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吉例顔見世興行東西合同大歌舞伎「義経千本桜」「面かぶり」「弁天娘女男白浪」@南座

2018123      京都の南座の開場記念、顔見世興行に行ってまいりました。演目と出演者が多すぎてか、チラシは文字のみ、みどころさえ載ってません(歌舞伎美人サイトにも!)。

初めての南座、赤いカーペットや壁が鮮やかできれい。改装しただけなので、一段が高い階段、狭い廊下、売店と、昔風なのは仕方がないですね。座席数1000強といい具合に小さく、3階席からも花道がすっぽんのちょっと奥までよく見えます(というか、歌舞伎座と演舞場が見えなさすぎという気がしてきた)。そして、役者さんの声がよく通ります。

さて1つめは「義経千本桜 木の実 小金吾討死 すし屋」。すし屋は獅童の権太で見ていますがその前は初めてです。

行方知れずの維盛を探す奥方内侍(孝太郎)、嫡男六代、、お供の小金吾(千之助)は、小せん(秀太郎)の茶店にやってきます。腹が痛いと言って小せん母子に薬を買いに行ってもらったのに木の実をとって遊ぶ六代(おい)。

そこへいがみの権太(仁左衛門)がやってきて、木の実を取ってやった後、小金吾の荷物を取り違えて行ってしまいます。戻ってきた権太は荷物の20両がない、と言いがかりをつけ、琴を荒立てたくない内侍は20両を渡すように小金吾にいいます。

親子三代に伯父の松嶋屋勢揃い。そう思ってみるためか、人間関係が濃密で、芝居味が濃い感じがします。大好きな秀太郎さんの小せんが色っぽく、ニザ様との情愛や、恥ずかしがるかわいさがステキ。

小金吾討死は、千之助の立ち回り奮闘。討手の衣装が黒と赤で、見た目にも美しく、見応えのある場面でした。千ちゃん、大役を健気に務めた感じ。一騎打ちの大之進は松之助です。

さて、「すし屋」。前半はお里(扇雀)と弥助(時蔵)の婚礼の話で、(立派なすし屋なのに、いきなり今夜結婚とかいうんだ、といつも思う)、二人の楽し気なやりとり。私、シネマ歌舞伎の勘三郎さんの一連の新作で、ハジケてる扇雀さん見て好きになったんですが、その軽快な感じがあって、「そう、この扇雀さん!」と思いましたよ。トッキーもこのお役とても合ってる。

権太は甘い母お米(竹三郎)をだまして大金をせしめます。このやりとりも楽しくて。竹三郎さん、お声も力強く、こういうお役をやらせたらまあ。ああ来てよかった。

打って変わって、梶原平蔵景時(梅玉)が登場してからの緊迫感ある場面。梅玉さん、ハマりすぎてて、初役なんて驚き。そして、内侍母子の身代わりとなる小せんと息子。目だけの秀太郎さんが美しく、見送る権太の演技に泣けます。

父弥左衛門(左團次)が権太を刺してからの権太の述懐からの場面も少しもだれず、満座の観客が集中していく感じでとてもよかったです。

この演目、「木の実」で権太の小悪党ぶりを小気味よく見せ、内侍母子と小せん親子とを同じ舞台で対比して見せ、何より悪党権太の夫婦愛や親子愛をしっかり見せられたうえで、「すし屋」を見るほうが、ずっと感動的。あの首だって、若き身を散らした小金吾で、死んでなお主に役立った健気な小金吾と思うと泣けますよ。

また、気のせいか、この演目の義太夫と芝居の呼吸がとてもしっかり入ってきた気がしたんです。劇場のせいなのか、この演目の義太夫がわかりやすいのか、谷太夫、愛太夫さん、よかった。という、休憩なし2時間25分の大芝居でした。

休憩後は舞踊「面かぶり」。鴈治郎さんが童子姿で軽やかに踊ります。難易度が高いと思ったのは、ぽっくり風のもの(紐は足袋の親指のところから通して手で持ってる)を使って踊る後半。不安定なのに、リズムをとりながら踊るんですよ。

最後の赤い着物の見得がかわいらしくて、写真がほしくなりました(ほんとはフィギュアにしてほしい!)。

3つ目は「弁天娘女男白浪」。愛之助の弁天小僧菊之助。右團次の南郷力丸です。愛之助の弁天娘、女方の声はまあともかく、音羽屋とはまたちがったすっきりした美貌で華やかで素敵。右團次さんとの声よしコンビ感がぴったり。浜松屋の番頭さんたちもお弟子さんたちの腕の見せ所で、楽しいです。あの丸いお顔の番頭さん、うまいなあ。

芝翫の駄右衛門も貫禄があって立派。そして、弁天娘の、ばれちゃしょうがねえ、の男への切り替わりが鮮やかで観客が湧きました。

さて、もろ肌脱いで「しらざあいって聞かせやしょう」が出てからほんの少しで、最終新幹線に乗るために、失礼しました。ああ、この二人の花道の仲良さげな引っ込み見たかったな。もちろん稲瀬川勢揃いも。

(チケットをとってから、終演時刻が出てショック!どうしても当日帰らなくちゃいけなくて。南座の顔見世が長くてチケット代もお高いのは常識だったんですね。ああ、実は一番話題の鷹之資・千之助の「三社祭」をとーっても見たかったのですが、鷹之資の舞踊はまだこれからいくらでも見る機会があるでしょう。)

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コメント

花梨さんはこれからご覧になるのですね。

夜の部、演目に変化があって、それぞれ配役がよくて、楽しいと思いますよ。でも一番話題になっているのが、やはり鷹之資くんの三社祭のようです。彼、声もいいんですよね。これから楽しみ。

竹三郎さんが今日から休演ということで心配ですが、代役も吉弥さんなら竹ばあも安心ですね。早く回復されますよう。

夜の部終演時間は、私も最近気付いて驚愕(^^;)でした。
京都の顔見世ってそういうものなんだ・・・というのも含めて、各公演の特徴というか、歌舞伎の歳時記的な流れは面白いなと思います。(遠方から行くのは大変ですが。)

軽快な扇雀さん、鴈治郎さんの舞踊、とても楽しみです。
そして木の実からのすし屋も。しっかり観て来ようと思います。
各演目、役者さんとも、興味深く読ませていただきました。ありがとうございました。

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