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八月納涼歌舞伎第三部「江戸みやげ狐狸狐狸ばなし」「棒しばり」

Korikori2度目の歌舞伎座です。前回は、開演ギリギリに駆け込んで、終演後速攻で帰ったんですが、今回は少し時間があったので、歌舞伎座タワーの屋上庭園を見た後、「アド街ック天国」で紹介されていた木挽き町の「YOU」のオムライス(バターの風味たっぷりのオムレツがとってもおいしかった!)をいただき、木挽き町広場の歌舞伎揚げのついた揚巻ソフトクリームもいただいてから、席につきました。木挽き町広場、お土産物屋もたくさんあって、天気に関わらずゆっくり開場までの時間を過ごすことができていいですね。しかも地下鉄の東銀座駅直結ですし。休憩には、3階のお土産屋さんを一回りして(試食もいただいて)、コーヒー休憩。中に椅子がすくないのがやや不便です。

さて、歌舞伎本題です。勘三郎のシネマ歌舞伎から歌舞伎に入った私、八月納涼歌舞伎の「狐狸狐狸ばなし」は、中村組のオールスターのコメディで、たいへん楽しい演目でした。昭和36年、森繁久弥と山田五十鈴での初演ですから、セリフにも構成にも無理がなく、艶笑譚なところもあって、大人がただそのまま笑えばいいお話です。

女郎あがりのおきわ(七之助)は、生臭坊主の重善(橋之助)と浮気していますが、重善は最近金持ちの娘おそめ(亀蔵、かなり不気味)ともつきあっています。おきわは夫である上方の元女形の伊之助(扇雀)には愛想がつきていて、重善にそそのかされて伊之助を毒殺してしまいます。ところが伊之助の幽霊が現れて…。

あらすじ読んだら複雑かなと思ったんですが、全然そんなことはなくて、素直に面白い!私は中村組で、ぎゃんぎゃん大騒ぎする女形の扇雀さんいいなあと思ってたんですが、このお話では、立役ながらその面影があって、うふふ、と思います。七之助もお嬢さんを脱した、したたかで酒好き、男好きなおきわだし、橋之助とのずぶずぶな感じがいい。扇雀さんって、私から見ると男盛りで魅力的だし、「あんさん人肌(の燗)が好きやろ」なんていってかいがいしく給仕してくれるところなんて優しくて、なんでおきわはそんなに伊之助を嫌うのさ、って思うんですが、最初に重善との腐れ縁が十分描かれているので、かろうじて説得力があるんですね。牛娘の亀蔵さんも、期待通りの怪演!とくに最後の方の頭巾をかぶった顔の大きさといったら!勘九郎の頭の弱い又市も達者でした。

お囃子のパーカッションもすごく調子よくて、聴き惚れてしまいます。歌舞伎のこの生の邦楽はすばらしいですね。能楽よりもストイックでなくただ楽しいです。

納涼歌舞伎なだけあって、怪談の要素もあっていいんですけど、このお芝居、唯一残念なのは、暗転が多くてその時間が長いこと。今どきの芝居はだいたい舞台転換がスピーディなので、そんなに律儀に背景変えなくていいのにと思っちゃいます。広い歌舞伎座の横幅いっぱいの背景、役者がいいんだからそんなにいらないのにな。それがなければ、もっとガハガハ笑い続けられたのに、と思います。

2つめは「棒しばり」。大名の彌十郎は、留守中に酒を飲まれないように、次郎冠者(三津五郎)を棒にしばり、太郎冠者(勘九郎)を後ろ手に縛って出掛けます。ところが二人は協力して酒ぐらに入り込んで酔っ払った上に楽しく舞います。そこに大名が帰ってきて。

三津五郎さんは、武士の風情があって、殺陣もうまいので、棒の扱いは見事です。二人の冠者の身体能力と(足遣いがすごい!)、なんともいえないおかしみとで、ぐいぐい引き込まれて、本当に面白かった!体重を感じさせない足音のない部分と、和製タップダンスのような部分との対比もすばらしい。

歌舞伎ドラマ「ぴんとこな」第3話でも、若い二人が「棒しばり」やってましたが、ドラマでは次郎冠者に観客の目が釘付けになるという展開なんですけど、実際にみると、二人のどちらかに目が行くなんてことないし、そうなったら失敗だと思いますけどね。

棒しばりの最後はたいへん楽しい雰囲気で終わってくれまして、歌舞伎の終演時のこの満足感、ほんとに観客の楽しませ方を知っているなあと思いました。二つの演目で、役者さんがあまりに美味しそうにお酒を飲むので、帰途、早く家で飲みたいな、なんて思っちゃいました。

ところで、今回、直前に空いてた二等席だったんですが、周りの方がセリフにかぶるように大きな声でしゃべったり、ポリ袋ものすごくガサガサさせて飲み物飲んだり、イヤホンガイドの音がかなり漏れたり(セリフがわかりやすいから外したりしてたんでしょうか)、ちょっとつらかったです。ミュージカルだったら、どんなに直前までおしゃべりしてる人でも始まれば静かに見てるのになー。歌舞伎は拍手のタイミングなど、むしろ観客は慣れてる部分もあるんですけど、おしゃべりなどがいちばんひどいような気がします。昔の芝居小屋を思えば覚悟しなくちゃとも思うけど、でも、チケット安くないのになーとも、どうしても思っちゃいますね。

(追記)

二部の「髪結新三」も評判のよかった三津五郎さん、なんと膵臓腫瘍がみつかっていたとのことで、9月は休演して療養されることが発表されました。この1年、ストレスやプレッシャーもおありだったのでしょうか。それこそこれからの歌舞伎を担う大事な方、一日も早いご快癒をお祈りいたします。

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