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2020年1月

壽初春大歌舞伎「義経腰越状 五斗三番叟」「連獅子」「鰯売戀曳網」

   2001_20200114223502お正月の歌舞伎座で澤瀉屋の連獅子!ということで、前方センターで見てまいりました夜の部です。

一つ目は「義経腰越状 五斗三番叟」。やる気をなくして遊興にふけっている義経(芝翫)を、亀井六郎(猿之助)が諫めます。えー連獅子目当てだったのに、芝居の冒頭、いきなり隈取の奴みたいな拵え(荒事の若者ってことですね)で立ち回りですよ。化粧が鮮やかで、若々しくて光り輝いててもう手を合わせたいありがたさ。「足の親指に注目」というTwitterがあったので見ていたのですが、ほんとに歩く時以外は親指がピン、と立ってるんですよ。

世話もののひねった役だといい味の芝翫ですが、ストレートにやってほしい義経としての声が残念。どうしても、手前で控えながら細かい表情をしている四代目を見ちゃいます。

さて、泉三郎(歌六)によって軍師として呼ばれた五斗兵衛(白鸚)。義経の遊興をそそのかしている太郎(錦吾)、次郎(男女蔵)は、御目見えまで酒を飲まないという五斗兵衛に酒を勧めます。断っていたくせにどんどん大きな杯を求めて飲む五斗兵衛。端正な武士の白鸚さんが酔っていく過程の演技がさすが緻密です。

そして竹田奴登場。これまで阿古屋でしか見たことなかったですが、この演目での竹田奴はけっこうしゃべるし、立ち回り、アクロバットと忙しいです。そして最後は三番叟に。おめでたくて楽しい演目でした。

いよいよ澤瀉屋の「連獅子」です。もう三味線の最初から、(立三味線は稀音家祐介さん)盛り上がっていきます。すぐに狂言師左近(猿之助)と右近(團子)が出てきます。

見てませんが、「ノンストップ」の密着で「感想は?」という質問に対し、「なにもない。当たり前だから」と答えた四代目。そう、彼が團子の名をもらったときから、澤瀉屋を継いでいく者として、この連獅子は必須のものであり、いつかはやるのが当たり前の演目だったということでしょう。しかし、それが初春の歌舞伎座であるというのは、これまでの四代目の活躍があってこその晴れ舞台です。

もう公演も半ばとあって、四代目は余裕さえ感じられる自在な舞踊、團子は若々しく、きっちりとついていきます。後見は、四代目が鬘でとてもお年に見えない若さの寿猿さん、團子が段之さん。澤瀉屋なので、振りが派手で見てて面白いです。

崖から突き落とし、水面に映る親獅子を見て仔獅子が登ってくるくだりもとてもわかりやすく、心配し、子が登ってくるのを待つ親の気持ちがストレートに伝わってきました。私が連獅子を初めて見たのはシネマ歌舞伎の中村屋でしたが、その時は前シテの意味があまりよくわからず、その後国立劇場の鑑賞教室も経て、今回は直前にアシェットのDVD(22年4月の中村屋の連獅子)で予習していったので、さらによくわかりました。間狂言は男女蔵と福之助。愛嬌は男女蔵さんですが、福之助も体幹の強さというか、舞踊のうまさで見せます。

そして後シテです。激しい動きの連続で、一瞬も目を離せません。ここまでくると、四代目もオーラ全開。隈取の奥のドヤ顔が美しく、観客の心を鷲掴みです。初日のNHK中継のときよりも化粧がうまくなった気のする團子。お囃子もいやがうえにも盛り上がり、観客もテンションMAX、最後は、正面の私が二人の視界に入っていると信じて最大限の拍手を送りました。

舞踊では、芝居以上にオーラ全開の四代目、劇場全体を掌握するような圧、ああ、素晴らしいです。そして誰よりもそれを感じたであろう團子君、ますますがんばってほしいです。

3演目めは、三島由紀夫作の「鰯売戀曳網」。中村屋ファンからは「鰯売はもういいからもっと古典を」という声がありましたが、事前に「三島由紀夫と歌舞伎」という本を読んだら、三島の新作歌舞伎5本の中でも、御伽草子を題材に、歌舞伎の伝統をうまく入れた傑作で、初演は三島の愛した六代目歌右衛門と十七代目勘三郎、十八代目勘三郎と玉三郎でも上演されているという中村屋ゆかりの演目だったんですね。

鰯売の猿源氏(勘九郎)は、見染めた傾城の蛍火(七之助)に会うため大名を装いますが、蛍火は、もと武家の姫でしたが、鰯売の声に引かれて城を出奔したときに騙されて傾城となったのです。結局、姫を助けに来た次郎太のおかげで身請けのうえ、蛍火は猿源氏と結ばれます。

猿源氏の純で愛らしい人柄、応援する父海老名(東蔵)、馬喰(男女蔵)も楽しいうえに、蛍火の朋輩の女性たち(笑也、笑三郎、鶴松)らも賑やかで、しかもハッピーエンドという、お正月にふさわしい演目。あの三島がこんな芝居を書くなんてと思います。禿で勘太郎も出てましたが、ちょっとした動作の勘がよくて、かわいかった。

三島が歌右衛門の崇拝者だったということを思うと、蛍火が後半、次郎太その他を一喝する威厳のある場面など、ただの恋する女でない蛍火の描き方が、今の目から見ても好感が持てますし、またそれをきっちり演じる七之助。勘九郎の愛嬌と身体能力等、中村兄弟の魅力をたっぷり堪能できる、いい演目だと思いました。

もちろん、勘九郎と七之助には、もっともっといろいろな役をやってほしいですが。

(追記―連獅子幕見)

日毎に成長しているという團子くん。何日もたっていないのに、躍動感と自信が増したような気がしました。ちょっとドヤ顔も入って、オレを見ろ的な澤瀉屋の雰囲気も感じられました。振りも派手で、芝居心たっぷりの前シテ、そしてやはり盛り上がる後シテでは、立ち見も出ている幕見席から1階まで劇場全体に拍手と感動が広がっていく四代目ワールド連獅子!行ってよかった!

(ところで、下村青さんが観劇後楽屋にいらしたら、ビデオを見ながら四代目が團子を指導していたんだそうです。毎日ダメ出ししてるんだ…)

ところで、ふと、猿翁さんと亀治郎の連獅子初演ってどうだったんだろうって思いました。「團子がこんなに踊れるとは」と言われている團子とちがって、亀治郎は小さい頃から「この子は踊りがうまい」って澤瀉屋ファンには期待されてたと思いますし、猿翁さんの人気もすごかったですからね。

データベースで調べたら、亀治郎初演はなんと11歳、南座で段四郎さんと。間狂言は先代猿之助・宗十郎という豪華版です。歌舞伎座では14歳のとき、先代と、間狂言は段四郎、歌六。すごかっただろうなあ。

(追記―連獅子幕見その2)

千穐楽近くになって、また見られました。連日札止めの盛況で、発売時間前でも立ち見。團子くん、振りがしっかり身について動きが生き生きと滑らか。四代目との連れ舞感もますます高まっていて、ほんとに素晴らしいです。途中で四代目がポン、って團子くんの肩をたたくのがまたぐっときます。

地方の皆さんの盛り上がり(長唄 今藤尚之さん、巳津也さん、杵屋佐喜さん、そして傳左衛門、傅次郎兄弟の気合の入った掛け声!)、クライマックスに向けての観客の興奮と拍手、ああ、歌舞伎ってすばらしい。

壽初春大歌舞伎「素襖落」幕見

2001kabuki  歌舞伎座昼の部、「素襖落」を幕見で見ました。初めてのような気もしていましたが、2018年11月に松緑の太郎冠者で見ていました。この演目の太郎冠者の着物の格子柄が大好きです。

 大名(又五郎)の使いで出かけた太郎冠者(吉右衛門)、姫御寮(雀右衛門)の饗応を受けて、酔って踊ります。次郎冠者(鷹之資)と三郎吾(吉之丞)、そして姫も舞い、太郎冠者は素襖をもらって帰ります…。

歌舞伎の本で、團十郎さんが太郎冠者をやっているのを見たことがありますが、立ち役の看板役者がやる軽みのある松羽目ものなんですね。こういう吉右衛門さんを見るのは珍しい気がしましたが、さすがの余裕というか大人の愛嬌というか、楽し気な雰囲気で、ちょっと丑之助くんにメロメロなキッチーを思い出したりして。

鷹之資、吉之丞とは珍しいコンビですが、鷹之資が若すぎると感じさせないところがまたすごいなと思いました。

「菊一座令和仇討」@国立劇場

2001_20200112223701  恒例のお正月の国立劇場菊五郎劇団の復活通し狂言「菊一座令和仇討」(今年2回目の観劇も「令和」が入ってます)、今年は鶴屋南北の「御国入曽我中村」をアレンジしたものだそうです。

幕開け、頼家(左近)が参拝しているところに、大江千島之助(萬太郎)が父広元の跡目相続願いにやってきますが、妾腹の志摩五郎(彦三郎)が、お家の重宝の紛失を言いつけに来て、探さざるを得なくなります。笹野権三(松緑)と白井権八(菊之助)は、その加勢をすることに…。

お話をよく知らずに行ったので、ほー、鎌倉の話ね、左近君は13才でまだ声が細いですが落ち着いてるな、と思ってたら、え、権八ってあの鈴ヶ森の?と訳がわからなくなったところで、チラシを見たら、南北が複数の物語の世界を「綯交ぜ(ないまぜ)」にしているとかで、曽我物の時代設定+鈴ヶ森+権三は「槍の権三」(といっても見ていない)なんだそうですよ。後からちゃんと幡随院長兵衛(菊五郎、かっこいい)も出てきました。歌舞伎のよくある場面をうまくつなげた楽しい通し狂言になっていました。

両花道は、菊之助・松緑の2人のヒーローを強調するのに効果的、とにかくかっこいいです。菊之助丈、ナウシカでの左腕のケガが気になりますが、派手な立ち回りもきちんとこなしていました。もっと安静にしてなくて大丈夫なのかしら。詮議の資金を得るために女になって身売りする場面が見事で面白かったです。

徒なおせん(時蔵)が、風呂屋(風呂屋の似合う橘太郎さんが働いている!)で志摩五郎を袖にするところもよかった。時蔵さん、先日TVで見た「堀川波の鼓」もうまかったですが、こういう役はお手の物。

菊五郎劇団の皆さん、年々役者ぶりが上がってますので、もったいないくらいの贅沢な使い方に見えます。菊松はそれぞれ右近、梅枝を娶るんですが、二人ともきれいだけどたいして見せ場なし。竹松・光兄弟もどこに出てたのかわからないし、二人の亀蔵さんもなあ。

ま、国立劇場の2等、花道までよく見えて、コスパのよい楽しい狂言でした。

(おまけ)

2001toyokuni_20200114013001  観劇の後、伝統芸能館の「歌川豊国~歌川派の役者絵」展を見に行きました。色鮮やかな芝居絵は、今の舞台写真のような感覚で、芝居ファンの庶民が買い求めたんでしょうか。役者と、お馴染みの演目の名場面は楽しかったですが、中でも白眉は、国芳の土蜘で、まるで今のアクション映画のチラシのような構図とリアルな蜘蛛の描写が迫力ありました。

 

 

 

竹原ピストル 全国弾き語りツアー It’s My Life

 2001 竹原ピストルがアコースティックギターで一人弾き語るライブ「弾き語りツアー It’s My Life」に行きました。ドラマ「バイプレイヤーズ」で知ってから、とても気になっていた人ですが、ほかはCMの「よー、そこのわけーの」とか「しゃがみこーんでこそとどくゆめー」くらいしか曲知らないし、まあでも歌が好きだからってことで。

いやー、すごかったですよ。アコギ、ときどきハモニカのみで、ステージの真ん中で一人歌いまくるピストルさん。どの歌にも、その豊かな力強いハスキーボイスにソウルがこもっていて、会場の空間を歌でねじ伏せます。

その昔、フォークってなんとなく泥臭くてあまり好きではなかったんですが、年を経て、こんなにひたむきに、思いをストレートにぶつけるピストルさん見てると、1周回ってかっこいい。何より歌がすごい。

アコギの弾き語りって、前奏も間奏も短くて、ということはずーっと歌っているんですよ。MCもほんの少し。汗を拭き、水を一口飲むだけで、力のこもった歌を歌いまくるピストルさん。ゾクゾクと鳥肌が立つ瞬間が何度もありました。

知らない曲も含めてみな素晴らしいんですけど、「フォーエバーヤング」など、知っている曲はさらにライブならではの熱が感じられてよかったです。そして、カバーもすごかった。吉田拓郎の「落陽」(みやげにもらったーサイコロふたつ~)、中島みゆきの「ファイト」、「500マイル」。私、世界のすべての名曲をピストルさんの歌で聞きたいと思いましたですよ。

昔からだそうですが、ピストルさんって、とても腰が低い方で、手拍子や拍手にいちいち感謝してくれるし、観客をほめてくれるのが、なんていい人なんだろうって。

残念だったのが、なんか途中でトイレに行く人が多かったこと。会場で「ほろよいセット」とかいって、ビールや缶チューハイ売ってるからですよ。

 



中村義裕「歌舞伎と日本人」 早稲田大学演劇博物館編「芝居絵に見る江戸・明治の歌舞伎」中村雀右衛門「私事」 中村勘三郎「襲名十八代」

201912_20191226213601  まずは、歌舞伎の歴史を綴った本2冊、1冊目は演劇評論家 中村義裕さんの「歌舞伎と日本人」、2018年1月発行と比較的新しい本です。

お馴染みの「出雲の阿国」から始まり、江戸時代の興行システム、幕府の弾圧との戦い、名作の誕生、費用や時間、死絵(人気役者の死後の姿を描いたもの)。明治になってからの歌舞伎の社会的地位の変化、歌舞伎俳優として海外視察や新劇にも取り組んだ二世左團次。

そして映画と歌舞伎役者とのかかわり、戦争の影響、GHQによる歌舞伎の危機、菊五郎劇団と吉右衛門劇団、国立劇場の目指したもの、歌舞伎をよみがえらせた市川猿之助の苦悩、平成での人気役者の死、忠臣蔵の断絶とこれからの歌舞伎。

歌舞伎の歴史をとても立体的にわかりやすく書いてくれています。とくに江戸・明治については、具体的にイメージできるような記述ですし、前進座や小芝居についてもよくわかって、勉強になりました。

201912_20200109232301

  2冊目は、早稲田大学演劇博物館編「芝居絵に見る江戸・明治の歌舞伎」です。127pの本のほとんどがカラーで、歌舞伎の歴史を当時の絵とともに解説しています。

がぜん面白くなるのが、「第2章 歌舞伎の完成」以降。絵の保存状態もよくなり、歌川豊国や写楽等が、具体的な演目名や役者名を入れて制作した芝居絵は、生き生きと歌舞伎の楽しさを伝えてくれます。何より知った演目が増えてくるのが楽しい。解説もコンパクトながら要点を押さえていてわかりやすく、繰り返しみたくなります。さすが早稲田の演劇研究家の先生たち(児玉竜一先生ももちろん入ってますよ)。

江戸、明治の人たちも、面白かった芝居の余韻に浸りたくて、芝居絵や解説本を買ったのかな、とうれしくなりました。

 

2020

  次は役者の本で、先代である、四代目雀右衛門さんの「私事 死んだつもりで生きている」です。六代目大谷友右衛門の息子として生まれ、一度は友右衛門を継ぎながら、戦死した友人の母に請われて雀右衛門を襲名したいきさつ、戦争時の苦労。戦後歌舞伎に戻り、今度は岳父の七代目幸四郎(雀右衛門さんの妻は十一世團十郎ら3兄弟の妹なんですね!)の勧めで女方の道に進むことになります。

ところが、歌右衛門、梅幸の活躍もあってなかなか役が付かないうちに、映画に出てヒットしたことから、しばらく映画スターとして活躍し、莫大な収入を得ます。80代の晩年まで瑞々しい美貌を誇った雀右衛門さんですが、素顔が父譲りの端整な美形なんですね。しかしご本人は、映画はただ出ていただけで、芸の面でも得るものはなく、早く歌舞伎に戻りたかったと、5年で歌舞伎に復帰します。しかしなかなか居場所がなく、大阪で修業し、ようやく44歳で雀右衛門を襲名してから、女方一筋の修行を続け、歌右衛門さんの死後は、第一人者として活躍します…。

非常に生真面目な、芸一筋の方ということがよくわかる本ですが、自宅は洋風で、趣味はバイク乗りやスキー、スケートと、歌舞伎とは縁遠い趣味をあえてもち、リラックスしたいと書いています。

 

 2020_20200109235301  最後は十八代目勘三郎さんの「襲名十八代 これは勘三郎からの恋文である」。2005年の勘三郎襲名直前までの2年弱、スポーツニッポンに連載されていた聞き書きの記事をまとめたものです。

あの勘三郎さんが、いちばんノリに乗っている時期なので、公私ともに大忙し。新作、人情劇、平成中村座、それに獅童、海老蔵、菊之助、息子たち。「ラストサムライ」も出てきます。ああ、この不思議な雰囲気の明治天皇は、って思ったんだっけ(若き七之助!」この本に出てくる藤山直美、渡辺えり、大竹しのぶ、唐沢寿明なども魅力的。

30歳頃に三津五郎とディスコに行ってうまく踊れなくて、三社祭を踊ってウケたこと。自分の「京鹿子娘道成寺」は、先代芝翫さんから教わって一番稽古をしたもので、六代目菊五郎の娘である母や、初代吉右衛門の娘・初代白鸚夫人がメンバーだった「古娘会」の厳しい女性たちに怒られながら覚えたものであること。弁天小僧を父から手取り足取り習ったこと。

さっと読めるのですが、芯から芝居の好きな、彼のエネルギーをもらったような元気な気持ちになる本でした。

(追記)

2001toyokuni 国立劇場に行ったら、伝統芸能館で、初代歌川豊国生誕250年記念「歌川豊国 ―歌川派の役者絵―」をやっていたので、おお、「芝居絵」だと思って見てきました。

 実物はやはり筆致の勢いを感じられていいですね。色も鮮やか。当時の人気役者による人気演目のいい場面を掬い取った芝居絵。私たちが舞台写真を買うように、江戸の芝居好きが大事に買って家で眺めていたと思うと、とたんに江戸が近く感じられました。

万葉集ミュージカル「令和にそよぐ風~ 若き歌詠みの物語」

202001  あけましておめでとうございます。今年も楽しく観劇できたらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。

さて、今年の初観劇は、昨年と同じく、国際フォーラムの「CUTURE FEST」のイベント、万葉集ミュージカルと銘打った「令和にそよぐ風」です。昨年の「すめらみことの物語」は、猿之助主演でしたが、今年の「令和にそよぐ風」は、山本耕史主演ですよ。私のための企画?(笑) 会場でもらったチラシは、左と配置は同じですが、耕史は前を向いていました。

昨年と同じB7ホールですが、今回はステージの横から見る席はなくて普通のホールのしつらえ。12列は最後列、センターブロックでした。

お話は、歌詠みを志す青年(染五郎)が、万葉の世界に誘われ、中大兄皇子(新納慎也)、額田王(夢咲ねね)、大海人皇子(山本耕史)、山辺赤人(尾上菊之丞)と出会います。といってもストーリーはほとんどなく、万葉の歌のほかは、歌、舞、染五郎の勧進帳の読み上げ、山本耕史のバンド演奏…と何でもあり。演者も実力者ばかり(菊之丞さんも普通に歌うま!)なうえ、演奏も邦楽は藤舎貴生さん、バンドは大貫祐一郎さん中心で心地よいコラボ。

AStageの記事のセットリストによると、歌はオリジナルが多かったんですが、宝塚の「あかねさす紫の花」から2曲、「Hedwig and the Angry Inch」から「Origin of Love」と「Midnight Radio」、そしてRENTの「What You Own」

ヘドウィグは耕史が英語で(以前彼が上演したときも歌は全編英語だった)、RENTに至っては、マークのマフラーと黒ぶち眼鏡をかけた耕史と新納のデュエットですよ。万葉集がテーマなのに、何が何だかじゃありませんか。ヘドウィグもいい詞だと思うんだけど、その場ではあまり聞き取れなかったし、What You Ownは日本語でしたが(初めて聞いた)、サビが「Living in America~」ですもんね。私としてはこんな場で聞けてほんとにうれしかったですし、よく考えたらドラムもベースも(ギターはある)生で聞くのは初めてで、貴重な機会でした。

そして、染五郎くんの台詞がしっかりしているのに驚き!万葉集の歌は、古今集などとくらべても今と言葉がだいぶちがうので、難しかったと思うんですが、染五郎君のことばはすうっと入ってきました。みたに歌舞伎から半年、あの芝居で本当にうまくなったんだなと感慨。

そして勧進帳!力強く迫力ある声に、鳥肌が立ちました。短いものでしたが、彼の思い入れというか気迫がすごかった。地声はもしかしたらずっといろいろ言われてきたお父さんよりもいいかもしれません。

ということで、今年の謎舞台(!)も、新年早々、楽しませていただきました。

SPICEの詳しい観劇レポート(写真多数)

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