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十二月大歌舞伎「通し狂言 妹背山婦女庭訓 杉酒屋 道行恋苧環 三笠山御殿」

1512kabukiza先日文楽の「妹背山婦女庭訓」を通しで見て面白かったので、歌舞伎座でも、通しを上演すると知って楽しみにしていました。しかもお三輪は七之助と玉様。

あらすじは、文楽と同じですね。

杉酒屋に井戸の掃除を終えた近所の連中が集まって、杉酒屋の振る舞い酒を飲もうとしています。文楽のときは半裸でいかにも庶民でしたが、こちらはもう少し普通の人々。同じ長屋の烏帽子折の求女(もとめ、実は藤原鎌足の息子淡海、松也)が帰ってきて、手伝わなかったことを責められ、踊らされたりします。松也はすっきりしたいい男、掃き溜めに鶴みたいで、酒屋の娘のお三輪(七之助)が惚れるのもうなずけます。松也はお行儀のよい役柄だけにどうってことはないんですが、この二人絵のようにきれいでほんとにお似合い。

これより前、求女が二股かけているお姫様(実は入鹿の妹橘姫、児太郎)が登場しており、お三輪の弟の子太郎(あれ、文楽では丁稚?でも格好は丁稚っぽい。團子)がお三輪に告げ口したりします。児太郎、久しぶりに見たらずいぶん女っぽく、しとやかな風情が感じられ、アップで見なければ(←ひどい)、なかなかです。浅草歌舞伎のドキュメンタリーで、児太郎を厳しく指導していた玉様、この演目は児太郎と七之助を教えるためのものでもあったんでしょうね。そう感じる場面がいくつかありました。そして團子ちゃん、大きくなったのね。とても生き生きした、達者な子太郎でよかったです。

そして2幕は道行恋苧環。最初は姫と求女、後からお三輪が加わっての踊りですが、3人とも一生懸命なんですけど、踊りが苦手なもんですから、竹本の心地よさと(でも詞がちゃんとわからず)、眠気で意識がところどころ飛んでしまいました。

第3幕は入鹿御殿。すごい隈取の物の怪のような入鹿(歌六→ちょっともったいない)、いつもかっこいい亀三郎、亀寿兄弟。とくに今回亀寿さん白塗りがくっきりしてていい男でした。そして一服の絵のようなまんまる目の松緑の鱶七。ちょっとこの場面長く感じましたが。

そしていよいよ玉様登場。十二月歌舞伎のチラシを見ると、玉様、昼の部の傾城墨染とお三輪の化粧、表情が全然ちがってて感心します。実際に、ちゃんと若い娘になっていて、お芝居としてもやっと(私好みに)動き出した感じ。義太夫の語りもこころなしかいい声の方に。

お三輪がうろうろしていると、豆腐屋おむら(中車)が行き合います。おお、とうとう中車の女形。私がいうのもなんですが、けっこう所作がさまになっていて、彼の舞台での存在感にひきつけられました。

で、立ち役の、とくにきれいに顔をつくることもしていない意地悪な女官たちがお三輪を苛めます。けっこうしつこくて、うわあ、この方たち、玉様にこんなことして大丈夫かしら、という気持ちになってきます。

苛められても耐えていたお三輪ですが、とうとう怒りが爆発し、髪を振り乱し、恐ろしい形相になっていきます。その鮮やかな変化がぐわーっと胸に迫り、ゾクゾクしました。

そして再び松緑登場。派手な衣装で楽しませてくれた後、お三輪の死で幕切れとなります。文楽ではお三輪の血を使って入鹿を征伐するところまでやって、淡海は本懐を遂げるのですが、歌舞伎はそこまではやらないそうで、それだと淡海ってタイプの違う二人の美女に二股かける色男というだけじゃないですか。なんてことを思いつつ、歌舞伎座を後にした夜でした。

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