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ミュージカル「アナスタシア」@シアターオーブ

  2003_20200322225501ミュージカル「アナスタシア」です。ロシア最後の皇帝ニコライ2世の皇女で、ロシア革命で皇帝一家が殺されたのち、実は生きていたとアナスタシアを名乗る女性が多数現れたという事実をもとにしたアニメ映画(1997年、20世紀FOX)を原作とするミュージカルで、ブロードウェイでは、2017年3月から2019年3月まで上演されています。

トニー賞は、助演女優賞(マリア皇太后)と、衣装のみのノミネート。うーむ、やはりこのような時代劇は評価されにくいのでしょうか。でも日本ではこういう素材は受け入れられやすいし、キャラクターも生き生きしていて、楽しめました。脚本のテレンス・マクナリーの過去の作品には「蜘蛛女のキス」、「フル・モンティ」、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」があって、なるほど、好きなタイプ(その後、マクナリー氏が新型コロナウィルス肺炎で亡くなったというニュースが入ってきました。ご高齢ですが、お元気だったようで、何と残念な)。

ロシア革命後の物騒なペテルブルク、詐欺師のディミトリ(内海啓貴)とヴラド(石川禅)は、パリに逃れたマリア皇太后(麻美れい)のもとに、町の少女を皇女アナスタシアに仕立てて連れて行こうと、道路掃除をしていた孤児のアーニャ(葵わかな)をみつけます。アーニャはアナスタシアの情報を教え込まれるうちに、徐々にアナスタシアの記憶を取り戻していきます。皇帝一家に手を下した元警備兵の父を持つボリシェビキの将官グレブ(山本耕史)は、本物のアナスタシアならば殺せとの命を受け、パリに彼女を追っていきます。偽物ばかりに会ううちに希望を失っていた皇太后を、ヴラドの元恋人伯爵夫人リリー(堀内敬子)の活躍もあってアーニャは皇太后に会い、アナスタシアと認められます…。

映像をうまく使ったスピーディな舞台展開で、宮廷の回想シーンは華やかなアンサンブル。曲もよくて、役に合ったキャスティングと、久しぶりの王道ミュージカルで楽しめました。

ダブル、トリプルキャストのうち、当然優先するのは山本耕史(と石川禅)!やっぱり最高でした。山本耕史のグレブ役は、映画には登場しないミュージカルオリジナルの役で、ブロードウェイでは、ラミン・カリムルーが演じていたということで、いったいどんな?と思っていたら、わりと最初から登場、出番も多く、アーニャに好意を抱きながら、暗殺を命ぜられる、せつない立場の軍人で、手っ取り早くいうとレミゼのジャベールですよ。鍛えたバランスのいい身体には軍服がよく似合い、びしっとしたセリフと動き、繊細な演技、スコーンと気持ちのよい発声の歌!主役じゃないけど、彼が出演した意味がよくわかるお役でした。

そして贔屓の石川禅も、アクの強い、でもどこか人のよさそうな詐欺師という彼に合った楽しい役で、アーニャ、ディミトリと3人の場面が多く、2幕ではリリーとのたっぷりしたデュエットもあって、いつも禅ちゃんにもっと活躍してほしいと思っている私としては大満足。

ステキだったのは麻美れい。ピンと伸びた背筋の長身の皇太后の姿は、まさにディグニティ!そして、リリーの堀内敬子もよかった。パレードのときはやや優等生的な感じがしたんですが、この役ではハジけていて、彼女の持つ明るさが、2幕を盛り上げていました。

葵わかなはミュージカルで見るのは初めてでしたが、歌声がきれいで、セリフも安定感があってよかったです。内海くんもさわやかな好青年。ハッピーエンドが気持ちよかったです。

2月後半から、お芝居は軒並み中止。このアナスタシアを見られたのは本当にラッキーでした。

歌舞伎などは、初日が延びに延びて、結局3月は上演できず、四代目の南座オグリも、七之助の桜姫も、仁左衛門さんの新薄雪物語も見られませんでした。チケットが買えて、時間をやりくりすれば好きな芝居が見られるということはなんて幸せなことだったんでしょう。世界と今の状況を見れば、ライブができないのはやむをえないとして、役者さん、音楽、舞台スタッフの皆さんはどんな思いでいらっしゃるか、胸が痛みます。どうか、舞台芸術が致命的な状況になる前に、何とかなりますように。

 

 

 

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