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図夢歌舞伎「忠臣蔵」第1回(大序~三段目)、第2回(四段目)

2006_20200628104101 配信用に制作された歌舞伎、図夢歌舞伎「忠臣蔵」を全回見ました。ずーむ歌舞伎とはよく言ったものです。あれだけ年中舞台に出まくっている幸四郎さんが、歌舞伎公演休演中にチャレンジした新しい形式の歌舞伎。しかも仮名手本忠臣蔵の翻案。半分生で、一部録画だそうです。

(かなりダイジェストなので、ご参考に仮名手本忠臣蔵の通しの感想のリンクを置いておきます。「大序~四段目」、「五段目~七段目」、「八段目~十一段目」)

 第1回 大序から三段目

生配信の11時(昼の部の開始時刻というこだわり!)から待機。まずは人形の口上を、猿弥さんがやるはずが、声が聞こえません。まあこの口上はあらすじなので、しばらく見ていくと、若干音量は小さいながら聞こえるようになりました。やっぱり猿弥さんうまいなあ。

最初の場面は兜改め。幸四郎の幸師直、壱太郎の顔世御前。二人の背後の書割は一つですが、実は二人別々に撮影されています。やはり声小さい。壱くん、顔世合ってるのでもっとゆっくり見たいと思いました。

大序は1回しか見たことがなく、高師直は左團次さんで典型的な悪役、と思っていたんですが、その後読んだ関容子さんの「芸づくし忠臣蔵」では、歌右衛門さんが顔世のとき、二代目実川延若さんの高師直が後ろから肩を抱いて「いかがかな」と迫ってくると何だかクラクラしたくらい「立派で色っぽかった」と語っていたそうですので、そういうお役。幸四郎さんの高師直は老人の拵えながらギラギラしたところがあって、なるほどと思いました。

次は、桃井若狭之助の家臣加古川本蔵(これも幸四郎)と師直のやりとり。この図夢歌舞伎だけ見てもわかりにくいと思うんですが、最初は若狭之助の方が師直に怒って師直を斬ろうと息巻くのを、本蔵がわかったといいつつ、陰で師直に大金を渡してとりなすんですよね。

しかし何といっても最後の松の廊下がこの第1回のクライマックス。若狭之助に謝罪した師直は、そのいらだちと顔世の返歌の恨みから、判官を鮒侍と罵ります。判官から見た師直の角度が迫力があり、幸四郎さんの表現が豊かで、素顔はほっそりしているのにアップだと吉右衛門さんや白鸚さんによく似ているなあと驚き。ドラマチックで盛り上げていく演技も吉右衛門さんを思わせて見ごたえがありました。

判官は最後まで顔は出ないので誰かなあと手を見ながら思っていたら、最後に幸四郎さん。もともとこの中では判官が本役でしょうから、もっと前から出てもよかったのに。でも出ないからこそ師直が際立ったと言えますかね。

ここまでで30分ちょっと、残り30分で、幸四郎さん、猿弥さん、壱太郎さんのトークショー。幸四郎さんは早着替えですっきり出てきていましたが、ちょっとぼーっとしていました。

トークショーでこの会が4700円と知った猿弥さんが「高いよ!」。そーですよ、これだけトラブルがあって、壱太郎さんとの共演シーンもわずかなんですから、せめて初回はもっと安くてよかったんじゃないでしょうかね。ほかの芝居やコンサートの配信は、きちんとしたもの出してるのに、歌舞伎家話もけっこうグダグダだし、コアな歌舞伎ファン以外に届けようと思ったらもうちょっとね、なんとか。と思いました。

音声の不具合を直したり、途中で映っちゃった戸部さんを削除する編集に時間がかかったのか、アーカイブの公開は19時から。その代わり1週間視聴可能になりました。音声は聞こえるようになりましたが、やはり音量小さかったです。

第2回 四段目

猿弥さん人形の解説のあと、判官(幸四郎)が白装束で切腹する場面です。三方を盛ってきた染五郎の力弥に、判官は由良之助はまだかと尋ねますが来ません。この二人の目のやりとりがまず見もの。

前述の「芸づくし忠臣蔵」では、力弥が判官に向こうに行けと言われてイヤイヤと首を振るのは、可愛らしさの表現だとあります。また、力弥を演じた勘九郎は、力弥が身分が低いのにイヤイヤしてとどまっているのは、判官に可愛がられていてずっとそこにいたいという気持ちだと語っています(98年の上演時なので、彼がまだ十代の頃ですね)。

そしてようやく由良之助(幸四郎)がかけつけます。白塗り二枚目の判官と砥の粉の由良之助、全然違う!すでに腹を切っている判官が、九寸五分をは汝へかた、み…」と絞り出すように言います。何が言いたいか気づく由良之助。二人の目線は一致しているはずですがどちらの方向を見ているのか、舞台でないのでわかりにくいところはありますが、アップ映像でで迫力。

猿弥さんによるチャットの紹介の間があって、扇ヶ谷表門城明渡しの場面。力弥も出てきますが、由良之助の苦渋の表情が胸を打ちます。涙もこぼれていて、その後仇討までの彼の苦労を思い起こさせます。この場、こんなによかったっけ。

ということで、これからも判官、由良之助のどちらも演じていくと思われる幸四郎さんの力演に、瑞々しい染五郎力弥が花を添えるいい回でした。特にトラブルもなかったですし。この回から第5回まで3700円、セット券で3400円です。まだちょっと高い。

 

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