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塙宣之「言い訳― 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」

2004_20200411122801  ナイツの塙宣之が、M-1グランプリと漫才について分析した本「言い訳― 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」です。この本がヒットして、webでも取材記事が上がっていた(東洋経済オンラインなど)ので、読みたいと思ってました。さすが漫才職人の塙、的確で面白く、あっという間に読んじゃいました。お笑い評論としては、ラサール石井「笑いの現場」以来の名作だと思います。

M-1は、第1期が2001年から2010年まで、中断を経て、第2期が2015年から今までとなっています。ナイツは第1回から参加し、2008年から2010年までは決勝進出、2015年は準決勝敗退。2018年からは、審査員を務めています。2015年に再開したときの審査員は、歴代優勝コンビの「ネタを書いている方」でしたが、2018年からは、松本人志、上沼恵美子、オール巨人などの大御所と、志らく、サンド富澤、中川家礼二と塙。M-1ではあまり活躍できなかったナイツですが、塙の漫才への静かな情熱が審査員の道につながったんでしょう。

関西の漫才と東京のちがい、しゃべくり漫才とコント漫才、相方と観客との三角関係の構築、自虐ネタや下ネタへの考え方、M-1の制限時間と勝敗についてなど、さすがの視点で、歴代王者や人気者になったコンビについて語っていきます。「大阪は漫才界のブラジル」、「練習しすぎると面白くない」など、とか、名言も多いし、野球ファンでなくともわかる野球のたとえも面白い。

ボケよりも、ツッコミについての記述が多いです。アンタッチャブルの柴田やフットボールアワーの後藤、サンドイッチマンの伊達についてはもちろん、南海キャンディーズの山里とか、ミキの昴生への高い評価に共感。しかし、類まれな精度でつっこむ相方の土屋についても触れてほしかったのだけが残念。ネタに価値を置く塙は、自虐や集中してないコンビに厳しいです。

一方で、スリムクラブや霜降り明星、ハライチなど、私はそこまで笑えないコンビの魅力も十分解説してくれました。なるほど。霜降りより和牛の方が好き(2018年M-1)だったけど、全力で笑わせようという勢いという目で改めてみると、面白いんだな霜降り明星。

すごい実力なのに、M-1ではウケた経験がないという塙。審査員となったとき、内海師匠ボケに今田のツッコミでウケたことに満足したとか。玄人ウケしようとする芸人として尖っているのが自分の欠点と分析もしています。太田か誰かに、塙の表情が死んでるって言われたりもしてたけど、やっぱりナイツ好きだよー。

 

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