2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

« 宝塚月組「All for One-ダルタニアンと太陽王」 | トップページ | 山本耕史の「植木等とのぼせもん」 »

幸四郎の「アマデウス」@サンシャイン劇場

Amadeus    再演されたら、とにかく絶対に見ようと思っていた幸四郎さんの「アマデウス」です。

ピーター・シェーファー原作、ロンドン初演1979年、ブロードウェイ1981年(トニー賞受賞―「モーツァルト」の記事の下の方をご覧ください)、映画1984年大ヒット、という歴史を持つこの作品、本当によくできた、過不足のない人間ドラマです。

日本では早くも1982年に幸四郎さん主演で上演されています。このときのモーツァルトは38歳の江守徹さん、名優で舞台自体も好評だったようですが、ちょっとおじさん過ぎる感じ。映画のトム・ハルスの怪演を思い浮かべると、この後1995年から2004年までに3回演じた染五郎(95年は22歳!)の方がぴったりきます。つか、この役ほんとに染ちゃんに合ってたはず!

で、その後の悪くなかったであろう武田真治の後、今回のモーツァルトは、ジャニーズWESTの桐山照史。「あさが来た」での、おっとりした跡取り榮三郎を、くっきりと演じていた彼なので、ある程度期待していました。

さて、舞台は老いたサリエリ(幸四郎)の独白、そして回想で始まります。老人から壮年への切り替わりが鮮やか。音楽と神に身を捧げながら、才能は与えられなかったサリエリ。俗物というか平凡な人間であるサリエリを、幸四郎らしい、多彩な声で、ときに軽妙に、深刻に演じます。ときどき交じるイタリア語も一番流暢(意味はわからないんですけど)。堂々たる容姿もあって、改めて、現代劇の俳優としての凄さを感じました。歌舞伎をやっていなかったら、演目の選択のセンスも含めて、本当に劇界の巨頭となっていたことでしょう。

「ヴェニスの商人」の猿之助のような、歌舞伎そのものを感じる場面は少ないんですが、目の動きはやはり歌舞伎のものですし、驚いたのは、「仏倒れ」!長身の幸四郎さん(御年75歳!)が 突然バタッと見事に倒れたのは大迫力でした。幕間で、年配のご夫婦が、「やっぱり幸四郎は歌舞伎よりこっちよね、楽しそうに演じてる」とおっしゃっていたのが、その通り、と密かにうなづいておりました。しかし、先日見たばかりの「幡随院長兵衛」の吉右衛門さんを思い出すと、容姿と実力を備え、70代の今でもこれだけのものを見せてくれるご兄弟、すばらしいです。

そして、桐山くんもさすが力演。1幕の能天気なモーツァルトのセリフも動きもキレキレでしたし、2幕の困窮しながらも自分の才能を信じている切なさをしっかり演じていました。演出も幸四郎さんですから、その熱演をみながら、半端なことはできないと思ったことでしょう。コンスタンツェの大和田美帆も、はっきりしたきれいな顔立ちで力演でした。

見る前は、なんとなく3人芝居なのかと思っていたんですが、皇帝や楽師、サリエリの愛人や観客など、出演者はけっこう多数。立川三貴さんはじめ、隙のないみなさんでしたが、配役は出ていませんね。皇帝の方、成田三喜男さん的な妙な気品があってすてきでした。

観客は、意外に桐山くんファン多数。でも、「あー、なんか本物を見た、って感じ」と口々に言うのを聞いて、(そうだよね)とうなずく帰り道でした。

(いつも載せているチラシ画像、ほんとは桐山君と大和田美帆の3人なんですが…松竹サイトでもこれなんですね…)

(追記)

10月15日の情熱大陸は、アマデウス上演前後の幸四郎さんでした。稽古時の幸四郎さんの緻密さ、やはり隅々まできめ細かい演出をなさっていて、これでは桐山くんも大和田美帆さんも、アンサンブルも隙のない演技を見せてくれるはずです。

今でもダンディな幸四郎さん、さすがに1日の稽古や終演後にはお年を感じさせるところもあるんですが、実際に見た舞台でのエネルギーはすごいものがありまして、本当にいい舞台を見せてもらった、と改めて思いました。

« 宝塚月組「All for One-ダルタニアンと太陽王」 | トップページ | 山本耕史の「植木等とのぼせもん」 »

歌舞伎」カテゴリの記事

演劇(ストレートプレイ)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109992/65849636

この記事へのトラックバック一覧です: 幸四郎の「アマデウス」@サンシャイン劇場:

« 宝塚月組「All for One-ダルタニアンと太陽王」 | トップページ | 山本耕史の「植木等とのぼせもん」 »