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吉例顔見世大歌舞伎「元禄忠臣蔵御浜御殿綱豊卿」「芝翫襲名披露口上」「盛綱陣屋」「芝翫奴」

Photo_4  歌舞伎座での、橋之助の芝翫襲名披露の2か月目です。大柄な、華のある立ち役の大名跡襲名とあって、豪華な顔ぶれとなりました。

  まずは「御浜御殿綱豊卿」。2013年の、歌舞伎見始めの頃に、橋之助の綱豊、翫雀の助右衛門、魁春の江島で見ています。今回は綱豊が仁左衛門、助右衛門が染五郎、江島が時蔵。Photo

御浜御殿は浜離宮ですから、広々とした庭園ですが、その開放的な雰囲気がうまく出た舞台装置と思いました。その後は、現代劇的なセリフ劇なんですが、私が歌舞伎に多少は慣れてきてもいる中の2回目だからか、やはり仁左衛門さんのセリフ術か、綱豊卿の、赤穂浪士に仇討ちをさせて本来の武士の精神を知らしめたいという思いが、本当に伝わってきて、ジンとしました。ちょっと、前回と同じ芝居かというくらい。

染五郎も意地はありながら、綱豊の気持ちを十分には汲めない若い浪士にはまっていて、二人の関係がぐっときます。二人は軽さもあって、長い場面が少しもダレず、この芝居を堪能しました。

時蔵、梅枝(お喜世)もきりりとよく、左團次はやや武張っていて学者の新井勘解由という柄ではないし、先月国立劇場では憎々し気な高師直だったじゃん(おい)と思いつつ、外してはいません。最初出てきた強烈な中臈浦尾は誰かと思ったら、竹三郎さんでした。この方、とにかく大好きだわ。

そしていよいよ襲名口上。夜の部はこれだけの藤十郎さんの発声に始まり、仁左衛門、幸四郎、秀太郎、梅玉…と華やかな顔ぶれ。児太郎が「父福助もこの襲名を励みにリハビリに励んでいます」と言ったのが、ほんとうにいつになったらとホロリとしました。

さて、主役登場、初見の「盛綱陣屋」です。兄弟で敵味方となった盛綱(芝翫)と高綱、高綱の幼い息子小四郎(左近)が生け捕りになりますが、高綱に存分に戦わせるために、母微妙(秀太郎)は、小四郎に切腹をせまります。小四郎会いたさにやってくる母篝火(時蔵)、盛綱の妻早瀬(扇雀)。高綱のニセ首の首実検で、本物と思わせるためにここで切腹する小四郎。

子どもが死ぬ義太夫狂言ものですが、微妙をはじめ気丈な女たちの見せ場もあり、盛綱の主人時政や注進の登場あり、「寺子屋」よりも場面に変化があって面白いとは思うんですが、若干盛り上がりに欠けるというか、泣くまでいけないというか。

配役は皆さん合っていてとってもよかったです。秀太郎さんの微妙はさすがですし、久しぶりの扇雀さんもきれいでしたし、幸四郎さんの和田秀盛も大物感あふれてましたし、鴈治郎さんのコミカルな伊吹藤太も絶品でした。小四郎は松緑の息子の左近君。出番も長く、小さいながら武士らしさが求められるお役ですが、秀太郎さん、ブログで左近君がうまいのでとてもやりやすいとおっしゃってましたよ。彦三郎さんの時政も立派でしたが、そばについている武士の中に三津五郎さんがいる!と一瞬見紛ったのは、秀調さん(古都新左衛門)でした。そういえばお二人いとこなんでした。

芝翫はあの容姿のスケール感。義太夫に乗っての動きは、人なんですが人形浄瑠璃のようで、古風な姿が立派としかいいようがありません。これからもっと大きな役者になってもらいたいですね。

すっごい余談なんですが、今の朝ドラ「べっぴんさん」の主人公のモデルのお父さん、佐々木八十八さん(レナウンの創業者、貴族院議員)は、佐々木高綱の子孫なんだそうです。

最後は息子さんたち3人が交互に務める「芝翫奴」。今日は長男橋之助。コミカルで力強い、面白い踊りです。この日のために、さぞや熱心に練習したとみえましたが、踊りの名手であった先代芝翫に捧げるものとして、立派でした(実は、兄弟が交代で務めるのは知らなくて、途中で弟たちが出てくるのではとずっと待っていたのが、よけいでした。チラシくらいちゃんと見ときなさいってことで)。Photo_2

襲名用の寄贈の幕(佐藤可士和さんによるもの)とか、やっぱり特別感があっていいですね。

Photo_3

 

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