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新派「犬神家の一族」@新橋演舞場

201811       2度目の新派は、いよいよ水谷八重子、波乃久里子ご出演の、「犬神家の一族」です。お二人、私の「見なければいけない箱」に入っており、演目もあの犬神家だし、と思ってチケットとったんですが、実は新派130年の今年の新作だったんですね。この演目、新派と合うだろうと思ったんですが、まさにぴたり、新作だけあって舞台の呼吸や演出もスピーディでとてもよかったです。

私にとっては、1976年の角川映画が強烈な記憶です。といっても覚えているのは石坂浩二の金田一耕助、犬神松子の高峰三枝子くらいで、細部はよく覚えていません。高峰さんは全盛期は見ていないので、大スターとはこういうものか、と迫力に驚いた記憶があります。

お話は、戦後すぐ。一代で財を成した犬神佐兵衛の遺言をめぐり、3人の娘松子(波乃久里子)、竹子(宮崎摩純)、梅子(河合雪之丞)と、息子たちが争っています。遺言では、佐兵衛が引き取っていた恩人の娘野々宮珠世(河合宥季)と結婚した者が全財産を相続するとなっています。松子の息子佐清(浜中文一)は戦争で顔に傷を負い、白いゴムマスクをかぶっています。そして次々に殺人が起こり、そして佐兵衛の愛人だった青沼菊乃の息子静馬の存在と謎の復員兵が…。

若干複雑な人間関係や遺言の内容が過不足なく説明され、人物像がくっきりしていて場面転換もスムーズなので、すんなりドラマに入ることができてうまいです。我の強い三姉妹、すっきりした息子たち、若い世代の愛憎、過去の哀しいいきさつが、ときに回想シーンや吹き替えをつかって描かれていきます。

やはり波乃久里子さんの美しさ、存在感は別格。ドラマの脇役でしか見ていなかった方ですが、さすが、6代目菊五郎の孫、17代目勘三郎の娘、18代目の姉ですよ。また、出番は少ないですが、水谷八重子さんの独白の迫力、お年を言っては恐縮ですが、79才とはとても思えず。はじめ本編には絡まないのかしら、と思ったらば、で、劇中唯一の拍手の場面でした。八重子さん、今回初めて知ったんですが、先代八重子さんと、14世守田勘弥さん(玉三郎さんの養父)の娘なんですね。いずれも歌舞伎との縁が濃いこと。

雪之丞はやはり場面を華やかにしますし、警察署長の佐藤B作さんは、あて書きかと思うほどのうまい狂言回し。金田一耕助に、「あんた謎解きが遅すぎてたくさん死んだあと」なんてツッコミも最高です。喜多村禄郎の金田一も、見せ所はあまりないんですがはまっていました。佐清という重要な役どころを演じたジャニーズの浜中文一くん、やや古風な名前に似合わず今風のイケメンでしっかりした演技、軍で陸軍士官というには若いかなと思ったくらいで、よかったです。実力者ちゃんと売ってあげて、ジャニーズさん。

新派の役者さんが皆さんうまいので、河合宥季の珠世はもっとがんばって、と思いましたですよ。外見は美人で所作も美しいだけに、(歌舞伎クラスタとしては澤瀉屋贔屓なだけに)、ほんとにこれからセリフを聞かせてほしい、と思いました。

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コメント

花梨さん、コメントありがとうございます。

「見なければいけない箱」、入っていただいているとチャンスがあったときに迷わず行けます。また見たければ行けばいいし。

波乃久里子さん、ご指摘の通りで、直しました。お母様が6代目の娘で、弟である18代目勘三郎さんが先代芝翫さんの娘さんと結婚して、現芝翫さんと義兄弟になったんですものね。久里子さん、よく勘七兄弟の歌舞伎もご覧になっているらしいです。

いつもながらフットワークの良さと守備範囲の広さにびっくりします。(しかもそれが私には気になる舞台ばかり。)
「見なければいけない箱」って本当にありますね。なかなか追い付かないのが悩ましいですが。(^^;

波野久理子さん、新派、犬神家も気になって、ふむふむと読ませていただきました。
で、一か所「?」となり、しばらく考えて&調べてみたところ、先代菊五郎さんの孫かな?と。あらためて知って驚きの血筋です。やはり見なくては。(^^;;

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