2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

« テレビ映画「グレイ・ガーデンズ」(2009) | トップページ | 来日ミュージカル「オペラ座の怪人ケンヒル版」@シアターオーブ »

納涼歌舞伎第3部「通し狂言 盟三五大切」

201808     納涼歌舞伎第3部、「通し狂言 盟三五大切」です。たしか昨年、松竹座でニザ様が絶賛されていた鶴屋南北の凄惨な物語。

お話はやや複雑ですが、忠臣蔵の仇討ちのために金を工面しようとする源五兵衛(幸四郎)をだまして金を奪う三五郎(獅童)、芸者小万(七之助)の夫婦。怒った源五兵衛が殺しまくり、しかし結局数々の犠牲の下に、不破数右衛門として、討ち入り浪士の列に加わります。

初めて見たので、あらすじは知っていたものの、驚きの連続ですよ。まず、不破数右衛門って、仮名手本忠臣蔵の六段目で、勘平のところに来る立派な武士の人でしょう?そんな人殺しだったなんて。しかも伯父さんの富森助右衛門(錦吾)って、綱豊卿に諭される青年だったはず、と、なんかいろいろ混乱します。

しかも小万夫婦の引っ越し先長屋の大家弥助(中車)が小万の兄だとか、ふらっと現れた僧了心(松之助)が三五郎の父で、勘当が許されるとか、ストーリーはご都合主義も極まれり、です。

しかし、個々の場面は、歌舞伎の楽しさ満載です。なんたって源五兵衛の幸四郎がもうかっこよく、七之助の小万が綺麗でそれだけでもうありがたい。最初は呑気にじゃらじゃらしているのが、殺し場の迫力、そして源五兵衛が小万の首と一緒に食事する凄惨さ(この首のところ、知らなかったので、ああ七之助の顔はお人形にぴったりのきれいさだな、と思っていてとてもびっくりしました)。

幸四郎はやはり襲名公演を経て一回り大きくなった感じがしますし、七之助のこの盛りの美しさと的確さ。ここに獅童のバランスの良さ。

幸四郎は、この月、一部で田舎の人のいいおやじと激しい舞踊、二部は剽軽な弥次さんときて、三部でこれですよ。しかも先月勧進帳と油殺しやって。もう朝から晩まで大丈夫なんでしょうかと心配になるくらいです。七之助、獅童も1部でこってり芝居を見せて、2部はこれでもかの早替わりを大真面目にやって(猿之助のうれしそうな顔が想像できます)、この重い3部。中車は1日中幽霊か。

脇もしっかりしているんですが、やや驚いたのは八右衛門の橋之助。はっきり言って、これまで今のヘタクソは誰だレベルの芝居も多かったのに、かなり健闘していました。実は先日見た2部でも、3兄弟で一人だけ、役者の顔でお客にしっかり魅せる表情で踊っていて、一人前の役者になったなと思っていました。本気になればここまで成長するんだな、と驚きました。

 

« テレビ映画「グレイ・ガーデンズ」(2009) | トップページ | 来日ミュージカル「オペラ座の怪人ケンヒル版」@シアターオーブ »

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

納涼歌舞伎、終わっちゃいましたね。できれば3部とも、複数回見たかったなあ。

幸四郎さん、千穐楽の翌日には、舞踊の会で供奴踊られたそうですし、秀山祭は9月2日初日で、また踊りまくり。ほんとにすごいですね。9月も楽しみです。

何と言っても幸四郎さんの1部、2部、3部の演じ分けの魅力に尽きますね。
おっとりお百姓さんから泣いてばかりいて子供たち(染五郎と團子君)に呆れられるおとぼけ弥次喜多、そして最後は赤児もばっさり殺す極悪非道のお侍。

それを20日以上にわたり演じ続けるエネルギー、一体どうやってクールダウンしてまた次の演目に向かってアップするのか、不思議で不思議で、だからこそ益々歌舞伎を観たいと思ってしまいます。

橋之助さん、もうちょい台詞に抑揚つけるとか何とか出来ると良いんですがねー、正直言って舞台にブレーキかけるような場面も何ヶ所か見られて、まあ今後に期待ですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 納涼歌舞伎第3部「通し狂言 盟三五大切」:

« テレビ映画「グレイ・ガーデンズ」(2009) | トップページ | 来日ミュージカル「オペラ座の怪人ケンヒル版」@シアターオーブ »