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スーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」@南座 期間限定配信 (追記 歓喜の舞!)

2004oguri   3月の南座での「新版オグリ」、行きたかったんですよ。「ワンピース」も地方公演でブラッシュアップしてたから期待できたし、四代目オグリは2階でしか見ていなかったし、鷹之資も出るし!

延期が繰り返されたうえで全公演中止が決まり(それ自体はやむをえませんが)、最後に猿之助・隼人の2バージョンを気合を入れて無観客で上演したらしいのはインスタなどでわかってましたが、まさかの1週間限定無料配信(4月13日から19日まで)!もうありがたい限りです(詳細な配役)。

猿之助オグリ2019年11月の感想)は、フルバージョンです。休憩を飛ばして、アンコール込みで3幕3時間10分!新橋演舞場の初演は3時間25分なので、15分ちょっとの短縮ですが、だいぶ刈り込んだ気がしました。

演舞場の初演をあまり細かく覚えているわけではないんですが、気が付いたのは、照手姫の横山家のドロドロや高倉さま(嘉島典俊)の悪さが少しアッサリになってる。鬼鹿毛乗りこなす場面のフラッグがみんなカッコイイ、鷹之資の踊りがどれもキレッキレでみてて楽しい(セリフもいい)。一部不評だった二幕のSNSはなし。猿三郎さんひとみばあさん、女郎屋の最初の方の場面はなく、照手が操を立てるところもなし、遊行上人短く、金坊登場せず、福之助の山賊は鉄拳。遊行上人とのダブル宙乗りなし。なぜ高橋くんと宙乗り?寿猿さんとあかねちゃん(玉太郎)登場で二人ともよかった。

刈り込んではいますが、1幕は前述の鬼鹿毛、2幕は地獄の立ち回り、3幕は餓鬼病みオグリと歓喜の踊り、と見せ場がそれぞれより際立つようになっていて、面白さは増幅されたと思います。2幕は、オグリ衆大活躍で、鷹之資の鮮やかな飛び六法や、玉太郎の蘭平ばりのハシゴ、そしてオグリと全員の本水!

福之助がどうしちゃったのというくらい台詞が進歩していて、新悟ちゃんの照手ももはや安定感。新悟は10、11月がオグリ、12月チャップリン歌舞伎、1月浅草、2月博多座オグリ。これだけ芯になる役を続けていたら、千本ノックばりにうまくなりますよねー。声が強いのも凄いと思いました。

さて四代目ですよ。3月、京都でずっと開演を待っていたためなのか、あれ、顔がまんまるに、全体にむっくりしてません?もともとストレートな二枚目って、(唯一の)ウィークポイントではという感じもあって、1幕はうーむと思ってたんですが、やっぱり3幕の餓鬼病み!この多彩な声、苦しみ、後悔、純粋な照手への思い、役者としての力量を感じさせてくれます。熊野の滝に上るところ、ああ、左手だけでぶら下がっちゃって~。「思い知ることができましたぁー」で、思わず画面の前で両手を握っていっしょにガッツポーズしてしまいます(映像でよかった!)

こういう感情盛り盛りの、セリフで劇場空間を(空席ですけどね)支配するお役って、なかなか歌舞伎座でみることはできません。19年6月の「風雲児たち」の別れの場面くらいですかね。熊野の滝に飛び込む前の場面は「俊寛」を思わせますが、ほんとに俊寛やってほしい。

そして隼人オグリ2019年10月の感想)。隼人の出番だけをつなげたハイライトバージョンですが、それでも1時間44分あります。うーん、隼人オグリも完全版でアップすればよかったのに。隼人の良さは若さと美貌(!)なので、オグリ党のあれこれがあって、若いオグリにつながる方が説得力が増すと思うんですよね。隼人の出番だけが隼人のよさじゃない。

隼人オグリ、大きくて美しい~。照手がひとめぼれするのもうなずけます。このキラキラ衣装がほんと似合ってます。表情も台詞も確実に進化してて、座長感も増してます。立ち回りもキレてて、四代目より手数も多くて派手。ただ、歌舞伎の台詞と、見得のキマリ方は、比較してはかわいそうですよね。キャリアが違うし。やはり熊野についての餓鬼病みの述懐は、長いだけに差がはっきり出てました。

四代目の遊行上人は、怪しさ感が若干薄れていました。物語の転換点として、これぐらい強烈なキャラクターじゃないと説得力がないのかもしれません。

そしてどちらのオグリでも、この上なく華やかな、歓喜に満ちた踊りのフィナーレ。ここまで、この緻密な殺陣、踊り、細かく作られた場面を積み上げてきて(セットもあまり変わらないから役者さんがふっと気が抜けたりして一つ間違えばたいへんでしょう)、1か月初日を待っていた彼らが南座のお客に見せられなかったのはどんなに無念だったか。関西のみならず遠方のファンも悲しかった。

でも、今の状況では、こんな作品、無理ですよね。舞台の上でのリスク、役者もスタッフも、感染者が出れば即中止となることを思えば、当面演劇が上演されるとは思えません(号泣)。

まだ配信期間中ですが、オリンピックに合わせてインバウンド客も期待されていたステージアラウンドの「ヤマトタケル」再演の中止が早々に発表されました。稽古にも入れないということで、来年のオリンピックに合わせて準備するそうです。それまで、歌舞伎を演じ、つくるすべての皆さんが健やかでありますように。

【追記・歓喜の舞】

5月12日、四代目の指揮の下、キャストが集結して、エンディングの「歓喜の舞」を踊った映像をつくってくれました!

これが、 よくあるリモートのやつね、と思って気軽に見始めたら、冒頭の四代目のイントロダクションに始まり、下川真矢さん(アクション俳優なんですね)の編集による、5分近くのすばらしい完成度の映像!

隼人、新悟、鷹之資、玉太郎、福之助らフィーチャーされた若手といい、猿弥、笑也、猿三郎、段之等澤瀉屋の皆さんといい、皆お家の普段着なのに動きだけプロでキレキレ。若手坊ちゃんたち、楽しそうに軽やかに踊っててかわいいったら。

四代目は一際ラフなスタイルにねじり鉢巻きでちょこっとだけ。もーうまいくせに。でもそういうところがさっくり皆をまとめてしまう所以かなと思いました。ダイエットする気はなさそうなので、早く本舞台に出て、すっきりときれいな四代目となったところが見たいです。

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