2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

« 三代目市川猿之助「猿之助の歌舞伎講座」「スーパー歌舞伎」 | トップページ | 六月大歌舞伎「寿式三番叟」「女車引」「梶原平三誉石切」「恋飛脚大和往来 封印切」 »

オフシアター歌舞伎「女殺油地獄」@新宿FACE

   20190526 オフシアター歌舞伎「女殺油地獄」です。今月まず1週間天王洲の寺田倉庫、そして1週間新宿のライブハウス・格闘技会場の新宿FACEで上演という、まさにオフシアターの特別公演。当初、3Aよりチケット高いし、油地獄は何度か見ているし、と思ったんですが、寺田倉庫での評判もよく、歌舞伎座に行ったら右のかっこいい巨大ポスターがかっこよく、考えたら貴重な機会と思って慌ててチケットを取りました。

  会場は格闘技仕様。正方形の舞台がすり鉢の底のようになっていて、東西南北の座席が取り囲みます。東が正面席のようですが、南北に向かっての芝居も多いです。あちら側に向かって今どんな表情しているんだろうと思うときもありましたが、段差のある5列目からは、役者さんの声も演技も近くて、お芝居を堪能することができました。

芝居自体は、台詞がちょっと現代的、笑える場面を追加しただけで、歌舞伎からそんなに離れていません。照明もシンプルながらすばらしく、義太夫(司太夫)は平易な言葉でわかりやすく、三味線も変化に富んだ緊張感のある音楽で、とてもよかったです。

 最初の場面で、河内屋の息子与兵衛が新地の芸者小菊に入れあげていて借金で首が回らないことが説明されます。この場面(酒場)は初めて見ますが、その後の展開がわかりやすいと思いました。脚本・演出の赤堀雅秋さんの借金取りの浪人小兵衛も合ってます。与兵衛の噂をする町人たちが、殺風景な正方形な舞台の上でも江戸の町人に見えるのはさすが。

 この後は、いつもの野崎参りの場。与兵衛の獅童、いつも舞台に立つだけで華があると思うのですが、自分勝手で見栄っ張りな演技はお手の物。そして27才というお吉の実年齢に近い壱太郎の若々しさ、しっかり者のいい女房ぶりがその後の悲劇を思うと悲しいです。娘のおみつちゃん(浅沼みう)が利発そうで、壱太郎そっくりなのがほほえましい。

 河内屋の場面、与兵衛の両親おさわは吉弥、徳兵衛は橘三郎、何度も演じているお二人のこれ以上はないという芝居。おかち(吉太朗)の仮病の場面は、白稲荷法印(荒川良々)の面白さもあるんですが、おかちが憑依されたときの吉太朗の台詞の迫力!吉太朗くんって、まだ18才の吉弥さんのお弟子さんで、ニザ玉の「土手のお六」でこの子面白い、と思ってから注目していますが、すごいです。この若さで抜擢続きなのもうなづけます。

そしていよいよの豊島屋の場。几帳面な七左衛門(荒川良々)が、お吉と娘を見て、しみじみ「幸せやな」と言い、それを受けてうれしそうに微笑むお吉の表情。この後の展開を思って泣けてしまいました。

七左衛門が仕事に出かけた後、おしゃれな息子のために節句の衣装代を工面してやろうと、勘当したのに金をお吉に託す徳兵衛おさわ夫婦。チラシによると、徳兵衛夫婦が持ってきたのは二人合わせても数万円相当で、与兵衛の方は32万円の借金が、今夜中に返さなければ10倍になるという状況。

徳兵衛たちが帰った後、豊島屋に上がり込む与兵衛は、お吉に借金を頼みますが、どうしても七左衛門の留守に自分の一存では貸せないというお吉を、与兵衛は惨殺します。いつもの油ドロドロはないですが、暗闇にリアルな殺し場。

最後はめったに出ない逮夜。字面から、勝手に「逮捕される夜なんだろうな」と思っていましたが、本来の意味は忌日の前夜のことで、この場によって、与兵衛が首尾よく逃げおおせて金の工面もつき、再び遊び歩いているということがわかり、しかし証拠が出てきて、鮮やかに召し取られます。逮夜なしの上演から、与兵衛は豊島屋から逃げた後すぐ捕まるのかと思っていたので、この場面は意外でした。この場では、 叔父上 山本森右衛門(猿三郎)が印象的。

この形での歌舞伎、もっと見たいと思いました。あと、普通のチラシを3つに折りたたんだパンフレット(すべての配役付き)もありがたかったです。

 

« 三代目市川猿之助「猿之助の歌舞伎講座」「スーパー歌舞伎」 | トップページ | 六月大歌舞伎「寿式三番叟」「女車引」「梶原平三誉石切」「恋飛脚大和往来 封印切」 »

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 三代目市川猿之助「猿之助の歌舞伎講座」「スーパー歌舞伎」 | トップページ | 六月大歌舞伎「寿式三番叟」「女車引」「梶原平三誉石切」「恋飛脚大和往来 封印切」 »