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杮葺落五月大歌舞伎(その1)第1部「鶴亀」「寺子屋」「三人吉三」

Cimg0629新歌舞伎座の杮葺落公演に行ってまいりました。NHK特集で緞帳や舞台、屋根瓦などのできるようすを見た後だったので、日本のものづくりの方々が精魂こめて作った場所だなあと思うと、それだけでも感慨深かったです。ロビーには、松園や深水など、誰でも知っている日本画の巨匠たちの大きな作品が飾られており、さらに特別なんだなあと思いました。幕間には4枚の緞帳の紹介があり、日本画家の下絵をもとに、龍村美術、川島織物等が競って織り上げた作品もゆっくり見ることができました。

さて、第1部です。最初は「鶴亀」という皇帝、鶴と亀、従者4人によるおめでたい舞踊劇。日本舞踊にとんと素養がなくて、見方がよくわからないのですが、亀の橋之助のキレのある動きが、ステキ。皇帝の梅玉の威厳あるたたずまいも印象的でした。

2つめは「寺子屋」。武部源蔵は、寺子屋の先生ですが、子どもたちの中に、配流された菅丞相の息子菅秀才をかくまっています。ところが管秀才を討てとの命令を受け、やむなく身替りに、今日入門したばかりの子供の首を討って、首実検にやって来た松王丸に差し出します。松王丸が確かに管秀才だと認めたその子は、今は敵方に仕えているものの、菅丞相への忠信を捨てがたい松王丸が、身代わりとするよう息子の小太郎を差し向けたのでした。母千代、松王丸が戻ってきて、ことの次第を話し、小太郎の立派な最期をきいて涙にくれます。

源蔵(三津五郎)は、武家の所作がきりっとしていてさすが。妻戸浪の福助も夫についていく妻をしっとり演じます。子どもたちがたいへんかわいらしく、ひとりひとり親たちに引き取られていくところはユーモラス。すべての子どもが去ってからは、一転、緊張感が舞台を支配します。首実検をしたときの松王丸(幸四郎)の心の動き。わが子を身代りに差し出すなんて、状況としては荒唐無稽なんですが、わが子の最期の様子をきく松王丸、千代に、泣けてしまいました。

歌舞伎座の中で買ったおいしい幕の内弁当をいただいて、3つ目は「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」。 美しい娘姿(実は男)の盗賊、お嬢吉三(菊五郎)と、お坊吉三(仁左衛門)和尚吉三(幸四郎)の三人の悪の吉三が義兄弟の契りを交わすお話。ほんとはもっと長い話ですが、夜鷹のおとせ(梅枝)との出会いと契りまでの短いバージョンです。梅枝がすっとしてキレイだったのもよかったのですが、この、3人の役者が揃うだけで見応えがあります。私が最近よく見てる「あらすじで読む名作歌舞伎50」(2004年出版)の頃からみても、菊五郎さん、貫禄付きすぎなんですが、艶があって、体格はいいけれど山田五十鈴みたいな魅力があってさすがです。仁左衛門、幸四郎のお二人は、もうお年が嘘みたいな若々しい色男ぶりで、3人並ぶといいようもない華やかさというか、杮落しのめでたさが感じられて、先ほどの寺子屋の悲しい終わりがうそのように高揚した気持ちになりました。

このカタルシス、さすが庶民の娯楽の王道だっただけありますね。

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