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「ミス・サイゴン」新演出@青山劇場

Sigon 市村正親さんが四季をやめてからずっとエンジニア役をやっている、かの「ミス・サイゴン」を初めて見ました。後から知ったのですが、新演出ということで、今まで上演する劇場に制約があったほどの実物大ヘリコプターが映像になり、リアルで細やかな演技となった、ということです(初めてなのでわかりませんけど)。

一応クレジットは市村さんが最初ですが、どちらかというと魅力的な脇役という感じで、お話は「蝶々夫人」のベトナム戦争版、というか、最近NHKドラマで宮崎あおいがやっていた「蝶々さん」のお話とそっくりでした。

実は痛恨なことに、ちょっと開演に遅れてしまい、アメリカ兵クリスとキムの出会いをみそこなったので、初めから二人は愛し合っていました(!) セリフがほとんどなく、すべて歌で進行していきますが、曲もいいし、キャストもみなさん熱演で、緊張感がだれずに、あっという間に時間が過ぎて行きました。

1幕で、あっさり別れたキムとクリスですが、2幕の回想シーンで、必死のキムとクリスの姿が描かれます。それを見たうえで、キムと現在のクリスの妻エレンとの対面、クリスはやっぱりこのエレンと生きていかなくてはいけないだろうと、悲劇の結末を予感させます。

「蝶々さん」もだぶって、こうなるのはやむをえないだろうと思いつつも、蝶々夫人よりももっとクリスと過ごした日々が短いキムはほんとにかわいそう。アメリカには行けないであろうエンジニアの運命もあいまって、悲しい最後です。

市川さんはさすが、セリフの極端に少ない中でも、おかしみと希望と人の良さに溢れたエンジニアで、観客への語りかけがあってうれしいです。キムの笹本玲奈は、私はものすごく期待している人なんですが、前半はちょっと物足りない感じでした。動きが多く、力の入った曲(やや似た曲)が多いので、たいへんな役だと思いますが、後半は声もよく伸びてた気がします。もっとできる、あなた。

クリスの山崎育三郎さん、初めてみましたが、声もルックスも力がはいった感じでよかったです。ジョンの岡幸三郎さんも2幕最初の歌がすごくよかった(この方、私が見た「タイタニック」に出てたようですね)。新演出でソロの歌が増えた元四季のエレン役木村花代さんも、クリスを包み込む愛情と、キムの子どもを受け入れる優しさがあって、歌も素敵でした。

子ども役は、たぶん4歳くらいだと思いますが、出てきた直後に、けっこう恐ろしげなアンサンブルの歌の前で立っていなくちゃいけなくて、普通の男の子じゃ無理だなあと思ってみてました。なんにも考えずにフラフラしている年頃の子が、お仕事として立ったり抱かれたり毎日しているのはたいへん。ところで、小さいお子さんのいる市村さん、子どもの扱いには慣れているのか、抱き方が大胆だけど安定感があるな、と感心してしまいました。

と、全体にレベルの高い、青山劇場らしいミュージカルではあったんですけど、どうしようもないということはわかってて言うと、これ、日本人だけでやるのはやっぱり無理があるんじゃないですかね。見るからにアメリカ兵と、東洋人の美女の話じゃないと。キムに求婚するベトナム人のトゥイも、かっこよすぎて、クリスと区別がつかないんですよね。

(すいません、実力だけじゃなくて人種や外見もその役に本当に合ったキャストを選ぶことができるブロードウェイにかぶれてます。外国モノがすべてだめなのではなく、人種や民族のちがいがここまで物語のキーでなければいいんですが。)

一方、このミュージカル、一途なキムと苦悩するクリス、悲劇の結末、熱唱型の歌、と、何だか日本人向けの要素がいっぱいではあり、日本で大成功をおさめているのも事実です。それに、エンジニアの市村さんはとっても楽しそうで、彼が劇団四季をやめて初めて演じた記念すべき役でもあるエンジニアを見られたことはよかったです。

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