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「お気に召すまま」@シアタークリエ

Photo  シェイクスピアの「お気に召すまま」をブロードウェイ気鋭の演出家マイケル・メイヤー演出、挿入歌は「ネクスト・トゥ・ノーマル」、「イフ/ゼン」のトム・キットというので行ってきました。

長兄のオリバー(横田栄司)とうまくいっていないオーランドーは、レスリングの試合を見ていたロザリンド(柚希礼音)と一目で恋に落ちます。叔父に父(小野武彦)を追放されたロザリンド(男装している)は、家を出てきたオーランドとアーデンの森(ヒッピーの世界になっている)で再会し、自分を恋する人に見立てて愛の言葉を語ってといいますが…。

衣装やセットはヒッピーですがやっぱりシェイクスピア、というのが一番の感想です。どういう形で見せるかは、制作者の好きにしていい、考え抜いて一本筋が通ったものであれば。時代や国を軽くフっ飛ばしてしまうものがシェイクスピアにはあると思います。

本当に、膨大なセリフの波を自分のものにして飲まれない役者だけが立っていられる舞台です。うかつに足を踏み出すとさらわれるようなところ。どこまでやれるのか、見てわくわくするのがシェイクスピアなんですよね。主な作品だけでもなかなか見きれませんが、こういう意欲的な上演はなるべく見ていきたいです。

さて、メイヤー演出のこの舞台が、キャストを含めて「お気に召すまま」の中でどのくらいのレベルにあるかは、正直よくわからないんですが(というか、このロザリンドが「お気に召すまま」として正解なのかがよくわからない)、この作品の魅力は十分味わうことができました。ただ、トム・キットは無駄遣いのような気がして(彼の得意なメロディじゃないんです)、BGMとして流れていたオールディーズだけ十分だったと思います。

幕が開くといたのは見慣れない長髪のオーランド―(ジュリアン)。一度も見たことのない俳優なんですが、セリフはよどみなく、動きも軽快、どことなく品もあるし、いったい誰、と思っていたら、あの水沢アキとガイ・スィーヒの息子だとか。アメリカの大学を出てオフ・ブロードウェイの舞台にも立っているそうで、それは演出との意思疎通も問題なかったはずですね。私、たいへん好感をもちまして、もしまだ実写版映画「聖おにいさん」のイエスが決まっていないなら、ぜひぜひこのジュリアン君にお願いしたい!

ロザリンドの柚希礼音、昔の松たか子みたいな美貌で、華があるのはもちろんですが、終始ニコニコしていて明るく、楽しそうでした。男装のときの方がリラックスして見えました。ジュリアンと並ぶと、若干お似合い感が薄いのが残念。二人とも魅力的ではあるんですが、別の世界の人なんでしょうね。

ロザリンドが好きでたまらないシーリア(マイコ)、すごくよかった。セリフも明瞭なんですが、何よりロザリンドを見る目が終始仰ぎ見るようで、かわいいんですよ。苗字のない女優さんって、モデルっぽい方が多いように思ってましたが、すごい実力派なのではと思いました。

アミアンズ(伊礼彼方)は「グランドホテル」の色男ぶりとはまたちがって素朴で歌と演奏で活躍。ウィリアム(古畑新之)は面白い俳優だなと思ったら、蜷川幸雄の「海辺のカフカ」でほぼ素人から主役に抜擢された青年ですね。少し足りないかわいいオードリー(入絵加奈子)は、本田美奈子と「ミス・サイゴン」のダブルキャストだった女優です。アダム(青山達三)も痛快なおじいさんでした。オーランドーの兄(横田栄司)は力演。ロザリンドの父と叔父二役の小野武夫(新選組!にも出てた)もあのままの温かみのある雰囲気でヒッピー合ってました。

これだけのキャストの中で、タッチストーンの芋洗坂係長、とてもおいしい道化役なんですが、必死すぎてちょっと息切れ気味。もっと余裕をもってセリフをしゃべってほしいと思いました。あの体形で軽快に踊れるのは貴重なんですもん。

 

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