2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

« 「メリー・ポピンズ」@シアターオーブ | トップページ | ドラマ「黒井戸殺し」「アンナチュラル」 »

「ヘッダ・ガブラー」@シアターコクーン

1804    イプセン作、栗山民也演出の「ヘッダ・ガブラー」です。ずっと以前に、俳優座だったと思うんですが、ヒロインの名がタイトルとなっているこの作品のポスターを見て、かっこいいなあと思った記憶がよみがえり、とうとう見ることになったということで。

栗山さんの古典作品の演出といえば、大竹しのぶのラシーヌ作「フェードル」。同じ劇場で、美術二村周作さん、衣装前田文子さんも同じなので、雰囲気はよく似ています。

ヘッダ(寺島しのぶ)はガブラー将軍の誇り高い娘、学者のイェルゲン・テスマン(小日向文世)との新婚旅行から帰ってきたばかり、イェルゲンを溺愛している親代わりの叔母ユリア(佐藤直子)、テスマン家から派遣されたメイドのベルテ(福井裕子)。そこへヘッダの学校の後輩エルヴステート夫人テア(水野美紀)が、子どもの家庭教師だったエイレルト・レーヴボルク(池田成志)を追ってやってきます。夫人の助けで荒れていたエイレルトは再び学問に熱を入れ始めていたのです。そしてエイレルトはヘッダの昔の恋人、そしてヘッダに下心のあるイェルゲンの友人ブラック判事(段田安則)…。

登場人物はこの7人。濃いですよねえ。演者の出演歴には、野田秀樹、三谷幸喜、ケラ、白井晃、小川絵梨子といった、現代演劇を代表する演出家の芝居が並びます。個性豊かで演技のスタイルもちがうのですが、栗山さんはあえてそれはそのままにしているのかなと思いました。先日のナイロン100℃と対照的。

それが成り立つのは、タイトルロールであるヘッダの存在感が際立っているから。寺島しのぶ、舞台で大きく、美しい女性です。全身引き締まった素晴らしいスタイルで、特にデコルテから背中、腕のラインがとてもきれいです。立ち姿、歩く姿も美しく、松たか子の舞台での美しさを思い出してやっぱり歌舞伎名門の血筋と思ったりして。

舞台は、人のよいユリアと古風なメイドとのシーンで始まり(この二人が演劇集団円のベテランであるだけに、こなれたよい芝居。福井さんは、もう永久保存しておきたいようなメイドですよ)、そして、これが今の小日向さん?と思うほど若々しいかわいいイェルセンが加わって、なんとなくほのぼのとしていると、傲慢なヘッダの登場が強烈です。なんて嫌なヒロイン、この人をずっと見るのか、と思ってしまいます。かわいらしいテアがヘッダを恐れるのもわかります。

ヘッダは、ヘッダに夢中の人のよい夫にもうんざりしていて、人生が思い通りにならないことにずっといらいらしています。昔の恋人エイレルト(池田成志がワイルドですてき)が成功の入り口にきていて、それがテアによることも気に入らない、そして破滅へ。

シリアスな悲劇なんですが、なぜか笑ってしまう間があって(とくに小日向さんに)、休憩込み2時間半の芝居があっという間でした。ストーリーの展開には、違和感があるところもなくはないんですが、役者の力でねじ伏せられたという感じ。この古典を、このキャストでみられてよかったです。

(先日の「リトル・ナイト・ミュージック」のヒロインであるデジレ(大竹しのぶ)は女優なんですが、「『ヘッダ・ガブラー』で地方公演があるから」っていうセリフがあるんですよ。デジレがそういう役を演じる魅力的な女優だという説明にもなっているし、もうすぐ見るんだーとくすっとしました。)

« 「メリー・ポピンズ」@シアターオーブ | トップページ | ドラマ「黒井戸殺し」「アンナチュラル」 »

演劇(ストレートプレイ)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ヘッダ・ガブラー」@シアターコクーン:

« 「メリー・ポピンズ」@シアターオーブ | トップページ | ドラマ「黒井戸殺し」「アンナチュラル」 »