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詩楽劇「すめらみことの物語~宙舞飾夢幻」@国際フォーラム

201901            あけましておめでとうございます。今年もたくさんの舞台を楽しんでいけたらな、と思っています。よろしくお願いいたします。

さっそく新年最初の芝居は、詩楽劇「すめらみことの物語~宙舞飾夢幻(そらにまうかざりのゆめ)」です。1月2日・3日の3回公演のみ、猿之助のほか、尾上菊之丞、愛加あゆ、バイオリニスト川井郁子、和楽器奏者吉井盛悟の5人がメインで、音楽と舞踊を入れた物語。J・CULTURE FESTと題したイベントの一部です。脚本は横内謙介、演出・振り付けは菊之丞。

といっても事前にはすめらみこと、というのみで内容はよくわからず、左のチラシのビジュアルでは、背後で一番大きく映っている猿之助丈がラスボスのような、などと思っておりました。

入場の前に、国際フォーラムのガラス棟に行ってみたら、「即位・儀式の美/平安王朝文化絵巻」という展示をやっていました。源氏物語を題材に、平安の衣装や牛車の再現や、人形による明石の姫君の裳着の儀式や布を砧で打つといった家事の様子など。「源氏物語」は好きで現代語訳はいろいろ読んでいるので、そうそう、秋好中宮が腰紐を結ぶ役だったなどと思い出しました。が、この展示の眼目は即位の礼の再現場面のようでした(そういえばこの施設東京都が過半の大株主で…)。

さて、「すめらみことの物語」。四角い舞台の外側三方に客席。両側がパイプ椅子、正面が傾斜のついた座席になっています。殆ど埋まっているように見えました。

最初は、三方のスクリーンで、仁徳、持統、霊元、東山天皇が紹介されます。そのうちの一人、江戸時代に220年振りに大嘗祭を復活させ、子に譲位した零元天皇が猿之助。愛加あゆは故事を調べる女官という設定ですが、その間に川井さんのバイオリン、愛加あゆさんの歌、吉井盛悟さんは大太鼓、太鼓、笛、胡弓?とさまざまな楽器をかき鳴らします。演者が少ないので一部が録音らしいのがやや残念ですが、曲も川井さんのオリジナルが多く、バラエティに富んでいて面白かったです。

それぞれの道でキャリアを積んでいる自信にあふれた皆さん、それぞれに美しいというかかっこいいというか、普通の劇場よりずっと近く見られて、お正月から眼福でした。菊之丞さんの、女性お二人との舞も素敵でした。

お芝居部分に戻ると、最初の大嘗祭復活を目指すという設定の説明があって、姉小路さすがという女官に扮した猿之助が「金がかかるから無理」といじわるを言います。これがなかなか、ちょっと秀太郎さんの言い回しが入ってて、次は何だろうと食い入るように見ていた観客をほぐすような場面。アドリブらしく愛加さんに今日何食べた、と尋ねた後、「これで6食冷たい弁当」というのは何とも気の毒。

若い女官姿で、愛加さんといっしょの舞もあって、猿之助としては一番の見せ場。しかし歌舞伎に女性が立たないのは、女方という虚構が壊されるから、というのを読んだことがありますが、なるほど、ほんとうにきれいな愛加さんと一緒ではとても、と思いつつも、同じように立っていながら、回りに空間が広がるような、堂々とした舞姿に、そういうことは超越した感がありました。

最後は大嘗祭が実現し、東山天皇(愛加あゆ-この装束もかわいい)に譲位が実現します。最後の霊山帝の息子に対する言葉、「伝統を受け継ぐのは宿命だがそこに何ができるかが大事だ」と、まあご自分のことをと思うような台詞を力強く放って終演。この方、仏教に造詣は深いけれど、バランス感覚のある方なので、この芝居のメッセージ性を中和したように思いました。

お稽古日は数日だったようですし、いろいろな意味で謎は残りましたが、それでも各人の魅力は十分引き出されていた舞台だったといえましょう。集客的にも、愛加さんももちろんですが、猿之助さんが出るときけばよくわからなくても行くファンがいる分成功したのではと。

しかし猿之助丈、この舞台初日は歌舞伎座の初日でもあり、夜は松竹梅湯島掛額。初役で舞台を回す役どころなのに、そして、先月手術をしたばかりのようなのに、新年初めから全開で、今年は忙しくなりそうです。

(追記)

歌舞伎座夜の部「松竹梅湯島掛額」を見ました。前半小一時間、全体に絡む役どころで、遊び心たっぷりに楽しい芝居をしています。昼夜ちがう演目に出るのは当たり前な歌舞伎役者ですが、お正月休みを挟んでいきなり、やっぱりすごいです。

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