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NODA・MAP「逆鱗」@プレイハウス

2   野田秀樹の新作「逆鱗」、2013年「MIWA」、2015年「エッグ」に続くNODA・MAPです。

痛恨の遅刻で冒頭を見逃し、満島真之介(イルカくんと呼ばれるさかなクンみたいな感じ)と池田成志が、水族館のイルカショーができなくなったから、人魚を捕まえて人魚ショーをしようとか話しているところから。すぐ、人魚研究家の野田秀樹と助手の井上真央が登場したので、ちょっとほっとしました(野田秀樹の登場を見逃すと彼が何かまったく不明になるので)。

電報配達人の瑛大、潜水夫の阿部サダヲも登場。瑛太が海に入ると、そこは人魚の世界。NINGYOの松たか子と母の銀粉蝶がいます。

豊かな言葉遊びとギャグと、アンサンブルの動きの中に、ポツポツと埋め込んだヒントの密度が濃くなって行き、最後はすべてつながって張りつめた演劇空間の中で主題が語られます。エッグの時はちょっと驚きましたが、ここ数作をみていて、彼が今やりたいことというのがこれだというのはよくわかりました。

毎回似たような感想になってしまうのですが、シンプルながら効果的なセットの表現、隅々まで行き届いたアンサンブル、効果的な衣装。お金があることを見せびらかさなくていい本当のお金持ちが、使いたいところに糸目のつけないお金の使い方をしているようです。

今回、水中世界の表現が秀逸で、マジックミラーと照明と人の動きで見事に作り上げています。ワイヤーで俳優をつっていた、わかりやすい「リトルマーメイド」を少し思い出して、対照的だなと思いました。

一人一人が主役を張れる役者さんが揃ったキャストに穴はありません。松たか子の舞台は初めて見ましたが、さすが血筋ともいうべきか、恵まれた声と俳優としての身体能力はさすが。彼女の女性としての魅力を活かした映画やドラマでも活躍しているのに、出産からの本格的な復帰作にこれを選ぶとは。

彼女に限らず、野田秀樹の舞台の俳優は、彼の芝居の中での一つのパーツという感じがします。特に最近の作品は、人気俳優が演じているだけに、彼らがいつもの男性、女性としての魅力は二の次に、この芝居の中にそれぞれの役割で、いわば一つのピースとして参加しているという感じがします。そしてそれを、心から楽しんでいるんだろうな、と。

銀粉蝶さんは、「タイガー&ドラゴン」で、西田敏行の妻役が、見たことない女優なのに往年の大女優のようにおかみさんとしてはまっているなと思ったのですが、今回は、白石加代子風の迫力ある演技で、意外というか、すごいと思いました。

MIWAでも迫力があった井上真央ちゃん。あのつまんない大河ドラマの主演の後が、こういう最高のカンパニーでの舞台というのは、女優として自信をとりもどしたのではないでしょうか。満島真之介も若手のいい俳優さんで、前回は蜷川演出の舞台で見ましたが、大御所に愛される魅力があります。阿部サダヲはさすがとしか言いようがなく、瑛太もよかったです。

さて一つネタバレ。池田成志は怪優の部類に入ると思うのですが、彼をもってしても、号泣議員は実物を越えることはできませんでした。いまだに彼の映像を見ると腹を抱えて笑ってしまう私、つくづくあの破壊力はすごい。

そうそう、野田秀樹の芝居のお客さんは、熱心な方が多いのか、終盤に向けての息を呑む雰囲気がいいです。何と比較してかというと…歌舞伎ですかね。乗り出して座る、しゃべり続ける、スーパーの袋のカシャカシャの音、気になるんですよね。

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