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アダム・パスカル

松尾スズキの「キャバレー」@KAAT

Photo   「キャバレー」といえば、ブロードウェイの初演(あのハロルド・プリンス演出)は1966年、1972年にはライザ・ミネリ主演の映画(見てませんが)が大ヒット、その後も各地で上演され、1998年にはサム・メンデス演出のリバイバル版が大ヒットという、ミュージカル史上に輝く作品で、2003年にはアダム・パスカルがMC役を務めたこともあり、いずれ必ず見なくっちゃと思っていた作品です。

その「キャバレー」ですが、演出はあの松尾スズキさん。松尾さんの演出作品って実は見たことないんですが、大人計画の(役者の)雰囲気と、ブロードウェイミュージカルって、どうも 結びつかないんですよねえ。いったいどんなものになるかと思ったら、セリフの面白さは抜群ながら、アンサンブルの見せ方、両側の階段やセットの変化など、とても的確でうまく、キャストの魅力も十分引き出していました。

2階のバンドが、みんなバニースタイルの素敵な女性たちで、ときどき目立つんですが、とてもキュートで雰囲気に合ってました。

舞台は、ナチスが台頭しつつあるベルリン。小説を書くためにやってきたアメリカ人クリフ(小池徹平)は、エルンスト(村杉蝉之助)の紹介で、シュナイダー夫人(秋山奈津子)のやる下宿に住むことになります。MC(石丸幹二)が仕切るキャバレーキットカットクラブで出会ったのがサリー(長澤まさみ)。二人は恋に落ち、シュナイダー夫人はユダヤ人の果物商シュルツ(小松和重)と結婚の約束をしますが…。

「真田丸」で今更ながら、長澤まさみの魅力と実力を知った私ですが(今までどちらかというと好きじゃなかった)、この舞台の彼女は、やはり素敵。美しいのはもちろん、肌は全身輝いているわ、スタイルも痩せすぎず本当にちょうどいい。それを惜しげもなくさらしながら、間のよさとか、コメディエンヌとしてのかわいらしさには感心しました(ここだけの話、「お気に召すまま」も彼女がロザリンドだったらどうなったかなと思ってしまった)。

小池徹平は演技も歌もいつもながらの安定感。しかし、この主役2人の内からにじみ出てくる健康さとか性格のよさというのが、あの映画のライザ・ミネリの退廃的な印象と結びつかないのにちょっととまどうというか。

MCの石丸幹二も、歌はもちろんこのカンパニーでは一番うまい(というか別格)し、端正なルックスもいいんですが、ブロードウエイで当たり役となったアラン・カミングのイメージからするとちょっとお堅いマジメな感じ。せっかく美形なんだから、それを活かしたメイクにすればいいのに、目の周りグレイに塗りすぎて、バットマンのジョーカーとかビートルジュースを連想しちゃいました。サックスを吹くシーンもあったんですが、あまりにうますぎて(音大でサックス専攻というのは後から知りました)、見ているときには、当然吹き替えかと思ってました。

シュナイダー夫人は、老婦人の役だけどかわいくて若い女優ではと思ったら秋山奈津子。おもしろくて軽快で、ほろっとさせるシーンもあって、シュルツとのカップルは最高でした。シュナイダー夫人の目をかすめて部屋に水兵たちを入れているコストも、平岩紙とは思えないコケティッシュな雰囲気でよかったです。

Cd ということで、観劇としてはよかったけど、キャバレーとしては、若干これなの感が残ってしまい、さっそくキャバレーのCD買っちゃいました。アラン・カミング(「バーレスク」に出てましたね)、のこの異様な雰囲気。

そして、この歌声絶対聞き覚えがある、と思ったのは、シュナイダー夫人役のマリー・ルイーズ・ウィルソン。この方、大好きな「グレイガーデンズ」の、母役だったんですね(CD持ってるから!)。キャバレーとグレイガーデンズ、どちらもトニー賞の助演女優賞にノミネートされ、グレイガーデンズの方では受賞しています。年齢を隠さない、でも圧倒的な存在感がすばらしいです。

おまけに、アダムのMC姿もどうぞ。アダムはこの役をやって、本当に勉強になった、とよく話してます。確かに最初に出てきてのお客いじりとか、はじめはたいへんだっただろうなと思います。観てみたかったな。

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アダム、「Something Rotten」にシェイクスピア役で出演!

Something_r2  「Disaster!」の思わぬ早期クローズで、アダムはどうしているのかしら、ときどきライブはやっているようだけど、と思っていたら、11月の初めから、「Something Rotten」というブロードウェイ・ミュージカルにシェイクスピア役で出演!というニュースが入ってきました。

このミュージカル、16世紀のカリスマ的なスター作家シェイクスピアに憧れるニック・ナイジェル兄弟が、中途半端な預言家ノストラダムスに、未来に流行っている演劇はミュージカルときいてそれを作ろうとする、みたいな話だそうでパロディ満載のコメディ。このタイトルは、「Something is rotten in the state of Denmark.」(デンマークの国で何かが腐っている)というハムレットの中のセリフからとられています。

2015年4月に本公演が始まって、トニー賞にもいろいろノミネートされたんですが、残念ながら、来年1月1日でクローズするそうです。だからアダムはクロージングキャスト。アダムの出演、ちょっとニュースになったりしてますね。しかしオリジナルキャストとクロージングキャストの多い人な気がする。

シェイクスピアはご覧の通り一癖あるロックスターで、コスチュームもメイクもめちゃくちゃ似合ってますよ。インタビューでは、「シェイクスピアあんまり知らなけど(そんな感じですよね)、でも勉強する」なんて言っちゃってます。

Broadway,comの写真、すっごいかっこいい!

ある日のアンコールでは、One Song Glory 歌ったみたいです。もうすでに持ち歌ですね。

しかもしかも、クロージングの後、このキャストのままで米国内ツアーを半年やるみたいなんです。おお、チャンス!東急オーブさん、梅芸さんでもいいけど、今こそ出番ですよ、是非是非日本に呼んでください!信じて待ってます。

「DISASTER!」オリジナルキャストCD

Disastercd2  5月初めにたった2カ月でクローズしてしまった(Disaster!突然のクローズ!)アダム・パスカル出演のブロードウェイミュージカル、DISASTER! ですが(なんとかオリジナルキャストアルバムは発売されました。9月に届いていたんですが、曲が多くて、なかなか記事が書けず(言い訳)。

70年代の曲ばかりのジュークボックス・ミュージカルなので、知ってる曲も多数。せっかくなので、Wikipediaに載ってた出典を、アルバムの収録順(ミュージカルで歌われる順ですよね)に並べ替えて掲載します。

1 "Hot Stuff" by Donna Summer
2 The Lord's Prayer
3 "Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To)" by Diana Ross
4 "Saturday Night" by the Bay City Rollers
5 "Do You Wanna Make Love" by Peter McCann
6 "Without You" by Harry Nilsson
7 "I Am Woman" by Helen Reddy
7 "That's the Way I've Always Heard It Should Be" by Carly Simon
8 "Mockingbird" by Inez & Charlie Foxx
9 "Still the One" by Orleans
10 "Never Can Say Goodbye" by The Jackson 5
11 "Feelings" by Morris Albert
12 "Feels So Good" by Chuck Mangione
13 "Knock on Wood" by Eddie Floyd
14 "Hawaii Five-O" by the Ventures
15 "You're My Best Friend" by Queen
16 "Three Times a Lady" by the Commodores

17 "Ben" by Michael Jackson
18 "25 or 6 to 4" by Chicago
19 "Sky High" by Jigsaw
20 "When Will I Be Loved" by Linda Ronstadt
21 "Don't Cry Out Loud" by Elkie Brooks and Melissa Manchester
22 "Come to Me" by France Joli
23 "I'd Really Love to See You Tonight" by England Dan and John Ford Coley
24 "I Will Survive" by Gloria Gaynor
25 "A Fifth of Beethoven" by Walter Murphy
26 "Reunited" by Peaches and Herb
27 "Daybreak" by Barry Manilow
28 "Hooked on a Feeling" by Blue Swede

上記のうち、太字がアダムが歌っているもので、赤はソロまたはメイン。いい歌いっぱい歌っているんですよ。声が70年代ロック・ポップスに合っているし、バラードもめちゃくちゃ素敵。1曲1曲は短いんですが、こうみるとたくさんでうれしい!まさか、2016年になって、Hot StuffとかFeelings とかYou are my Best Friend をアダムで聞くとは思いませんでした。

ストーリーの中で、アダムは別れた恋人Marianne(Kerry Buttler)との絡みもあるし、最初に出てくるしで、出番多かったんだろうな、と返す返すも残念です。観たかった。

ほかのキャストも、子役も含めてうまいし、何よりミュージカルのキャストアルバムなので、70年代のヒットのオムニバスアルバムを聴くのとはまたちがう、演奏や音質の統一感があって聞きやすいです。

アダムが歌っているからとりあえず買わなきゃ、と思って入手したんですが、思わずヘビーリピート。元気な楽しい気分になります。

「Disaster!」突然のクローズ!

Disasterclose_2 アダム・パスカルが久々にオリジナルキャストとして出演していたブロードウェイミュージカルの「Disaster!」、なんと初演からたった2か月でクローズすることがアナウンスされてしまいました。5月8日、今週の日曜日ですよ!急すぎますよね。http://disastermusical.com/

70年代のディスコヒットに乗って、Disaster映画のパロディというコメディで、チャラいボーイ役のアダムの扱いが当初よりも大きくなり(写真だって真ん中)、見られるかもと楽しみにしてたのに(泣)。

チケットの状況だって見てましたけど、Hamilton やBook of Mormonのように100%超Disaster3_2えているのやディズニーは別として、Jersey Boys やKinkiy Bootsなどの佳品よりはよかったのに。

慌てて今見たら、CDさえ出ていないじゃありませんか(号泣)。

あの前宣伝期間の長さと比較して、この非情な打ち切り。ブロードウェイの厳しさを改めて思い知りました。

せっかくですので動画をどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=GQwZ7MzhXmI

(追記)

オリジナルキャストアルバムは発売されて、入手しました。アダム、いっぱい歌っていて、とても楽しい70年代ポップスアルバムです。

フランク・ワイルドホーン & フレンズ ジャパンツアー

Fwfriends「ジキル&ハイド」、「ルドルフ・ザ・ラスト・キス」、「アリス・イン・ワンダーランド」、「デスノート」等、日本でも多く上演されているミュージカルの作曲家、フランク・ワイルドホーンの曲のコンサート、ダグラス・シルズの代役としてわがアダム・パスカルが出演するというので行ってきました。

出演者はアダムのほか、ドイツ人でヨーロッパで活躍するトマス・ボルヒャート、同じくドイツ人でドイツでWickedのエルファバや「ネクスト・トゥ・ノーマル」のナタリーを演じたサブリナ・ヴェッカリン、ブロードウェイでエルファバの最長出演記録を持ち、「If/Then」でイディナのエリザベスのアンダーをやったあとツアーではこの役を演じているジャッキー・バーンズ、そして、元宝塚トップ、今年フランクと結婚したばかりの和央ようか。5人だけなので、キャストが10人だった「プリンス オブ ブロードウェイ」と比べて、一人一人の歌をたっぷり聞けました。

ワイルドホーンのミュージカルは、ここ数年何作も見てはいるのですが、楽曲を買ってはいないので、しっかり記憶している歌はあまりなく…でも、それぞれのミュージカルの名曲を、実力あるスターたちが歌うんですから、初めて聞いたって感動するというものです。

ワイルドホーン氏、美しい新婚の妻と(10年前に宝塚の「ネバー・セイ・グッバイ」を作曲した時から運命を感じたと言ってましたがそのときは結婚していたんじゃ…)、主演級のミュージカル俳優が自分の名曲を歌い上げるステージで、もうご機嫌。作曲者ならではのピアノと、簡潔ながら行き届いたMCで、本当に楽しそうでした。

アダムはオープニングのアリスの「鏡の国へ」を全員で歌った後、「スカーレット・ピンパーネル」の「炎の中へ」を力強くトマスとデュオで、そして「デスノート」のタイトル曲。あれ、こんな感動的な激しいナンバーでしたっけ、とやはり記憶にありません。「南北戦争」から、恋人への手紙を歌った「サラ」は悲しいバラードで感動的でした。

第2部では、サービスの「ワン・ソング・グローリー」。バンドのギターとアダムのギターだけで、さすがでした。そして「スカーレット」の「あなたこそ我が家」をサブリナとのデュエットで。

2日間行ってしまったんですが、若干アウェイ感のあった土曜日と比べて、日曜はその前夜盛り上がったのか、キャストみんなのノリがよくなったうえ声も前日以上に出ていて、たぶん歌詞も覚えたのであろうアダムも楽しそうでよかったです。

トーマスは、「モンテ・クリスト伯」のタイトルロールをワイルドホーンが当て書きしたくらいの間柄で、長身で重厚なルックスなのに茶目っ気のある方。歌は力強かったです。

サブリナはドイツ人なのにブラック系のバラードが似合う声で、ホイットニー・ヒューストンが大ヒットさせた「ブロークン・ハーツ」や、「ゴールド」が素敵でした。

ジャッキーはブロードウェイっぽい、細い体のどこにそんなパワーがあるのかというプリンシパル。サブリナとのダブルエルファバの「Defying Gravity」は、二人分なだけに本家よりも迫力があって、鳥肌ものでした。

そして和央ようか。ワイルドホーンの妻という余裕もあって(ほんとに愛されてる感じ)、堂々としたたたずまいは、プリンスオブブロードウェイの柚木礼音とは対照的。曲も一番多く、1部も2部も和央ようかの歌で終わります!お客も和央ファンが多く、というのは、和央さんのバラードの時だけサイリウムを揺らしているから。うーん、ソロコンサートじゃないんだから、どうなんでしょう。かといって、ずっと揺らされるのも、けっこう目に入って気が散るから困るしなあ。

ということで、演奏もすごくよかったし(特にサックス&フルートのディヴィッド・マン!)、満足度という点では、期待以上だったんですが、ワイルドホーンさん、ウィキッドを紹介するとき、「メガメガヒットミュージカル」とうらやましそうでした。この曲というミュージカルファンの心に残る、コンサートでも歌われる1曲と代表作となるメガヒットを切望しているのでは、という気がちょっとしました。

Adam1512今回、和央ようか以外の出演者のサイン、もらっちゃいましたよ。アダムの出待ちスルー、覚悟してたんですが、今回はよかった!(もう、うれしすぎて涙)。Disaster楽しみにしてる、と言い忘れたのが心残り。

ほかの出演者の方たちもすっごくフレンドリーで素敵な人たちでした。ジャッキーに、If/Thenちょっと難しかった、と言ったら、「私にも難しいのよーどうなってるかわからなくなる」なんて笑ってくれました。うふ。

アダム、ブロードウェイ進出の「Disaster!」に出演!

Disaster12月に来日するアダム、会えるのはうれしいけど、代役に決まるなんて、(ヒマなのかしら) なんてちらっと思った私でしたが、オフブロードウェイからブロードウェイに進出するミュージカル「Disaster!」に出演するというニュースが出ていました。

Look Out! All-Star Disaster! Will Hit Broadway, Starring Adam Pascal, Roger Bart, Faith Prince & More

Seth Rudetsky's Disaster! Musical Headed for Broadway with Adam Pascal and Faith Prince

Seth Rudetsky's Disaster! Will Play Broadway With Kerry Butler, Adam Pascal, and More

5人くらいのメインキャスト(ほかは、Kerry Butler, Roger Bart, Faith Prince, rachel York)の一人として、「ブロードウェイの人気者が出るよー」みたいな感じで報じられているのがちょっとうれしかったりして(オフのキャストは入れ替えられちゃうんですね)。

お話は、1979年にNYに新しくできたカジノ&ディスコが、地震や津波などのdisasterに襲われる、disaster映画のパロディ的なコメディだそうです。1970年代のヒット曲も使われるとか。ブロードウェイでいろいろやっているSeth Rudetskyが、友人たちとブロードウェイ・ミュージカルを作るという夢がかなった作品だとか。

アダムの役は、チャラいカジノの黒服チャドだそうです。軽薄な役、似合うかも!写真を見ると、しっかり節制して、ルックスを保っているようですね。

来年2月にプレビュー、3月に開幕です。面白そうなので、ヒットするといいな。

(追記2016.1.9)

Disastercastbroadway.comの Exclusive Photo! Get Wild with Roger Bart, Adam Pascal, Kerry Butler & More で、キャストの写真が公開されました。

アダム、黒服でかっこよく、真ん中で写ってますね!おしゃれな大人のミュージカルのようですね。

アダム・パスカル2015年12月に来日!

Adam_huey昨日、急にアダム・パスカル関連記事のアクセス数が増えたので、どうしたのかな、と思っていたらば、なーんと、昨日、梅芸さんのサイトで、フランク・ワイルドホーン&フレンズ コンサート に、ダグラス・シルズの代役として出演することが発表されていたのでありました!

ワイルドホーン作のミュージカルはけっこう見ていますが、メガ・ヒットはないし(←失礼)、コンサートのことも知っていましたが、ふーん、って感じだったんですよう。しかし、アダムが出るなら話は別!全然!

2009年「RENT」来日、2010年アンソニー・ラップとのジョイントコンサート、2012年ブロードウェイ「Memphis」、2013年ミュージカルコンサート、ときて、次はいつかなと思っていたのですが、年末なんてあと3か月。待ち遠しいです!

アダム・パスカルって誰?という方にはこちらの記事をどうぞ。

アダム・パスカルwikiもどき(その1)<2009まで>

アダム・パスカルwikiもどき(その2)<2010~2013>

「Memphis(メンフィス)」@赤坂ACTシアター

Memphiskoji_2Memphisの日本版をやるときいたとき、ブロードウェイでアダム・パスカルのMemphisみちゃったからなあと少し迷ったんですが、「チック、チック、ブーン」ですばらしいミュージカルでの演技を見せてくれた山本耕史と、ブロードウェイで最後までフェリシアを演じていたMontego Gloverと声質も似ている濱田めぐみがやるならとみることにしました。

Memphisは、2011年のトニー賞ミュージカル。1950年代のテネシー州メンフィスでは、黒人差別が激しく、住む地域もラジオ局も救急車も別々ですが、何をやってもうまくいかなかったヒューイはデルレイたち黒人のクラブでかかるR&Bに惹かれ、ラジオのDJになって黒人音楽をかけまくって人気を博します。しかし歌手フェリシアとの結婚はテネシー州の法律では許されず、結婚とデビューが可能なNY行きの話が持ち上がりますが、ヒューイはMemphisでしか生きられず…。

ヒューイ、おバカなお調子者で、でもその分純粋に黒人音楽とフェリシアを愛しています。アダムも地なのかと(!)見まがうほどでしたが、山本耕史、さすが、軽快な身のこなしで渾身のヒューイを演じてくれています。ストーリーが焼き付いている私、もう最初からヒューイがかわいくてせつなくて。ダンスも歌もすっごくがんばってましたが、それもまた泣きそうでした。途中、下着姿になるんですけど、すっごく引き締まってて、かっこよかったです。

この舞台では、歌をきかせるのはフェリシア。そんなに個性はない役なんですけど、これでもかと歌い上げるナンバーが多く、ひさしぶりに思い切り歌う濱めぐさんを堪能しました。

ヒューイのママが根岸李衣。こういう役を彼女のような女優がやると、舞台に奥行きが出る気がします。彼女の存在で、ヒューイの境遇とか性格がより際立っていました。

フェリシアの兄が、「チック、チック、ブーン」にも出演していたジェロ。歌はうまいんですが、ブロードウェイのキャストが、「俺の妹に何すんだ」っていうのが迫力あった印象が強くて、それに比べるとおとなしくて若干ヒューイに立ちはだかる感が少なかったです。

ボビーの吉原光夫、ゲーターのJay'ed は雰囲気も合ってて好演でした。彼らに限らず、この舞台、アンサンブルのお顔が濃いめだったのか、白人と黒人のメイクが浮いていないというか、日本人が両方演じている照れくささが薄かったような気がします。最近のミュージカルらしく、ダンスシーン、コーラスが楽しめるシーンも多く、シーン展開もテンポがよくて、やっぱりよくできてるなと思いました。セットは2階建てのシーンが多かったブロードウェイ版とはちがっていましたが、それも違和感なく、階段がうまく使われていました。

さて、ラスト。ヒューイのモデルとなったDJヒューイ・フィリップスは、お酒と薬で42歳で早世したそうです。別れたフェリシアと再会してのフィナーレ、やっぱり無理くり感があって、ヒューイが(自分のせいとはいえ)かわいそうでした。

アンコールではみなさんかなり早めのスタンディング・オベーション。山本さん、「この舞台、なかなか疲れるんですけど、皆さんの反応に力をもらってます」というのはほんとにそうなんでしょうね。「じゃ、ぼくら夜もあるんで」。あと少し、頑張ってください。

せっかくなのでこの記事を読んでくださった方に、アダム・パスカルのMemphis Lives in Me のリンクを。作曲のデヴィッド・ブライアンのピアノ伴奏だけで歌い上げてます。

(追記)

この後の5月の舞台「嵐が丘」で共演した堀北真希と、わずか2か月後に電撃結婚を発表した山本耕史さん、おめでとうございます。やっぱり嵐が丘って共演者を好きになっちゃうのかしら(@ガラスの仮面)。大ニュースになってますが、私としては、若干山本耕史さんのニュースでのプロフィル紹介に若干不満です。ガブローシュでデビューして、大河ドラマ「新選組」でブレイクしてRENTの舞台にも出て、音楽活動もしてる、って感じで、まるで今はぱっとしない人みたいじゃないですか。ドラマでは「平清盛」の悪左府も怪演だったし、舞台では最近私が見てるだけでも「ロックオペラモーツァルト」、「チックチックブーン」、「おのれナポレオン」それにこの「メンフィス」と、いい舞台で看板張ってる俳優さんなのに!

結婚がらみでバラエティやトーク番組の出演が増えてうれしいんですが、いつも正直で自然体で、騒がれていてもまったく平常心、逆にこれを利用して売れようって感じもなくて、おしゃれ。やっぱり好きだなあ。

アダムの新曲&映画「THE DEVIL'S CARNIVAL: ALLELUIA 」

Adam_halloweenアダム・パスカルのファンといいつつ、実質的な記事は「華麗なるミュージカル・コンサート」での来日から1年も書いていなかったんですが、幼馴染のイディナ・メンゼルが大ブレイクしていたこの間、アダムも地道に活動していました。

1つめは、昨年秋のハロウィンの曲「HALLOWEEN FUN HOUSE」。メロディアスな曲じゃないから、と本人も言っていましたが、Amazonで買ってみたら、ほんとにインストゥルメンタルで、パートナーのラリー・エドフのピアノしか印象に残りません。いったいなぜアダムの歌のない曲をリリースしたのやら。

もう一つの新作映画(2015年公開予定)の話は、もうちょっと期待できる内容です。「SAW2」の監督ダーレン・リン・バウズマンによる、ホラーミュージカルDevil2のシリーズ第2作だそうで、トレイラーが公開されています。

Devilそこになんと!アダムが妙な髪型で、あの高音を響かせた歌を聞かせてくれています。あの、なかなか比べるもののない、独特の声、こういうカルトな監督がチェックしていたとは、見る目あるじゃないですかって感じ。ファンならずとも、一見の価値ある、極採色の画面とぴったりのあの歌。なかなかセンスのある監督のようで、ビジュアル、美しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=tEG2EO6rjzw

ホラーは苦手だけど、アダムのクレジットけっこう大きいしなー。とりあえず、がんばってるみたいなので、よかったです。

このほか、アダムは、ラリーとのコンビでの単独だったり、アンソニーやミミのダフネと一緒だったり、ミュージカルスターというくくりで呼ばれたりと、NY近郊でコンサートを重ねているようです。

映画「FROZEN(アナと雪の女王)3D」とイディナ・メンゼル

Frozen映画と主題歌が大ヒット中の「FROZEN(アナと雪の女王)」を、英語版3Dで見てまいりました。この映画、しばらく前からイディナ・メンゼルのFBで話題になっているなーと思っていたら、ここまでブロックバスターになるとはです。

海辺の王国アレンデールの国王の娘エルサとアナは仲良しですが、触ったものが凍ってしまうエルサの魔力は徐々に強くなり、とうとうアナを傷つけてしまったことから、エルサは隔離され、アナは寂しく育ちます。両親が亡くなった後、エルサが女王になることになり、戴冠式とパーティが行われますが、そこで押さえていた感情が爆発して、エルサは一人北の山の上に…。

とにかくエルサの魔力による氷の動きと質感がすごいです。3Dの画面の美しさに、映画館で見てよかったという気持ちになります(この氷の魔力、「ONE PIECE」の青キジのヒエヒエの実の能力みたいだなーとも思いました)。そして、大事なところはみんな歌で、ミュージカル映画といっていいでしょう。

アナが素直でかわいくて、クリスティン・ベルのセリフも歌もいいので、最初からすっと物語に入っていけます。このヒロイン、これまで見てきたディズニーアニメの中でもすごく好き。

エルサの寂しさ、孤独もとても印象的で、何度も泣きそうになります。この二人の対比はちょっと「ガラスの仮面」の劇中劇「二人の王女」を思い出したりして。

エルサの声はイディナ・メンゼル。みんなから好かれるヒロインと対照的に影のある魔女といえばミュージカル「Wicked」のエルファバ。作り手もあの名曲「Defyng Gravity」を思わせる、イディナの魅力をいっぱいに引き出す「Let It Go」を作ってくれたんですね。

「Let It Go」は、曲もいいんですが、それまで自分を抑えてきたエルサの感情と能力が爆発するところで、一気に氷のお城を作り上げる映像もすばらしいし、ドラマチックな、ミュージカルならではのイディナの歌で、すっごく盛り上がります。座席で大人しく見ているのが惜しいくらい。

で、その後は、冷たい雪の世界でエルサを追って奮闘するアナにハラハラしながら、雪だるまオラフにほっとしたりして、あっという間にラストまで駆け抜けて行きました。その先のストーリーは知らなくて楽しめたので、ネタばれしないでおきますね。

私思いますに、「Let It Go」のヒットって、要は、ミュージカルの歌の魅力を、多くの人が知ったってことだと思います。舞台や映画で、登場人物に感情移入して、ストーリーに入りこんでいるときに歌われる素晴らしい歌、普通の曲より、心に響くものなんですよ。舞台を見て、その音楽をCDできいてまた感動を蘇らせる、ミュージカルの醍醐味です。そのことを、この「Frozen」や「レ・ミゼラブル」の映画が、普段ミュージカルの舞台を見ない人々にも教えてくれたんじゃないかと思います。

さて、イディナ・メンゼルについて。

Idinal

1971年生まれ、ニューヨークのロングアイランド育ちでアダム・パスカルと同い年。10代からウエディングシンガーとして歌い始めていましたが、1995年、ミュージカル「RENT」のオーディションで彼女が先にモリーン役に決まり、彼女の当時のボーイフレンドがアダムにオーディションのことを教えたのでアダムがロジャー役を射止めた、というのは有名な話です。

個性的なモリーンで人気となりトニー賞新人賞もとったイディナは、2001年にアイーダのアムネリウスも演じていますが、2003年にWickedのオリジナルキャストのエルファバでトニー賞主演女優賞を受賞します。ブロードウェイの俳優は、必ずTony NomineeとかTony Winnerって頭につくので、むしろ日本より賞の意味が大きいんだなと思いますが、これでミュージカル女優としての地位は確立。

Wicked 2005年の映画版「RENT」でもモリーンを演じたほか、2006年にロンドンでWickedをやったあと、2008年にはロンドンアルバートホールでの2夜だけの「Chess in Concert」のフローレンス役で、アダム・パスカル、ジョシュ・グローバンと共演します。

ブロードウェイ女優としては、日本でも比較的容易に映像や歌声を入手できる人ですね。

2007年には「魔法をかけられて」で、ヒロインのエイミー・アダムスが人間界で恋に落ちる弁護士の長年の恋人役。この時は吹きこんだ歌をカットされちゃいました。NYのキャリア・ウーマン役が似合ってましたね。

2011年には、あの人気TVドラマ「Glee」にも出ていました。

2003年、RENTで共演したテイ・ディグズ(映画「CHICAGO」でピアノひいてナレーションしてました)と結婚し、2009年にはウォーカー・ナザニエル君が生まれています。わーまだ5歳ってことですね。テイとはラブラブで、トニー賞の授賞式で「愛してるわ―」というイディナと、ほんとうにうれしそうだったテイの姿が印象的だったんですが、二人は昨年12月に離婚したと報じられています。イディナが一段とブレイクしたこの時期にって悲しいです。

そして、この3月から、イディナは新しいブロードウェイ・ミュージカル「If/Then」に主演しています。RENTのオリジナルキャストのマーク役、アンソニー・ラップも共演していますね。このミュージカルの作者はTom Kitt で、昨年日本でも上演されトニー賞作曲賞などを受賞している「Next to Normal」の作者です。

Chessの日本版でフローレンス役をやったのは、Next to Normalの日本版にも主演していた安欄けいさん。イディナと安蘭さんの印象は確かに似ていて、都会の大人の女性ですね。

イディナ、ヘザー・ヘドレーみたいに、こちらがひれ伏するような圧倒的な歌唱力というわけではないんですが(「Let It Go」も、エンディングのデミ・ロバートの方がうまい)、ミュージカルらしい、ドラマチックな歌はすばらしいし、演技も繊細だと思います。

RENTの「Take Me or Leave me」や、Chessの「Heaven Help My Heart」、Wickedの数々のナンバーなど、彼女の歌がミュージカルのCDでたくさん聞けるのもうれしいです。

これまで、トニー賞をとった女優が、ビルボードでトップ10以内に入ったことはなかったそうですが、イディナはラッキーにもその1号となりました。これは実力もさることながら、運とか流れとかがあったからかも。

アカデミー賞授賞式のパフォーマンスでは、ジョン・トラボルタに紹介されるとき「Adele Dazeem」とへんな名前に間違えられたうえ、歌もちょっと失敗?(いや、私はそうとは思わなかったですが)ともいわれてやや残念だったんですが、ジョンは丁重に謝罪してお花を贈ったそうで、イディナはこれで覚えてもらえてかえってラッキーだったなんて、あくまでポジティブ。ショービジネスの世界を、生き抜く力強さを感じます。

ま、イディナに注目していたRENTファンの一人として、この映画の成功はよりうれしかったのでした。

(追記)

FrozencdサウンドトラックCDが届きました。あれ、意外と使われてた曲は少ない(フルのミュージカルとの比較で)と思ってしまいますが、やっぱり「Let It Go」の盛り上がりは別格です。聞いていると、力がみなぎる感じがして、ちょっと自分が万能になったような気持ちになってテンションあがっちゃいます。

「First Time in Forever」もとてもアナがかわいくて、対照的にエルサが悲しくて、ドラマチック。ただ、CDにはインストゥルメンタルも多いので、歌だけほしい場合はダウンロードでもいいかもしれません。

ところで、日本語の吹き替えの評判がいいので、YouTubeで見てみました。神田沙也加はすごくいいですね。彼女は舞台でも見たことがありますが、いい意味で悪目立ちしてなくて、しっかりその役を演じていました。オラフのピエール瀧も、さすが、なりきっています。

松たか子の「ありのままで」は、手堅いですが、声がちょっとかわいすぎる感じがします。青筋立てて歌ってるイディナの歌が耳に焼き付いているからかも、また、ちょっと日本語歌詞の情報量や迫力が英語版より少ないからかもしれません。例えば、「ありのままで」じゃちょっと静的で、「本来の私を解き放って」みたいな感じじゃないとか。最後の「少しも寒くないわ」は”Cold never bothered me anyway"は、「悩みの元だった氷の魔法には(自分自身では自然なことだから)苦しめられてはいなかったのだ」みたいなニュアンスがあると思いますがちょっと残念。

(追記 6月8日トニー賞!)

イディナは2014年の代68回トニー賞に「If/Then」の主演女優賞にノミネートされ、賞は惜しくも逃したものの、晴れの舞台で歌いました。http://www.hollywoodreporter.com/news/video-tonys-2014-idina-menzel-710177

わあ、同じ年にアカデミー賞とトニー賞のステージに立つなんて。

大人の女性の決意とか心意気とかを感じますね。益々輝いて、イディナ!

(追記その3)

ブルーレイが発売されました。お楽しみの特典映像の未公開シーンにもちゃんとイディナとクリスティンの声が入っていて、面白いです(でもこのシーンはなくてよかったと思う)。

特典の中に、ミュージカル仕立てで制作スタジオを紹介するというのがあるのですが、二人のネクタイ、ベストの男性が中心なんですよ。あれ、ブロードウェイ・ミュージカルの「Book of Mormon」のケヴィンとカニンガムみたい、特にカニンガムはすっごい似てるし、と思ってたら、ほんとにカニンガムのオリジナルキャストのJosh Gadだったみたい。

51okh4yi2cl_sl500_aa300_ というより、Olafの声を吹き替えていたのが、Josh Gadだったんですよ!道理で、話声はハスキーなのに、歌で声を張るところは美声なところが、すごく似てるなあと思ってた!なんたって、ブロードウェイのサントラ盤はかなり聞きこんでますからね!私としてはかなりツボなトリビアでした。

(追記その4)

2014年紅白歌合戦、イディナが出るというのは聞いていましたが、まさか神田沙也加もNYで、「生まれて初めて」を日本語と英語という無理無理ながら一緒に歌ってくれるとは!沙也加は、アナの吹き替え、とっても雰囲気があっててよかったと思うんですが、この歌、最後に冷たいエルサの歌が加わって、よけい二人の性格の対比が鮮やかになると思うんですよ。ああ、すっごくよかった!

しかも、イディナの「Let It Go」の迫力!堂々とした、抑圧されていたエルサの魂の開放を歌い上げるイディナの魅力全開でした。日本の人々にも彼女の素晴らしさを知ってもらえてうれしい限りです。しかもサビ部分は日本語でしっかり歌ってましたよ。もうかっこよすぎで涙。

(沙也加とイディナを見る松田聖子が、すっかり心配そうな母の顔になっているのもほほえましかったですが)

イディナってば、Twitterで「So honord 」なんつってましたですよ。日本ツアーの宣伝ってことはおいといて、見られてうれしかったです。

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