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生誕300年記念若冲展@東京都美術館、狩野博幸ほか「異能の画家伊藤若冲」

2016_jakuchutirasi ほとんど社会現象ではないかというほど連日大盛況の、生誕300年記念若冲展@東京都美術館に、行ってまいりました。

事前の知識は、赤いとさかの鶏が300年近く昔の画家とは思えないくらい現代的なセンスがある、プライスコレクションにいい絵がたくさんある、今回は宮内庁保有の代表作が出ている、超絶技巧の人(←NHKスペシャルから)くらいでしたが、見てみて、そして後述の本を読んで、いろいろなことがわかりました。

 チケットはネットで事前に購入していったんですが、館の前には「ただいま170分待ち」の赤いプラカードが。後へは引けず、芸大前の交差点近くの最後尾に並びました。公園内なので、空間が開けていて新緑がきれいだったのが救い。本を読んだりスマホでキャンディクラッシュやったり(←まだやってます。今955ステージ)、写真とってつぶやいたり近くの方々とお話したり。途中に給水所までありました。

2時間ほどでエスカレータに乗って館内に入れたのでやった早かった、と思ったのもつかの間、その後30分並びます。プリントアウトしてきたチケットを引き替えたらイヤホンガイドの列から外れてしまい、時間がかかりそうだったので断念しました(ちょっと残念)。

まず鹿苑寺の襖絵。へー鹿苑寺って金閣寺じゃ?その襖絵を数室分まとめて?すごい、同時代には評価されなかったはずなのに(←まだよくわかってなかったので)、ちょっとイメージちがう、などと思いながら進むと、あの群鶏図、旭日鳳凰図、孔雀鳳凰図に感動です。見たことのない鳳凰の姿、派手な羽、でもガラスから絵までがちょっと遠くて細かいところが見えなかったのが残念。

若冲は「千載具眼の徒を竢つ」と、自分の絵を理解する者を千年待つ、と言ったそうですが、「いつかわかってくれる日が来るのだろうか」と、弱気だったのかと思ったら、こんなすごい絵が画室に広がっていたら、自分の天才は疑う余地もなかったに違いないと確信しましたです。

さて、何と言ってもこの若冲展の圧巻は、相国寺に寄進され、明治維新の廃仏毀釈の際に寺から宮内庁に献上された(1万円を下賜されたそうです)、「動植綵絵」30枚と「釈迦三尊像」です。1枚1枚が大きく、趣向があって、何より色が、200年以上たっているとは思えないくらい鮮やか(それは、保存状態のためもありますが、絵の具を厚く贅沢に使っているからだそうです)。絵との距離も鳳凰図よりは近く、混雑の中を縫うように頭を突っ込んで、何とか部分をつなげて全体を見るのですが、ああ、これを心ゆくまで上から下までじっくり見たいものだと思いました。

その名のとおり、さまざまな動植物、貝やタコなどの魚介類、蝶やバッタなどの虫、バラやひまわり等洋風の花まで、それぞれが凝りに凝っていてほんとうに素晴らしかったです。

ほかにも虎、亀、伏見人形のかわいらしい絵、元八百屋の主人らしい巧みな野菜、有名なモザイク画のようなさまざまな動物の鳥獣花木図屏風、色鮮やかでシンプルな構図の木版画と、若冲のいろいろな魅力を堪能しました。

Inounogaka_3 図録は売り切れで予約のみ、クリアファイルも入荷待ち、一筆箋や屏風カードなどのグッズを買う会計も長蛇の列だったので諦めて出口に向かうと、若冲関連書籍がたくさん。手に取ってみて、コンパクトながら一通りカラー図版がある、狩野博幸さんほかの「異能の画家 伊藤若冲」を買いました。

狩野さんはなんと狩野派とは関係ない近世美術史の教授ですが、質問形式で若冲の生い立ちをわかりやすく説明してくれています(後でNHKスペシャル見直したら、最後の方で蓮のつぼみのお話をしていた白髪の上品な先生が狩野さんだったということがわかり、ちょっとうれしくなってしまいました)。

京の錦市場の裕福な青物問屋の長男として生まれ、20代で父を亡くしてからは当主だった若冲ですが、学才はなく、習い事も苦手、狩野派の師匠について画を習っていましたが、基礎だけ学ぶとあとは独学。40歳のときようやく本格的に絵を本業にします。相国寺の名高い学僧である大典が後ろ盾になり、老子からとった「若冲」という名も、大典がかかわっている可能性が高いそうです。知識人売茶翁(ばいさおう、肖像画見ました!)も大典から紹介されて親交があったそうです。鹿苑寺の大書院の襖絵も、大典の弟子が住職だったために描いた可能性が高い等、意外に、若冲が当時の京都の知識人に人気があったようですね。

若冲は生涯独身で、天明の京都の大火でアトリエが焼けてからは、石峰寺で妹と暮らしながら、絵を描き続けたそうです。このお寺にある五百羅漢も若冲のデザインで、一部は椿山荘にあるとか。

動植綵絵は、2007年に公開されているのですが、この本はそのすぐ後に出版されていて、「次の機会はいつになることか」と書かれています。10年後に公開されたわけですね。

待つのはたいへんですが、その価値はあった若冲展でした。

(追記)

5月18日は65歳以上の方は入館料が無料ということで、最高320分待ち!!ほんとうに5時間並んだ方がいたんでしょうか(いたってことですよね?)。今まで富士急ハイランドのドドンパ4時間待ちが最高だと思っていましたが、それを超えるとは。やはり早朝が確実のようですね。

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