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KERA meets CHEKHOV 「ワーニャ伯父さん」@新国立劇場小劇場

Photo      ケラリーノ・サンドロヴィッチがチェーホフ作品を演出するシリーズの第3弾ということで見てまいりました。新国立の小劇場、小ぶりで見やすい劇場ですが、舞台が客席に向かってでっぱっているというか、袖の前の方が解放されていて、舞台と客席の一体感があります。下手にギター演奏の伏見蛍さん。うん、生演奏はやっぱりいいです。

さて、「かもめ・ワーニャ伯父さん」という文庫本、チェーホフ好きだったし絶対読んでいるはず、と思ったんですが、まったくストーリーは記憶にありませんでした。

ワーニャ伯父さん(段田安則)と姪のソーニャ(黒木華)が切り盛りするロシアの田舎の農園に、退官した大学教授のセレブリャーコフ(山崎一)と、若く美しい後妻エレーナ(宮沢りえ)がやってきて、静かな暮らしを乱します。ワーニャと友人の医師アーストロフ(横田栄司)は、エレーナに惹かれますが、地味なソーニャは、アーストロフに恋していたのでした…。

このほか、小野武彦さんや母の立石涼子さん、ばあやの水野あやさんと、見た目でも雰囲気のある実力派揃い。シンプルなセットと小さな空間、そして照明(関口裕二)が秀逸でしたですよ。ろうそくと部屋の明かり、窓の外の表現や、女優を美しく照らず下からのライト。宮沢りえが光り輝いてました。

さて、お話はですね、淡々としてまして、時々くすっと笑わされるんですが、そちらを特に狙っているわけではなく、特に1幕は、セレブリャーコフが何者?そしてワーニャ伯父さんは何してる人?伯父さんって誰からみた伯父さん?ソーニャはなんで父(セレブリャーコフ)じゃなくて伯父さんとここで働いているのか、などと疑問が次々に浮かびます。

それはともかく、宮沢りえの美しいこと!彼女としてはとても普通の女性の役柄ですが、その分、彼女の確たる実力を改めてしる思い。そして黒木華、やっぱりいいなあ。生き生きと愛らしいんだけど「私は美人ではない」というセリフが無理でもない感じ。

2幕はちょっとお話が動いていきます。エレーナたちは去っていきますが、やっぱり何でワーニャ伯父さんとうら若い(失恋もした)ソーニャが農園で働いてセレブリャーコフたちに仕送りしなきゃいけないのかも、今の感覚からはちょっと納得いかなくて、すっきりしない。

最後、「耐えて働いて、そして時が来たら死んでゆっくり休む」という趣旨のソーニャのセリフが有名なんだそうですが、かなり豪華な農園の屋敷に住んでるわけですからね(持ち主はソーニャ。でも切り詰めて仕送りしているらしい)、日本の貧しい庶民のお話とはちがうんですよねえ。

アーストロフが自然派で1000年後のために植林したり、当時の農民の衛生状態を憂えたりしているのは、現代に通じている(初演は1899年ですよ!)、とは思うんですが、肝心のお話がすとんと落ちなかったのは残念でした。

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