2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

« 平成中村座「弥栄芝居賑」「舞鶴五條橋」「仮名手本忠臣蔵祇園一力茶屋の場」 | トップページ | 吉例顔見世大歌舞伎「お江戸みやげ」「素襖落」「十六夜清心」 »

「セールスマンの死」@KAAT

201811            アーサー・ミラー脚本の「セールスマンの死」、有名な作品だし、風間杜夫主演だし、長塚圭史演出も凝っていそうだし、KAATだし、ということで行ってきました。

作品名しか知らず、何となくもっと抽象的な作品だと思っていたんですよ。見る日になって、検索してみたら、あ、ちょっと重そう、と思ったのですが、いや、実際、ずどーんと重い3時間15分でした。

もう古典(初演は1949年)なので以下ネタバレありで。

ウィリー・ローマン(風間杜夫)は63才のセールスマン。若い頃は羽振りがよかったのですが、最近は業績もよくなく、二代目社長にも冷遇されて荒れており、妻リンダ(片平なぎさ)は耐えてウィリーを支えています。長男ビフ(山内圭哉)は、高校時代はフットボールのスターだったのですが、高校を落第して推薦の決まっていた大学に入学できなかったときから、仕事も続かず、自立できていません。次男ハッピー(菅原永二)は仕事はしているものの、女をとっかえひっかえ。ウィリーはビフへの期待と失望が激しすぎて、彼とは言い争ってばかり。そして、新しい仕事のために昔の知り合いに出資を求めに行ったビフは…。

仕事とお金の子どもの悩み、70年前の作品とは思えない現代的な問題で、前述のとおり、思いがけずリアルな展開に、冒頭から重苦しい。成功やお金にこだわりすぎという感もなくはないですが、そこはアメリカ的な部分でもあるんでしょう。ウィリーのビフへの溺愛ぶりは、スポーツができて名門大学に推薦入学するかっこいい息子への父の愛という、よくアメリカ映画でもみるパターンです。

自分にも周りにも怒鳴り散らす風間ウィリー、さまざまに気持ちが変化するテンションの高い難役に正面から挑む風間さん。あくまでもウィリーを理解し、愛する妻の片平さんも好演。この二人といえば、「スチュワーデス物語」ですが、いや、途中で思い出したものの、役者さんってすごい、としかいえません。今回、2回公演の日はないんですが、さもあらん。

そして山内圭哉さんが出演するのは知っていたんですが、まさかのビフ役。関西弁の、もののわかったお役(「あさが来た」の番頭さんとか「花戦」の花僧を思い出す)が多い40代後半の彼が、彫の深い美形を活かしてふわふわヘアの34才の青年。関西弁のかけらも感じさせない明瞭な台詞回しで、父ウィリーとがっぷり四つ。とくにラスト近くに最後に父とぶつかり合う場面は、それまでもじっと舞台を注視していた観客がさらに引き込まれ、泣かされました。

ウィリーの回想に出てきて言葉を交わす兄(村田雄浩)、唯一の友人チャーリー(大谷亮介)、ビフの勉強を助けていたバーナード(加藤啓)と、その他のキャストも緻密な演出による演技で、すごい作品でした。客席に俳優の方がたくさん来ていた気がしますが、今年見るべき舞台のひとつ。

« 平成中村座「弥栄芝居賑」「舞鶴五條橋」「仮名手本忠臣蔵祇園一力茶屋の場」 | トップページ | 吉例顔見世大歌舞伎「お江戸みやげ」「素襖落」「十六夜清心」 »

演劇(ストレートプレイ)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「セールスマンの死」@KAAT:

« 平成中村座「弥栄芝居賑」「舞鶴五條橋」「仮名手本忠臣蔵祇園一力茶屋の場」 | トップページ | 吉例顔見世大歌舞伎「お江戸みやげ」「素襖落」「十六夜清心」 »