2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

« 映画「ボヘミアン・ラプソディ」 | トップページ | 新派「犬神家の一族」@新橋演舞場 »

吉例顔見世大歌舞伎「法界坊」3回目

201811      今月最後の歌舞伎座夜の部です。一番いい席で堪能させていただきました。

吉右衛門さん、菊五郎さんの「楼門五三桐」も、近くで見るとこれぞ決定版、とかっこいいこと。歌昇・種之助の右忠太・左忠太も若々しくて素敵でした。見てすぐ五右衛門の舞台写真買いに行きましたよ。

さて、お目当ての「法界坊」。 前2回も十分面白かったですが、やはりお芝居全体のグレードが上がっていて、例えば鸚鵡の面白さはこうだったのか、と思えるくらいになっていました。そして、猿之助の法界坊が完成形になっていて、メリハリがよりきいて、聞かせるところ、見せるところ、役者の背後でちょっかい出すところのバランスがさらによくなっていました。お客の反応を見ながらよりブラッシュアップしたというか。舞台に出てくるたびに、黒くて汚いんですけど、ぴかーっとオーラを感じます。

近くで見て思ったのは、猿之助自身の現代劇での経験が、この演目に生きているということでした。3階や後方からみても、見得や軽やかな動きはじゅうぶん楽しいのですが、前方で見ると、細かい呼吸に、ストレートプレイの趣があってさらに面白く、さすが1等席(すいません、めったに1等でみないので)。

そして大喜利の舞踊の、法界坊・野分の踊り分けをじっくり。ほんとに今まで何を見ていたのかと思うくらいでした。

私は三代目の復活狂言を見ておらず、黒塚や奴道成寺等の舞踊を除くと、万野も相模も典侍局もお吉もいわば相手役、芝居で本当の猿之助の主役のものは、スーパー歌舞伎しか見ていないんです。

法界坊、ちょっと汚いけど、猿之助のユーモアのセンス、歌舞伎の技術、他の役者の魅力も引き出す演出の才能、舞踊の技量と、今の彼の実力を余すところなく見せてくれた演目でした。

舞台写真に、大喜利でおくみに襲い掛かる法界坊の霊のものがありましたが、表情と言い、左手の形といい、あの大怪我からこんなにも完璧に復活してくれて、とじーんとしました。

そうだ、やっと茶店の笑猿さん、大七の女中の段之さん、澤路さん、お蕎麦屋の澤五郎さんを確認。葛籠しょってたかっこいい人は、と思ったら吉兵衛さんでしたね(播磨屋はさすがお弟子さんたちもうまい)。そして京由さん、京純さんと、京屋は美形。

【追記】

実は、千穐楽も幕見に行ってしまいました。法界坊は途中、甚三登場くらいから。恋文のくだりや花道の引っ込み(←一番好きかも)、提灯、だんまり、おそば、小判、野分おくみの要助取り合い、落とし穴、立ち回り、傘の見得、宙乗り亡霊…ああ、こう見ると見せ場ばっかりじゃありませんか。観客の反応もよく、声もよく通り、大盛り上がり。

そして大喜利、四代目の自在な舞踊に笑ったり感動の拍手したり、舞台の四人、清元、義太夫、後見と皆の息が合って、恨みを残した亡霊なのに、明るい楽しい打ち出しに、この1カ月楽しかったなあ(忙しかったけど)。

ひとつ無理を承知で言えば、劇評がせいぜい5日目までの芝居で出てしまうのは仕方がないけど、今回の「法界坊」は中日過ぎた当たりのもので評価してほしい。皆初役で演出も初で、普通の演劇なら3週間稽古するような呼吸の必要なお芝居。そして、四代目は初めからキャラクターはできていたけれど、やはりお客の反応をみながらわかりやすくしたりのメリハリはどんどんよくなってきていました。これだけのもの、安易に吉右衛門や勘三郎と比べると…、なんて言ってほしくない、と思ってしまいました(←まあこれは贔屓のたわごとですが)。

« 映画「ボヘミアン・ラプソディ」 | トップページ | 新派「犬神家の一族」@新橋演舞場 »

歌舞伎」カテゴリの記事

四代目市川猿之助」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 吉例顔見世大歌舞伎「法界坊」3回目:

« 映画「ボヘミアン・ラプソディ」 | トップページ | 新派「犬神家の一族」@新橋演舞場 »