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香川照之「市川中車―46歳の新参者」とドラマ「流星ワゴン」

Photo俳優として映画、TVドラマで高い評価を得ながら、46歳で初めて歌舞伎の世界に飛び込んだ香川照之の語りを書き起こした本で、初舞台の翌年2013年5月に発行された本です。

両親の離婚後、三代目猿之助ではなく母浜木綿子の元で育てられたのは知っていましたが、それが香川さんがわずか1歳のとき、父とは20代のとき1回会ったきりでまったく父を知らずに育ったんですね。

なぜ今更と言われながら、息子さん(團子)が生まれてから、親子で猿之助の家である澤瀉屋に帰るべく奮闘する様子が克明に描かれています。人から言われるまでもなく、歌舞伎の基礎がないことがどういうことかは、優れた俳優である自身がいちばんわかっていて、なりふりかまわず一生懸命です。その過程での歌舞伎のセリフ回しや化粧、口上等の話は、歌舞伎の裏側として楽しめます。

再会し、襲名を受け入れ指導してくれた猿翁は、一流の歌舞伎役者、演出者だとわかります。舞台に立つ息子を、病とたたかう父は、懸命に支えます。偉大な父とやはり優れた役者である従兄弟の四代目猿之助と接するにつれ、さらに家の血を意識する香川照之。

中車を温かく支援する團十郎、勘三郎や、右近ら澤瀉屋一門の様子もじんときます。團十郎さんや勘三郎さんは、歌舞伎界のことを思って人のめんどうをみる余裕もあるし、発言力もあったんだろうなあと、彼らの早すぎる死が改めて惜しまれます。そして、三津五郎さんも親身にアドバイスしてくれたそうです。ドラマにも出ていて、歌舞伎を論理的に説明できる三津五郎さんの死は、やはりほんとうに残念です。

そうやって奮闘した舞台の出来は、松原耕二さんのブログ などをみてもなかなかのものだったようです。

後半は、精神的な教育がなかった母の家庭や、俳優という職業にありがちな「勘違い」をする人々を否定する文章が続きますが、ご本人的には、本来すべきであったことがやっとかなった気負いということでしょう。

さて、その香川照之が出ている日曜夜の「流星ワゴン」 。重松清の原作は読んだはずなんですが、ワゴン車に乗って過去に行くというところしか覚えていません。香川照之は、ポロシャツをズボンに入れたダサいおじさんスタイルで広島弁でわめいていますが、板につきすぎて都心のお坊ちゃん学校育ちにはとても見えません。主人公西島秀俊の境遇がけっこう悲惨で重いんですが、ついつい見てしまいます。

この日曜劇場、「南極大陸」、「半沢直樹」、「ルーズヴェルトゲーム」と香川照之はいろんな役で出ずっぱり、そして後になるほど、演技が歌舞伎がかってきてまして、これから私、この枠を「中車劇場」と呼ぶことにいたします。はは。

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