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秀山祭九月大歌舞伎「伽羅先代萩-御殿・床下・対決・刃傷」

Sendaihagi九月秀山祭夜の部の伽羅先代萩の評判がよいので、幕見で御殿から見てみました。この演目、2013年の新歌舞伎座杮落、2014年の国立劇場通し狂言の2回、いずれも藤十郎さんの政岡でみていますが、今回は玉三郎様。「女形の最高の大役である」by5代目歌右衛門、という政岡です。松竹さんの特別ポスターの玉様と吉右衛門さんの立派なこと。

御殿は、初めて見る「飯炊き」の場面から。政岡と鶴千代君、千松の3人の長い場面で、あらすじを見たとき、茶道具でご飯を炊くなんてどうするのか、炊き上がったご飯を食べられるのか、と疑問だったのですが、丁寧に手順を追って、炊き上がりました(実際にそれに近い時間もたっているんです)。静かでちょっと眠いんですけど(あれ、いつお釜をセットしたのと思ったり)、3人の関係性をじっくり描きます。政岡は実子である千松に、厳しくも優しい母です。

そしてやっと栄御前(吉弥)、八汐(歌六)登場。八汐、憎らしいお顔の拵えです。普段立役の方が演じることが多いのでしょうか(私が見たのは梅玉、翫雀)、ちょっと線が太い感じ。けなげな千松君を、容赦なく殺める八汐。

(ここの台詞とか鶴千代君の動きとか、いわば台本が、藤十郎さんたちの上方流とはちがうんだそうですね。歌舞伎通には重大なちがいのようですが、そんなに詳しく覚えていないので、言われてみればああそうかという。渡辺保さんの批評など読むと、この場面で振り向くかどうかなどの所作の違いをきちんと踏まえて見ていらっしゃいますが、そういうのは本当に何度も見ていないと難しいですね。私の大雑把なお芝居の見方だとあまり気にならないというか、気にしなさすぎかもしれません。)

栄御前を送り出した政岡が、一人の母になって身も世もなく泣き果てます。義太夫(愛大夫さん)がたいへん感動的で、国立劇場とはまたちがった静かな激しさ。玉様すてき。幕見の4階席にも、すすり泣きの声が広がっていました。

打って変わって床下。松緑の男之助、吉右衛門の仁木弾正。吉右衛門さん、妖気たっぷりで、幕見席からは花道はすっぽんあたりまでしか見えないんですけど、近くから「大播磨!」のひときわ大きな掛け声が聞こえて、ものすごくワクワクしました。

休憩の後、対決の場。女形しかいない場から、男しかいない場に転換です。歌六さんが打って変わって誠実な老臣外記左衛門として弾正と対決します。細川勝元の染五郎、こんなによくしゃべる役でしたっけ。それに反応して細かい芝居をする弾正。

そして刃傷。弾正と外記左衛門の立ち回りが、ちょっとほほえましいです。しかしこのお芝居、床下の超人的な弾正と比較して、刃傷の場では弱すぎません?外記左衛門は、昔は鳴らした武士だったかもしれませんが、今やかなりのご老人なのに、彼にさえなかなか勝てません。

ともあれ、お家安泰となり、外記左衛門よかったね、とめでたしめでたし。3時間弱、たっぷり楽しませていただいて、満足の一夜でした。

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