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「熱海殺人事件」@紀伊国屋ホール

Atami つかこうへいの代表作、「熱海殺人事件」を1982年まで演じていた風間杜夫、平田満(ドラマ「ごめんね青春」でも二人のシーンは楽しかった!)と、新感線のいのうえひでのりの演出で再演するというので、これは必見、とチケットをとりました。

パンフレットの上演史によると1973年初演、風間ー平田コンビは1980年から1982年。その後もバージョンを変えたりしてたびたび上演されていますが、なんといってもつかこうへいが大人気だったこの時代の印象が強いです。紀伊国屋ホールのつか作品は、小劇場に比べると高かったのでなかなか行けませんでしたが、当時たいへん話題になったので私も見ました。周りの友人もけっこう見ていて、とくに男子はしばらくウケた台詞を語り合っていたのを思い出します。

さて、久しぶりの紀伊国屋ホール、さすがに30年以上たつと椅子Kinokuniya_3が座りにくいのに驚きますが、壁のオブジェなど懐かしい!お客さんは当時を懐かしむ男性が多かったです。

大まかな設定以外ほとんど覚えていませんでしたが、いきなり大音量の音楽と気障ないでたちの部長刑事伝兵衛の風間さん。連日の舞台での早口長台詞のためか、少々声が枯れていましたが、エネルギッシュな演技はさすが。そこに富山から熊田刑事(平田さん)が転勤してきます。おー、平田さん、立ち姿は紳士然としていますが、朴訥ながらシンのある田舎の刑事。懐かしさ全開です。

Atami2伝兵衛の部下のハナ子につかさんの一人娘で元宝塚トップ娘役の愛原実花。姿勢や立ち居振る舞いがきれいすぎるのはヅカ的で、これまでの女優たちと比べてだいぶちがうのかもと思いましたが、声の張りや存在感はとってもよかったです。

そして熱海で女工を殺してしまった工員(中尾明憲)登場。坊主頭にへんな眉のメイクで、前半はもっと華のある事件にしろ、という刑事たちに翻弄されますが、劇中劇的に被害者アイ子(愛原実花)との関係が明らかになってきて…

前半はエキセントリックな伝兵衛と熊田の息の合ったやりとり。つい、ここで何がいいたいんだろうなんて考えてしまいますが、「ブスは生きてる資格ない」とか、富山(田舎)を小バカにした台詞は、当時テレビでもあまり言ってなくて新鮮だったし、たしかに若者たちは喜んでいたし、実際もっと笑えたような気がします(すいません、ちょっと眠くなっちゃいました)。

むしろ今回の芝居の盛り上がりは、中尾、愛原のシーン。中尾くん、体が柔らかくて動きがいちいち面白いのと、博多弁の台詞がうまくて、ほんとによかったです。素朴な彼に対して、愛想をつかすアイ子の愛原実花も、とってもはまっていました。

彼らのシーンって、つか氏的には、ありふれたシチュエーションにちょっとドラマを盛り込んで、伝兵衛・熊田の、それまでにない、その時代の若い人が見て面白い台詞をちりばめた部分との対比なのかな、と思いましたが、今の私なんかが見ると、前半の刺激にはもう麻痺してしまっていて、後半のベタなシーンの方が、若い役者の勢いが感じられてよかったと思います。

年をとってくると、ベタなというか、オーソドックスなモノの方が心地よくなるということなのか(歌舞伎みたいにね)、逆に同時代を意識しすぎたものに懐かしさよりは古さを感じてしまう、現役theater goer としての感想なのか、なーんて思ってしまいました。

ちょっと微妙な感想にみえますが、出演者4人、演出とも、意図するところは十分に表現されている、いい舞台だと思います。80年代につかこうへいにはまった方には損はないですよ。

ところで、上演史をみますと、1990年には塩見三省が、1991年から93年には、池田成志と山崎銀之丞が出演しています。濃い役者さんばかり。「あさが来た」で人気の親分銀之丞さん、つか氏に見込まれた実力派だったんですね。そりゃ短いシーンでも存在感がっつりなはずですね。

(追記)

パンフレットのスタッフの名前を見ていたら、ヘアメイクの宮内宏明さんの最近の仕事が出てまして、それが阿弖流為とワンピース!どちらもメイクが目立つのではなく、その役の説得性を増すような、その芝居の世界を深くするようなヘアメイクだと思ったんですが、同じ方だったとは。ちょっと検索しただけでも、新感線、メンフィス、おのれナポレオン、火のようにさみしい姉がいて、スパマロット、アリスインワンダーランドなどなど、私の見たたくさんのいい舞台で仕事をしている方なんですね。これから注目しようっと。

この熱海殺人事件でも、もともと衣装やセットに凝らない芝居だったと思うんですが、伝兵衛さんのアイメイクや金太郎のまゆげは印象的で、とくに金太郎はあのメイクと動きがあっていてよかったと思います。

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