしてて、生き生きとしたダンスや演技がよかったです。宝塚娘役、というより普通のミュージカルのヒロインに見えました。

アンサンブルも決まっていて、この安定感って、病みつきになるなーと思いました。

不慣れなもので、休憩をはさんで2時間半、最後はほろっときたりして堪能したんですが、アンコールで、あれ?これで終わり?レビューは?ってなりました。もちろん、最初から予定に入っていないのはちゃんと出ていたわけですが、「宝塚の楽しみ方」を調べたら、2部のレビューがもれなくついてくるみたいに思ってしまったんですよね。

星組は今、トップ以下台湾公演でがんばっているそうで、その合間の、ちょっと異色の、でも十分楽しめる舞台でした。

(おまけの Chess in Concert 2013情報)

帰りにもらったチラシの中に、「Chess in Concert」がありました。2013年12月に再演だそうです。いつも大阪の梅田芸術劇場の公演情報の方が早いんですが、しっかり東京国際フォーラムの日程(12月12日~15日)の情報も載っていましたよ。

キャストは、安蘭けい、石井一孝、中川晃教は前回と同じで、浦井健治の代わりにマテ・カマラス。マテって、エリザベートのトートをやってる方のようですね。 うーん、歌はよかったんだけど、あの曲順と演出が同じだとどうしようかな。まだ先だからゆっくり考えたいけど、また上演日数が少ないので、迷ってる暇はないかもですね。