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三月大歌舞伎「於染久松色読販」「神田祭」「滝の白糸」

201803     三月の歌舞伎座、夜の部です。まずは「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」、「お染の七役」という演目の一役、土手のお六の物語の二場。そのため全体の話はよくわかりませんが、ニザ玉の悪い夫婦を楽しむ演目。

土手のお六(玉三郎)は、元の主竹川から、お家の重宝の刀と折紙を油屋から取り返すため、百両を用立ててほしいという手紙が来ます。実はこの刀を盗んだのはお六の夫喜兵衛(仁左衛門)なんですが、油屋に質入れしてその金は使ってしまったという次第。お六と喜兵衛は預かっている丁稚久太の死体(上村吉太朗)を使って油屋に乗り込み、弟を死なせたと強請ろうとしますが…。

やさぐれお六が、小梅莨屋の場ではちょっと優しいところをみせておきながら、2場の油屋の場では、ドスをきかせて油屋を脅すところが痛快。ニザさまもワルなところを見せます。

脇がほんとによくて、髪結いの坂東亀蔵、油屋の彦三郎、関係はよくわからないけど旦那の錦之助、そして番頭千次郎、吉太朗、久作(橘三郎)の三人の芝居味の濃さ、橘三郎さんの若々しいこと、吉太朗くん、なんと17歳になったばかりとはすごい。楽しいながらもやりすぎにならないほどの良さ。出演者の息の合った芝居で、短いながらも楽しい演目でした。

2つめは、仁左衛門、玉三郎「神田祭」。いなせな鳶のニザさま、色っぽさ全開の芸者玉さま、軽い立ち回りと、二人の仲の良さを見せつけてくれる舞踊で、最後の花道のアピールも、上の階まで目線をくれて楽しかったです。

ああ、これが打ち出しだったらいいな、と思ったら、そういう声は多いらしいですね。

最後は、「滝の白糸」。水芸のイメージしかなかったですが、泉鏡花原作のこの作品、何度も映画化されていて、さらに新派の人気演目なんだそうです。5度も演じた玉三郎さん演出、白糸は愛弟子壱太郎。水芸の場面がしっかりあって、皆さんがんばってました。

金沢中心に周る水芸の人気太夫白糸(壱太郎)は、助けてくれた車夫欣哉(松也)が東京で勉強するための学費を送金することになります。鉄火肌だった白糸は恋する女になりますが、人気が下がって送金が苦しい中、何とか工面した金を、仲の悪い南京(彦三郎)の一味に奪われます。白糸は思い余って南京の投げナイフで金貸しの男を殺めてしまい…。

久しぶりに見る壱太郎、主役としての貫禄もつき、頭を振る癖もわずかになり、台詞回しは玉様そっくりのところがかなりあって、何だか別の役者をみるよう。化粧もうまくなったんじゃないでしょうか。凛としたでも健気な恋する白糸を立派に演じていました。

一座の歌六さんのいつもながらの実のこもった台詞の数々、情愛のこもった歌女之丞さん、ワルが意外と似合う彦兄、出番は少なかったけどかわいい米吉。欣哉の母(吉弥)。

最後の場面はなんと法廷です。歌舞伎座でこんなに見事な法廷が。そしていつもはペカーっと全体が明るいか、ぼーっと暗いかなのに、(除く「黒塚」)、見事に松也に目がいく照明。

裁判長の吉之丞さん、現代劇の名優を連れてきたかと見紛うような、明瞭かつ知的な台詞で、歌舞伎役者の実力を見せつけます。そして歌六さん、彦にい、背中で演ずる壱太郎もさることながら、切々と白糸を説得する松也の美しい声。いやー見事に泣かされました。

衝撃のラストですが、私は、欣哉に白糸の真心が通じていたのがうれしくて、幸せなラストだったと思います。

ということで、お芝居自体はよかったと思いますが…。

古い作品なので、場面転換に時間がかかってブツブツ切れるし(10分の中途半端な休憩が2回もあるうえほかにも幕が多い、今どきの芝居ではありえません~)、1場、2場はとくに冗長なのがつらい。

で、新派ですからね~。歌舞伎座でこんなに長い新派の舞台やらなくてもいいんじゃないでしょうか。歌舞伎役者のみなさん、お稽古してやればできるんですから、外に出てやればいいし(歌六さんなんて本気出したら引っ張りだこでしょう)。

そもそも、スーパー歌舞伎や歌舞伎NEXTのような作品以外で客席と舞台が暗いのいやなんですよね。この座組みだったら、もっとちがうの見たかった―、って思いました。

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コメント

星に願いをさん、コメントありがとうございます。

ニザ玉さまは、先月に続き、お似合いな感じがよかったですねー。長年の名コンビで。

松也と彦亀さんはほんと声がいいですよね。私、松也は初見がミュージカルだったこともあって、けっこう応援してます。彦兄は最近役の幅が広がって、面白いですし。亀蔵さんはけっこうイケメンで大好き。もう一声、大きな役が付くといいなあと思ってます。

私も先日この演目見ました!

ニザ玉様、見ているだけではあーっとため息。ご褒美もらっている感じ。

滝の白糸は、主役の台詞がちょっと聞きづらい場面がありましたが、実は私のお目当は
松也さんと彦亀兄弟だったので、その点では満足しました。三人共滑舌良く、声が色っぽい!

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