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クドカン

ステキロックオペラ「サンバイザー兄弟」@サンシャイン劇場

  Photo_2「高校中パニック!小激突!!」に続くクドカンの「ロックオペラ」です。

サンシャイン劇場は40年近く前に開館した老舗ですが、初めて。収容800人ちょっと、幅も奥行きもちょうどいいし、古い割には座席はそんなに狭くないし、後ろの方の立ち上がりがけっこうきつくて、とても見やすい劇場でした。

音楽は怒髪天の上原子友康。ちょっと歌謡曲みたいな親しみやすいメロディです。怒髪天のボーカル増子直純瑛太がやくざの兄弟分、クドカン、三宅弘城、皆川猿時、少路勇介、よーかいくんのおなじみのメンバーに、りょう、清野菜名ほか。兄弟は刑務所とシャバを行ったり来たりしながら、娘の清野菜名を育てています。

と、あらすじを紹介する意味はないんですが、とにかくおふざけをすごいレベルの人たちがやってる、ってことです。「高校中パニック」、で免疫ができてるのと、音楽がいいので、ほんとに楽しかったです。

Photo    瑛太、テレビで見るより、舞台ではそのスラリとした細マッチョな容姿でかっこいいんですよね(お風呂のシーン、ガンミしちゃいました)。体といえば、三宅弘城(「あさが来た」ですごく身近な気持ち)も筋骨隆々。パンチの形がきれいだなあと思っていたら、やはりボクシングをやっていたそうです。とにかくドラムとお笑いシーンで大活躍、この人がいなかったら、ロックオペラできないだろうなと思いました。猿時も今回は体ですっごく笑わせてくれました。

りょうは凄みのきいた姉御、清野菜名はちょっと足りない娘。二人とも吹っ切れた演技でよかったんですけど、この二人、来年の「髑髏城の7人」のメインキャストですよ。来年の演劇の中でも相当な話題作となりそうなこれに出る二人がクドカンにも出てるって、ビジュアルも個性も際立っているとはいえ、どうしたんでしょうね。しかし清野菜名、アクションが得意とのことでしたが、殺陣、めちゃくちゃキレキレの動きで、気持ちがいいくらいでした。

しかし、何といっても、この舞台の魅力は楽しそうなバンドの盛り上がり。ロックなミュージカルでバックバンドが演奏しているのはいくらでもありますが、なんでクドカンのロックオペラはこんなに楽しいんでしょう。これだけいいドラマや映画を書き続けていても(そして再来年は大河ドラマですって!)、バンドが本当に好きなんだろうな、と、リードギターを黙々と弾くクドカンを見ながら思いました。

で、増子さんですよ。バンドのボーカルって、さすが大勢の観客をあおり続けてきただけあって、俳優としても落ち着いたものでした。そして、ラスト近くの渾身の歌(題名不明、衣装は書けるんですが、ネタバレになるので)、ブロードウェイで見たKinky Bootsの、ビリー・ポーターが歌ったHold Me In Your Heartをほうふつとする鳥肌モノのナンバーでした。

ほんとは途中で(日頃の睡眠不足がたたって)睡魔に襲われちゃうような私より、男子高校生が見たら狂喜乱舞だと思うんですけど、やっぱりこれだけのものを見ようと思ったら、チケット代はそこそこ高くなっちゃうんですよね。しょうがないですな。

 

「真田丸」「ゆとりですがなにか」「トットてれび」&「ちかえもん」

Sanadamaru 三谷幸喜の大河ドラマ「真田丸」、毎週とーっても楽しみにしています。

戦国時代は何回も大河でやっているし、家康に敗れてしまう悲劇の武将真田幸村(だから今まで真田ものはほとんど読んだことがなかった)が主人公なんて、とみる前はちょっと危惧していたのですが、歴史オタクの三谷さんが最新の研究成果やら知る人ぞ知る小ネタやらを盛り込んでくれて、まったく新鮮な歴史ドラマになっていると思います。

たった45分の中で、笑いあり、ほのぼのあり、話が進む部分とじっくり描く部分が自在です。同じ状況だが対照的な2つの人間関係を同時に描写するのも得意。そして一番いいと思うのは、毎回演劇的な緊張感があって、役者さんたちの気合の入った演技がみられる長いワンシーンがみられるところ。たとえば、昌幸パッパと源次郎、源三郎親子の真田生き残りをかけた作戦会議、信長との対面、室賀正武の暗殺、家康の上洛、落首事件の決着…。 

主役は今人気の堺雅人大泉洋なんですが、三谷さんの舞台やドラマで活躍してきた実力派、舞台中心の役者さんが隅々まで脇を固め、個性を発揮していて、役者を見るのが楽しいです。愛之助、藤井隆、迫田孝也(三十郎)は「酒と涙とジキルとハイド」に出てたなーとか(愛之助の「儂がやろう」、所作が美しくてかっこよかった!)。超切れ者の信伊は元劇団四季の栗原英雄、出番は1回ですがこの人が生きていれば歴史は変わったのではと思わせた織田信忠の玉置玲央や、強烈な印象だった尾藤道休の横田英治(「ピアフ」でマルセルやってました)、最初に武田勝頼で評判をとった平岳大もどちらかというと舞台の人ですね。

最近妙な人気が出てきたおこうさんは第三舞台の看板女優長野博美だし、出雲阿国で迫力ある姐さんぶりを見せてるのはミュージカルの実力派シルビア・グラブ。大蔵卿の峯村リエはケラのナイロン100℃の創設メンバーだそうです。

これだけの登場人物に見せ場を与えつつ、主要キャストには、さらに複雑な立体感のある人物像を作り込んでいて感心します。最大の敵役なのに、笑えるのに、忠実な譜代の家臣を持ち、人間味があって、もうこの人が最後に天下をとるのは当然だなと思わせる内野聖陽家康。最新の「前兆」ではコンプレックスと残忍さと哀れさを豊かな表情で演じきった小日向文世秀吉。理が勝ちすぎたやなやつと見せておきながら、危機には信繁を黙れと一喝して、命懸けで秀吉をいさめる熱い男山本耕史三成。このときの三成かっこよすぎ(いや、もともと山本耕史さん大好きです)。なんとなく能天気で平凡な女に見えた鈴木京香おねも、名古屋弁で秀吉を叱るシーンはさすがと思いました。うざかった長澤まさみのきりちゃんは、今や出てくるとほっとする役回り。三谷さんが何度も起用する女優なんだなと初めて感心。

こんな状態なので、ツイッターの#真田丸、異様に盛り上がっていて、毎回見終わってから、これを読むのがまた楽しいし、隠れた歴史ネタの勉強にもなります。そしてつい録画をもう1回見たりしちゃうのでした。

と、ちょこっといいですね、と書こうと思っただけなのに、えんえんと語れそうな真田丸、こんな素晴らしい大河は見たことがありません。前作がかわいそうだし次回作のプレッシャーもたいへんでしょうが、まだまだ先が長いことを楽しみに、見ていきますよ。

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さて、同じ日曜日にやっているのがクドカンの「ゆとりですがなにか」。

フィルムドラマなので、昔の青春ドラマを彷彿とするんですが、内容はほんとに、今、のドラマです。クドカンドラマの中では、「木更津キャッツアイ」を、もっと登場人物のシチュエーションを現実っぽくして、構成も緻密にして、という感じ。いろんな意味で大河とは真逆なんですが、クォリティはものすごく高いと思います。出演者が役との対比でも新鮮ではまっています。

岡田将生なんて背が高くて美形なだけじゃん(←それだけでも十分ですけどね)と思ってましたけど、一気に好きになっちゃいましたし、桃李くんも柳楽優弥もいいです。妹役のぱるるもとっても役柄に合っててかわいくてうまいし、あさが来たのノブちゃんがまるで別人の教育実習生。太賀もウザさがうますぎてうわあです。しかし特筆すべきは初めて見る安藤サクラ。スーツのときの仕事のできる女と、普段のホンワカの落差が大きいんですがリアルで、こんな女優初めて見るような気がします。前回の山路に本音をぶちまけるシーンは、せつなくてほろっとしちゃいました。

このドラマにくらべると、「ごめんね青春」はちょっとぐだぐだだったな。これ、クドカMekuruンドラマの中でもかなりの傑作です。

そうそう、最近みつけて、Mekuru創刊号のクドカン特集を入手して読んでみたんです。2013年の舞台「高校中大パニック」の上演の頃の、舞台、映画、ドラマ、俳優の全作品についての本人解説が載っている、ファンなら完全保存版てやつですが、あまりの仕事量の多さにくらくらしました。見ていないドラマ、映画もたくさんあって、これからどうやって追いつこうか、と。

やっぱり天才ですね、クドカンさん。


Photo最後はNHKドラマ「トットてれび」。黒柳徹子さんとテレビの歴史のドラマなんですが、満島ひかり、アクセントも含めイメージそっくり。なんともおっとりしたお嬢さんで、昔のワンピースもとてもかわいいです。

森繁(吉田剛太郎、「ゆとり」にも「真田丸」にも出てるってすごい)や沢村貞子(岸本加代子)、坂本九(錦戸亮)、渥美清(中村獅童)たちが、当時はこんな感じで見られていたんだろうな、という雰囲気で出ているのが楽しいんですが、再現に凝りすぎて、ドラマとしてはさほどおもしろくないのがちょっと残念なのでした。

(追記)

「ゆとりですがなにか」と「トットてれび」が最終回を迎えました。ゆとり、最後まで面白かったです。クドカンさん、きれいにまとめましたね。出ていた俳優さん、みんな今までより好きになってしまう、すごいドラマでした。代表作の一つになりましたね。

「トットてれび」も、後半はトットちゃんと友人たちの交友を温かく描く佳作でした。満島ひかり、小気味よかったです。

「真田丸」はますます快調。回を重ねて、登場人物の性格がさらにくっきりしてきているので、わずかな表情の変化でそのシーンの気持ちがよく伝わってきて、さらに場面ごとの情報量が増えて深みが増して楽しいです。耕史ファンの私としては、三成の人気がうなぎ登りなのもうれしい。どうしてこういう人間関係から、関ヶ原の敵味方が決まるのか、まだまだわかりません。

(追記その2)

このクールで評判がよいので途中から録画していた「ちかえもん」、ようやく見ました(後半4回)。いやー面白かったー。近松が傑作「曽根崎心中」を書き上げるまでの、いきさつを描いた「娯楽時代劇」です。

おっさんながら豊かな表情がかわいい近松門左衛門(松尾スズキ)、ピュアなぼんぼん徳兵衛(小池徹平)、ところどころせりふに物足りなさはあるもののキレイで雰囲気のあるお初(早見あかり)、あれ、こっちでは悪役だったのね「あさが来た」のかっこいい親分山崎銀之丞(この方ハンサムです)、ほんわかとした優香、お年を召したなと思うものの所作がきりりとした母上(富司純子)、義太夫がんばった北村悠紀夫。そして感心したのが、能天気でひたすら明るく愛すべき万吉(青木崇高)。甲高い声の特異な役なんですが、のびのびとしていて、ああ、これは優香が好きになっちゃったのも無理はない、と、二人の電撃結婚に、納得してしまいました。面白かったよー。

(追記その3)

「ちかえもん」、脚本の藤本有紀氏が向田邦子賞をとり、10月末に深夜に一挙再放送され、前半も見ることができました。 万吉との出会いや、お初徳兵衛が恋に落ちるところなど、重要なエピソードを含め、完結して満足。1話の中でのバランスがとてもいい、ほんとうによくできたドラマでした。藤本さん、あの松尾スズキをああ使うユーモアのセンス、すばらしい!大河の「平清盛」の世界より、こういう方が合ってるんですね。私もこちらの方が好き。これからも期待です。

(追記その4)

2017年2月、国立劇場で「曽根崎心中」が上演されたので見てまいりました。ちかえもんを思い出しながら、若い二人の純愛、九平次の悪役ぶりを楽しみました。江戸の庶民も、この演劇的にドラマチックな作品を、ほんとに愛したのだろうなあと思うと、楽しかったです。

六本木歌舞伎「地球投五郎宇宙荒事」@EXシアター

Dsc_0923_4クドカン脚本、三池崇史演出の、海老蔵、獅童の新作歌舞伎、「地球投五郎宇宙荒事」を、六本木のEXシアターで見てまいりました。

クドカン脚本の歌舞伎といえば、「大江戸りびんぐでっど」をシネマ歌舞伎でみましたが、なんとなくとっちらかった印象で、悪くはないけどという感想だったのですが、今回は、すっごく面白かったです。

まず、加藤清史郎くんが海老蔵の弟子鯛蔵として出てきます。そこで語られる落ち着きのない海老蔵にまず爆笑。そして海老蔵と獅童が素顔で出てきます。隈取メークをしながら世間話をする二人。獅童さんって、本名からミキくんといわれることが多いらしく、海老蔵もそう呼んでいたりしてほほえましいです。とにかくスラリとした、華やかな仲よさげな二人が舞台にいるだけで、ウキウキしますね。見る見るうちに、素顔から白塗りに立派な隈取をしたお顔が出来上がります。

そこからは、初代團十郎、では恐れ多いので團九郎という設定で、「暫」とスターウォーズをミックスしたお話が展開します。

「暫」は見たことありませんが、「女暫」は先日見たばかりで、衣装や、緑の腹出しを愉快に見ました。さらにスターウォーズは、DVDセットも持ってるコンテンツですから、清史郎くんのヨーダもかわいくて。刀を奪われるという設定も、「歌舞伎ってなんでしょっちゅう失くした刀を探しているんだろう」と思っていたものですからくすりとしました。Tikyunagegorou_2

こう書くとおふざけもいいところのように見えますが、市川宗家の荒事のルーツをたどりつつ、「にらみ」のフォースともいうべき力を語ったり、さらに新作歌舞伎が世話物に寄りすぎるとどこが歌舞伎かわからない感じになりがちなのを、荒事の楽しさをふだん歌舞伎を見ない観客にも楽しませてくれる、お得感たっぷりな舞台となっていました。

正義の味方と魅力的な敵役、美人や裏設定など、確かにエンタテイメントの王道要素満載の歌舞伎。それが300年前から庶民の愉しみだったというのは、世界に誇っていいですね。

この演目の紹介として以下のように書かれていますが、まさにそのとおりの舞台でした。

海老蔵が十八世勘三郎に、「成田屋のお家芸は“荒事”なんだし、新作をやるなら最後は地球を投げちゃうくらいのことやって欲しい」と言われたことをヒントに、宮藤官九郎が書き下ろし、三池崇史が歌舞伎初演出に挑戦した『地球投五郎宇宙荒事』。

海老蔵って、その血筋とか容姿とか身体能力とかでもてはやされていますが、一方で落ち着きのない、思ったままをそのまま口に出すお人柄が、この脚本に出ていて面白いです。しかし、ほぼ全編華やかな荒事の衣装をまとい、大きな目でキメる海老蔵さん、かっこよかったです。

その相手役として、獅童は最高。身長もほぼ同じで、鍛えた身のこなしもかっこよく、海老蔵と好一対で楽しかったです。

清史郎君はさすがの舞台度胸でしたし、その他も花魁姿が美しく、踊りも目をひいた右近(いつか八ッ橋とかやるのかしら)、萬次郎、市蔵、亀三郎、九團次と、大真面目におかしみのある演技ができる役者さんがそろっていて、本当に楽しめました。

(配役は、松竹さんのサイト「歌舞伎美人」で確認したんですけど、やっぱりこれも歌舞伎美人でアーカイブするんだあ、と思いましたですよ。でも歌舞伎の新規ファン獲得には貢献しそうですが)。

このメンツがそろった新作歌舞伎があれば、次回もぜひぜひ見たいです。

(追記)

週刊文春のクドカンさんの連載コラムに、この六本木歌舞伎の稽古のお話が出ていました。役者さんたち、最初は丁寧に作家や演出家にあいさつするのですが、普段は演出家のいない歌舞伎のこと、勝手に喧々諤々稽古するそうです。昔の大人計画もそうだったなあと思うクドカン。やはり海老蔵はかっこよく、何をやっても歌舞伎なんだとか。演出は三池監督ですから、クドカンはにやにやしながら、この役者さんたちがやりたいようにやるのを見ていたんでしょうね。楽しかっただろうなあ。

クドカン「ごめんね青春」バカリズム「素敵な選TAXI」

「あまちゃん」以来、1年ぶりのクドカンドラマ、「ごめんね青春」

錦戸くんが主役とは、地味じゃないかと思ったんですが(「流星の絆」はニノと戸田恵梨香との3兄弟の一人だったし)、ちょっと気の弱い、ナイーブな教師をいい感じでやっています。高校生姿がまたまったく無理がない感じ。

昔たくさんあった学園ものドラマの雰囲気をもちながら、クドカン的にさらにキャラとギャグと細かい設定の面白さを詰め込んで、ちょっと過去の謎解きの趣もあって、ストーリーの展開も楽しみな、毎回2回見るドラマになっています。
「タイガー&ドラゴン」や「うぬぼれ刑事」、「あまちゃん」と安定感のあるドラマが続いたところで、「木更津キャッツアイ」や「マンハッタンラブストーリー」のようなちょっとマイナー感のあるドタバタの雰囲気がとってもいい。キャッツアイのときはリアルタイムではなかったので、それもうれしいです。

キャストは、さすが「あまちゃん」の後のクドカンの日曜劇場だけあって、旬で贅沢。満島ひかりはさすが元気がいいし、風間杜夫が、こういう役やってほしかったなあという濃いお父さん、坂井真紀がこの人こんな風になったんだと思う風変わりな保健の先生、誰かと思ったら斎藤由貴のシスターとか、ずっとクドカンドラマに必ず出ていた森下愛子が語り。NHKの「嘆きの美女」でかわいいなあと思った中村静香も、昔の酒井若菜みたいないい味だしてます。

また生徒が見た目もキャラも凝りに凝ったキャスティングだなあと思います。あまり役の森川葵かわいいなあ。生徒会長も、川栄も、トリンドルも、遠藤いずみもいいぞ。

まだまだいろいろ展開がありそうで楽しみです。

そして、ごひいきバカリズムの初脚本「素敵な選TAXI」

竹野内豊のタクシーが、選択を失敗した乗客に、金額に応じて時間を戻ってやるという一話完結のドラマ。これまでの2話は、失敗、戻ってまた失敗、意外な展開でハッピーエンドという流れです。

竹野内豊の飄々としたキャラ設定といい、最初はよくあるシチュエーションにみえて予想のつかない展開といい、念入りに貼られた伏線といい、楽しく見られるドラマになっています。

ゲストはやや地味目なんですが、1話の安田顕(大泉洋の劇団の人。「泣くなはらちゃん!」のロックな父さんもよかった人ですね)と小西真奈美、2話の仲村トオルと、なかなかいい感じ。仲村トオルってやや苦手だったんですが、今回は私の仲村トオル史上最高にかっこよかったです。

いつも竹野内豊が入る喫茶店のマスターがバカリズムですが、常連のややうざいおじさんが升毅って、意外。この方、舞台では華がある人だけど、けっこうくせのある役でドラマにも出ているんですね。

ってことで、今回のクールはこの2本と、意外と今まで扱われていない時代に突入して目が離せない「軍師官兵衛」で忙しいです。

映画「大奥-永遠(右衛門佐・綱吉編)」

Oookueienこれまで、二宮和也主演の映画「大奥」堺雅人・多部未華子のドラマ「大奥ー有功・家光編」よしながふみのコミック「大奥」  とみてきましたので、続編のこの映画も見なきゃーと思ってました。

5代将軍綱吉(菅野美穂)は側室(要潤)との間に世継ぎの松姫はいますが、満たされない思いでいるところ、正室(宮藤官九郎)は京都から貧乏公家の右衛門佐(堺雅人)をよびます。しかし右衛門佐は側室にはならず、大奥総取締の座を望みます。松姫を亡くした綱吉は、世継ぎを得ることが第一となり、そしてあの「生類憐みの令」が出され…。

菅野美穂がとにかくきれいで、立場に縛られる綱吉をうまく演じています。ああ、こんなにかわいくて見事な人なら、堺雅人が好きになっちゃうの無理ないな、という目で見てしまいます。

西田敏行の桂昌院が、一途で愚かな父でちょっと面白くてよかったです。高僧の堺正章(意外に似合ってる)との場面は、往年の「西遊記」を思い出させるようなシーンにつくっていてさすが金子監督。

クドカンが正室役ですが、特に見せ場もなく、歯並びが悪いのが時代劇では気になり、忙しいのになんで出たのと思いましたが、ご本人が出てみたかったのかしら(金子監督は木更津キャッツアイの演出だし)。

堺雅人はもちろんいいんですけど、TBSのドラマを入れ込んでみていた私、大奥の中で毎回存在を変えて行く有功の方がきめ細かく描かれていて、この映画は少しあっさりしすぎている感じがしました。綱吉が松姫の死後長い間ずっと右衛門佐をどう思っていたのか二人の絡みとか右衛門佐の思いとかがほとんど描かれていないので唐突感もあるし。

映画としても、ニノ主演の前作の方が、この男女逆転の世界ならではのエピソード満載で出来がよかったような感じがします。

ドラマもそうですが、最後腹をくくってた綱吉がかっこいいものの、悲しいラストです。クレジットは堺雅人主演ですが、菅野美穂主演だな。

2013年私的ミュージカル&演劇その他ベスト10!

恒例のミュージカル、演劇についての年間回顧2013年版です。過去の分はこちら(それぞれ感想ページへのリンク付き)。

2009年的ミュージカルベスト10!
2010年私的エンタメベスト10!
2011年私的演劇&コンサートベスト10!
2012年私的演劇等ベスト10!

(追記)2014年私的ミュージカル&演劇ベスト10!

今年は本当にいろいろな舞台を見ることができて、楽しい1年でした。順位をつけるのが悩ましかったです。例によって、もう一度見たいかとか、もし日にちが重なったらどっちを見るか、という観点で選びました。1週間後にもう一度ランキングしたら、違う内容になりそうです。 例によって詳しい感想はタイトルのリンクをご覧ください。

【ミュージカル編】

今年は比較的多く見たので、ミュージカル編とその他とに分けてみました。

1.「エニシング・ゴーズ」

これが1位?と自分でも思うんですが、キャスト、ストーリーと音楽のバランス、楽しさから、なんとなく総合的に1位でした。

2.クドカン「高校中パニック!小激突!!

舞台に引き込まれて楽しかったという点では素晴らしかった「ミュージカル」ではありますが、一応ミュージカル感想ブログとしては、この作品をミュージカルの1位にしちゃいけないかなと。でも、またこういうミュージカルを書いてください、クドカンさん。

3.「ネクスト トゥ ノーマル」

現代的なテーマの、せつない大人のミュージカル。キャストも好演でした。

4.来日ミュージカル「ドリームガールズ」2013

華やかで歌とダンスも楽しめて、少しほろ苦くて、感動のラスト、やっぱり好きなミュージカルでした。2010年の前回来日版よりキャストが少し小粒だったかも。

5.「メリリー ウィ ロール・アロング」

脚本も面白かったし、ソンドハイムの曲と柿澤勇人、小池徹平らキャストもぴったりでいいミュージカルでした。

6.「スウィニートッド2013

いつもながら市村トッド、大竹ラベットのインパクトとソンドハイムの楽曲、コーラスのバランスが取れた傑作。今回再演の初日ということでちょっと危なかったのでここ。

7.「レ・ミゼラブル」@帝国劇場

レミゼの曲のよさを映画で再認識しての久しぶりの劇場版。遅刻してなければもうちょっと深い感動が。

8.来日ミュージカル「HAIR(ヘアー)」

伝説のミュージカルですが、キャストがかわいくて生き生きとしていて楽しめました。

9.「屋根の上のヴァイオリン弾き

これもミュージカルの古典で、人情話の古典としての味わいがありました。市村テディエの軽さも楽しかったです。

10.宝塚花組「愛と革命の詩 アンドレア・シェニエ」

アンドレアは蘭寿とむさんにどうかとは思ったものの、レビューも含めると、満足度はたいへん高い舞台です。

ミュージカル「シラノ」@日生劇場

鹿賀さん、田代万里夫(「エニシング・ゴーズ」もよかった)、濱田めぐみのキャストもストーリーも感動的でかなりよかったです。

劇団四季「オペラ座の怪人」

これは高井治さんの怪人が出色。でもこの後豪華な25周年記念公演DVDを見ちゃったので。

ミュージカル「ZANNA(ザナ)」

これも大好きなオフ・ブロードウェイの若々しいミュージカル。ZANNAがもっと違う風だったらと言うところが残念。

「ロックオペラ  モーツァルト」 
「ロミオとジュリエット」

この2本は豪華キャストの大掛かりな舞台。それぞれキャストの見どころもあって、見ごたえのある舞台でした。

宝塚星組「南太平洋」 
宝塚雪組「ベルサイユのばら」

今年初めて劇場で見た宝塚。演目による味わいのちがいはあっても、必ず楽しめる安定感は素晴らしかった。

劇団四季「リトルマーメイド」
劇団四季「ジーザス・クライスト・スーパースター―エルサレムバージョン」

期待が大きかっただけに、ちょっともやもや感が残った2本でした。

「天翔ける風に」

キャストは悪くなかったんですけど。

【ミュージカル以外編】

コンサート、ストレートプレイ、コント、歌舞伎、狂言ぜんぶひっくるめて(やや無茶ですが)こちらです。

1.アダム・パスカルin 「華麗なるミュージカルクリスマスコンサート2013

年末最後に、素敵なアダムに、AIDACHICAGOの聞きたかった曲を歌ってもらえました。

2.ポール・マッカートニー東京ドーム「アウト・ゼア・ツアー」

ずっと昔から大好きだったポール、変わらぬエネルギーを感じさせてくれたすばらしいステージでした。アリーナだったら1位でした。

3.野田地図ー宮沢りえの「MIWA

さすがの野田秀樹×宮沢りえ。古田新太、瑛太、井上真央もよかった。

4.野村狂言座「清水・朝比奈・連歌盗人」@宝生能楽堂

万作さんとその一座の素晴らしい舞台を目の前で。

5.杮葺落五月大歌舞伎第2部「伽羅先代萩」「夕霧伊左衛門廓文章」

藤十郎、仁左衛門に泣いたり笑ったり。

6.杮葺落五月大歌舞伎第部「鶴亀」「寺子屋」「三人吉三

寺子屋の幸四郎、三津五郎もよかったですが、三人吉三の役者の華が楽しかったです。

7.「おのれナポレオン」

豪華キャストで見る初の三谷幸喜作品。野田秀樹が自在でした。

8.八月納涼歌舞伎第三部「江戸みやげ狐狸狐狸ばなし」「棒しばり」

怪談仕立ての狐狸狐狸ばなしは楽しく、棒しばりは三津五郎と勘九郎が見事でした。

9.「ザ・ニュースペーパー25周年記念ライブ」

いつみても面白いザ・ニュース・ペーパー。

10.「ボカピープル(VOCAPEOPLE)」来日ライブ!

アカペラコーラスでつづる面白くて素晴らしい舞台。まったく見たことのないタイプのコンサートでした。

九月大歌舞伎「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」「男女道成寺」「河内山」

名作御浜御殿ですが、三津五郎さんで見たかった。河内山はスカッとしました。

7 Fingers LOFT

おしゃれな舞台でのサーカス。観客と演者が一体となった雰囲気がとってもよかったです。

オペラ「ハムレット」

珍しい演目のスタイリッシュなオペラでした。

「父よ!」@KAAT

柄本明、ベンガルら達人の渋いドラマ。

国立劇場「紅葉狩」歌舞伎鑑賞教室

説明部分も含めて、とても楽しくてお得な鑑賞教室。

美輪明宏の「黒蜥蜴」 
能・テアトル・ノウ「楊貴妃」@宝生能楽堂

普通なかなか見られない力の入った舞台。黒蜥蜴は、小五郎や早苗が違うキャストだったらまだよかったかも。

【その他】

今年は、シネマ歌舞伎も4回+DVD1本見ましたし、TVも「あまちゃん」「半沢直樹」「リーガルハイ」とめいっぱいはまって楽しいエンタメライフでした。さあ、来年はどんな舞台、映像との出会いがあるでしょうか。

クドカン「高校中パニック!小激突!!」@PARCO劇場

Kudokanpanic今年は、私が本当に大好きな人たちの舞台に行く機会がとても多く、幸せな1年だったなあと思うのですが、年末にまたまた、カテゴリまで作っている「クドカン」のお芝居、しかもミュージカルを見ることができました。クドカン脚本にこのキャスト、しかも劇場はPARCO劇場と小さめでチケットがとれたのはほんとにラッキー。

お話は、渋谷を舞台に、聖ファイヤーバード高校(ヤバ高=偏差値高い)とグレッチ工業高校(グレ高=いわゆるヤンキー高校)の生徒の抗争、友情、恋。といっても、「バカロックオペラバカ」という副題がついているように、大したストーリーがあるわけではなく、ロックとギャグで進んでいきます。大学の演劇サークルというより、高校の文化祭でやってもおかしくないようなノリ。「あまちゃん」で幅広い世代を楽しませるきっちりした仕事をしてくれたクドカンが、反動でやりたいように悪ふざけをしたといえなくもないような内容です。

ところがそれを、実力のある大人が大マジメにやっているところが、3時間弱を少しもダレずに駆け抜けるエンターテイメントになっていて、やっぱりすごいなあと感心しました。ひとつひとつのシーンが面白いのはいうまでもないとして、空間の構成とか、役者の動きとか、映像や曲の使い方にスキがないというか。曲も、クレイジーケンバンドの横田剣や怒髪天の上原子友康などなどが作っていて、それをメンバーが演奏するんですが、そのライブ感もすばらしいんです。

11人のキャストが、みんな生き生きとちょっと変わった役柄を個性的に演じています。まず佐藤隆太。背も高くてかっこよく、あの熱さがぴったり。彼の親友カゼギミ役は、「あまちゃん」の前髪クネ男&「八重の桜」の山川健次郎で今年活躍の勝地涼(かわいい!)で、いろんな役どころを的確にこなす、演出家から見て安心な俳優さんです。川島海荷も制服姿がかわいくて、アイドルのダンスもキレがあって(9nineですもんね)、セリフも安定していてとってもよかったです。瑛太の弟という永山絢斗も、初舞台とは思えないはまり方でした。

TVドラマでもいつも面白い皆川猿時は、舞台だと破壊力倍増で、どのシーンでもやりたい放題の面白さ。ドラマの脇役でみたことあるような気がする三宅弘城は、桜塚やっくんを思わせるスケバン姿が似合っていて、動きもキレキレ、ドラムも気持ちよくて、重要な役どころを演じていました。ボビーもこの人だなんて、わかりませんでした。すごい。

そして気志團の綾小路翔。ハンパなく不良高校生姿が似合っているうえ、さすがに歌がうまくて、ミュージカルとしてのクォリティを引き上げてくれていました。久しぶりに見る坂井真紀もあのナイーブな雰囲気はかなぐり捨てた、きっちりとしたコメディエンヌぶり。

どうしても、「ああクドカンが出てる」になってしまう、クドカン。しかしパンフレットを帰りに買った私は、もうひとつのクドカンの役や、ギターを弾いていたことに気づきませんでした(メイクかなり濃いんです)。ひゃー、ギターまでなんて、才能豊かなんだなあ。

これだけバックグラウンドもさまざまな役者たちが一体となってこの作品世界をつくりあげているのは、元にもどってやっぱり演出の力なんでしょうか。クドカン、ほんとに天才だ!

「あまちゃん」(その2)

始まる前からクドカン朝ドラとして期待していた「あまちゃん」、4ヶ月目の今も、だれるどころか次々と話題を提供し、社会現象にまでなっていますね。アキが東京に来て、岩手の温かさがなくなって普通のドラマになってしまうのかとちょっと危惧したのが申し訳ないくらい、東京編のキャストも、薬師丸ひろこ、古田新太、ピエール瀧、GMTの面々(私はリーダーが好き)と、みんないい仕事しています。志の輔落語の「バールのようなもの」(これ見たネタだった)や、大将のジョジョ立ち、水口登場シーンの「探偵物語」のテーマ等、わかりやすいのからそうでないものまで、小ネタも満載。でもそのネタも、「わかる人にだけわかればいい」(by花巻さん)って感じで、全然ドラマの邪魔をしていません。

「あまちゃん」の魅力は、いわゆるドラマウォッチャー以外にもいろんな人が語っていますが、あまり言われてないところを追加。

すれちがいや誤解、ほんとはこうなのに、というイライラがない。主人公アキは、素直で計算のないキャラクターですが、迷ったり困ったりする自分の心情を素朴だけど的確に語ってくれるので、こちらはすんなり受け止められます。「それがおらの現実だ」。ユイちゃんに対しても、率直でいいんですよ。

母と娘の葛藤。40代以下くらいの世代では、母の世代の価値観と自分の生き方が合わなくて、悩んでいる女性が多いように思います。客観的にみれば立派な女性なのに、母に認められないことに辛い思いをしたり、傷つけられたり。夏さんが春子に謝るシーン、母がこうだったらと涙して見た人は多かったことでしょう。これも短いシーンなのに、なぜ40そこそこの男性のクドカンさんがあんなに的確に描けるのか、心に残るシーンでした。もちろん、夏さんの大漁旗のシーン、心がふーっと溶けるような心地よい涙でした。

クドカンが地方出身なためもあると思いますけど、地方の描き方が類型的でないと思うのは、今どき、地方だからってモノの面ではそんなに変わらないこと。ユイちゃんちのリッチさや洋風の食事はともかく、春子も朝は必ずトーストとウィンナーだし、ハンバーグやミートソース(うちはミートソース夕食に食べませんが)を作ります。夏ばっばの作る和風のごはんの方がおいしそうですけど。

強烈なキャラクターを出しながら、惜しいくらいのところでひっこめる。例えば、蟹江敬三演じる忠兵衛さん。ものすごく濃くていいんですが、毎日彼が出てたらちょっと飽きると思ったところで、漁に出ちゃいました。。荒川良々だって、毎日彼のギャグってつらいでしょう。贅沢なキャストの使い方ですが、その分、1人1人は惜しげなく自分の魅力を発揮してくれています。

感じの悪い、いやーなキャラは一人もいません。強いて言えば、今国民を敵に回しているユイのお母さん。あとは、ユイちゃん、ほんとに上京しないのかな。ユイちゃんヤンキーしてないで、夢をかなえるために頑張る姿を見せて。

クドカンの朝ドラマ「あまちゃん」

NHKの連続朝ドラマ「あまちゃん」が始まりました。宮藤官九郎の連載エッセーでもかなり前から話題になっていて、とっても楽しみにしていました。朝は時間的に見られないので、連ドラ録画して、家族皆で見ています。

連ドラ、真面目にずっと見た記憶はほとんどないので(見たのは「おしん」くらい?)、比較できないんですけど、いいですねー。ヒロインの能年玲奈が新鮮でかわいくてさわやか~。ギャグや小ネタ(ジオラマとか!)も適度に入っていますが、袖ヶ浦の美しい景色と、なつかしい感じのするおばあちゃんちやスナック、個性的でキッチリ仕事をする出演者。中でも美しさと毅然さが際立つ宮本信子がすてきです。次第に明らかになっていく母春子の過去。鉄拳のパラパラマンガもいい感じ。

クドカンドラマって、ファンも多い割に、必ずしも視聴率はとれてないそうで、全国的な知名度はさほどではないのかもしれないけど、これでさらにメジャーになるでしょうね。「じぇ!」も流行語になりそうだし。

地方の変化とかまちおこしとかをさりげなくちりばめているところも彼らしい。クドカンって、宮城県の山の町に生まれ育って東京の大学に進学したのに、どうして「木更津キャッツアイ」のあの関東のはしっこの町とか、「タイガー&ドラゴン」の浅草とかを的確にとらえたドラマが書けるのかなあと思います。

クドカンって、脚本書くときに、短い台詞に置き換えられるものをどんどん置き換えていって短くするそうなので、同じ時間での情報量がいっぱいで、沢山見た気になります。一日仕事を終えて、15分のクドカンドラマ。半年間の楽しみです。

(追記)

昨年6月の、クドカンさんのインタビュー記事がありました。このときの構想どおりにドラマができてるなあと思います。この時点では、ヒロインはオーディション中なんですが、イメージ通りのナチュラルなヒロインに決まってよかったですね。

始まって、2週間、俳優さんたちがうまいので、ほんの短いシーンでふいにぐっときたり、それがさらっとしていて、押しつけがましくないところがほんとにいいです。クドカンって、朝ドラをずっと見てきたそうで、リズムとかテンションも合ってますね。

(追記その2)

なんか、この記事が恥ずかしくなっちゃうくらい、「あまちゃん」大人気ですね(5月6日現在)。だって毎日面白いんですもん。どうしてこの、ひとりひとりのキャストが見事なまでに生き生きと、持ち味を発揮しているんでしょう。かと思うと、片桐はいりの安部ちゃんとの別れのシーンでは、短い時間にぐわっと泣かせたりして。このあざとくない泣かせ方がさすがだなあ。アキはストーブさんの小池撤平との恋に発展するかと思いきや、新鮮でいそうなハンサム種市先輩が登場したり。毎日見られるのが、ほんとにうれしいです。

シネマ歌舞伎「大江戸りびんぐでっど」

Flier_s_2まだ続いているシネマ歌舞伎、クドカン脚本・演出の「大江戸りびんぐでっど」を見ました(2009年12月歌舞伎座)。

新島でくさや作りをしていたお葉は、つけ汁泥棒に亭主の新吉を殺され、江戸に出てきます。お葉に前から惚れていた半次は、お葉と一緒に新島出身のゾンビ(人間をかむとゾンビになる)を集めてハケンとして働かせます。ハケンが増えて正規の職人が職を追われたりもします。そこへゾンビの新吉が現れ、半次と戦い…。

ゾンビがいっぱい出てくるんですね。クドカンって、キャッツアイの映画でも大リーガーのゾンビ出してたし、好きなんですね。で、集団でスリラーっぽいダンス踊ったりして。ゾンビ役者(?)の亀蔵さんはともかく、扇雀さんや三津五郎さんまで、よくこんなのやったな、って感じです。

当然、上演時は拒否反応もすごかったみたいです。歌舞伎でやる必要はないとか、ゾンビの扮装や血や動きが不愉快だとか、ハケンの扱いが中途半端だとか。たしかに野田秀樹と比べると、歌舞伎役者をつかって好きなように芝居を書いたという感じがさらに強かったかもしれません。

歌舞伎座の建て替え直前で、昼にこれ、夜は野田版鼠小僧とは、思い切ったことをやったなあと思いました。

クドカンさんのホントの意図はわかりませんが、もともと社会派というよりは、うまく「今の時代」にある問題をすっと掬って、今の時代の人々の気持ちをとらえるうことが上手な人なので、派遣労働者というのも、ひとつの素材として取り上げただけではと思います(描き方についていろいろ言う人もいたみたいなので)。

その意味では、ゾンビと人間のどっちが本当に生きているのかわからないっていうテーマは、けっこうぐっときました。イキイキと生きがいのある生き方って何だろうって、思っちゃいましたもん。

染五郎、きれいな役者さんで、これまでそんなに印象はなかったんですが、勘三郎との2回にわたる対決シーンは圧巻で、必死さが男の色気になっててとってもよかったです。ひいきの七之助はほんとにすてきな女形。勘太郎(勘九郎)、扇雀、福助、亀蔵、彌十郎、三津五郎,、のいつものメンバーもきっちり面白いし(扇雀さん、福助さん、三津五郎さんはますます好きになりました)、ダンスも達者。

これで、シネマ歌舞伎アンコールシリーズで見たかったものはいちおう制覇した感じなんですが、勘三郎さんのすごさを改めて感じました。どれもはずれは全くないのですが、一番お腹をかかえて笑ったのは「らくだ」です。内容も、一番くだらないというか、他愛ないんですよ。そういう意味でも、歌舞伎って相当自由だなと思いました。そういえば、パロディなどクドカンらしく細かいネタ満載の大江戸りびんぐでっどでも、らくだのパロディシーンがあって、見たばかりなのでニヤリとしてしまいました。

さて、これから、機会をみつけて、伝統的な歌舞伎の演目も少しずつ見て行きたいです。