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八坂堅二郎「音で観る歌舞伎―舞台裏からのぞいた伝統芸能」

2005otodemiru  国立劇場で長年伝統芸能全般の音響を担当してきた八坂堅二郎さんの「音で観る歌舞伎―舞台裏からのぞいた伝統芸能」(2009年)です。

 全260pのうち、80pくらいが能楽と文楽の基礎知識として舞台の構造や楽器など(歌舞伎じゃない!)、その後の80pくらいが演技以外の歌舞伎の舞台、大道具・小道具、衣装、かつら等の基礎知識です。知らなかったことが多かったんですが、舞台の高さに4パターンほどあり、1尺4寸高の「常足」は商家や民家の家、2尺8寸の高足は立派な寺院や御殿の高さ、その中間の中足は武士の屋敷などなのだそうです。なるほどそういえば。

そして最後の100pほどが、浄瑠璃(義太夫、常磐津、清元)と長唄などの音楽、効果音などの歌舞伎の音響について。音楽の種類毎に見台や肩衣がちがっているとか、赤子の鳴き声や動物の鳴き声、雨等の効果音をどうやって作っているか等。後者の音作りは、筆者の経験した具体的な苦労も交えて詳しく書かれています。

音楽については、メモしておきますね。

義太夫(竹本)…状況説明や心情の語り。三味線は太棹 見台は黒塗り。出語りあり。
清元…高い調子。三味線は中棹だが常磐津より柔らかい音。黒塗りの一本足の見台。萌葱色の肩衣。
常磐津…清元より語りの要素が強い。三味線は中棹。舞台下手で演奏することが多い。三本足の朱塗りの見台。柿色の肩衣。
長唄…歯切れよく速いテンポの演奏。三味線は細棹。見台は桐で足が交差しているもの。肩衣は演目によって違う。

国立劇場のスタッフの方の著作というと、織田紘二さんの「芸と人―戦後歌舞伎の名優たち」を読みましたが、八坂さんも同年代くらいなので、国立のスタッフなのに、公務員的なイメージと異なり、先輩の厳しい指導、ハードな仕事と必死の工夫の様子が、伝わってきます。そして、やはり歌右衛門さんの言葉の重みが、スタッフ一同に響いていたのだなと感じられます。

歌舞伎の上演が、伝統と多くのスタッフに支えられていることを改めて感じた本でした。

 

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