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 二月大歌舞伎「すし屋」「暗闇の丑松」「団子売」

        201902 歌舞伎座昼の部、初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言とされています。当代松緑の父辰之助は、1946年生まれですから、梅玉さんと同い年、仁左衛門さん、吉右衛門さんと同世代で、40歳の若さで亡くなっていなければ、今も活躍されていたはずの方ですね。

まずは、「義経千本桜 すし屋」昨年12月の南座の仁左衛門で見たばかりですが、やはり配役が変わるとちがう印象。梅枝のお里、菊之助の弥助。今何をやっても的確な梅枝くんと、気品ある、ちょっととぼけた弥助=維盛が似合う菊之助。「お月さんも寝やしゃんした」までは楽しく見られます。

新悟の若葉の内侍も維盛の奥方としての格の高さを感じさせて好演。六代の亀三郎ちゃんは、台詞はあまりないですがかわいらしかったです。

弥助の父弥左衛門の團蔵さんも、いかにも小金吾の亡骸を見て、首を切ってきそうな骨のある親父。しかし母おくらの橘太郎、達者で悪くはないのですが、いつもの愉快な橘太郎さんの面影がちらついて、金をせびる権太とおくらのやりとりに、今ひとつ情愛が薄く感じてしまいます。松緑の権太、大きな目をぎょろつかせて、嘘の涙をつけたりして愛嬌たっぷり。

しかし後半になるほど、「木の実」で権太一家を見た南座と比較して、権太の人物と悲劇が今一つ迫ってこないのは致し方ないといえましょう。権太女房はいきなり出てきた人だし(権太を振り返りすぎるのもわざとらしく感じてしまう)、権太が刺されてからがやや間延びして見えます。芝翫の景時は立派ですがやや浮いてました。

2つめは長谷川伸作、村上元三演出の新歌舞伎「暗闇の丑松」。料理人丑松(菊五郎)の女房お米(時蔵)は、母(橘三郎)に丑松との結婚を認められず、妾奉公を強要されています。丑松は、この母と見張りの浪人(團蔵)を殺めてしまい、二人は丑松ら料理人の口入等の世話をしてくれている兄貴分の四郎兵衛(左團次)を頼って逃げますが、1年後、四郎兵衛に託したはずのお米は、板橋の女郎に。全てを知った丑松は…。
201902_3   
  いつも快活な菊五郎さんが、暗い、凄みのある表情をして、人を殺すぞ、殺してしまった、殺すしかない、といった迫力。長年のあいかたトッキーとの悲恋。

登場人物は多いのですが、どの場、どの役もきっちりと務めていて、お芝居として見ごたえがありました。筋自体には関係がないんですが、喧嘩しに出て来て丑松に止められる祐次(松也)、菊五郎さんの台詞回し。

四郎兵衛は誰かなと思ったら左團次さん、その強面の女房お今に東蔵さん。ちょっとこの東蔵さんはやや無理のある配役でした。もうちょっと毒婦じゃないとね。

最後の湯屋の場、とても大掛かりで風呂の匂いがしそう。そこで身軽に動き回る橘太郎さんが、それだけで芸になっていて感心。湯屋ってとても江戸の香りがしますね。

さて、丑松、年齢の設定は20代。前回の弁天小僧のためのダイエットですっきりした菊五郎おやじさま、十分すぎるほどかっこいいのですが、辰之助さんは、1983年に37歳で丑松を演じていて、そのときのお米は現菊五郎さん、祐次は亡くなった團十郎さん!それを思うと、ぜひ今の花形で見たいと思いましたよ。

最後は、芝翫・孝太郎「団子売」。すっかりコンビの舞踊が定番になっているお二人、暗い芝居の後で、明るく、仲良く、幸せな二人の舞踊で、明るい気持ちとなっての昼の打ち出しでした。

(おまけ 玉三郎写真展@THE GINZA SPACE

201902 銀座で歌舞伎役者のミニ写真展で場所の宣伝、と、ミキモトホールの吉右衛門写真展と同じコンセプト、と勝手に思ったのは、ミキモトはとても敷居の高い雰囲気の店で上層階で、こちらは、おなじみの ザ・ギンザではなくて ギンザシックスの裏のマツモトキヨシの向かいにある怪しげな資生堂の小さなビルの地下(地下2階まで階段ですよ!)。

フランスはモネの庭とか、ゴッホの畑の玉様の写真もきれいですが、やはり、娘道成寺、藤娘、夕霧、揚巻、阿古屋、楊貴妃、幽玄、鷺娘、松山…代表作が並んでいてうっとり。

役者自身の魅力と、芝居の世界、美しい衣装と、歌舞伎役者の写真には、プラスアルファの魅力がたくさんあって本当に素敵。

  

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コメント

星に願いをさん、コメントありがとうございます。

思い返しても、「暗闇の丑松」、よかったなあと思います。菊五郎さんの芝居は、芝居の構成も役者もきっちりと出来上がっていますからね。

彦三郎さん、亀蔵さんには、もっと活躍してほしいですね。まだ見ていませんが、二人の「三社祭」、Eテレでやっていたんですよね。インタビューからもお二人の飾らない、謙虚なお人柄が伝わってきました。こういう番組が作られるのは、NHKも推したいのかな、なんて。応援したいですね。

私も観て来ました。

まずすし屋。以前から思っていたんですが、松緑さんて元々物凄ーく真面目な役者さんでとにかく真っ正面からお役に真っしぐら!私のような歌舞伎素人が言うのは大変失礼だと思いますが、ずっと観ていると疲れちゃう事もあります。

丑松はさすが菊五郎さん、感情の持って行きかた上手いです。でもね、ダイエットなさったとは言え殺した後湯屋から逃げる時やっぱりお腹のタッポンタッポンが気になりました、すみません。彦亀ファンの私としては彦様、亀様のもっと出番の多い舞台を観たいなぁ、あの良いお声を聞きたいなぁというのが正直なところです。でも歌舞伎の世界、私などでは想像もつかない複雑なあんな事こんな事あるんでしょうね〜。

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