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クドカン

ドラマ「きのう何食べた?」と「いだてん」第一部完

  201906_20190629140101テレビ東京のドラマ「きのう何食べた?」終わってしまいました。よしながふみの原作コミックは料理好きの友人の間で話題でしたが、読んだことがなく、西島・内野というキャスティングだけで見始めましたが、ほんとに丁寧に作られた、最初から最後まで満足度の高いドラマでした。

弁護士で料理好きのシローさん(西島秀俊)と、美容師のケンジ(内野聖陽)はゲイカップル。シローさんにぞっこんで乙女なケンジと、カミングアウトに抵抗があることもあって、ツンデレなシローさん。このシローさんは宛て書きかというくらい、西島秀俊にはまっているんですが、乙女なケンジに見事になりきっている内野聖陽がすごすぎ。この人の憑依的な演技力を改めて思い知りました。あの家康?竜馬?勘助?というくらい。

もっと絡みが見たかった、もう一組のカップル、小日向さん(山本耕史)と航(磯村勇斗)も、とってもよかった。あくまで外見はかっこいいのに航にメロメロな小日向さんと、客観的にはダサいビジュアルなのに、小悪魔な航。山本耕史ー内野聖陽の場面は、家康と三成@真田丸だ、など。

原作コミックがよいためもあるのでしょうが、リアルなセリフが、一生懸命生きている人たちを尊重する描き方で、どの回もすばらしく、毎回ケンジの気持ちになって泣いちゃってました。梶芽衣子、田中美佐子、マキタスポーツ、奥貫薫ら、共演者も、みんな合っていて、テーマ曲もすごくよかったです。

 

Photo_20190629140101

  さて、低視聴率のニュースにはらはらしながら、「いだてん」いだてん前回の記事)の第一部、勘九郎主演部分が終わりました。毎回ちがう見せ方をしながら、近代日本においてスポーツと女性がどういう歴史を辿ってきたかを見事に描いた傑作でした。

丹念に歴史のエピソードをを拾ってきたり、セットや衣装に凝ったNHKスタッフも立派ですが、とにかくこの、誰も描いたことのない時代を、こんなに魅力的に描いて、なお押しつけがましくなく、スポーツや女性の自由のすばらしさを感じさせてくれるクドカンの脚本。何回にもわたる伏線が心憎いばかりで、何度も前の回を見たくなります。

第一部最後の回、シマちゃん(杉崎花)の死は悲しすぎる、と思ってみていると、鮮やかな人見絹江(菅原小春)の登場で、関東大震災で焼けてしまった東京の町に、明るい希望の灯が点る展開にはうなりました。熊本の幾江さん(大竹しのぶ)をはじめ、第一部の主要人物が生きてる人は総出で、でもただの顔見世になっていないところもうまい。さらに美川くんは出さずにかえって見る側に思い出させるところも愛を感じます。

第2部も楽しみです。

 

 

 

大河ドラマ「いだてん」と「まんぷく」

201903_2   今年の大河ドラマ「いだてん」。クドカンがいよいよ大河の脚本を書くのはうれしいけど、まさかの明治以後、東京オリンピック前年にオリンピックモノとはあざとい、なんて思っていましたが、いやいや、最高です。無駄のない台詞に加え、構成力にますます磨きがかかったクドカンの脚本を、NHKが惚れきって映像化しているだけあって、とにかく映像もキャスティングもそれにこたえる役者さんの演技もすばらしい。

オープニングも凝っていて、絵はあの山口晃の、当時と現代が同居する洛中洛外図風の生き生きとした絵、映像は、ワンピース歌舞伎やケラ舞台の上田大樹、音楽は「あまちゃん」の大友良英。何度見ても飽きないオープニングです。

ドラマの始まりは明治の末、日本が初めてオリンピックに参加を決めるところから。日露戦争の勝利後、第一次世界大戦の前です。初のオリンピック代表の一人三島弥彦(生田斗真)はスポーツを楽しむ東大生で、その父は池田屋事件に関与した薩摩藩士ながら、維新後は県令や警視総監を歴任し、三島家は名家として洋風のお屋敷に暮らす、という、スポーツ界ではなく(というよりスポーツ界自体がまだ存在せず、一部の知識人の道楽という時代)、近代日本そのものが描かれています。

日本のオリンピック史に重要な役割を果たす東京高等師範学校校長の嘉納治五郎(役所広司)は、柔道の父として有名ですが、リベラルで国際感覚を持った紳士で(辛亥革命が起きたとき、清国からの留学生の学費を借金して肩代わりして、勉強を続けさせたりしてます)、こういう人が日本のスポーツの歴史の初期にいたとは。さすが役所広司、場面に重厚さを与えながらも、「乗れなかったよ」で笑わせてくれました。

主人公の金栗四三、全く知らなかったですが、熊本出身で素朴な外見ながら、勉学優秀で東京高等師範に進学しただけあって、冷静な自己分析の日記を残しているんですね。この四三を、われらが勘九郎丈が熱演。歌舞伎をやりながら、走り、体を絞り、顔つきまで変わって完璧な(たぶん)熊本弁。前から好きだけどもっと好きになりましたよ。

ドラマ全体がいいので、役者さんを挙げるときりがないですが、生田斗真、白石加代子の三島家、優しい兄がはまっている獅童、語り手でもある心地よいしゃべりの森山未来、こういう綾瀬はるかが一番好き、な綾瀬はるか。日本のドラマに慣れていて生き生きとしているシャーロット・ケイト・フォックス竹ノ内豊

視聴率は悪いそうですが、機会があれば人に勧めずにはいられない(←うざくてすいません)、いいドラマで、これからも楽しみです。視聴率なんかいくら悪くたって、そこそこ大河ドラマ見ている私には、もっともっとクォリティの低いドラマはいくらでもあったし。三谷幸喜の大河ドラマは、「新選組!」も「真田丸」も、本当に楽しませてもらっただけに、それに並ぶおもしろい「いだてん」、このままの調子で、最後まで行ってほしいです。

 

201903manpuku

  そしてもうすぐ終わる朝ドラ「まんぷく」。朝ドラは、主人公の職場の描き方が雑、そんなに甘いはずがない、という意見をよく見ますが(選んでみているのであまり比較はできない)。このドラマはそこを気にしたのか、発明するのがマッド・サイエンテストな長谷川博己だったせいか、とても丁寧に商品が生まれるまでを描いていて、面白かったです。チキンラーメンとオリジナルカップヌードル、けっこう食べちゃいました。

ただ夫が好きという普通の主婦を演じる安藤サクラのうまさ、だんだん仕草や発声が、大阪のおばちゃんに見えてきたのはさすが。主人公があまり強烈でないだけに、周りが個性的で楽しく、とくにコメディエンヌに徹して、古い価値観を主張しながらも愛すべき存在となったブシムス鈴さんの松坂慶子が秀逸で、「真田丸」の長澤まさみのきりちゃんと双璧なうざかわいいキャラでした。桐谷健太、牧瀬里穂、加藤雅也(こういう人だったんだ!若いころはワイルドだったのに)、要潤もよかった。いつも裏がありそうなイケメンのように見えた大谷亮介が、誠実な真一さんを演じきったのも、新機軸でしょう。

私が好きだったシーンは、まだホテルに勤めていたころ、ハナちゃんたちに「私ってべっぴん?」ときいて、「福ちゃん、そんなこと気にするの?」「私たちの学校、お嬢さん学校だったけど、福ちゃん貧乏だったでしょ?」「うん、びんぼうやった」「でも気にしてなかったでしょ」「うん、気にしてなかった」(回想「福ちゃんいつもお弁当おじゃこね」「うん、おかげで骨は丈夫やの」)「私たちはそんな福ちゃんが大好きだったのよ」というやりとり。福ちゃんの境遇に関係のない、持って生まれた明るさや善きものが表れていて、毎日、気持ちよくみられた半年でした。

 

「メタルマクベスdisc2」@ステージアラウンド

201809_2          メタルマクベスの連続上演、一番新感線らしいプロダクションで濱めぐさんが出るdisc1のみでいいかなと思っていたんですが、やっぱり松也のも見たい!とdisc2です。

髑髏城は花しか見ていませんが、噂では内容がだいぶちがうようでしたので、メタマクもちがうのかな、と思っていたら、台本、セット、映像は一緒。衣装も3魔女以外は、俳優に合わせた微調整の範囲のようで、同じ演目をキャスト替わりで見るのに近いようでした。2度目なので、バンドのグダグダのくだりはさほど面白いと感じられなかったんですが、disc1をもう1回みたいと思っていたくらいなので、音楽も含め、ほんとに楽しめました。

マクベスは松也。歌舞伎役者としては、白鸚さんに次いで(!)ミュージカル経験豊富な人なので、歌はメタルのボーカルではないけれど安定。あの重い衣装で獅子奮迅の大活躍という感じで、今の彼のありったけで、マクベスという役にぶつかっていっているのが気持ちよかったです。、睨み、獅子の毛振りのようなヘッドバンギング(腰で回っているのがよくわかった)、海老ぞりと、さすが、歌舞伎の基礎力は確か。顔も体も大きく、シャドウを入れたアイメイクが似合ってて、いやーかっこよかった。妻に甘える場面はイマイチだったのは、本質的にオラオラ系なヒトので、こういうの苦手なんだな~と思ったりして。

殺陣もキレがありながら、体幹が安定していて、対するマクダフ(浅利陽介)より全然強そうで、負けちゃったのが不思議でした。浅利くんはとてもいい俳優さんで、あの周平(@新選組!)や小早川秀秋がよくぞここまでと感慨深く、最初はこれが浅利くんとはわからなかったくらいなんですが、やはりニンじゃない感じは否めませんでした。つか、もっと強そうな人じゃないとこの松也には弱いよ。

マクベス夫人は大原櫻子。若すぎるかな、と思わないではなかったんですが、「Fun Home」で見せてくれた実力はほんもので、松也と若い迷う夫婦をしっかり演じていました。

disc1では怪優橋本じゅんだったバンクォーが岡本健一。前半はほぼ準主役の活躍で、お父さん世代といじられながら、アラフィフには見えない若さで松也の友人に見えました。

レスポール王は木場勝巳さん。初見ですが、迫力もあって歌もとってもよかったです。その息子レスポールJr.は、ジャニーズの原嘉孝、三浦涼介似のイケメンで、このカンパニーに参加するだけあって、ダンスも歌もよかったです。

おおっと思ったのが、ランダムスターの活躍を歌う徳永君(徳永ゆうき)。disc1では、冠徹弥さんの歌がすばらしくて、しばらく「間違えましたぁ~」が頭をグルグルしていたんですが、この徳永君は、23才の演歌歌手、鉄オタで駅員のアナウンスを入れながら演歌風に熱唱。面白かったです。

実は、門番(逆木圭一郎)との二役だと思っていて、二人が一緒に出てきた時にびっくりしてしまいました。門番さんも大活躍。

さて、歌舞伎役者が出ていれば、何でも取り上げる歌舞伎美人。松也が出ているだけで何の関係もなさそうなメタルマクベスについても、しっかりいい記事を挙げてくれています。ぶれないなあ。

「メタルマクベス disc1」@ステージアラウンド

201808    ステージアラウンドでの新感線公演、髑髏城シリーズのあとの「メタルマクベス」disc1です。クドカン、濱田めぐみ、ときたら、やっぱり見るしかありません。花髑髏以来なのは、花髑髏よかったんですけど、ステアラ遠いし長いしもう山本耕史出ないので(笑)、あまり行こうと思わなかったんですよね。今回は16列目と前回(先行なのに30列目だった)よりだいぶよい席です。

ストーリーは基本的には「マクベス」。ちがうのは、舞台が2218年、廃墟と化した世界で鋼鉄の城に住むレスポール王(=ダンカン王、西岡徳馬)の国であることと、マクベスたちは1980年代のメタルバンドを組んでいたという設定がフラッシュバックすること、その関係で原作と異なる名前を持つ登場人物がいることくらいです。それから、ハードロックを中心とするミュージカル(曲は新感線の作曲家 岡崎司)。リプリーズの入れ方もうまくて、曲にすっと入っていきやすかったです。

やはりシェイクスピアの原作の魅力が大きいです。王になりたいという野心を焚きつける妻、裏切られる王、忠臣、友。クドカンの脚本は、マクベスの名セリフを随所に使い、物語の枠組みを守りつつも、挿入したバンドの場面の緩さが、こんなに大仕掛けの舞台なのに本多劇場と同じノリで面白い。しかもラストにはちょっとぐっときました。

思っていたよりもずっとミュージカルで、とにかく橋本さとし、濱田めぐみが(当然ながら)うまいんですよ!橋さとさんは、たぶん「アダムス・ファミリー」以来だと思うんですが、長身に彫りの深いお顔がバタ臭いメイクと衣装に合い、ヘヴィメタからロックまで歌いまくり、バイクも立ち回りもすごい迫力。あの「ブラック・ペアン」で佐伯教授の腰巾着として、あくまでカッコ悪く、黒メガネでルックスまで封印していたのが本領発揮。

濱めぐさんもですね、これまでの豊富な舞台経験を注ぎ込んだような快演ぶり。細くてきれいなのに迫力満点で歌も最高という、女優として一段あがったような感じさえしました。「メアリー・ポピンズ」でも思ったんですが、動きがさらにキレキレになって、いいトレーニングをされているのでは。

ほかにもエクスプローラー(バンコー、もしかして阿弖流為の蛮甲はここからとっている?)の橋本じゅん、グレコ(マクダフ、山口馬木也)、グレコ夫人と魔女(猫背椿)、レスポール王の息子(松下優也)、パール王(粟根まこと)、門番(村木仁)、バンコーの息子マーシャル(富川一人)、伝令ヤマハ(吉田メタル)、魔女二人(山本カナコ、植本純米)と皆さんきっちり役割を果たしてます。役としては大きくはないですが、ソロが3曲、素晴らしい歌声を聞かせてくれたのは、冠徹弥ですね。

ステージアラウンドという客席が回転する劇場の使い方も、ずいぶんこなれてきたような気がしました。回転の際に使われる幕に映じたプロジェクションマッピングの質感と動きがよくて、左右だけでなく上下の動きも体感できます。そして、広い舞台を走り回るバイク。スピード感が快感でした。

舞台美術は堀尾幸男、照明は原田保、映像は上田大樹、ヘアメイクは宮内宏明って、ワンピース歌舞伎と同じですよ(宮内さんはワンピはヘアデザインのみ)。これだけ長くお金のかかった大作で、芝居を生かしながら少しも遠慮なく力を発揮するプロのみなさん(ワンピース歌舞伎本でいろいろ語っているのでよけい親しみがわきます)。すごいものだと思いました。

ドラマ「風雲児たち-蘭学革命編」「監獄のお姫さま」「コウノドリ」

201801_2   元日の夜の、三谷幸喜がオール真田丸キャストで作った「風雲児たち」、期待以上の傑作でした。「解体新書」の翻訳ができるまでのお話です。

理想を追い求めて依怙地になる良沢(愛之助)が武士の雰囲気があり、現実的で柔軟でも真摯な玄白(新納慎也)が坊主頭も似合っていて、二人の対比が鮮やか。彼らを取り巻く人物が全て、脚本のうまさと、力量あるキャストの演技で鮮やかに描かれていて、90分があっという間でした。

表現としても、日本語辞書のない状態での翻訳という地味な作業の苦労を視覚的にもうまく見せていました。とくに「海綿」が秀逸で、以前お化粧用に本物の黄色い海綿を使ったことがあるので、すごく面白かったです。

思い出したのが、子どもの頃見たNHKの「天下御免」。山口崇が平賀源内、坂本九が杉田玄白、仲谷昇の田沼意次、ほかに中野良子が出てたりして、早坂暁脚本のほんとに面白いドラマでした。そこでも、たしか田沼意次は悪役ではなかったと思いますが、「風雲児たち」でも、草刈正雄の意次は全国の経済発展を図る名政治家。そして当時も大好きだった源内を山本耕史が天才ぶりをカッコよく演じてくれました。鉱山開発に関与していたのは初めて知りましたし、源内の歌舞伎作品「神霊矢口渡」は、今でも上演されているのは最近知りました(右近の会でも上演してました)。

ところで、2006年の「決闘!高田馬場」で猿之助(当時亀治郎)と出会った三谷幸喜は、いつか「風雲児たち」の杉田玄白を演じてほしいと、彼にこの原作マンガを送ったとエッセイに書いています。「カメ流」によると、「杉田玄白は亀治郎そのものだ」と。やりたいことはいろんなアプローチでやりぬくところが似てるんでしょうか(この記事書いたときは「良沢」だと思っていたのですが、玄白だったので修正しました。記憶っていいかげん)。これは実現しませんでしたが、同じころ、エノケンの偽物の芝居を、木梨憲武に演じてほしいとも書いていて、それは猿之助で実現したわけです。三谷さんが何を仕込んでいるのか、また次が楽しみです。

2017_2   10-12月期のドラマでは、クドカンの「監獄のお姫さま」。クドカンドラマの常連の小泉今日子、森下愛子、坂井真紀、満島ひかり菅野美穂たちが冤罪の姫(夏帆)のために真犯人(伊勢谷友介) を追い詰めていく話。監獄時代と現在を行ったり来たりしていて、小泉今日子と別れた息子のせつない場面もあったりして、しばらく録画がたまってたんですが、後半一気に見たらやっぱり面白かった!

50才の小泉今日子、小柄なのもあって、監獄や私服のさえないかっこだったりすると、やっぱりちょっとおばさんになったかなあと思うんですが、ふっとすごくきれいで生き生きと見えたりして、その変化がよかった。最終回のラストはとくに美しくて感動でした。菅野美穂もよかったし、久しぶりにたっぷり見た塚本高史(アニだ!って今でも思っちゃう)もかっこよかったです。

2017jpg  もう一つ、「コウノドリ」も全部見ました。前作も評判よかったんですが、見るまでは重いかなとやや敬遠、でも今回見たら、綾野剛も抑えたヒューマンなドクターだし、星野源大森南朋、吉田羊始めペルソナのスタッフが、人気者たちなのにちゃんとそういうお医者や助産師に見えて、ストーリーも原作の力でしょうが、リアルながら救いがあって、見始めたら一気でした。

松岡茉優、あのキャラクターに合っててとても魅力的でした(「あまちゃん」の若手が活躍してるの見ると、いまだに能年玲奈ちゃんを思い出しちゃいます)。あとちょっと気になったのが倉崎先生の松本若菜ですね。クールビューティ。

「リアル」と書きましたが、出てくる夫さんたちがちゃんと妻に寄り添ういい人ばっかりなのは残念ながら現実とはちがうでしょうし、お産の問題で夫婦に亀裂が生まれることも多いと思ってみていましたが、そういうことまで描くと、このいいドラマのテーマがぼやけるし、見ている方もつらいので、私はこれでよかったと思います。メインキャストが散り散りになったラストですが、続編もあるといいな。

ステキロックオペラ「サンバイザー兄弟」@サンシャイン劇場

  Photo_2「高校中パニック!小激突!!」に続くクドカンの「ロックオペラ」です。

サンシャイン劇場は40年近く前に開館した老舗ですが、初めて。収容800人ちょっと、幅も奥行きもちょうどいいし、古い割には座席はそんなに狭くないし、後ろの方の立ち上がりがけっこうきつくて、とても見やすい劇場でした。

音楽は怒髪天の上原子友康。ちょっと歌謡曲みたいな親しみやすいメロディです。怒髪天のボーカル増子直純瑛太がやくざの兄弟分、クドカン、三宅弘城、皆川猿時、少路勇介、よーかいくんのおなじみのメンバーに、りょう、清野菜名ほか。兄弟は刑務所とシャバを行ったり来たりしながら、娘の清野菜名を育てています。

と、あらすじを紹介する意味はないんですが、とにかくおふざけをすごいレベルの人たちがやってる、ってことです。「高校中パニック」、で免疫ができてるのと、音楽がいいので、ほんとに楽しかったです。

Photo    瑛太、テレビで見るより、舞台ではそのスラリとした細マッチョな容姿でかっこいいんですよね(お風呂のシーン、ガンミしちゃいました)。体といえば、三宅弘城(「あさが来た」ですごく身近な気持ち)も筋骨隆々。パンチの形がきれいだなあと思っていたら、やはりボクシングをやっていたそうです。とにかくドラムとお笑いシーンで大活躍、この人がいなかったら、ロックオペラできないだろうなと思いました。猿時も今回は体ですっごく笑わせてくれました。

りょうは凄みのきいた姉御、清野菜名はちょっと足りない娘。二人とも吹っ切れた演技でよかったんですけど、この二人、来年の「髑髏城の7人」のメインキャストですよ。来年の演劇の中でも相当な話題作となりそうなこれに出る二人がクドカンにも出てるって、ビジュアルも個性も際立っているとはいえ、どうしたんでしょうね。しかし清野菜名、アクションが得意とのことでしたが、殺陣、めちゃくちゃキレキレの動きで、気持ちがいいくらいでした。

しかし、何といっても、この舞台の魅力は楽しそうなバンドの盛り上がり。ロックなミュージカルでバックバンドが演奏しているのはいくらでもありますが、なんでクドカンのロックオペラはこんなに楽しいんでしょう。これだけいいドラマや映画を書き続けていても(そして再来年は大河ドラマですって!)、バンドが本当に好きなんだろうな、と、リードギターを黙々と弾くクドカンを見ながら思いました。

で、増子さんですよ。バンドのボーカルって、さすが大勢の観客をあおり続けてきただけあって、俳優としても落ち着いたものでした。そして、ラスト近くの渾身の歌(題名不明、衣装は書けるんですが、ネタバレになるので)、ブロードウェイで見たKinky Bootsの、ビリー・ポーターが歌ったHold Me In Your Heartをほうふつとする鳥肌モノのナンバーでした。

ほんとは途中で(日頃の睡眠不足がたたって)睡魔に襲われちゃうような私より、男子高校生が見たら狂喜乱舞だと思うんですけど、やっぱりこれだけのものを見ようと思ったら、チケット代はそこそこ高くなっちゃうんですよね。しょうがないですな。

 

「真田丸」「ゆとりですがなにか」「トットてれび」&「ちかえもん」

Sanadamaru 三谷幸喜の大河ドラマ「真田丸」、毎週とーっても楽しみにしています。

戦国時代は何回も大河でやっているし、家康に敗れてしまう悲劇の武将真田幸村(だから今まで真田ものはほとんど読んだことがなかった)が主人公なんて、とみる前はちょっと危惧していたのですが、歴史オタクの三谷さんが最新の研究成果やら知る人ぞ知る小ネタやらを盛り込んでくれて、まったく新鮮な歴史ドラマになっていると思います。

たった45分の中で、笑いあり、ほのぼのあり、話が進む部分とじっくり描く部分が自在です。同じ状況だが対照的な2つの人間関係を同時に描写するのも得意。そして一番いいと思うのは、毎回演劇的な緊張感があって、役者さんたちの気合の入った演技がみられる長いワンシーンがみられるところ。たとえば、昌幸パッパと源次郎、源三郎親子の真田生き残りをかけた作戦会議、信長との対面、室賀正武の暗殺、家康の上洛、落首事件の決着…。 

主役は今人気の堺雅人大泉洋なんですが、三谷さんの舞台やドラマで活躍してきた実力派、舞台中心の役者さんが隅々まで脇を固め、個性を発揮していて、役者を見るのが楽しいです。愛之助、藤井隆、迫田孝也(三十郎)は「酒と涙とジキルとハイド」に出てたなーとか(愛之助の「儂がやろう」、所作が美しくてかっこよかった!)。超切れ者の信伊は元劇団四季の栗原英雄、出番は1回ですがこの人が生きていれば歴史は変わったのではと思わせた織田信忠の玉置玲央や、強烈な印象だった尾藤道休の横田英治(「ピアフ」でマルセルやってました)、最初に武田勝頼で評判をとった平岳大もどちらかというと舞台の人ですね。

最近妙な人気が出てきたおこうさんは第三舞台の看板女優長野博美だし、出雲阿国で迫力ある姐さんぶりを見せてるのはミュージカルの実力派シルビア・グラブ。大蔵卿の峯村リエはケラのナイロン100℃の創設メンバーだそうです。

これだけの登場人物に見せ場を与えつつ、主要キャストには、さらに複雑な立体感のある人物像を作り込んでいて感心します。最大の敵役なのに、笑えるのに、忠実な譜代の家臣を持ち、人間味があって、もうこの人が最後に天下をとるのは当然だなと思わせる内野聖陽家康。最新の「前兆」ではコンプレックスと残忍さと哀れさを豊かな表情で演じきった小日向文世秀吉。理が勝ちすぎたやなやつと見せておきながら、危機には信繁を黙れと一喝して、命懸けで秀吉をいさめる熱い男山本耕史三成。このときの三成かっこよすぎ(いや、もともと山本耕史さん大好きです)。なんとなく能天気で平凡な女に見えた鈴木京香おねも、名古屋弁で秀吉を叱るシーンはさすがと思いました。うざかった長澤まさみのきりちゃんは、今や出てくるとほっとする役回り。三谷さんが何度も起用する女優なんだなと初めて感心。

こんな状態なので、ツイッターの#真田丸、異様に盛り上がっていて、毎回見終わってから、これを読むのがまた楽しいし、隠れた歴史ネタの勉強にもなります。そしてつい録画をもう1回見たりしちゃうのでした。

と、ちょこっといいですね、と書こうと思っただけなのに、えんえんと語れそうな真田丸、こんな素晴らしい大河は見たことがありません。前作がかわいそうだし次回作のプレッシャーもたいへんでしょうが、まだまだ先が長いことを楽しみに、見ていきますよ。

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さて、同じ日曜日にやっているのがクドカンの「ゆとりですがなにか」。

フィルムドラマなので、昔の青春ドラマを彷彿とするんですが、内容はほんとに、今、のドラマです。クドカンドラマの中では、「木更津キャッツアイ」を、もっと登場人物のシチュエーションを現実っぽくして、構成も緻密にして、という感じ。いろんな意味で大河とは真逆なんですが、クォリティはものすごく高いと思います。出演者が役との対比でも新鮮ではまっています。

岡田将生なんて背が高くて美形なだけじゃん(←それだけでも十分ですけどね)と思ってましたけど、一気に好きになっちゃいましたし、桃李くんも柳楽優弥もいいです。妹役のぱるるもとっても役柄に合っててかわいくてうまいし、あさが来たのノブちゃんがまるで別人の教育実習生。太賀もウザさがうますぎてうわあです。しかし特筆すべきは初めて見る安藤サクラ。スーツのときの仕事のできる女と、普段のホンワカの落差が大きいんですがリアルで、こんな女優初めて見るような気がします。前回の山路に本音をぶちまけるシーンは、せつなくてほろっとしちゃいました。

このドラマにくらべると、「ごめんね青春」はちょっとぐだぐだだったな。これ、クドカMekuruンドラマの中でもかなりの傑作です。

そうそう、最近みつけて、Mekuru創刊号のクドカン特集を入手して読んでみたんです。2013年の舞台「高校中大パニック」の上演の頃の、舞台、映画、ドラマ、俳優の全作品についての本人解説が載っている、ファンなら完全保存版てやつですが、あまりの仕事量の多さにくらくらしました。見ていないドラマ、映画もたくさんあって、これからどうやって追いつこうか、と。

やっぱり天才ですね、クドカンさん。


Photo最後はNHKドラマ「トットてれび」。黒柳徹子さんとテレビの歴史のドラマなんですが、満島ひかり、アクセントも含めイメージそっくり。なんともおっとりしたお嬢さんで、昔のワンピースもとてもかわいいです。

森繁(吉田剛太郎、「ゆとり」にも「真田丸」にも出てるってすごい)や沢村貞子(岸本加代子)、坂本九(錦戸亮)、渥美清(中村獅童)たちが、当時はこんな感じで見られていたんだろうな、という雰囲気で出ているのが楽しいんですが、再現に凝りすぎて、ドラマとしてはさほどおもしろくないのがちょっと残念なのでした。

(追記)

「ゆとりですがなにか」と「トットてれび」が最終回を迎えました。ゆとり、最後まで面白かったです。クドカンさん、きれいにまとめましたね。出ていた俳優さん、みんな今までより好きになってしまう、すごいドラマでした。代表作の一つになりましたね。

「トットてれび」も、後半はトットちゃんと友人たちの交友を温かく描く佳作でした。満島ひかり、小気味よかったです。

「真田丸」はますます快調。回を重ねて、登場人物の性格がさらにくっきりしてきているので、わずかな表情の変化でそのシーンの気持ちがよく伝わってきて、さらに場面ごとの情報量が増えて深みが増して楽しいです。耕史ファンの私としては、三成の人気がうなぎ登りなのもうれしい。どうしてこういう人間関係から、関ヶ原の敵味方が決まるのか、まだまだわかりません。

(追記その2)

このクールで評判がよいので途中から録画していた「ちかえもん」、ようやく見ました(後半4回)。いやー面白かったー。近松が傑作「曽根崎心中」を書き上げるまでの、いきさつを描いた「娯楽時代劇」です。

おっさんながら豊かな表情がかわいい近松門左衛門(松尾スズキ)、ピュアなぼんぼん徳兵衛(小池徹平)、ところどころせりふに物足りなさはあるもののキレイで雰囲気のあるお初(早見あかり)、あれ、こっちでは悪役だったのね「あさが来た」のかっこいい親分山崎銀之丞(この方ハンサムです)、ほんわかとした優香、お年を召したなと思うものの所作がきりりとした母上(富司純子)、義太夫がんばった北村悠紀夫。そして感心したのが、能天気でひたすら明るく愛すべき万吉(青木崇高)。甲高い声の特異な役なんですが、のびのびとしていて、ああ、これは優香が好きになっちゃったのも無理はない、と、二人の電撃結婚に、納得してしまいました。面白かったよー。

(追記その3)

「ちかえもん」、脚本の藤本有紀氏が向田邦子賞をとり、10月末に深夜に一挙再放送され、前半も見ることができました。 万吉との出会いや、お初徳兵衛が恋に落ちるところなど、重要なエピソードを含め、完結して満足。1話の中でのバランスがとてもいい、ほんとうによくできたドラマでした。藤本さん、あの松尾スズキをああ使うユーモアのセンス、すばらしい!大河の「平清盛」の世界より、こういう方が合ってるんですね。私もこちらの方が好き。これからも期待です。

(追記その4)

2017年2月、国立劇場で「曽根崎心中」が上演されたので見てまいりました。ちかえもんを思い出しながら、若い二人の純愛、九平次の悪役ぶりを楽しみました。江戸の庶民も、この演劇的にドラマチックな作品を、ほんとに愛したのだろうなあと思うと、楽しかったです。

六本木歌舞伎「地球投五郎宇宙荒事」@EXシアター

Dsc_0923_4クドカン脚本、三池崇史演出の、海老蔵、獅童の新作歌舞伎、「地球投五郎宇宙荒事」を、六本木のEXシアターで見てまいりました。

クドカン脚本の歌舞伎といえば、「大江戸りびんぐでっど」をシネマ歌舞伎でみましたが、なんとなくとっちらかった印象で、悪くはないけどという感想だったのですが、今回は、すっごく面白かったです。

まず、加藤清史郎くんが海老蔵の弟子鯛蔵として出てきます。そこで語られる落ち着きのない海老蔵にまず爆笑。そして海老蔵と獅童が素顔で出てきます。隈取メークをしながら世間話をする二人。獅童さんって、本名からミキくんといわれることが多いらしく、海老蔵もそう呼んでいたりしてほほえましいです。とにかくスラリとした、華やかな仲よさげな二人が舞台にいるだけで、ウキウキしますね。見る見るうちに、素顔から白塗りに立派な隈取をしたお顔が出来上がります。

そこからは、初代團十郎、では恐れ多いので團九郎という設定で、「暫」とスターウォーズをミックスしたお話が展開します。

「暫」は見たことありませんが、「女暫」は先日見たばかりで、衣装や、緑の腹出しを愉快に見ました。さらにスターウォーズは、DVDセットも持ってるコンテンツですから、清史郎くんのヨーダもかわいくて。刀を奪われるという設定も、「歌舞伎ってなんでしょっちゅう失くした刀を探しているんだろう」と思っていたものですからくすりとしました。Tikyunagegorou_2

こう書くとおふざけもいいところのように見えますが、市川宗家の荒事のルーツをたどりつつ、「にらみ」のフォースともいうべき力を語ったり、さらに新作歌舞伎が世話物に寄りすぎるとどこが歌舞伎かわからない感じになりがちなのを、荒事の楽しさをふだん歌舞伎を見ない観客にも楽しませてくれる、お得感たっぷりな舞台となっていました。

正義の味方と魅力的な敵役、美人や裏設定など、確かにエンタテイメントの王道要素満載の歌舞伎。それが300年前から庶民の愉しみだったというのは、世界に誇っていいですね。

この演目の紹介として以下のように書かれていますが、まさにそのとおりの舞台でした。

海老蔵が十八世勘三郎に、「成田屋のお家芸は“荒事”なんだし、新作をやるなら最後は地球を投げちゃうくらいのことやって欲しい」と言われたことをヒントに、宮藤官九郎が書き下ろし、三池崇史が歌舞伎初演出に挑戦した『地球投五郎宇宙荒事』。

海老蔵って、その血筋とか容姿とか身体能力とかでもてはやされていますが、一方で落ち着きのない、思ったままをそのまま口に出すお人柄が、この脚本に出ていて面白いです。しかし、ほぼ全編華やかな荒事の衣装をまとい、大きな目でキメる海老蔵さん、かっこよかったです。

その相手役として、獅童は最高。身長もほぼ同じで、鍛えた身のこなしもかっこよく、海老蔵と好一対で楽しかったです。

清史郎君はさすがの舞台度胸でしたし、その他も花魁姿が美しく、踊りも目をひいた右近(いつか八ッ橋とかやるのかしら)、萬次郎、市蔵、亀三郎、九團次と、大真面目におかしみのある演技ができる役者さんがそろっていて、本当に楽しめました。

(配役は、松竹さんのサイト「歌舞伎美人」で確認したんですけど、やっぱりこれも歌舞伎美人でアーカイブするんだあ、と思いましたですよ。でも歌舞伎の新規ファン獲得には貢献しそうですが)。

このメンツがそろった新作歌舞伎があれば、次回もぜひぜひ見たいです。

(追記)

週刊文春のクドカンさんの連載コラムに、この六本木歌舞伎の稽古のお話が出ていました。役者さんたち、最初は丁寧に作家や演出家にあいさつするのですが、普段は演出家のいない歌舞伎のこと、勝手に喧々諤々稽古するそうです。昔の大人計画もそうだったなあと思うクドカン。やはり海老蔵はかっこよく、何をやっても歌舞伎なんだとか。演出は三池監督ですから、クドカンはにやにやしながら、この役者さんたちがやりたいようにやるのを見ていたんでしょうね。楽しかっただろうなあ。

クドカン「ごめんね青春」バカリズム「素敵な選TAXI」

「あまちゃん」以来、1年ぶりのクドカンドラマ、「ごめんね青春」

錦戸くんが主役とは、地味じゃないかと思ったんですが(「流星の絆」はニノと戸田恵梨香との3兄弟の一人だったし)、ちょっと気の弱い、ナイーブな教師をいい感じでやっています。高校生姿がまたまったく無理がない感じ。

昔たくさんあった学園ものドラマの雰囲気をもちながら、クドカン的にさらにキャラとギャグと細かい設定の面白さを詰め込んで、ちょっと過去の謎解きの趣もあって、ストーリーの展開も楽しみな、毎回2回見るドラマになっています。
「タイガー&ドラゴン」や「うぬぼれ刑事」、「あまちゃん」と安定感のあるドラマが続いたところで、「木更津キャッツアイ」や「マンハッタンラブストーリー」のようなちょっとマイナー感のあるドタバタの雰囲気がとってもいい。キャッツアイのときはリアルタイムではなかったので、それもうれしいです。

キャストは、さすが「あまちゃん」の後のクドカンの日曜劇場だけあって、旬で贅沢。満島ひかりはさすが元気がいいし、風間杜夫が、こういう役やってほしかったなあという濃いお父さん、坂井真紀がこの人こんな風になったんだと思う風変わりな保健の先生、誰かと思ったら斎藤由貴のシスターとか、ずっとクドカンドラマに必ず出ていた森下愛子が語り。NHKの「嘆きの美女」でかわいいなあと思った中村静香も、昔の酒井若菜みたいないい味だしてます。

また生徒が見た目もキャラも凝りに凝ったキャスティングだなあと思います。あまり役の森川葵かわいいなあ。生徒会長も、川栄も、トリンドルも、遠藤いずみもいいぞ。

まだまだいろいろ展開がありそうで楽しみです。

そして、ごひいきバカリズムの初脚本「素敵な選TAXI」

竹野内豊のタクシーが、選択を失敗した乗客に、金額に応じて時間を戻ってやるという一話完結のドラマ。これまでの2話は、失敗、戻ってまた失敗、意外な展開でハッピーエンドという流れです。

竹野内豊の飄々としたキャラ設定といい、最初はよくあるシチュエーションにみえて予想のつかない展開といい、念入りに貼られた伏線といい、楽しく見られるドラマになっています。

ゲストはやや地味目なんですが、1話の安田顕(大泉洋の劇団の人。「泣くなはらちゃん!」のロックな父さんもよかった人ですね)と小西真奈美、2話の仲村トオルと、なかなかいい感じ。仲村トオルってやや苦手だったんですが、今回は私の仲村トオル史上最高にかっこよかったです。

いつも竹野内豊が入る喫茶店のマスターがバカリズムですが、常連のややうざいおじさんが升毅って、意外。この方、舞台では華がある人だけど、けっこうくせのある役でドラマにも出ているんですね。

ってことで、今回のクールはこの2本と、意外と今まで扱われていない時代に突入して目が離せない「軍師官兵衛」で忙しいです。

映画「大奥-永遠(右衛門佐・綱吉編)」

Oookueienこれまで、二宮和也主演の映画「大奥」堺雅人・多部未華子のドラマ「大奥ー有功・家光編」よしながふみのコミック「大奥」  とみてきましたので、続編のこの映画も見なきゃーと思ってました。

5代将軍綱吉(菅野美穂)は側室(要潤)との間に世継ぎの松姫はいますが、満たされない思いでいるところ、正室(宮藤官九郎)は京都から貧乏公家の右衛門佐(堺雅人)をよびます。しかし右衛門佐は側室にはならず、大奥総取締の座を望みます。松姫を亡くした綱吉は、世継ぎを得ることが第一となり、そしてあの「生類憐みの令」が出され…。

菅野美穂がとにかくきれいで、立場に縛られる綱吉をうまく演じています。ああ、こんなにかわいくて見事な人なら、堺雅人が好きになっちゃうの無理ないな、という目で見てしまいます。

西田敏行の桂昌院が、一途で愚かな父でちょっと面白くてよかったです。高僧の堺正章(意外に似合ってる)との場面は、往年の「西遊記」を思い出させるようなシーンにつくっていてさすが金子監督。

クドカンが正室役ですが、特に見せ場もなく、歯並びが悪いのが時代劇では気になり、忙しいのになんで出たのと思いましたが、ご本人が出てみたかったのかしら(金子監督は木更津キャッツアイの演出だし)。

堺雅人はもちろんいいんですけど、TBSのドラマを入れ込んでみていた私、大奥の中で毎回存在を変えて行く有功の方がきめ細かく描かれていて、この映画は少しあっさりしすぎている感じがしました。綱吉が松姫の死後長い間ずっと右衛門佐をどう思っていたのか二人の絡みとか右衛門佐の思いとかがほとんど描かれていないので唐突感もあるし。

映画としても、ニノ主演の前作の方が、この男女逆転の世界ならではのエピソード満載で出来がよかったような感じがします。

ドラマもそうですが、最後腹をくくってた綱吉がかっこいいものの、悲しいラストです。クレジットは堺雅人主演ですが、菅野美穂主演だな。