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宝塚

2019年私的ミュージカル&演劇・歌舞伎ベスト10!

201912best10  恒例の年間ベスト10です。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎の3つに分けて発表します。

例によって、私が個人的にその舞台で得た感動と、もしもう1回見るならどちらを見るか、といった趣旨のランキングで、作品自体の優劣ではありませんので緩くみてください。日によっても変わるし、見た座席(や周囲の雰囲気)の良し悪しの影響もあります。

タイトルをクリックすると、このブログの記事にとびます。すでに当ブログの記事紹介コンテンツになっててすいません。

 

(前年までのリンク) 

2009年的ミュージカルベスト10!
2010年私的エンタメベスト10!
2011年私的演劇&コンサートベスト10!
2012年私的演劇等ベスト10! 
2013年私的ミュージカル&演劇その他ベスト10!
2014年私的ミュージカル&演劇その他ベスト10!
2015年私的ミュージカル&演劇その他ベスト10!
2016年私的ミュージカル&演劇その他ベスト10!
2017年私的ミュージカル&演劇・歌舞伎ベスト10!
2018年私的ミュージカル&演劇・歌舞伎ベスト10!(その1ミュージカル・その他編) 
(その2歌舞伎その他編) 

【ミュージカル】

今年は、見損なった舞台が多く(主なものだけでも、王様と私、ジーザスクライストスーパースター、ラ・マンチャの男、キンキーブーツ、レミゼ、エリザ、怪人と探偵等)、地味なリスト(ごめんなさい)。私的には、3位以下はほとんど差がありません。

1.愛のレキシアター ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ

圧倒的1位。山本耕史はじめキャストもレキシの曲もコメディとしての楽しさも観客のノリ具合もサイコーでした。

2.ペテン師と詐欺師

山田孝之、石丸幹二と女優たちの、楽しい福田雄一ミュージカル。アンサンブル、ダンスもよかった。

3.ラブ・ネバー・ダイ

ストーリー以外は秀逸。平原綾香の歌を堪能。

4.宝塚花組 カサノヴァ

これで宝塚の明日海りおの見納め。作品ごとに違う顔を見せてくれて、大好きでした。柚香光もすごくよかった。

5.ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812

いろんな面で力作でキャストもそろっていたんですがね…ちょっと惜しかった。

6.ライムライト

キャストもよく、ハートウォーミングな佳作。

7.虹のかけら~もうひとりのジュディ

戸田恵子さんに宛てた三谷さんのしゃれた一人芝居ミュージカル。

8.宝塚雪組 ファントム

望海風斗が歌い切った切ないファントム。

9.パリのアメリカ人

バレエなダンスを堪能。

10.銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠

宝塚宙組 追憶のバルセロナ・NICE GUY
笑う男
宝塚月組 夢限夢想・クルンテープ 天使の都
世界は一人

【ストレートプレイ】

初の野外劇場体験を始め、心に残る作品が多い年でした。

1.キネマと恋人

今年もケラリーノ・サンドロヴィッチさんが1位でした。映像と芝居の絶妙なコンビネーション、はまりすぎている役者の演技とほろ苦くも温かなストーリー、感服しました。

2.LIFELIFELIFE~人生の3つのバージョン

ケラさんにしては短い90分でぎゅっとつまったトリッキーな翻訳もの。稲垣吾郎ちゃんも好演。

3.Q~A Night of theKabuki

クィーンの「オペラ座の夜」をモチーフに、といいつつ、完全にいつものNODAワールド。上川隆也がかっこよかった。

4.海辺のカフカ

蜷川さんの遺作として知られる村上春樹原作の芝居。寺島しのぶ、木場勝巳が名演。

5.天守物語

初めての野外劇場での、芝居の外延が自然にとけあった、神話の世界の実現のような、宮城總の名作体験でした。

6.プラトーノフ

森新太郎演出、藤原竜也(初見)主演の、緻密なチェーホフ。

7.劇団かもめんたる 宇宙人はクラゲが嫌い

岩崎う大の脚本、演技がとてもよかった。

8.笑う門には福来たる ~女興行師吉本せい~

藤山直美の女性一代記もの。

9.詩楽劇すめらみことの物語~宙舞飾夢幻

見る前から「謎舞台」と言われていた各ジャンルからのコラボ舞台。お正月から四代目を間近で見られてよかった。

10.リア王

演劇界のレジェンド鈴木忠志氏の名作。

暗くなるまで待って

鳳希かなめが熱演。

ピカソとアインシュタイン
人形の家 Part2
下町ダニーローズ  不幸の正義の味方
木ノ下歌舞伎摂州合邦辻

【歌舞伎】

今年も歌舞伎は一番たくさん行きました。既に猿之助沼にどっぷり浸かっていますので、順位については、大目に見てください。今年は完全復活と思うほど大活躍してくれたのがうれしい! 例によって、個別の演目というよりも、その日の満足度という観点で選んでいます。上位ではないですが、初めて初春浅草歌舞伎に行って楽しかったです。ナウシカ見たかったな。

1.四月大歌舞伎「実盛物語」「黒塚」「二人夕霧」

黒塚、猿之助が大怪我からこの演目ができるまでに回復したというにとどまらず、場面毎の見せ場が変化に富み何度見ても素晴らしかったし、地方の皆さんも94歳の中島靖子さんが何日か筝を演奏なさるなど、特別な演目。そして仁左衛門、歌六、まほろんの実盛物語。

2.六月大歌舞伎「月光露針路日本 風雲児たち」

幸四郎を中心に出演者全てが生き生きと三谷歌舞伎の世界を作り出していた作品。幸四郎、猿之助、愛之助のがっちり共演だけでもうれしかったです。

3.スーパー歌舞伎Ⅱ「新版 オグリ」猿之助

スーパー歌舞伎Ⅱとしては第3作のリメイクもの。ビジュアルも凝っていて、久しぶりにオーラ全開の猿之助を見ました。ナウシカと比べて…な座組を実力ある現代劇役者で補ってがんばった!

4.三月大歌舞伎「盛綱陣屋」「雷船頭」「弁天娘女男白浪」猿之助

音羽屋と比べたらまだまだかもしれないけど、猿之助ー幸四郎の弁天力丸ワクワクしました。仁左衛門さん、秀太郎さんほか役者がそろって勘太郎・真秀も出ていた盛綱陣屋、wキャストどちらも楽しかった雷船頭と充実。

5.「盛綱陣屋」「蝙蝠の安さん」

チャップリン「街の灯」を完全歌舞伎化した幸四郎さんに拍手!盛綱陣屋も白鸚さん、吉弥さん、幸一郎くんとよかったです。

6.團菊祭五月大歌舞伎「鶴寿千載」「絵本牛若丸」「京鹿子娘道成寺」「曽我綉俠御所染 御所五郎蔵」

菊之助の娘道成寺、舞台から美がこぼれ出るようで堪能しました。丑之助襲名の牛若丸も贅沢な配役で楽しかったし、御所五郎蔵もよかったです。

7.三月大歌舞伎「女鳴神」「傀儡師」「傾城反魂香」

白鸚さん吃又と猿之助おとくの傾城反魂香、三代猿之助四十八選の「高島館」「竹藪」がついていたのも面白かった。

8.「積恋雪関扉」(国立劇場アフター7)

菊之助と梅枝の関扉のみを仕事帰りに割安で見られたアフター7.小劇場に美しい二人の歌舞伎の精。また見たいと切に思う演目でした。

9.八月納涼歌舞伎「東海道中膝栗毛」

早変わりが楽しかった若手役者勢揃いの夏祭り。コンプリートBOX出してくれないかな。

10.壽初春大歌舞伎「舌出三番叟」「吉例寿曽我」「廓文章吉田屋」「一条大蔵卿」

お正月らしく盛沢山、幸四郎、七之助の吉田屋が、秀太郎さんまでついててとても楽しかった。白鸚さんの大蔵卿もまたちがった味わいで、豪華配役もよかったです。

11.四月大歌舞伎「平成代名残絵巻」「新版歌祭文 座摩社 野崎村」「寿栄藤末廣 鶴亀」「御存鈴ヶ森」

初めて見た念願の野崎村と御存鈴ヶ森。猿之助きれいな次期女帝風だった鶴亀。

12.松竹大歌舞伎巡業「口上」「引窓」「かさね」

念願の幸四郎・猿之助のかさね。

13.壽初春大歌舞伎「絵本太功記」「勢獅子」「松竹梅湯島掛額」

吉右衛門さんと東蔵さんの絵本太功記、猿之助紅長、七之助のお七の人形振りもすごくよかった。

14.十一月吉例顔見世大歌舞伎「研辰の討たれ」「関三奴」「髪結新三」

幸四郎、彦亀兄弟のオリジナル研辰、菊五郎劇団の髪結新三。

15.秀山祭九月大歌舞伎「極付幡随院長兵衛」「お祭り」「伊賀越道中双六 沼津」

幸四郎長兵衛、吉右衛門・歌六・雀右衛門の沼津。

16.二月大歌舞伎「すし屋」「暗闇の丑松」「団子売」

松緑のすし屋、ちょっと悲しい話だけど舞台装置と橘太郎さん大活躍の暗闇の丑松。

17.新春浅草歌舞伎第1部「戻駕色相肩」「義賢最期」「芋掘長者」

松也と隼人の美しかった義賢最期。後に莟玉襲名披露でも演じた梅丸の戻駕。

18.二月大歌舞伎「熊谷陣屋」「當年祝春駒」「名月八幡祭」

吉右衛門さんと役者の揃った熊谷陣屋。ニザ玉に挑んだ松緑新助の名月八幡祭。

19.團菊祭五月大歌舞伎「寿曽我対面」「勧進帳」「め組の喧嘩」

これぞ團菊祭、な海老蔵勧進帳と菊五郎劇団のめ組。亀三郎がよかった。

20.オフシアター歌舞伎「女殺油地獄」

プロレスのリングを見るようなオフシアターでの獅童、壱太郎の油地獄。

新春浅草歌舞伎第2部「寿曽我対面」「番町皿屋敷」「乗合船恵方萬歳」
六月大歌舞伎「寿式三番叟」「女車引」「梶原平三誉石切」「恋飛脚大和往来 封印切」
国立劇場「通し狂言 姫路城音菊礎石」
八月納涼歌舞伎「伽羅先代萩」「闇梅百物語」
七月大歌舞伎「通し狂言 星合世十三團 成田千本桜』
八月納涼歌舞伎「新版 雪之丞変化」

【映画、ドラマその他】

上記以外では、落語・講談で松之丞3回、志の輔1回! 文楽は1回でしたが、「阿古屋」には演奏と人形に、歌舞伎と違った感動がありました。

映画は、けっこうバラエティに富んだ力作を見られたと思います。舞台は見られなかったケン・ワタナベの「the King and I」、見られてよかったなあ。作品としては、「ロケットマン」「ジョーカー」、そして「アナと雪の女王2」ではまたイディナの歌を聞けました。シネマ歌舞伎「桜の森の満開の下」、「女殺油地獄」松竹ブロードウェイシネマ「She Loves Meもよかったです。

ドラマは、何といっても1年を通して「いだてん」を真剣に見てました。テーマも役者もストーリーも映像もみんなよかった。ほんとにオリンピックについて考えさせてもらったです。あとは、「きのう何食べた?」「凪のお暇」「怪談 牡丹燈籠」「抱かれたい12人の女たち」。最後「グランメゾン東京」も楽しく見てました。

【ブログアクセス年間ランキング】

現時点の年間アクセスランキングです。劇場データベースはよく使っていただいていますね。なぜか「プライド」も安定した人気です。「ラ・マンチャの男」、「ビッグ・フィッシュ」は前の記事なんですが、再演されたからですね。

1.劇場データベース!(座席表付き)
2.カテゴリ:四代目市川猿之助
3.カテゴリ:歌舞伎
4.一条ゆかり「プライド」-(付)名セリフ集
5.「ラ・マンチャの男」@帝国劇場
6.六月大歌舞伎「月光露針路日本 風雲児たち」
7.四月大歌舞伎「黒塚」「二人夕霧」幕見(追記あり)
8.シネマ歌舞伎「野田版 研辰の討たれ」
9.「笑う男」@日生劇場
10.スーパー歌舞伎Ⅱ「新版 オグリ」(隼人オグリ)
11.劇団四季「パリのアメリカ人」@シアターオーブ
12.2018年私的ミュージカル・演劇&歌舞伎ベスト10!(その1・ミュージカル・ストレートプレイ編)
13.カテゴリ:劇場データベース
14.八月納涼歌舞伎「東海道中膝栗毛」
15.七月大歌舞伎「通し狂言 星合世十三團 成田千本桜」
16.三月大歌舞伎「弁天娘女男白浪」幕見<2回目追記あり>
17.カテゴリ:ミュージカル
18.十二月大歌舞伎「壇浦兜軍記 阿古屋」「あんまと泥棒」「傾城雪吉原」
19.八月納涼歌舞伎「新版 雪之丞変化」
20.四代目市川猿之助出演記録
21.佐々木倫子「Heaven?―ご苦楽レストラン」
22「暗くなるまで待って」@サンシャイン劇場
23.壽初春大歌舞伎「絵本太功記」「勢獅子」「松竹梅湯島掛額」
24.近藤史恵 歌舞伎シリーズ「ねむりねずみ」「散りしかたみに」「桜姫」「二人道成寺」「胡蝶殺し」
25.大河ドラマ「新選組!」@2004と「土方歳三最期の一日」
26.Chess in Concert(その2)― あらすじとキャスト
27.四月大歌舞伎「実盛物語」「黒塚」
28.ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」@日生劇場
29.四月大歌舞伎「平成代名残絵巻」「新版歌祭文 座摩社 野崎村」「寿栄藤末廣」「御存鈴ヶ森」
30.三月大歌舞伎「女鳴神」「傀儡師」「傾城反魂香」<2回目追記あり>

 

 

 




 

 

 

 

 

 

 

 

宝塚宙組「追憶のバルセロナ」「NICE GUY」

201909_20190919232701  宝塚宙組の全国ツアーです。まず「追憶のバルセロナ」

19世紀のスペイン、侵攻してきたフランス軍との戦いで負傷し記憶を失ったフランシスコ(真風涼帆)は、ロマ(=ジプシー)のロベルト(桜木みなと)やイザベル(星風まどか)に助けられ、一緒にいます。一方、無事帰ってフランス軍に協力していた親友アントニオ(芹香斗亜)は、フランシスコの恋人セシリア(華妃まいあ)と結婚していたのでした。記憶を取り戻したフランシスコは戻ってくることに…。

宙組のトップ、真風涼帆は、長身で小顔で肩幅広め切れ長の目、ショールをあしらったロングジャケット、ブーツといったスペイン風の衣装や、怪傑ゾロ風の「黒い風」の扮装がとっても似合っててカッコよかったです。長身を生かしたダンスもいいし、歌も迫力ありました。

ずっと前に宙組を見たとき(たぶん「エリザベート」とか「双頭の鷲」)は、コーラスのうまさが印象的だったんですが、今回はお芝居のうまさを感じました。初めフランシスコとセシリアがお似合いすぎて、セシリアが相手役だと思ってたら、イザベルが気が強いながらいじらしくてかわいい!ってこちらが相手役の星風まどか。ロベルトがまたワイルドでかっこいいし、アントニオもただの裏切り者じゃなくて陰影があってステキ。若干途中で終わる感のあるスッキリしないお話なんですが、キャストのバランスがよくてひきつけられながら見てしまいました。

宙組では和希そらちゃんも注目だったんですが、フランシスコの家人でさほど出番はないながら、一言発する間がよくて笑いをとっていました。笑いといえば、組長寿つかささんのお芝居もおかしくって見事。

ショーは「NICE GUY」。注目はハイスクールもの。宝塚のスタイルいい子たちが着るとまたこの制服がかわいくって。そして「チャタヌガ・チューチュー」等ジャズでまとめたパートも歌も衣装も素敵。

そのほかタイトルにかかわらず、多彩なショーがこれでもか、衣装も豪華、客席降りはツアーならではのたっぷりさで、会場全体が、東京宝塚劇場とはまた違った熱気で盛り上がって、(ご当地ネタや方言もあった!)最高でした。ラストの階段が短いだけ。

もらったチラシに、宝塚音楽学校のものが。そうかあ、公演見て心を奪われた娘さんを勧誘する絶好のチャンスなんですね。

宝塚月組「夢現無双」「クルンテープ 天使の都」

201905  宝塚月組 吉川英治「宮本武蔵」を原作とする「夢現無双」、和ものです。人気の美弥るりかさんの退団公演ですが、幸運にも見ることができました。娘役トップ美園さくらのお披露目でもあります。

ああ、みやるりちゃん、最初に見たのは、「NOBUNAGA」の秀吉でした。男役ながら小柄、でも女の子じゃなくて中性的で少年ぽい彼女は、ほかの人にない魅力があって、いつも見るのが楽しみでした。全組の座組で見たかったくらい。退団はさみしいな。

 さて、宮本武蔵って、有名ですが、海老蔵の大河ドラマも見ていないし、剣豪ということと厳流島の対決くらいしか知りません。まず何時代の人って感じですよ。

 美作の宮本村で育った新免武蔵(後の宮本武蔵、珠城りょう)は、幼馴染の又八(月城かなと)と関ヶ原の戦いに出て(←戦国から江戸にかけての人だったのかと知る)、お甲(白雪さち花)たちと暮らします。又八とも別れた武蔵は、京の兵法所吉岡一門の吉岡清十郎(暁千星)らと戦ったりして剣の腕を磨きますが、父の仇佐々木小次郎(美弥るりか)と厳流島で対決することに…。武蔵と思い合いながらも一緒になれないお通(美園さくら)、美しい吉野太夫(海乃美月)、自分勝手な又八の母(夏月都)、武蔵を導く台詞の達者な沢庵和尚(光月るう)、文化人本阿弥光悦(千海華蘭)あたりがいいな、と思ったところ。

作品自体は、残念ながらあまり好みではありませんでした。原作が長いからか、場面転換は多いですが、そもそも宮本武蔵が、自分探ししているだけで何もしていない、どころか、吉岡一門惨殺ってところに、たまきちがいくら長身でかっこいいといっても共感できない。普段歌舞伎を見慣れているためか、着物の所作が気になる人もいる。みやるりちゃん小次郎は、クールな美貌でかっこいいんですが、ただ舞台を歩くシーンが多く、もっと笑顔ではじけてるみやるりちゃん見たかったな、と。せっかくの新トップである美園さくらのお通は、役柄も衣装も地味で見せ場もないです。若干猫背で舞台を出たり入ったりしている印象。

まあでも、前述のとおり、キャストは個性的でしっかり演じていましたし、立ち回りも腰が入っていて、迫力があっていい。何よりたまきちさん、剣豪の姿似合ってましたよ!

久しぶりのたっぷりレビューはタイを舞台とした「クルンテープ 天使の都」。タイをイメージした衣装はキンキラキンでまばゆい!こちらでは美園ちゃんもしっかり華やか。月城さんと暁さんの一騎打ちとか、ニューハーフっぽい輝月ゆうまさんの迫力ある歌とか、キンキラのミニのコケティッシュな暁さんのダンスとか、いろいろあって楽しかったです。

→ キャスト名は、ファンの方のブログで知りました。レビューだと、トップコンビのほかはいつも2人くらいしかわからないんですが、ファンの方は、推しがどんなステージを見せてくれるかというのも楽しみなんでしょうね。

そして、みやるりちゃんとたまきちのデュエットのダンスがかっこよくてじんとしたり、ソロで歌ったみやるりちゃんが一旦ハケてから、ふたたび群舞にジョインしたり、ちゃんとみやるりちゃんをフィーチャーしてくれてよかった!泣きそうでした。

宝塚花組「カサノヴァ」

201904

   宝塚花組「カサノヴァ」です。トップ娘役の仙名彩世はこの公演で、トップの明日海りおもこの秋には退団ということで、あの「ポーの一族」の二人、とくに明日海りおは、私の少ない宝塚観劇の中でもけっこう長くみているし、ルックスがもう一番好みの男役ということで、あんなに美少年だったのに、貫禄まで出てきちゃって、と感慨深いものがありました。

 お話は、有名なカサノヴァものなんですが、実は数多の女性と浮名を流したということくらいしか知らず、直前に調べたら、18世紀後半のベネチアの人物で、多才で頭の回転が速く、投獄されたが脱獄した経験があり、薬の知識があったということがわかりましたが、その部分は脚本に生かされていました。

作曲は「1789」のドーヴ・アチア氏で、ラップ調とか、アイドル調とか、いろいろなタイプの曲があって、それも楽しかったです。

その投獄場面からカサノヴァが登場します。自信家のカサノヴァ、さすが役ごとになりきるみりお、完璧です。といっても宝塚らしく、千人斬りのカサノヴァは、脱獄後、ベアトリーチェ(仙名彩世)と出会い、真実の愛を感じ、またベネチア提督の養女として政略結婚させられそうな彼女を救うのです。

ベアトリーチェの心理がきめ細かく描かれていて、退団公演らしいなと思うとともに、カサノヴァを捕えようとする審問官コンデュルメル(柚香光)がかっこいいヒール、そのこじれている妻(鳳月杏―男役なのに女性の歌うま!)、ベアトリーチェの求婚者コンスタンティーノ(瀬戸かずや)。牢獄で知り合ってずっとついていくバルビ(水海舞斗)がかわいくてうまく、ジャニーズの少年のようでした。ベアトリーチェの侍女ダニエラ(桜咲彩花)はきれいだった!

と、個々のキャラクターをうまく生かした明るい作品で、楽しかったです。退団間際のトップ二人ということは、次が十分育っているということでもあり、柚香光の振り切った演技が主役に迫っていて、でもやっぱりみりおはすごくって。金髪に全身赤の衣装って、カズレーザーだ!とつい気づいちゃったんですが、いや、ここまでちがいますか。

2幕のたっぷりしたお芝居で、最後はいったん別れるという設定が、一足先に退団するってそういうことかしら、とちょっと胸に迫るものがありました。短いレビュー、階段の前の、みりおが娘役の中一人真ん中で踊る衣装が華やかでほんとに素敵でした。

ちょこっとしか知らない私でさえ、こんな風に思うんだから、ずっと追いかけてきたファンの方々の気持ちはいかばかりか、と思う夜でした。

 

 

 

宝塚雪組「ファントム」

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  久しぶりの宝塚は、人気の雪組「ファントム」です。ガストン・ルルー原作のファントムもので未見のプロダクション、アーサー・コビット脚本、モーリー・ウェストン詞・曲という作品。イェストンって、とみてみたら、ナイン、タイタニック、グランド・ホテルと、ヒット作がたくさんある方じゃないですか。

しかし、このファントムは、資金集めをしている間に、あのロイド・ウェバーの「オペラ座の怪人」が1986年にウエスト・エンドで大ヒット(そしてブロードウェイでロングラン)してしまったために、1991年のヒューストンでの初演以来、ブロードウェイでは上演されていないという若干気の毒な作品です。

宝塚では、2004年初演で4度目の上演。今回は、歌のうまい望海風斗のファントムということで期待していきました。ほかの出演者もみーんな歌がうまくて、イェストンの美しいメロディ(難易度高め)を歌い上げていました。芝居のテンポもよく、オペラ座の地下の雰囲気も良く出ていて、堪能しました。

(ネタバレしてしまいます)

オペラ座の地下に住むファントム(エリック、望海風斗)は、支配人キャリエール(彩風咲奈) とうまくやっていましたが、新しい支配人アラン(彩風翔)と妻でプリマドンナのカルロッタ(舞咲りん)は、ファントムをないがしろにします。広場で歌を歌っていたクリスティーヌ(真彩希穂)はオペラ座のパトロンシャンドン伯爵(朝美絢)の目にとまり、オペラ座で働くことになります。衣装係からエリックの歌のレッスンを受け、主役に抜擢されたクリスティーヌ。一方、キャリエールとエリックの間には秘密が…。

主役のファントムが、ほかの作品より表舞台に目立って出てきますが、クリスティーヌに切ない思いを抱くところは一緒。とにかく望海風斗の歌がうまいので、不幸な境遇もより迫ってきます。カルロッタがまた歌もコメディセンスも素晴らしく、前半は舞台を回していきます。クリスティーヌも、見事。

また、シャンドン伯爵(ロイド・ウェバー版だとラウル)が、朝美絢と彩風翔のダブルなんですが、私が見た日はあーさでした。またこの子が明るくてかわいくって。この舞台の明るい部分を一身に集めたような存在で、立ち回りもかっこよかった!

後半は、キャリエールが際立ってきます(2番手としてはやや地味なお役)。キャリエールとエリックの二重唱はこのうえなく美しく、感動しました。

しかし、ファントムもの全般にいえますが、ファントムかわいそうすぎるんですよ。とくにこの脚本、おいキャリエール、これまでになんとかならなかったのか、って感じ。あとね、最後、歌舞伎だとキャリエールはまちがいなく死にますよね。キャリエールがファントムを撃った後、そばの人にピストルを渡したとき、あんたそれ渡しちゃうんだ、と思ったもん。

最後はすべて忘れて短いフィナーレ。男役さんたちはおおむね渋めでしたが、それもまたかっこよかったです。

宝塚雪組「 凱旋門」「Gato Bonito!」

201807  轟悠さま主演「凱旋門」@雪組です。原作は、ドイツ人作家レマルク(「西部戦線異状なし」でも有名な作家ですね)の同名小説。レマルクはマレーネ・ディートリッヒと同棲していて、映画化したら、彼女を主人公にしようとしていたんだそうです。

お話は、第2次世界大戦、ドイツに宣戦布告する前のパリ、ドイツから亡命してきた外科医ラヴィック(轟悠)は、旅券も身分証明書もなく、闇手術をしながら、亡命者ばかりのホテルに住んでいます。ある日恋人が死んで途方にくれているジョアン(真彩希帆)と知り合い、恋に落ちます。ラヴィックの友人ボリス(望海風斗)がドアマンをする店で働くジョアン。しかし、ラヴィックが国外追放されている間にジョアンには新たな恋人が…。

轟悠さま、さすが渋く美しい。異国で先の希望もなく、ひっそりと生きる中で再び心に火を灯したジョアン。いつも心に悲しみや諦観を抱えているような雰囲気がたまりません。ま、若干ジョアンが若く健康的で単純に見えてしまうのは(そういう造形なのかもしれませんが)仕方ないですね。私の好みとしては、素朴に幸せを求める女だとしても、もう少し陰影があった方が好き。

望海風斗は、語り手的な役割で、主役を立てながらも、歌の場面は聞かせてくれるし、すうっとかっこよかったです。誠実な人柄、ラヴィックの理解者で、別れの場面、ものすごくジーンと感動しちゃいました。

2018072  この作品、宝塚としては2000年に轟悠が現役トップ時代に上演されているそうで、昔の作品だからなのか、この3人以外にはあまり見せ場がなく、さほど詳しくない私には、誰が誰だか。後からチェックしたら、ジョアンの恋人アンリが二番手彩風咲奈、ラヴィックに手術を頼む病院のヴェーヴェルが彩凪翔。普通の脇役です。

この人かわいい、と目を引いたのが亡命者ハイネ。なんだ、「ひかりふる路」のサン・ジュスト朝美絢じゃないですか。そのあとのショーでも目で追っちゃいました。

休憩後のショーは「Gato Bnito!」。美しい雄猫という意味だそうです。猫をモチーフにラテンで踊り歌いまくるという華やかなショーで、それまでの地味なお芝居のうっ憤をはらすかのような生き生きとした雪組の皆さん。手拍子も多くて盛り上がりました。

せっかくトップになったばかりで、理事の主演の相手役とは、と望海さんファンは複雑なんだそうですが、轟悠ならではの深い演技あり、地味とはいっても、亡命者たちの雰囲気をよく出していた雪組の皆さんの好演あり、たまにはいいなと思いました。轟さん好きだけど、理事主演のときにはいつもショーがないんじゃさみしいですしね。

宝塚花組「ポーの一族」

201803 宝塚がとうとう「ポーの一族」をやる、ときいたときには、正直複雑でした。連載中から、なんて絵のきれいな、深みのあるマンガだろうと思って好きになり、それからウン十年、今でも私のマンガの最高峰は萩尾望都と「ポーの一族」。小池修一郎作演出はまちがいないといわれ、ビジュアルが発表されたときも、再現度の高さが評判でしたが、たしかに外してはいないけどーと。

しかし、本当に失礼しました。萩尾望都のこの少女マンガの歴史にそびえたつ名作を、見て、聞けるものにしてくれた宝塚、すばらしかったです。何より、演出小池修一郎氏の長年の念願ということで、原作愛に溢れた舞台化、それを可能としたトップ明日海りお始め花組キャストの演技力がこの成功の要因でしょう。歌舞伎にワンピースあり、宝塚にポーの一族あり。

お話は、コミックでいうと第1巻と2巻、エドガー(明日海りお)がバンパネラとなり、ポーツネル男爵(瀬戸かずや)、シーラ夫人(仙名彩世)、妹メリーベル(華優希)と旅の途中立ち寄った港町で、アラン(柚香光)と出会い、新しい旅に出るまで。「グレンスミスの日記」「ランプトンは語る」「小鳥の巣」まで使い、ポーの世界を存分に再現する構成です。

コミックは愛蔵版は持っているものの久しく読んでいないのですが、最初の台詞から、何だか泣きそうになりました。とにかくエドガーが、ビジュアル以上にエドガー。この頃の、自分の運命を呪い、露悪的ながら、寂しくてメリーベルとアランを愛するエドガー。マンガでも繰り返し描写される美しい青い目が完璧!アランも、強がっていながらエドガーよりも幼いあの1巻のアランそのものです。

ポーツネル一家の華やかさが際立っていて、ホテルに到着する場面の「見ろよ、まるで一幅の絵だ」というのがまさにそのとおりで、光り輝いていました!

娘役トップがシーラ夫人と知ってどんなもんだろうと思っていたんですが、仙名彩世に華があって、出番が多くても違和感なく。メリーベルもほんとにかわいかった。クリフォード医師(鳳月杏)も原作のままのハンサムでモテる明るいキャラ。好演ときいていたマーゴット(城妃美怜)もよかったです。降霊士の芽吹幸奈は怪演といってもいいくらい。

宝塚らしい華やかなアンサンブルシーンはどうするのかと思ったら、ポーの村のシーンや港町のホテル、婚約式などでうまく挿入されていて、不足なし。いや、踊る大老ポー(一樹千尋)を見た時はびっくりしましたが、違和感ありませんでした。

あまりの感動に、久しぶりにパンフレット買ったら、小池さんの熱い思いと、萩尾先生の愛のこもった文章が載っていました。それだけでも十分ですが、エドガー、アランの美しい写真やポーのカラーイラストも多数載ってましたよ。

僅かに異論を唱えるとすれば、エドガーダンサーズはいらなーい、のと、マーゴットってば、端役扱いなのか、クリフォード先生の婚約式も普段着ドレスで出てました。お出かけドレス着せてあげてほしかった。

宝塚雪組「ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール」「SUPER VOYAGER!」

201801 宝塚雪組の新トップ、望海風斗真彩希帆の東京でのお披露目公演、「ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール」です。

望海風斗、トップとしては遅咲きの方だそうで、そういえば4年前の花組「アンドレア・シェニエ」ですでに目立つ役をやって、歌のうまい人だなあと注目してましたですよ。真彩希帆の方は、望海さんよりはだいぶ後輩のようです(初舞台が9年ちがう!)。

さてお話は、宝塚得意のフランス革命もの、しかし、主役はあのロベスピエールです。え、ベルばらの昔から、冷酷なギロチン送りの急進派で、彼が悪役でないお芝居なんて見たことがないってくらいの人です。しかしこのお話の彼は、幼くして両親を失い、一人で弁護士になる勉強をした秀才、理想を求めて革命に身を投じますが、私欲に走った同志や混乱に嫌気がさして恐怖政治をやり、多くの犠牲者を出したうえ破滅します…(ロベスピエール自身については、事実らしいですよびっくり)。

革命軍に家族を殺された貴族の娘で、ロベスピエールと恋に落ちるマリーアンが真彩希帆、ほかに同志ダントン(彩風咲奈)、同志カミーユ(沙央くらま)、サン・ジュストくん(朝美絢)等。

望海風斗、さすが満を持してのトップだけに、貫禄、迫力、繊細な演技。歌はもちろんうまいわけですので、この渋いドラマを十分引っ張っていました。しかも、曲は全てあのフランク・ワイルドホーン、望海、真彩とトップ二人が歌がとってもうまいので、聞きごたえがあってほんとによかった!アンサンブルの掛け合いも迫力がありました。

ダントンの彩風咲奈も複雑な性格をうまく演じていましたが、目を引いたのがサン・ジュストの朝美絢。ベルばらで「花のサン・ジュストくん」として、ロベスピエールに従って粛清しまくる美少年のイメージにぴったりの美形で、華のある笑顔がとっても魅力的。これからの活躍に期待です。

さて、お芝居もさることながら、さらによかったのがレビュー、SUPER VOYAGER!です。

(以下ネタバレします)

 

SUPER VOYAGER、すごい航海者ってことで、船や旅がテーマで衣装なども統一感があるんですが、ラ・ラ・ランド風のダンスあり(これ彩風咲奈のかろやかなダンスが超ステキだった!)、クラブでの沙央くらまの歌(ステキ!)にのっての女の取り合いあり、ジャニーズアイドル風少年ダンスあり、真っ白な衣装での階段の集団行動ダンスあり、と、盛りだくさん。演出の野口幸作さんは、若い方だそうで、やりたいことを全部詰め込んだでしょ、と言いたくなるような意欲的なレビューでした。もちろん歌いまくるトップ、準トップさんたち。

最近、芝居部分が長くて、アンコールのようなレビューが多かったので、ほんとに堪能しました。うん、今年も楽しい観劇生活となりそう!

宝塚月組「All for One-ダルタニアンと太陽王」

Allforone   見た友人が、口を揃えて「面白い、よくできてる、楽しかった!」というので楽しみにしていた宝塚月組「All for One」です。月組は昨年の「NOBUNAGA」以来で、そのとき準トップだった珠城りょうがトップ、娘役トップはそのときと同じ愛希れいか。

さて、副題でもわかるように、設定の元はデュマの「三銃士」で、銃士隊の新入りダルタニアンが人気者の三銃士と協力して王妃のために戦い、恋を手に入れるというもの。「三銃士」、子どもの頃挿絵入りの本が大好きでした。翻訳が柴田錬三郎だったんですが(父が「シバレンがこんなの書いてるのか」と言ったのが、その人ダレ、と印象的だったので覚えている)、挿絵の彼らがイケメンだったんです。とくにアラミスは人物紹介で「美形で笑顔は貴婦人のような気品があり、女性にもてる」というようなことが書いてあってお気に入りでした。

そのアラミスは、NOBUNAGAでもかわいい秀吉を演じていた美弥るりか。この方、小柄で髪もなびかせてて女子なんだけど男というところが、少女マンガ的で彼女独特の魅力があって好きです。リーダー格のアトスは髭もりりしい宇月颯、力自慢のポルトスは暁千星。銃士隊で長い剣を合わせる三銃士、かーっこいい!これにガタイのいい珠城りょうが加わって、迫力です。

お話は、原作と離れて、太陽王ルイ14世(愛希れいか)は実は女子だったというもので、このルイが、バレエ踊ったり男と女行ったり来たりして大活躍。ヒロインとしてはコメディセンスもあって熱演でした。話はオリジナルでも悪役宰相マザラン(一樹千尋)とその甥たち(ベルナルドの月城かなと、美形でステキ)と闘うのは同じで、テンポよく進む話に個性がくっきりしたキャストの好演、きっちり回収される伏線と、見ごたえがありました。とくに殺陣は、一歩間違えばケガをしそうな長い剣での迫力ある立ち回りで、皆さんすごい体幹と体力!

いつも専科の方がうまいなあと思うのですが、沙央くらまのコメディエンヌぶりも楽しかったです。この方、NOBUNAGAで足利義昭を面白く演じていましたが、女性になってもきれいな方なんですね。来年退団だそうで、またどこかで見られるかも。

宝塚星組「スカーレット・ピンパーネル」

Photo_2   久しぶりの宝塚は、フランク・ワイルドホーン作曲、小池修一郎作曲の名作「スカーレット・ピンパーネル」です。星組の新トップ紅ゆずる、綺咲愛里のお披露目公演。昨年の石丸幹二・安蘭けいのミュージカルを見損ねて、楽しみにしていました。

原作は1905年出版のイギリスの小説「紅はこべ」、ブロードウェイでは、1997年に初演され、断続的に上演されたり、ツアーに出たりしています。

フランス革命直後のパリ。ロベスピエール(七海ひろき)の恐怖政治の中、罪のない人を救うスカーレット・ピンパーネルとその一派。正体は不明ですが、実はイギリス貴族のパーシー・ブレイクニー(紅ゆずる)。元コメディ・フランセーズの女優マルグリット(綺咲愛里)と結婚しますが、スカーレット・ピンパーネルであることを妻に秘密にしていることなどから、二人の仲はぎくしゃくします。マルグリットの過去の恋人、ロベスピエールの片腕ショーブラン(礼 真琴)はピンパーネルを追いますが…。

1幕は、すれ違うマルグリットとパーシーにはらはらしていたんですが、最後になって、うまくできたハッピーエンドにすっきり。群衆シーンの(数も多いし)迫力、ピンパーネル軍団の青年たちの団結と素晴らしいコーラス、と非常によくできた演目で、楽しめました。

その間の、ショーブラン礼真琴の苦悩、男くささ、歌のうまさに感心。レ・ミゼラブルならばジャベールの役どころ。この方、もうちょっとだけ、身長があれば無敵なのに、と思いましたですよ。

ショーブランとパーシーのラストの殺陣は、女性だということを忘れるほど迫力があり、見事でした。

紅ゆずる、長身、腰の高さ(足の長さ)は驚異的。ただ、コメディエンヌぶりがキツイのと、肝心のセリフがいっぱいいっぱいな感じがして、なかなか大変だと思いました。綺咲愛里は、すっきりとした美貌で、悩めるマルグリットを好演。

ちょっと目を引いたのが、ルイ・シャルル(アントワネットの息子)の星蘭ひとみ。おかっぱでも美貌は明らかで、スターになるのでは、ともっぱらの評判でしたよ。

たっぷりのお芝居のあと、短いレビュー。衣装もダンスも素敵で、力のこもったお芝居の後に涼しい顔してスマートに踊る皆さん。本当に背筋にエネルギー注入されました!

(ところで普通のミュージカル版も再演予定のようです。パーシー石丸幹二、マルグリット安蘭けい、ショーブラン石井一孝と実力派でどんな舞台になるのか、見なくちゃですね!)

(追記)

この日、実は夢咲ねねが観劇してたんです。それをみつけた紅ゆずる、ハンドル回す真似をしながら、「ねーねー、キミ車運転してたの~?」って言ったんですが、そのときはわからなかったけど、じつは彼女は日生劇場の「グレート・ギャッツビー」に出演していて、事故を起こした車を運転していたのが誰かっていうことが一つの謎になっていたんですよね。後日ギャツビーを見ながら、なんていうネタバレを主演からされちゃったんだとびっくりしました。今となっては笑っちゃういい思い出です。