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鈴木英一「十代目松本幸四郎への軌跡」

201906kousirou  十代目幸四郎襲名直後の4月出版の「十代目松本幸四郎への軌跡」という本です。著者鈴木英一氏は、歌舞伎研究者で、数々の染五郎の新作舞台や舞踊の制作に補綴や作詞で関わり、さらに常磐津和英太夫として山台にも座るという、いわば業界の方。

「七代目染五郎物語」という副題のとおり、染五郎としての八面六臂の活躍の記録です。タイトルとこの表紙からは、主な役を写真とともに綴るのかなと思っていたんですが(役柄の幅の広い人なのでいろいろ見られて楽しみ)、もっと幸四郎その人の舞台芸術にかかる姿勢とか、新作制作の経緯などを、300ページに書いた力作。

子役時代から踊りも芝居もよく、歌舞伎でも現代劇でも役にも恵まれてきたうえに、ほぼブランクなしで四十代半ばまで活躍している方なので、普通の歌舞伎の大役での好演の話を省いたうえでも、中味が濃いです。関西松竹の書庫で上方歌舞伎の資料を調べたり、「阿弖流為」や江戸川乱歩を歌舞伎でもやったり、復活狂言「敷島譚」や「三国一夜物語」、「鯉つかみ」に取り組んだり。

日本舞踊松本流の家元松本錦升としての活動も多彩です。松鸚會、傾奇おどり、渋谷金王丸伝説。歌舞伎座で単独で舞踊の演目出す人なのに、どこまで舞踊にも貪欲なのか。

しかし歌舞伎に出ているときは、とにかく朝から晩までいろいろな重い役。古典も新作も二枚目も弁慶も。女方もかわいらしくてゴツゴツしていない。みたに歌舞伎のような芝居でのはまり方。とにかくやりたいこと全部やりすぎて、体壊さないでほしいです。

小野幸恵さんによる、12本のコラムでは、普通に歌舞伎役者としての幸四郎の魅力を書いてくれていて、ちょっとほっとします。

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