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新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」後編 ディレイビューイング

 2002_20200229171501ナウシカ歌舞伎、ディレイビューイングの後編です(前編の感想)。まず、複雑な物語の設定と前編のあらすじを語ってくれるのが道化(種之助)。原作コミックではヴ王とともにシェイクスピアな感じで出てきますが、後編冒頭に登場するのはナイスアイディア。そして日本には幇間という伝統もありますしね。小柄な種ちゃんの腰のキマった動作、道化の語り口、キラキラの衣装で、種ちゃんいい役者になったなあと感動します。

そして前編の主な登場人物が、物語の振り返りを兼ねて自己紹介で見得。歌舞伎の便利なところですね。

巳之助はミラルパからナムリスへ。クシャナ(七之助)が出てくると物語が盛り上がります。もう、すべての瞬間がかっこいい!武装を解いた白い衣装も、殿下によくお似合いで素敵でした。眉の角度、目の大きさ、完璧(感涙)。クロトワ(亀蔵)との関係もより強固に。

ユパの松也が後編でもかっこよい剣士。義賢最期をちょっと思わせる階段落ちもありました。ドルクの女の徳松さんがユパを狙う場面もあったりして、この徳松さん、「ああうちの坊っちゃんかっこいいな」って思ってただろうななんて、思っちゃいました。ユパの最期は、階段落ちでちょっと仏壇倒れ。

後編独自の見どころというと、まず大海簫の菊之助の舞踊。娘道成寺のようなこれぞ女方の最高峰の舞踊を、菊ちゃんが思い入れたっぷりに丁寧に踊るんですから、それだけで素晴らしい。しかも膝から下がスパッツで見えているのがたいへん珍しく、きめ細かないわばステップに見入ってしまいました。三味線に巳太郎さんとか、長唄に巳津也さんとかいるし!

噂には聞いていましたが、庭の主で母の芝のぶ!作品世界を一段深いものにするその豊かな声と中性的な美貌。いつも好きだけど、新作だといいお役がついて(桜の森のエナコとか)、深い解釈がさらに生きる気がします。

そして、セルムも素敵だったけど墓の主の精 歌昇とオーマの精 右近の獅子姿。右近の化粧はオーマなんですよ!若くはつらつとした二人ががっぷりと、振り付けも面白くて、小さい獅子の毛をつけた手下の精たちもいて、最後は毛振り。ここだけ見取でやってもいいくらい。

これも評判だった、ヴ王の歌六さん、そして声だけで場の空気を換えた吉右衛門さん、その憑依を見事に見せた種之助。歌舞伎役者の、セリフを伝える力がものすごい。本当に世界をどうするのか、こちらに訴えかけてきます。

改めて、あの長い原作を見事に昼夜通しの歌舞伎にやりぬいたと思いました。そして、チケットが高いにもかかわらず、初めて歌舞伎を見るというナウシカファンが、この歌舞伎の魅力を私たちと同じように感じてくれているようであるのもうれしいです。

浅草で力をつけた役者とベテラン、そしてお弟子さんたちも含め、これだけの役者そろえての(だからオグリと比べてずるい)公演、2か月やってもよかったのでは。

 

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