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壽新春大歌舞伎夜の部「源平布引滝 義賢最期」「三代目市川右團次襲名披露 口上」「錣引」「黒塚」@新橋演舞場

1701   今年の初芝居は、澤瀉屋の重鎮、市川右近さんの右團次襲名公演です。右近さんはなんと本名だったそうですが、41年間も名優が名乗って大きくしたお名前(貴乃花が大関になるまで本名の花田からの貴花田を名乗っていたようなものですかね)、息子のタケル君が二代目を継ぐというおめでたい次第となりました。

1つめは海老蔵「義賢最期」。平家方にみられていた木曽義仲の父である義賢(海老蔵)と、その家来折平(中車)が、実は源氏に与するものと打ち明けあって、戦うという話。後段は義賢の立ち回りが続きますが、傷ついた海老蔵のまあ、美しく大きく、そして必死なこと。とにかく、今このような役で海老蔵以上に魅力的な役者は思い当たらないし、その懸命な姿に、あちこちですすり泣きの声が聞かれました。私、階段落ちではとにかくケガのないようにと祈るような気持でしたよ。

義賢の子義仲をお腹に宿している奥方葵御前が右之助で、ちょっと老けすぎ--この一座では女方の役者が足りないのかしらと思ったのですが、右之助さんは、右團次を祖父、曾祖父に持つ方なんですね。その方を襲名披露で重要なお役につけるとはまた粋な、と、自分を恥じましたですよ。右之助さん、口上にも連なっていました。

米吉が待宵姫、小万に笑三郎、小万の父九郎助に市蔵で、皆さん達者なところを見せてくれました。

27012口上は、梅玉さんが仕切って、澤瀉屋、「左團次」の息子男女蔵(最近ますます父上に似てきました)、成田屋の皆さん。やはり右團次、猿之助の声の豊かさに感心します。二代目右近ちゃんは、かわいらしく、とてもしっかりしていて、6歳(4月に1年生でしょうか)とは思えない立派なご挨拶でした。

ところで写真の右は、右近のお弟子さん喜昇で、同時に、「右若(うじゃく)」となるんだそうです。「ワンピース」で面白い動きをしていた右若さん、これからも楽しみです。

1701_3  いよいよ右團次メインの「錣引」。悪七兵衛として、梅玉さんの三保谷四郎と戦います。右團次さん、ほんとにこういう(五右衛門みたいな)装束が似合う。私の中で、今もっとも歌舞伎役者らしい顔貌をしていらっしゃる方。たぶんお芝居としては、昼がメインなので夜はちょっと軽いのでしょうが、彼の魅力は十分伝わってきました。米吉がこちらでもお姫さま。発声など、ずいぶん大人びてきたような感じがします。

最後は猿之助の代表作「黒塚」。2015年の1月に歌舞伎座の幕見で見ていますが、今回は2階席。流れもわかっているので、じっくり見ました。

山姥(猿之助)は、一夜の宿を求めた山伏の一行(右團次、中車、門之助、猿弥)をもてなしますが、寝屋を絶対見るなと言い残して、山に薪を取りに行きます。山姥は、山伏たちが過去の罪を帳消しにしてくれるという仏教のご利益を信じて喜び、山で一人踊ります。しかし強力(猿弥)は、見るなと言われたらよけい見たくなると(猿弥さんが、いかにもそういうことを思いそうな生き生きとした人物。動きも軽快で、さすが澤瀉屋)、寝屋を覗き、大量の死体を見てしまいます。怒った山姥は山伏に襲い掛かりますが(このときの着物、よく見ると鶏がいました)、祈りに調伏され、去っていきます。

なんといっても猿之助の声、舞踊。化粧はきったない老婆なんですが、ちょっとかわいらしく、その身体能力と声の豊かさ。恐ろしい罪を犯しながら、救われることを望んでいるのが切ない気持ち。そして相対する山伏たちのキビキビした動き。中でもひと際重みのある右團次。

この演目中では客の出入りを禁じ、照明も効果的で、今回は花道での動きもよく見えて本当に堪能したのですが、猿之助の当たり役だけにこれからも何度か見ることができるとは思うんですけど、この演目の欠点は、「とにかくみんな、ガサゴソしないで、しゃべらないで」、と叫びたくなること。いや、お芝居の最低限のお約束だと思うんですよ、しゃべらない、ガサゴソしない、乗り出さないって。でも、お願いですから、とにかくこの黒塚のときは、息をつめてみてくださいまし。

1701_2   大御所もいいですが、油の乗った体力に自信のある役者さんたちのエネルギーをもらった襲名披露でした。初芝居、劇場も門松やお飾りで華やいでいますのでぜひ。羽子板は暫(あれ、矢の根だったかな)。

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