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映画ロンドン版「The King and I」

201902kingandi_2               渡辺謙とケリー・オハラ「The King and I (王様と私)」、2015年にNY、2018年にロンドン、そして今年来日公演があるわけですが、そのロンドン版が映画になっていて、TOHOシネマズ日比谷で3日間限定上演というので、見てまいりました。ミッドタウン日比谷内のこの映画館、ゴージャスな雰囲気でしたよ。

渡辺謙のロンドン公演についてのインタビュー

ユル・ブリンナーの「Shall We Dance?」が印象的だったので、映画版(1956年!)は見たような気がしていましたが、アンナが家にこだわるところなど記憶になく、全く見ていないことが判明。そして、思っていたよりずーっと面白くて(もっと古臭い作品だと思っていたんですごめんなさい)感激でした。

1863年のタイに、国王(渡辺謙)の子供たちの家庭教師として、未亡人アンナ(ケリー・オハラ)が、息子ルイを連れてやってきます。この冒頭の港のシーンから、アンナとルイ(←この子すっごくうまい)の細やかな演技、アンナが自立した魅力的な女性であることがわかります。王の忠臣クララホム首相(大沢たかお)が、いつもの印象よりも筋肉隆々、堂々とかっこいいです。

王は多数の妻を持ち、周りからかしずかれ、尊大ですが、国を守ろうと必死で、そのために子どもを教育しようという人物。渡辺謙の表情が豊かで、ユーモラスでチャーミング。ケリー・オハラと対峙する場面は、丁々発止のやりとりが上質のストレートプレイの趣があって、脚本もよくできているなあと感心。謙さんが「二人で舞台を作り上げた」とインタビューで話していたのはこれかあ。

謙さんの歌はあまりないし、歌い上げるものではないのですが、ものすごく表現が豊かで楽しかったです。演技のすばらしさではトニー賞主演賞ノミネートは納得ですが、歌という点で受賞を逃したのはやむをえないかも、そして、ケリー・オハラの主演女優賞も納得です。

お話は、ビルマから贈られた愛妾タプティム(ナヨン・チョン)とルンタの秘められた恋、王が野蛮かどうかを審査しに来るイギリスの公使エドワード(アンナの旧知)の饗応、タプティムの語りによる「アンクル・トムの小屋」をテーマにする舞踊劇、成功を祝ってのアンナと王の「Shall We Dance?」!そして…。

王の子どもたちがアンナに挨拶するかわいらしいシーン、タイ風にアレンジしたダンス、ケリーの素晴らしい歌、見ごたえのある劇中劇と、見どころいっぱい。

チャン王妃(ルーシー・アン・マイルズ)は、ブロードウェイ版でトニー賞の助演女優賞をとっていますが、大奥を取り仕切るといった風の威厳ある、しかし愛情豊かな王妃を見事に演じていて、すばらしかったです(彼女、このロンドン再演版の前に暴走者による交通事故で4歳の娘を亡くすという悲劇に見舞われています。なんてお気の毒)。

饗応までのやりとりが面白いのですが、いろいろあった後でのラスト近くにあるのが、王とアンナのダンスなんですね。アンナは亡き夫とのロマンスを大事にしている愛情深い女性ですが、控えめで、二人の友情がぐっときます。

ラストはこうなるとは知らなかったんですが、タプティム問題はあるものの、いろいろすっきりする幕切れでした。

この映画、俳優のアップでしっかり演技をとらえながらも、よくできたフォーメーションも逃さず舞台全体をとらえていて、とてもよいです。これを見てしまうと、シアターオーブの遠い席でオペラグラスで見るのはいやだなあ。12列目、センターがベストってところですかね(←席も取れていない)。

(おまけ)
さて、劇中劇が始まってすぐ、Book of Mormon のナブルンギの聖書劇はこのシーンをとっていたんだと知りました。こんな有名な作品、劇場中がオマージュと知っていたのに恥ずかしい!語りの声の雰囲気、「そして最後は悲しい結末」というところも一緒でした。

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