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CHESS THE MUSICAL @国際フォーラム

   2002hessラミン・カリムルーとサマンサ・バークスが、あのCHESSを、フルミュージカルでやるということで行ってきました。私、CHESS の曲大好きなんです。今まで触れたバージョンは3つ。

2008年ロンドンアルバートホールのコンサートバージョン(DVD・CD)  
Chess in Concert(その1)―Chessというミュージカルについて
Chess in Concert(その2)― あらすじとキャスト
Chess in Concert(その4)――曲の紹介

2012年の青山劇場コンサートバージョンと、 2015年のプレイハウスミュージカルバージョン も観ています。

今回のミュージカル版は、2008年ロンドン版から、1幕の記者会見の前の曲や、バレエ、グローバルTVのウォルター、2幕でフレディがアタトリーを助ける場面をカットしたくらいで曲順はほぼ同じ、アレンジも近かったので、ロンドン版が好きな私は一番すんなり見られました。

そして、もう一つロンドン版との大きなちがいは、Pity the Child が、1幕で歌われることです。日本版では、せっかくのフレディの見せ場が1幕で終わっちゃうのはと残念に思ったんですが、今回、冒頭がバッサリカットされて、フレディのいいところが全くないので、早めにこの曲を出しておくのもやむをえないかなと思いました。そして、その方が、アナトリーが際立つので、このカンパニーでは正解なんだろうと思いました。

セットは映像を使ったりしてシンプルなんですが、アンサンブルが大活躍。歌はもちろん、キビキビしたダンス、フォーメーション、チェスの試合の表現等、この舞台の演出が振付家でもあるニック・ウィンストンの力量でしょう。出演者たちもすばらしかったです。

アービターの佐藤隆紀も健闘していましたが、日本キャストでよかったのが、モロコフの増原英也。うまいと思ったら二期会のオペラ歌手の方ですよ。バリトンといいつつ、低音が響いて癖のあるモロコフの歌を歌いきってました。エリアンナ、アンサンブルでいつもうまいと思ってた方ですが、今回スべトラナという大役。なかなか演技の方が難しかったように見えました。

さて、アナトリーのラミン・カリムル―。ロンドン版のジョシュ・グローバンと比べると、感情の起伏が激しく、歌も情熱的。空気を自分に持っていくオーラが、ああ、ラミン! とくに1幕最後のAnthemは、今、充実した俳優人生を送っている彼が、祖国イランに対してどんな思いを抱いているんだろうと重ね合わせるともう、胸がいっぱいでした。

フローレンスのサマンサ・バークス。キャストの中でも難曲が数多いですが、すばらしかったです。声質も歌い方もロンドン版のイディナ・メンゼルに似ていて、好みでした。2幕の最初の方のYou and Iは、アナトリーとの美しいデュエットですが、すごく二人が仲よさそうで、ほんとに笑っちゃったりしていました。

フレディのルーク・ウォルシュ。高いきれいな声で歌はよかったですが、ラミンと比較すると若くてまっすぐすぎてバランス的にはもうちょっとがんばってほしかったかも。そして、Pity the Childは歌い上げてほしかったのに、アクション多すぎで声が揺れて残念でした。

しかしこの曲は素晴らしい作品ですが、お話はやはり共感しがたいし、ストーリー自体の説得性とか、さらにチェスと冷戦を通してちゃんと今の観客に訴えるものがあるかと言われると、難しい素材を選んだものだと思うのですが、やっぱり個々の歌の中でのドラマ性や盛り上がりがよくって、うまい人で全編を見られて、ほんとによかったです。これ以上のCHESSを見る日はもうない気がします。

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コメント

Stephen Cabot さん、いろいろ読んでくださってありがとうございます。

メンフィスという命名が、エジプトとつながっているのは初めて知りました。実は、アイーダでは、アダムの演技は稚拙という評価もあったのですが、メンフィスでは、不器用で一生懸命なヒューイを好演していて、驚いたものです。

次に汗ほとばしる芝居を生で見られるのはいつかと思ったりもしますが、何とか頑張りましょうね。

まりるさん

なるほどあの二人はそういう縁だったから息がぴったりで、ジョシュ・グローバンが浮いているように感じたのかな。
そして膨大な日記の一部を読ませていただきましたがアダム・パスカルの大ファンみたいですね。
私もブロードウェーでは6-7本観たのですが、人気作品はチケットがなかなか取れないので歴史に残るような名作を観たのはアイーダだけです。ヘザーへドリーとアダム・パスカルは覚えているのですが2001年からアムネリス役でイディナ・メンゼルも参加とあるので、ひょっとしたらギリギリ観ているかもしれません。

ところで貴女の日記にメンフィスの事が書いてあったので気になってちょっと調べてみました。私はエジプト史フリーク(末尾に関連する日記を)なのでエジプトの話かと思ったのですが(笑)当然ながらテネシーのメンフィスでした。そして米国メンフィスはミシシッピ川に面しているのでナイル川に面した巨大都市(今は廃墟ですが)みたいに発展するようにという意味からの命名だそうです。
そしてアイーダの舞台はメンフィスで、ヴェルディはメンフィスの発掘現場で男女二人の白骨を発見という当時のニュースに触発されて書き起こしたそうです。
ということはアダム・パスカルは東西の因縁のメンフィスを舞台にした黒人との恋愛物語に主演したということでこれはなかなかの偶然かと・・・

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1707313403&owner_id=1914061

Stephen Cabotさん

アルバート・ホール版は、3人主役って感じでしたので、ラミンが強烈だった国際フォーラムバントはたしかにイメージ違いましたね。アナトリーがここまで変わるのかって感じがしました。イディナ(アナ雪のエルサ)とアダムは幼馴染かつRENTのオリジナルキャストという間柄なので、フローレンス・フレディの関係も丁寧に描かれた感じでしたし。

アービターの佐藤隆紀さんは、ジャン・バルジャンを演じるくらいですから日本のミュージカルスターですよね。私もとても立派だったと思いました。

まりるさん

私もどこかで見たような顔だなと思って調べてみて気がつきました。
それにしてもアルバートホール版は完全にフローレンスが主役ですね。今回のは完全にラミンが主役なのは役者の格というか存在感の違いなのか・・・
いやジョシュ・グローバンも名優みたいですが、さすがにこの時は若すぎたのかも。そのルークに比べても迫力がなく、フローレンスがこちらになびいた必然性?が感じられないというか。
しかし日本人のアービターは若そうですが重厚さを感じました。トリのアンセムを彼が歌った(アルバートホール版はフローレンスが歌っていましたがそういうのは演出の自由なのかな)のも日本人観客に忖度したのではなく、それだけの力量があるからのような気がします。

Stephen Cabot さん、mixiの記事読ませていただきました。なるほど、それだけチェスにお詳しい方が、たまたまこのミュージカルをご覧になったらびっくりしますよね。この作品の背景がよくわかって、たいへん勉強になりました。ありがとうございました。

もう一つ、アイーダの初演をご覧になったとお書きでしたが、その時のラダメス役は、アルバートホール版のフレディだった、アダム・パスカルですよ。RENTのロジャーで有名になったアダムの、もう一つの当たり役で、ヘザー・ヘドレーとのデュエットは圧巻でした。

まりるさん

ラミンのチェですか。
それは私も観たかったですね。
実はメラーノの世界選手権とアルゼンチンワールドカップの決勝が共に1978年で、ペロンの後妻というか後後妻(笑)の退陣直後のリバープレートスタジアムのアルヘンチーノ・アルヘンチーノの歓声が今も聞こえてくるやうな・・・もちろん当時TVで観ただけですが。
アントニオ・バンデラスも別に悪くはない(そういえばサラ・ブライトマンとのオペラ座の怪人でのコンサート共演もあるのでラミンと縁があるのか)のですが、あれをラミンで・・・というような旧い話のついでに、私も先日のchessをmixiという化石みたいなSNSで昔話を書いたのでもしご興味があれば。

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974561668&owner_id=1914061

Stephen Cabot さん、ふたたびありがとうございます。

まず、メラーノの件、ご指摘ありがとうございました。ミラノのことをメラーノって歌っているのかと思い込んでいました(恥)。英語字幕で見ていたはずなのに。直せてよかったです。私もあの歌好きですが、アルバートホール版の演出はちょっとダサいかも。

ラミンの来日公演ですが、振り返ると、2014年のミュージカル ミーツ シンフォニー、2015年の「プリンス・オブ・ブロードウェイ」、2016年のI Love Musicals、2018年の「エビータ」(これはフル・ミュージカルでチェ役。さらにDVDですが「オペラ座の怪人」25周年記念公演、「レ・ミゼラブル」25周年記念コンサート(アンジョルラス役)を見ています。いつも快活でエネルギーにあふれている姿には、感動します。

まりるさん

私も早速観てみましたが、コロナで皆の気持ちが落ち込んでいるなか、こういう企画が出てくるというのはいいですね。

ラミンはよく来日しているのですか。どんな公演を観られたのでしょうか? もっともだから日本語もできる・・・わけはないから発音だけ覚えたのでしょうが、凄く心がこもっているのが伝わってきて普通の外国人の日本語とは違いますね。
またこの歌を世界各国のジャン・ヴァルジャン役者が自国語で歌うビデオを観たことがありますが、本当の名曲というのは言葉を選ばないと思いました。

ひとつだけつまらない事ですが、chessの最初のマッチの開催はミラノじゃなくてメラーノで、1978年に実際に世界選手権が開催されています。
アルバートホール版のメラーノの唄?は大迫力でしたが、今回の公演ではカットされていた(と思うのですが)のは人数を揃えないとと映えないのでしょうがないのかな。

Stephen Cabotさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

ほんとに、このカンパニーはとてもレベルが高く、名曲ばかりのこのミュージカルを堪能させてくれましたよね。アルバートホール版のジョシュ・グローバンもすばらしいですが、情熱的なラミンがやると同じ役がこうも変わるのか、と思いました。

ラミンはしょっちゅう日本に来てくれるので、コンサートも含めるともう何度も見ていますが、真っ直ぐな人柄も含めて大好きです(PCであればサイト内検索でたくさんヒットすると思います)。

最近ですと、日本のミュージカルスターが終結したレミゼの「民衆の歌」でも、ラミンがひとり混じって日本語で歌っていたのが印象的でした。

まりるさん、はじめまして。

東京国際フォーラムの“chess”を観劇して感激し(オヤジギャグで失礼)、関係サイトを検索しているうちにこのブログにたどり着きました。
少し日記を読ませていただきましたが、いやあすごい観劇ペースでブロードウェイにも(私も行った事はあるのですが、最後に訪問したのは9.11の少し前)、そして歌舞伎に映画に読書歴と素晴らしい充実ぶりですね。

私はこの芝居は存在すら知らず、当日偶然通りかかってティム・ライスとサマンサ・バークスの作品ならと当日券売場に並んだ程度です。
しかし大感激してアルバートホール版を観たり(リアルで観たからかも知れませんがアービターやモロコフ、そしてアンサンブルも日本の方が上手いと感じました)、名前も知らなかったラミン・カルムルーのカリスマ性に圧倒されてYouTubeで観まくったりとはまってしまいました。

なお私は芝居はあまり観ないのですが、映画は名画座全盛期から年間50本くらいは(シニア割引以後は100本近いかも)観ています。

コロナの影響で芝居どころではなくなってきて、私もリモートワークで引きこもりモードですが、早く収まるといいですね。

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