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シネマ歌舞伎「桜の森の満開の下」

201904_1   2017年の納涼歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」のシネマ歌舞伎版です。1回だけ見たのですが(その時の感想、野田秀樹の世界観とメッセージが、歌舞伎役者の魅力と衣装、美術、音楽とが見事に合体して、とても満足な舞台でした。そのときは、舞台全体と個々の役者を見るのに忙しすぎたので、ゆったり集中できるシネマ歌舞伎を楽しみにしていました。その後NODA・MAPでの「贋作 桜の森の満開の下」も見たので、比較して見たかったし。

 感想は、生の舞台のときと同じなんですが、2回目なので物語がよりすんなり入ってくるのと、じっくり見てもやっぱり勘九郎の耳男と七之助の夜長姫すばらしい。ひとつひとつの台詞が本当にさまざまなバリエーションで的確に発せられているし、とくに耳男の動きがおそろしく面白いのと、早回しかというくらいの素早さ。

歌舞伎美人の野田秀樹インタビューは大変興味深い内容ですが、女方である七之助が夜長姫を演じることで、サディストぶりがより際立っているといっています。もう魅力的な悪女をやらせたら七之助の右に出るものがあろうか。

オオアマ(染五郎<当時>)、マナコ(猿弥)、赤名人(亀蔵)、ヒダの王(扇雀)は記憶通りよかったですが、映像で見て意外に重要な役割をしているのがアナマロ(新悟)とマネマロ(梅花)。エンマ(彌十郎)、ハンニャ(巳之助)、青名人(吉之丞)、もよかったですし、そしてやっぱりエナコ(芝のぶ)がすごいんですよ。そのまま現代劇で歴史に残る役がやれそうな弾むような女。

早寝姫(梅枝)もいいんですが、先月のあの小町姫墨染を見た後では、この1年半で、彼がいかにめざましく役者ぶりを上げているかを感じました。アンサンブルの人数が多いのも、歌舞伎ならではの贅沢。

野田秀樹は好きで、いつ見てもテーマと表現とエンタテインメント性のバランスのとれたきっちりした芝居を見せてくれると思うんですが、やっぱり歌舞伎は何かひとつその上を行く力があって、(納涼で見たとき、「いつもの野田秀樹の芝居は役者がパーツに見えるけれど、歌舞伎では役者の光が強い」と感じました)、少なくともこの作品に関しては、歌舞伎の方が好きだなと思いました。

映画用の小ぶりのパンフレットがいいです。扮装の写真もいいし、上演後ならではの、野田秀樹と美術堀尾幸男、衣装ひびのこづえ、美粧柘植伊佐夫、作調伝左衛門の記事が読めます。配役にもスタッフにも妥協のないプロダクションっていいですねえ。もっとチケットとればよかったと思わずにはいられません(でもこの月、1部は猿之助勘九郎の団子売があったし、2部は弥次喜多だし、日数は短めだったんですよね)。

 

 

 

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コメント

りえさん、こんにちは。

このブログを読んでくださって、ありがとうございます。

松竹ブロードウェイシネマ!そういえば忘れていました。もうすぐ終わってしまうんですね。何とか算段していきたいです。見たら書きますね。

コメントくださってありがとうございます。またよろしくお願いいたします。

はじめまして。
レ・ミゼラブルの25周年コンサートDVDについて検索しているうちに、こちらのブログにお邪魔しました。
記事の量が多いので、わたしも観た作品についていくつか拝読しました。
それで気になったのですが、「松竹ブロードウェイシネマ」はご覧にならないのですか?
「シネマ歌舞伎」といえば東劇、東劇といえば「松竹ブロードウェイシネマ」な、最近のわたしの思考回路です。
余計なお世話とは思いつつ、万一ご存知なかったらいけないと思い、コメントさせていただいた次第です。
5/9まで「シー・ラブズ・ミー」上映中です。

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