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上村以和於「21世紀の歌舞伎俳優たち」

20180621         1998年から99年にかけて、雑誌「演劇界」に連載された、上村以和於さんの歌舞伎役者評を、2000年に1冊の本にまとめた「21世紀の歌舞伎俳優たち」です。

当時歌舞伎公演の中心役者たちを取り上げているので、最年長の冨十郎、藤十郎(当時鴈治郎――混乱するので以下現在の名で書きます)を除けば、50代の、人気・実力を兼ね備えた役者たち。

登場する方々の生年を並べてみましょう。(  )内は、1998年時点の年齢です。今年は20才足せばいいわけです。惜しくも亡くなった方は、アンダーラインを付しました。

1929 冨十郎(69)
1931 藤十郎(67)
1939 猿翁(59)
1942 菊五郎   白鸚(56)
1944 仁左衛門  吉右衛門(54)
1946 團十郎  梅玉(52)
1948 魁春*(50)
1950 玉三郎(48)
1955 勘三郎   時蔵*(43)
1956 三津五郎(42)
1960 福助*(38)
1965 芝翫*(33)

亡くなった方、病を得た方を除き、今でも毎月の興業の中心となっている役者さんばかりで、最近見始めた私にも、たいへん面白く読めました。とくに菊五郎さんから玉三郎さんのあたり、やっぱりこの方たちを見とかなくちゃって正しかったんですね。連載時のその月の舞台評を絡めて書かれているんですが、その芸評は、今でも的確に本質を表現されていると思います。

それと同時に、上村さん自身は1940年生まれと、この方たちを同時代的に見てますから、やはり若い頃の悩みやきらめく才能、歌舞伎以外の活躍と歌舞伎役者としての生き方、等の話は興味深いですし、猿翁さんはスーパー歌舞伎以外の部分に記述が割かれていて、面白かったです。白鸚さんと年齢も近く、仲がよかったんですね。

あれ、この人も書いてるんだ、と思った方は、書籍化に当たって追加した4人(上記*の人)。この中では若い芝翫の項はやや書き振りが違っています。

それにしてもですよ、若くして亡くなったアンダーラインの方々の惜しいこと。團十郎さんのあれ、三津五郎さんのこれ、と、見られなかったことが残念です。とくに三津五郎さんの時代物を絶賛。ご本人も著書で、恋愛ものよりも男のドラマが性に合っているという意味のことを書いていたのを思い出しました。

あまりに誉めすぎる、と苦言もあったようですが、上村さん、誉めちゃいけないところは誉めていない、とキッパリ。今の幸四郎世代についても書いて下さらないかしら。

などと書いていますが、この本が好評で、その後すぐ、続編「新世紀の歌舞伎俳優たち」が出版されていました。海老蔵、幸四郎、猿之助、菊之助らについて書いています。

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