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木ノ下裕一・児玉竜一座談会「現代における歌舞伎の意義」

201812kinosita_2      木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一さんと、演劇評論家である児玉竜一早大教授の公開座談会が、早稲田大学歌舞伎研究会主催で開催されるというので早稲田大学に行ってまいりました。教室は定員54名と、普通の学級のような大きさでしたが、歌舞伎と木ノ下さんのファンで満員の盛況。

木ノ下歌舞伎、3月にKAATで「勧進帳」のポスターを見たんですが、さすがに演目が勧進帳では、歌舞伎以外のバージョンを見る気がしなかったのでした。これは先日パリでも上演されたそうで、今から思えば見ればよかったー。その後、Pen+ の松之丞ムックに掲載されていた、松之丞、木ノ下裕一、茂山童司の鼎談を読んで、木ノ下さん、童司さんは注目しなくてはと思っていたのでした。

さて、司会者の紹介で始まった座談会、冒頭からゆういち、りゅういちでーすと楽し気(木ノ下さん声高い!)で、木ノ下氏は和歌山、児玉教授は西宮と、関西の方同士の息の合い方。

木ノ下さんの次回作「摂州合邦辻」の制作の方法、作品の構造や世界観の見どころという演劇制作者ならではの話に始まり、コクーン歌舞伎「切られの与三」での経験、木ノ下さんの小学生時代の落語から始まっての米朝評、歌舞伎、そして歌舞伎を現代劇でやるという方法論に至る経緯。などなど。3代目猿之助に憧れて京都造形芸術大に入学したら、猿之助さんが病に倒れて、間に合っていないのだとか。歌舞伎の原作に当たって再構成するという作業を本当に楽しそうにやっていらっしゃるのが伝わってきました。

木ノ下さん、まだ33才という若さながら、落語や歌舞伎経験の多彩さ、作品の分析の深さ、そしてそれをユーモアを交えながら的確に説明する能力が凄い。間違いなくある種の天才ですよ。35才の松之丞といい、この頃日本に何かあったんでしょうか。

児玉先生も、いろいろなもののみかたが合うのか、はるか年下の木ノ下さんへのリスペクトがあって、むしろ聞き役に回っているのも好ましかったです。児玉先生、すっかりファンになっちゃいましたよ。

演劇という表現の形態が好きな私としては、本当に興味深いお話ばかりでしたが、ちょいちょい出てくるオフレコ的な話や、はっきりとは言わないけれど表情で気持ちがわかるというのも多くて、笑いも多い座談会でした。

2時間たっぷり、質疑も時間をとっていただき、この質問からそういう風に話が発展するか(京都の文化への補助の手厚さ等)、と感心したり。

これはあちこちで言っているそうなのですが、木ノ下さんは、国立劇場の芸術監督(的な立場)になって、せっかくの場を活かして歌舞伎の可能性を追求したいのだそうです。あまりにも楽しみで、期待しています。今度こそ、KAATの木ノ下歌舞伎のチケットをとりました。

(追記)

木ノ下歌舞伎「摂州合邦辻」行ってきました。ああ、ミュージカル仕立てでなければ!

(追記その2)

この日も取材していたAERAの2019年5月27日号の「現代の肖像」で木ノ下さんが取り上げられていました。本は好きなだけ買わせてくれたご両親。いや、私でもこの子はちょっと違う、やりたいことをやらせたい、と思うだろうな。天才はこう育つのか、という一つの見本。

 

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コメント

花梨さん、コメントありがとうございます。

四谷怪談の話、出てましたよ。おっしゃる通り、南北の世界をきちんと描くには、それだけの長さが必要だったと。それぞれのエピソードが面白く、それが忠臣蔵につながるという骨格があって、好きな作品なんだそうです。

とにかく、作品の構造への洞察が鋭く、物語を愛する天才。何時間でもお話聞いていられると思いましたよ。この座談会の翌日、摂州合邦辻の舞台となっている場所をめぐるツアーをやったんだそうですが、うらやましいな。

私も、歌舞伎を現代劇と同じような目で見ている部分があるので、ほんとに木ノ下さんの今後が楽しみです。

度々コメントすみません。
木ノ下裕一さんは密かに注目しているので、記事にしていだき嬉しかったです。
前に『東海道四谷怪談-通し上演』(何と6時間!)を観る機会があり、南北が描いた世界がものすごくリアルに目の前に立ちあがって来るのに驚愕した覚えがあります。

何者?と思っていたら、串田和美さん演出のコクーン『四谷怪談』シネマ歌舞伎パンフで串田&木ノ下氏が対談していて、おぉーと思っていたら、次のコクーンに補綴で参加。これも原作に肉薄するつくりで大変興味深く拝見しました。
気になるところに木ノ下さんあり、な感じです。

演劇好きとしては演者もですが戯曲(と歌舞伎の場合言っていいのか)も大切にされて欲しいと常々願っているので、いつか木ノ下さんが国立劇場で腕を振るう機会が実現したら、それはもう楽しみでなりません。
マニアックに嬉しくて(^^;)つい長文、大変失礼いたしました。

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